NO.1855 三角形の9分割(2) 2010.5.29. 夜ふかしのつらいおじさん
(1)
四角形ABCDの各辺の中点をつなぎます。
中点連結定理から、
PS//AC//QR
2PS=AC=2QR
(PSとQRが平行で長さが等しい)
よって、四角形PQRSは平行四辺形です。
ACとPQ、SRの交点をそれぞれX、Yとすれば、
面積について、
2□PXYS=△DAC ・・・ (T)
□PXYS=2△DPS
よって、
△APX+△CSY=△DPS
同様に、
2□QXYR=△BCA ・・・ (U)
□QXYR=2△BQR
よって、
△AQX+△CRY=△BQR
(T)と(U)の辺々を加えると、
2□PQRS=□ABCD
(つまり、平行四辺形はもとの四角形の半分の面積)
また、
2(△DPS+△BQR)=2(△APQ+△CRS)=□PQRS
(つまり、赤の和と青の和が等しく、黄緑の半分)
(2)
四角形の各辺を3等分する。
図の三角形の面積を、それぞれ(あ)、(い)、(う)、(え)とする。
あ+い=2う
う+え=2い
辺々たすと、
あ+え=う+い
(青の和は、中央の四角形と同じ面積)
同様に、次の図で、
か+け=く+き
(薄青の和も、中央の四角形と同じ面積)
(3)ここで、緑と黄色の三角形に換算して個数を数えます。
上の左の図で
緑 | 4個 |
|
薄い灰色は緑に換算して | 2個 |
|
黄色 | 4個 |
|
濃い灰色は黄色に換算して | 2個 |
|
(あ)と(え)は、緑 | 1個 |
|
黄色 | 1個 |
|
上の左の白の部分は緑 | 2個 |
|
黄色 | 2個 |
|
緑 合計 | 9個 |
|
---|
黄色 合計 | 9個 |
|
---|
NO.1854 電磁気学Minimum-7(Maxwellの方程式の再整理) 2010.5.29. DDT
以後、NO.1744 ベクトル解析Minimum(1),
NO.1749 ベクトル解析Minimum(2),
NO.1752 ベクトル解析Minimum(3),
NO.1757 ベクトル解析Minimum(4)の式は、無条件に使います。
題は、電磁気学Minimum-7なのですが、話はNO.1772 電磁気学Minimum-4(磁気現象) まで戻ります。というのは、Minimum-4で、スカラーポテンシャルの波動方程式を落とす、という大チョンボをやったからです。
Minimum-4は、電場E,磁束B,ベクトルポテンシャルA,スカラーポテンシャルφの混じったMaxwell方程式から、Aとφのみの波動方程式を導く事が目的だったのですが、E,B,A,φの混じった形というのは、じつは標準的なMaxwell方程式の書き方ではありません。そうなった理由は、Minimum-1〜6では、どちらかと言うと数学寄りの話をするために、最初からAとφを前面に出したからです。
標準的な書き方でMaxwell方程式は、電場E,磁場H,電束D(ここでの用語では電気変位),磁束Bで書かれます。それをあげると、
となります。jは電流密度,ρは電荷密度です。HとB,EとDの関係は以下です。
ここに、
ε0:真空の誘電率
μ0:真空の透磁率
物理的に測定できるのは、ベクトルポテンシャルA,スカラーポテンシャルφではなく、磁場H(B)と電場E(D)の方です。従って実験事実(とその一般化)に忠実にMaxwell方程式を書くなら、(M-1)〜(M-4)という事になります。前回までは実験事実に忠実である事を怠ったために、(M-2)と(M-4)の物理的意味づけが不明確で、そのためにMinimum-4において、スカラーポテンシャルの波動方程式を落とす、という大チョンボをしでかしました。
1.Maxwell方程式の第1の組
まず(M-1)と(M-2)を、Maxwell方程式の第1の組と呼びます。(M-2)は、静磁気現象において、単独の磁荷は存在しないという、静磁場に関するCoulombの実験事実の一般化です。
静磁場に関する実験事実の一般化というのは、(M-1)から明らかなように、時間的に変動する磁束に対しても、これが要求されているからです。(M-2)は結局、時間的に変動する磁束に対しても、実験的に確認されます。なのでMinimum-2でやったように、磁束Bを、ベクトルポテンシャルAを用いて、
(1)
と定義するのは結果的には正しいのですが、測定できるのはB(H)のみだという物理的状況を考えると、これは論理的順序が逆です。というのは、定義(1)を受け入れると数学的には、磁束Bには、
という拘束条件が付くからです。これを、「(M-2)と同じだからどうでも良いじゃないか」と思うのは、安易すぎる気がします(← 前回までの自分)。
物理的な事態は逆です。測定できるのはB(H)のみという物理的事態とまともに向き合うなら、
(M-2)をMaxwellの方程式の中に明記するのは当然.
