Weekend Mathematics/コロキウム室/1998.1〜6/NO.12
NO.68 4/1 Junko ボ−リング配列の問題(2)
おもしろい問題ですね。さっそくトライ! 下からせめていくのがコツですね。
E I @ G G I @ E C H F A H D D A F C B B
NO.69 4/1 水の流れ 星の問題(3)
コロキウム室のNO.21の
問題を娘が見て、今学校でやっている子供がいるよとのこと。
じゃあ−、3本の直線の場合は星形に最大何個の三角形が
作れるのかと聞いてきました。
どなたか、一緒に考えてください、お願いします。
NO.70 4/2 MK142857 オイラーの多面体の定理(2)
今晩は。
この前は、オイラーの多面体の定理について
教えて下さいまして有り難うございました。
この定理を用いると、
正多面体が5種類しか存在しないことを証明できる
ことは知っていたのですが、
他にもいろいろな問題に応用できることが分かりました。
例えば、次の問題でも面白い解法を見つけたので紹介します。
問題の出典は、
「パズルより面白い中学入試の算数」で、
文章の表現は少し変えてあります。
問題
nを自然数とします。
マッチ棒を並べて一辺の長さがマッチ棒のn倍の正方形を作り、
その正方形をマッチ棒を用いて、
一辺の長さがマッチ棒一本分の正方形に分割するとき、
必要なマッチ棒の本数をnで表して下さい。
例えば、n=1,2,3のときには、
必要なマッチ棒の本数は順に、
4本、12本、24本となります。
まず、普通の解き方を書きます。
縦向きのマッチ棒は、1列にn本あり、
それがn+1列並んでいるため、その数
は、n(n+1)本。
横向きのマッチ棒の本数も同じなので、
合計では、2n(n+1)本となります。
次に、オイラーの多面体の定理に関する知識を
用いた解法を書きます。
与えられた図形の頂点の数と四角形の数はそれぞれ
(n+1)2,n2
となるので、求めるマッチ棒の数をxとすると、
(n+1)2−x+n2=1
従って、x=2n(n+1)となり、
先ほどの結果と一致します。
数学はいろいろな考え方ができておもしろいですね。
NO.71 4/2 MK142857 オリンピック予選問題
ところで、ずっと前に出題された問題
(1997年日本数学オリンピック予選の問題)のことを
すっかりわすれていてごめんなさい。
並んでいる自然数をひとつ毎に消す問題ですが、
僕は、次のように解きました。
1からnまでの自然数を問題文のように消したとき、
最後に残る数をf(n)で表します。
このとき、次の等式が任意の自然数nに対して
成立することを示します。
f(2n)=f(2n−1)=2n−2f(n)+1
1から2nまでの自然数を問題文のように消してゆくときの
ことを考えます。
2nが消されたとき、残りの自然数の個数はnで、
残りの自然数のうち、
右から2番目の数から操作が続けられます。
このため、最後に残る数は、
残りの自然数のうちの右から2f(n)番目の数で、
これは、もともとあった2n個の自然数のうち
左から数えて2n−2f(n)+1番目の数、
つまり2n−2f(n)+1となります。
従って、
f(2n)=2n−2f(n)+1
が成り立ち、同様に、
f(2n−1)=2n−2f(n)+1
が成り立つことも確かめられるので、
f(2n)=f(2n−1)=2n−2f(n)+1
が成立することがわかります。
f(7)=3が与えられているので、 f(8)=f(7)=3となり、649という答えを出しましたが、合っていますか。 また、もっとエレガントに解く方法もあるのでしょうか。
f(16)=16−2f(8)+1 =11 f(32)=32−2f(16)+1 =21 f(63)=64−2f(32)+1 =43 f(125)=126−2f(63)+1 =41 f(250)=250−2f(125)+1 =169 f(500)=500−2f(250)+1 =163 f(999)=1000−2f(500)+1 =675 f(1997)=1998−2f(999)+1 =649
NO.72 4/2 MK142857 プレゼントの問題(1)
僕は、数学オリンピックに出てみようと思って、
この前、英才セミナーを受けてみました。
その時に出た問題の中で、面白い問題があったので送ります。
問題
あるパーティーに参加する6人の友達が各自1つずつ
用意したプレゼントを交換し合うことになりました。
このとき、自分自身の用意したプレゼントをもらう人が
1人もいないようなプレゼント交換のし方は、
何通りあるでしょうか。
NO.73 4/3 Junko オイラーの多面体の定理(3)
マッチ棒の数を数える問題ですが、
普通は前者のように考えて答えがでますから、
もうそれ以上、深く考えることはしないですね。
でも別解、違った方向からのアプロ−チを試みるのは
楽しいものです。
それがぴたっとはまる、
ジグソ−パズルの最後の1ピ−スをはめこむように、
と最高の気分ですよね。
数学というものの神秘を感じる瞬間でもあります。
「柔軟性のある応用力をつけるには、
別解をたくさん研究することだ!」
と授業の中で生徒にも言っています。
このマッチ棒の問題にオイラ−の多面体の公式を
当てはめるなんて、アイディアですよね、さすが。
NO.74 4/3 Junko プレゼントの問題(2)
N人でプレゼントを交換し合うとします。
自分自身の用意したプレゼントをもらう人が
1人もいないようなプレゼント交換のし方が、
f(N)通りあるとします。
f(6)の値を求めればいいわけです。
N=2から順番に考えてみました。
それぞれの人数で単独の仲間はずれが出ないように
チェ−ンを作る(手をつないで輪を作る)にはどうしたらよいか
と考えました。
(注1)Nの階乗
N!=N×(N−1)×(N−2)×・・・×3×2×1
(注2)円順列について
従って、f(4)=3+6=9
従って、f(5)=20+24=44
従って、f(6)=15+40+90+120=265
NO.75 4/3 みかん プレゼントの問題(3)
べつかい、別かい? 別解
6人がプレゼントをする全ての場合は6!=720通り
NO.76 4/4 水の流れ プレゼントの問題(4)
MK142857さんのプレゼント問題ですが、
これは「完全順列」または、モンモール問題と
言いまして、一般にn人の場合のときまで、考えられます。
ご存じとは思いますが、n人について、
1人も自分自身の用意したプレゼントをもらわない方法を、
f(n)とすると、
f(1)=0,f(2)=1で、
漸化式:f(n)=(n-1){f(n-2)+f(n-1)}で、表現できています。
私自身教員7年目のとき、知ってそれ以来、
機会あることに教えています。
だから、f(3)=2(0+1)=2,f(4)=3(1+2)=9,f(5)=4(3+9)=44
f(6)=5(9+44)=265通りです。
また、j人だけが自分のプレゼントをもらう場合も、
考えられます。
(j=0,1,2,3,・・・,n) だから、
n=6,j=0のときが出題されたことになります。
さらに、n人とも自分自身のプレゼントをもらわない確率
は1/e(eは超越数)約36.8%位(訂正)です。
これは、関数eのx乗のマクロニー展開で証明されます。
私の場合は、席替えのとき、少なくとも1人以上の人が、
前と同じ席になる確率は約63%くらいあるのだから、
我慢しなさい。と言って生徒にはよく話します。
NO.77 4/4 みかん プレゼントの問題(5)
NO.76に、
「また、j人だけが自分のプレゼントをもらう場合も、
考えられます。(j=0,1,2,3,・・・,n)
だから、n=6 ,j=0のときが出題されたことになります。」
とありますが、それではn とj の入った場合はどうなるのでしょうか。
NO.78 4/4 Junko プレゼントの問題(6)
n人でプレゼントを交換し合うとします。
自分自身の用意したプレゼントをもらう人が
1人もいないようなプレゼント交換の仕方が、
f(n)通りあるとします。
またn人のうち、j人だけが自分自身のプレゼントを
もらう場合の交換の仕方が、g(n,j)通りあるとします。
このg(n,j)について考えます。
n人のうち、自分自身のプレゼントを
もらうj人を選びます。
これが、nCj通り。
残った(n−j)人については、
自分自身の用意したプレゼントをもらう人が
1人もいないような交換の仕方をするわけですから、
f(n−j)通り
従って、
g(n,j)=nCj×f(n−j)
ではないでしょうか。
特に、g(n,0)=nC0×f(n−0) =f(n)となります。
NO.79 4/6 Junko プレゼントの問題(7)
ところで、
漸化式:f(n)=(n-1){f(n-2)+f(n-1)}
で表現できるのはなぜなのでしょうか?