となります。そして、逆に(M-2)がベクトルポテンシャル導入の動機付け、です。実験が(M-2)を支持するから(1)なのだ、というのが本筋と思えます。
(1)のもとに、(M-1)は次のように変形できます。
(2)
ここにφは、任意のスカラーポテンシャルで、rot×∇=0を使っています。
2.Maxwell方程式の第2の組
(M-3)と(M-4)を、Maxwell方程式の第2の組と呼びます。(M-4)は、静電場に関するCoulombの実験事実の一般化です。
静電場に関する実験事実の一般化というのは、(M-3)から明らかなように、時間的に変動する電束に対しても、これが要求されているからです。時間的に変動する電束に対しても実験的に確認されたという点では、(M-4)も(M-2)と同じですが、(M-3)の導出という理論の発展過程の文脈において、(M-4)は(M-2)よりもずっと強い物理的要請になっていました。にも関わらず、Minimum-4で(M-4)を無視したのは、結果的にも正しくないです。
(M-3)の導出の文脈とは、次の経緯です。当初Ampareの法則(M-3)は、次の形で得られていました。
(1):Biot-Savartの実験より直接得られるAmpareの法則
ここでjは定常電流であり、電場E(D)の時間的変化はありません。両辺のdivをとると、
が得られます。
これと電荷の保存則、
(2):電荷の保存則
を比べると、
(3)
という結論が出ます。jが定常電流の場合は静電場で、当然電荷密度ρも時間的に変化しないので、(3)は妥当な結論です。しかし時間的に変動する電場の場合、∂ρ/∂t=0とは限らないので、Ampareの法則の原形(1)は、時間的に変動する電場において、電荷の保存則(2)を破る事になります。(2)と整合するように(1)を拡張したのが、Maxwellです。
何故(2)を守る方向なのかと言えば、ベクトル解析-1でやったように、(2)は流量保存則なので流体力学においても同様な式が得られ、物理的状況に関わらず成り立つ、一種の数学的恒等式とみなせます。Minimum-4でも同じ趣旨の事を言いましたが、これは正しかったと思います。
(2)を守るように(1)を拡張するとすれば、次のような関係になります。div・rot×=0は恒等式なので、
が必要です。∂ρ/∂tを左辺へ移項し、
(4)
となりますが、ここで(M-4)が登場します。(M-4)は当初静電場から得られた実験事実でしたが、これが時間変動する電場でも成り立つと要請します。(M-4)を(4)に代入すれば、
となり、
から、
(M-3)
が必要である事を導けます。この経緯からして、(M-4)を落とす事は出来なかったはずなのですが、Minimum-4では、ベクトルポテンシャルAで書かれた(M-1)と(M-3)とから(M-4)を導けるとして、Maxwell方程式から(M-4)を除外しました((M-2)については、最初から除外されていた)。物理的意味からすると、早合点もいいところです。
以下その早合点です。
静電場は電場単独の現象なので、1.(2)でA=0とできます。
(5)
となり、スカラーポテンシャルで書かれた静電場の定義が出てきます。またAmpareの法則(M-3),電荷保存則(2)と1.(2)を組み合わせると、
(6)
となって、ここでもA=0とすれば、
(7)
となり、静電場のスカラーポテンシャルで書かれたCoulombの法則が得られます。
(5)と(7)に、電束の定義(M-6)を使うと、次の(8)が出ます。
(8)
(8)は(M-4)と同じ形をしていますが、あくまで静電場の場合です。時間変動する電場でも(8)であると、保証するものではありません。にも関わらず、(M-4)をMaxwellの方程式系から除外しました。
この意識の低さは、結局(M-2)を除外したのと同じで、論理的順序が逆です。測定できるのはE(D)のみという物理的事態とまともに向き合うなら、
(M-4)をMaxwellの方程式の中に明記するのは当然.