さらに、これを解いて一般項を求められるのでしょうか?
NO.80 4/6 水の流れ 愛(?)のある問題
iは虚数単位とします。
iをi乗したら、いくつになりますか。
れっきとした実数となるよ。
NO.81 4/8 水の流れ プレゼントの問題(8)
小島先生 こんにちわ
g(n、j)の値を表にしました。
20年前、この表を作って、有頂天になって、
黒板に書いた思いでがあります。
n\j | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 0 | 1 | 1 | ||||||
2 | 1 | 0 | 1 | 2 | |||||
3 | 2 | 3 | 0 | 1 | 6 | ||||
4 | 9 | 8 | 6 | 0 | 1 | 24 | |||
5 | 44 | 45 | 20 | 10 | 0 | 1 | 120 | ||
6 | 265 | 264 | 135 | 40 | 15 | 0 | 1 | 720 | |
7 | 1854 | 1855 | 924 | 315 | 70 | 21 | 0 | 1 | 5040 |
8 |
NO.82 4/9 MK142857 プレゼントの問題(9)
今晩は。僕の解き方を紹介します。
友達の人数がn人のときのプレゼント交換のし方の数をf(n)で表します。
n=1のときには、題意を満たすプレゼント交換はできないので、f(1)=0。
また、n=2のときには、2人の友達が互いに他のプレゼントをもらう場合しかないので、f(2)=1。
次に友達の人数が(n+2)人のときについて考えます。
(n+2)人の友達をそれぞれ
A1、A2、A3・・・・ An+2で表します。
A1がA2のプレゼントをもらう場合の数の
n+1倍がf(n+2)となるので
A1がA2のプレゼントをもらう場合を考えます。
(1)の両辺から(n+2)f(n+1)引くと、
f(n+2)−(n+2)f(n+1)=−{f(n+1)−(n+1)f(n)}
また、f(2)−2f(1)=1
これより、数列{ f(n+1)−(n+1)f(n)}は、
初項が1、項比が−1の等比数列となり、
f(n+1)−(n+1)f(n)=(−1)(n−1)
即ち、
f(n+1)=(n+1)f(n)+(−1)(n−1)
従って、数列はf(n)漸化式
f(1)=0、f(n+1)=(n+1)f(n)+(−1)(n−1)・・・(2)
によって定まる数列とも言えるわけで、
この式を利用した方が、計算が簡単になります。
また、最近分かったことですが、nの値を限りなく大きくしていくと、
n人がプレゼント交換をしたときに全員が
他の人のプレゼントをもらう確率は限りなく
1/e=0,367879441・・・に近づきます。
完全順列に関する面白い問題をもう一つ作ったので紹介します。
問題
A君は、あるテストの問題を考えています。
その問題は、5つの空欄のあ
る文章の空欄に入る語句を5つの選択肢の中から選んで答える問題です。
問題には、同じ語句を二度以上用いてはならない、
と書いてあるため、5つの空欄には、
全て異なる語句が入ることになります。
A君は、ちっとも勉強していなかったため、
直感で答えを書くしかありませんが、次の2つの方法のうち、
どちらの書き方をした方が得でしょうか。