とは、言うまでもない事になります。マスターもしていないのにAとφから出発するのは、やはり、やり方として間違った方向だったと思います(プロはやっても大丈夫でしょうが)。物理では数学以上に、現実との対応が厳しい、という当然の結果でした・・・。
では(5),(7),(8)は無意味だったのでしょうか?。いちおう無意味ではなかった、と思っています。というのは、静電場のCoulombの法則,Faradayの法則,Ampareの法則は独立に得られた結果で、後の2つが最初のと整合するかは、やってみるまでわかりません。もちろんやっても矛盾しないから、こんな事はどんな本にも載ってないわけですが、矛盾しない事が確認された時点で、静電場のCoulombの法則は捨てる事ができたのだと思えます。ただし、時間変動する電場のCoulombの法則まで捨てられるわけではありません(← ここで間違った!)。
しかし逆の事態もあり得たわけです。例えば、1.(2)と(6)、
から(8)が導かれてしまったら、時間変動する電場のCoulombの法則も捨てて良い事になります。もちろん捨てられないから、逆にどんな本にも(M-4)は載ってるのですが、理由が必要です。というのは物理では、一部の式を眺めただけでは、それが本当に法則に必要かどうかの決定打にならないからです。例えば、1.(2)と(6)から(8)を導くような、数学的仮定を追加する事は簡単に出来ます。そしてその数学的仮定が正しいかは、実験を持つなどという事をやっていたら、木を見て森を見ない事態になります。つまり、法則が閉じているかどうかを判定する必要があります。この話もMinimum-4では落ちていましたが、ここは数学の出番です。
3.Maxwell方程式は閉じている
Maxwell方程式の系を再記します。
話の見通しを良くするために、(M-1)と(M-3)のdivを取ります。div・rot×=0に注意すると、(M-2)からは、
(1)
となります。ただしdiv・と∂/∂tが交換できる事を使いました。同様に(M-3)から、
が得られ、電荷の保存則2.(2)よりdiv・jを、∂ρ/∂tにおきかえると、
(2)
を得ます。
次に、法則が閉じているとは、法則を表わす方程式系から、法則を表わす物理量を全て決定できる、という意味です。例えば古典力学のNewtonの運動方程式なら、mを質量,rを粒子の変位ベクトル,Fを保存力として、
(3)
です。物理量は3次元ベクトルrで、3個の時間の未知関数を決定する必要がありますが、(3)は3次元のベクトル方程式で、3個の2階常微分方程式を表わすので、初期条件を除き、3個の未知関数を完全に決定するのがわかります。ここで初期条件の不定性は本質的ではありません。
例えば放物運動を考えた時、想定した初期時刻における初期条件を使っても、放物線の途中の時点における(位置,速度)を初期条件としても、結局同じ放物線が得られます。このように結果を変えずに、人間の恣意性によってどうとでもなる条件は、法則が閉じる/閉じないと無関係と考えられます。結果である変位ベクトルrが変わらないからです。
(M-1)〜(M-4)において物理量は、電場Eと磁場Hです。電束Dと磁束Bは、1.の(M-5),(M-6)よりEとHに比例します。EとHは3次元のベクトルで、6個の未知関数を決定する必要があります。一方、(M-1)〜(M-4)は、正味8個の偏微分方程式になっています。
未知数の数より条件数が多い時、考えられる事態は、次の3つです。
a) Maxwell方程式は、矛盾している.
b) 8個のうち2個は、他の条件から導ける.
c) 2個は、初期条件の類を表わしている.
もちろんMaxwell方程式が閉じているとするなら、の話です。そうでないとするなら、もっと選択肢は増えます(連立1次方程式が、正則かどうかの話と同じです)。
(M-1)と(M-3)に注目します。これらは6個の偏微分方程式を構成し、時間の偏微分があります。という事は、これらで電場Eと磁場Hの時間発展は、完全に決まるはずです。どのように決まるかを見るために、(M-1)と(M-3)を次のように変形し、デジタルに(差分で)考えます。
(M-1)’と(M-3)’で、ある時刻の電場E,磁場H,電流密度jの空間分布が決まれば(左辺)、それが磁束Bと電束Dの時間変動を決めます(右辺)。HとEは、B,Dに比例します。そうすると十分短い時間後のEとHの空間分布が決まります。jについては次のようになります。
jの実体は速度を持った荷電粒子eです。eに、EとHで決まるLoreants力を適用し、運動方程式を立てる事により、∂j/∂tも計算できる事になります。前回までは無視して来ましたが、荷電粒子を含む電磁場の系では、本当はNewtonの運動方程式も必要です。
いずれにしろ左辺の空間分布が、各物理量の右辺の時間変動を決定し、一瞬後の物理量の空間分布を決めます。すると(M-1)’,(M-3)’(と運動方程式)に従って、もう一瞬後の空間分布も決まり・・・と、時間発展は完全に記述できます。(M-1)と(M-3)は閉じています(余計なものはないし、足りないものもない)。
しかし偏であろうと常であろうと、微分方程式で決定される時間発展の不定性を消すには、初期条件が必要です(先の運動方程式と同じ)。(M-1)’と(M-3)’で考えれば、計算をスタートさせるために、初期時刻におけるEとH(とj)の空間分布を与える必要があります。この時、(M-2)と(M-4)が必要な物理的要請であるならば(実験事実からそう見える)、初期分布は、拘束条件(M-2),(M-4)を満たす必要があります。
そのようにして初期分布を与えたとして、後は(M-1)と(M-3)が、他の条件いっさい不要で、時間発展を決めます。この結果が、(M-2),(M-4)と整合するのを保証するのが、最初に導いた(1)と(2)です。つまり、初期時刻で(M-2)と(M-4)が成り立てば、それ以後、ずっと成り立っています。(1)と(2)は、Faradayの法則とAnpareの法則に含まれる結果でした。電磁場方程式って、うまく出来てますよね?。
(M-2),(M-4)は、c)初期条件の一部だった、というのが結論です。Newtonの運動方程式で言えば、
という書き方です。ここでr0(t)は、初期位置を0とした解です。もう少し近づけると、
という事であり、運動方程式が微分方程式である事から直接出てくる、運動方程式に含まれる結果です。運動方程式の場合は、最後の形も数学的に自明、つまり実験事実不要とは少し言い過ぎですが、いちおう書く必要なしとなります。
Maxwell方程式の場合は、任意の時刻を初期時刻として良い事、即ち、いつでもどこでも(M-2)と(M-4)という物理的要請が成り立っているので、それらを省略する事はできません。
4.Lorentsゲージ
最後にLorentsゲージに移り、電磁ポテンシャルAとφの波動方程式を導きます。Minimum-4で一度は半分やった事なので、手短に行きます。
Maxwell方程式の系を再記します。
ここに、
ε0:真空の誘電率
μ0:真空の透磁率
Maxwell方程式の第1の組(M-1),(M-2)で、(M-2)がベクトルポテンシャルAの導入を動機付け、
(1)
と出来ます。(1)を(M-1)に代入すると、
(2)
を得ます。ここまでで、Aとφは任意です。Aとφの決定方程式は、Maxwell方程式の第2の組(M-3),(M-4)です。(1),(2)を(M-3)に代入すると、次の(3)を得ます。
(3)
(2)を(M-4)に代入します。div・∇=Δを使い、左辺:
となるので、
(4)
が得られます。ここでLorentsゲージに移ります。
Minimum-4では(3)しかなかったので、φは全くの任意で、単純に(3)の第2項を0にするようなφを選びましたが、今は(4)があるので、そうは行きません。もう一工夫必要ですが、発想は同じです。
rot×∇=0に注意すると、(1)には、
の不定性があります(不定性があるが故に、ポテンシャルです)。ここでuは任意のスカラー関数です。また(2)はもともと、
(5)
のrot×に対する積分定数(みたいなもの)として、φを導入していたので、
という形も許されます((5)のみからは)。さらに上式の右辺で、AがA+∇uであったとすると、
となり、最初のEに戻れます。つまりAとφには、少なくとも任意のスカラー関数u一個分の不定性があります。そこで、
とおいて、(6),(7)を(3)の左辺の各項に代入すると、
となります。ただし、div・∇=Δを使っています。これらの結果を、(3)の左辺に代入すると、各式の2項目は消しあい、
(8)
得られ、変換(6),(7)のもとで(3)は不変なのがわかります。(4)も不変になり、ゲージ変換(6),(7)のもとで、Maxwell方程式は不変と言うそうです。逆に、Maxwell方程式を不変にする(6),(7)を求める事がゲージ理論の初歩ですが、ここではこれ以上やりません。
(9)
(8)の第2項が0になるように、uを定めます。微分演算子の線形性と、Aとφがもともと(3)を満たすという事から、(8)の2項目を0とおいて、A’とφ’を、Aとφとuとで書いてやれば、
となりますが、uに関する条件は、必要最小限で良いので、
(10)
であれば十分です。(10)がuに関する補助方程式です。(10)は非斉次の波動方程式なので、Aとφが存在するなら、uの存在は保証されます。Aとφは、(3),(4)から決定されますが、(3),(4)はMaxwell方程式(M-1)〜(M-4)の言い換えなので、存在すると考えます。故にuは存在します。
uについては、その存在さえ確認できれば、OKです。(10)を解く必要はありません。(10)は、ゲージ変換(6),(7)のもとに、(8)において、
(11)
とおく事によって得られるものです。ゲージ変換(6),(7)のもとでMaxwell方程式(3),(4)は不変で、(8),(9)が得られ、しかも物理量EとHも不変です。
従って、(8),(9)を最初から基本法則として良く(ゲージ不変性)、
Aとφを特に計算しやすい形にするために、Aとφの不定性を(11)を満たすように選んだだけ、
と言えるからです。
実際(11)を選ぶと、次の方程式系を取れば良くなります。
(12)は、(8)で第2項を0とおいたもので、その条件は(14)((11)と同じ)、(13)は(9)のままです。(13)はさらに簡単に出来ます。(14)より、
となり、上式を(13)左辺に代入すれば、
なので、
です。以上まとめれば、A’とφ’は最初から本当の電磁ポテンシャルとみなして良いので、A,φと書き、
が、ベクトルポテンシャルAと、スカラーポテンシャルφで表わされたMawellの方程式です。(M-3)’をLorentsのゲージ条件と言います。(M-1)’と(M-2)’は、Aとφに関して変数分離されています。便利です!。さらに(M-2)’は、Minimum-4で除外した式(4)から出てくるものです。
(M-3)’は落とせません。Aとφには先に述べた不定性があるので、(M-1)’または(M-2)’を満たす任意の解が、(M-3)’を満たすとは限らないからです。従って、(M-1)’と(M-2)’を独立に解いた後、(M-3)’の条件を満足する、解Aとφの組み合わせを選択する必要が生じます。
で、Minimum-5の評価はどうかと言うと、そこで行った作用素の分解については、いちおうそうなのかな?、とは思いますが、結論については話半分で聞いて下さい、という事になります。実際そこでは、(M-1)’を満たすAを求めて(M-3)’を使い、φを求めました。まさに、条件の半分しか使っていません・・・。
ところで、(M-1)’の右辺で透磁率μ0が分子にあり、(M-2)’の右辺で誘電率ε0が分母に来るのはどうしてなのだろう?、というのがちょっと気になります。(M-1)’〜 (M-3)’は本で確かめたものなので、誤植ではないはずです。定義の問題なのか?、それとも磁気現象が電気現象から導かれるためなのか?、とか思います。
6.まとめ
じつはこの自習ノート企画は、次の本を読みたくて始めました。
場の古典論,ランダウ・リフシッツ,東京図書株式会社,1978年.
場の古典論は、全部で14章あり、最初の2章が特殊相対性理論、3〜9章までが電磁気学、残り5章が一般相対性理論という構成になっています。
現状はと言うと、1章と2章はそれなりに読みましたが、第3章の冒頭を除いては、以後かなり駄目です。 第3章の冒頭直後に、いきなり荷電粒子を含む電磁場のLagragianが出てきます。この辺りでもう、降参でした。
場の古典論はランダウ・リフシッツのシリーズの中でも、理論構成が出色の出来と言われ、全部を読み通さないと意味のない本です。しかしランダウは、その行間を読まねばならぬ事に関しても、有名な本です。
このような事態なので、場の古典論の半分くらいを占める、電磁気学の行間を読めるようになるのには、もっと標準的な本を読むべきだと思いました。でも、手に取るようにわからなくても、場の古典論は面白いです。理論構成が出色だからです。それで、
現代物理学叢書,電磁力学,牟田泰三,2001年,岩波書店.
を、つん読状態から引っぱり出しました。非常に手際の良い本だと思いました。その結果が、Mimimum-1〜6です。Mimimum-1〜6の手際の悪さは、自分の責任です。
しかし納得できない部分もありました。前回まででは一度も出していませんが、コンデンサーの誘電容量とか、電磁エネルギーなどに関する部分です。それらを納得したいがために、次の1冊を買いました。
電磁気学を考える,今井功,サイエンス社,1990年.
今井功と言えば、流体力学の大家で、昔は等角写像などの話で、色々とお世話になったおぼえがあります。現在(1990年)は、電磁流体力学が専門との事です。
「電磁気学を考える」は、出色の出来です。しかしこれは、標準的電磁気学をマスターした人の読むべき本と思えました。というわけで「電磁気学を考える」も駄目で、次に、定評ある砂川重信の理論電磁気学を買いました。非常にオーソドックスで丁寧な本でした。
理論電磁気学,砂川重信,紀伊国屋書店,1999年.
買った結果が、この投稿です。もしかするともうすぐ、電磁場におけるエネルギー保存則:ポインティングベクトルと、運動量保存則:Maxwell応力、について投稿するかも知れません。何とかお願いします・・・・。
NO.1852 算額の問題1(2) 2010.5.10. 夜ふかしのつらいおじさん
円Oの半径をR、円O1、O2、O3の半径をrとする。
弦AD=a、MN=bなので、MA=MD=a/2、MJ=2R−b
方べきの定理より、
MA×MD=MN×MJ
OE//ADであり、△OO3Eが直角三角形なので、
Mから円O2への接線の接点をGとすれば、△MO2Gは直角三角形なので、
点O3からMNの垂線O3Kを下ろすと、△KO2O3は直角三角形なので、
(KO3=OE)
Mから円O3への接線の接点をF、Hとすれば、OE=MF=MH
線分O2O3の中点をIとすれば、△IO2Gは直角三角形なので、
これに上の★を代入すると、
分子のaとbの間の符号が+のとき、
分子のaとbの間の符号が−のとき、
となるが、例えばa=2R、b=Rを代入してみると、
「+」の場合はr=R、「−」の場合はr=R/3となるので、
の方が適当と考えられる。
NO.1851 三角形の9分割 2010.5.4. スモークマン
もう一つ解けない問題があります...^^;
「一般的な不等辺四角形が1つあるとします。その4つの辺のそれぞれを3等分して,
その向かい合う辺の分点同士を直線で結ぶと,でたらめな形の9つの小さい四角形に
分割されます。
このとき真ん中にできる小四角形の面積は元の四角形の面積の丁度1/9になること
を証明せよ。
小学生程度の知識だけで解けるはずです。
これに対し,ヒント(hint)として対辺の分点同士を結んでできる3つの四角形のうち
の真ん中のそれは全体の1/3になることを示すことができるという指摘を追加しま
す。
もちろん,台形ではないですから1/3になるのは真ん中の四角形だけで両側の四角形
は1/3にはなりません。これがヒントです。」
これは...TOSHIの宇宙4
さんからの問題です...
直感的にはわかるのですが...どうしても巧く言えません...
NO.1850 三角形の頂点までの距離の和(2) 2010.5.4. 夜ふかしのつらいおじさん
(1)
三角形の角の大きさと対辺の大小とは一致します。
角がA<B<Cなら、辺もa<b<cです。
また、三角形の2辺の和は、他の1辺より長いです。
(2)
三角形ABCの内部で各頂点までの距離の和が最小の地点は、
正三角形BCDの外接円と線分ADとの交点Eです。
※ 今回はこれはテーマではないので説明は省きます。
(3)
BEとACの交点をFとします。
Cを中心とする半径CFの円とBFとの交点をGとします。
線分GF上に点Hを取ります。
(∠FHC>∠HFCです)
(4)
AE+BE+CE<AH+BH+CHです。
三角形AFHにおいて、AH<HF+FAです。
三角形CFHにおいて、CH<CFです。
だから、
AH+BH+CH<HF+FA+BH+CF
=AF+BH+HF+CF=AF+BF+CF=BF+AC
また、三角形ABFの内角のうちFが最大なので、
BF<AB だから、
BF+AC<AB+AC
NO.1846で、
「これがいえれば...
凸四角形ABCD内部に点 P をとるとき、AP+BP+CP+DP の最大値をとるときの点 P もいずれかの頂点に一致するはずで...
それらの図形の内部の点か外部の点かを評価するとき最長距離より大なら外部と言えるはずだと...^^?...
一般の凸多角形の場合にも言えるような気も...? 」
とありますが、下線部分は誤りです。
スモークマンさんのいうように、下の三角形で各頂点までの和が距離の最大の場合、
赤い辺の長さの合計がその和になります。
底辺の両端からの距離の和が一定という図をかくと楕円になりますがこの三角形を内部に含んでいます。
三角形の外部でも最大値より小さな点があるのは明らかです。