Colloquium

NO.255
Weekend Mathematicsコロキウム室/NO.255

NO.1849   両皿天秤のオモリ(2)  2010.4.24.  夜ふかしのつらいおじさん

エレガントな解答はないように思います。
両皿天秤のオモリの問題ですが、お金の支払いの問題として考えます。
その方が分かりやすい気がします。

まず、基本的なことを見ておきます。

● おつりをもらわないで支払いをするなら、{1,2,4,8,16}円硬貨を使います。
  2進法で数を表すことを考えれば理解できます。
  1円から、1+2+4+8+16=31円までもれなくだぶりなく支払えます。
  1枚の硬貨は{使う,使わない}の2通りです。
  だから、25=32より、0円のときを除いて31通りです。

  1円を支払うのに、1円硬貨を使います。
  2円を支払うのに、2円硬貨を使います。
  3円を支払うのに、1円硬貨と2円硬貨を使います。
  4円を支払うのに、4円硬貨を使います。
  ・・・
  硬貨の種類を、金額が小さい順に増やすことを考えます。
  持っている硬貨を全部使って支払えない最小の金額の硬貨があれば良いことになります。

● おつりをもらうことができるのならば、{1,3,9,27,81}円硬貨を使います。
  買い物をする人とお店にこの金額の硬貨があれば、121円までもれなくだぶりなく金額の支払いができます。

  仕組みを、{1,3,9}の簡単な場合で説明します。
  買い物をする人とお店にこの金額の硬貨があれば、13円までもれなくだぶりなく金額の支払いができます。
  3の倍数は次のように表せます。
  「+」は支払い、「−」はおつりと考えます。
   3=3, 6=9−3, 9=9, 12=9+3
  自然数は、{3n,3n+1,3n−1}のどれかの形をしています。
  上のように、1円以外の硬貨ですべての3の倍数の金額を表すことができます。
  1円硬貨を支払えば3n+1円、1円硬貨でおつりをもらえば3n−1円となるからです。
  1枚の硬貨は{使う,使わない,おつりでもらう}の3通りがあります。
  33=27です。
  {支払額>おつりの金額}、{0}、{支払額<おつりの金額}の場合があるので、 支払える金額は、(27−1)/2=13通りあります。

  1円を支払うのに、1円硬貨を使います。
  2円を支払うのに、3円硬貨を使い、おつりを1円もらいます。(3=2+1)
  3円を支払うのに、3円硬貨を使います。
  4円を支払うのに、3円硬貨と1円硬貨を使います。
  5円を支払うのに、9円硬貨を使い、おつりを4円もらいます。(9=5+3+1)
  ・・・
  硬貨の種類を、金額が小さい順に増やすことを考えます。
  持っている硬貨を全部使って支払えない最小の金額とそれまでの硬貨の金額を全部足した額の硬貨があればよいことになります。

● 5枚の硬貨を使う場合、最大で121通りの支払いが可能です。
  10円硬貨が混ざると、上の例からはずれます。
  10円硬貨が混ざると、考える糸口として次のことが考えられます。
  n円の金額を作れたとき、次のように27通りの金額をつくることができます。

  

上の×の部分を埋めて、連続した金額をつくるとき、例えば次のような様子になっています。

  

1円硬貨を使う場合、2つ分の金額が重なります。
2円硬貨を使う場合、うまく互い違いになっています。
このように、2円硬貨を使う方が効率が良いように思います。
この差が多分2円硬貨を使う理由の1つでしょう。
このように試行錯誤していくしかないと思います。

以下にいくつかの硬貨の組合せの例を書いておきます。

  

NO.1848   算額の問題1    2010.4.23.  水の流れ

第240回数学的な応募問題


森北出版の深川英俊・ダンソコロフスキー共著「日本の数学 何題解けますか」を見ていると、 算額らしい興味あるものがあります。次の問題を考えてください。

半径がRの円Oに弦ADをとり、図のように円Oの円周上にA,B,N、C,Dをこの順にとる。 ただし、Nは弧ADの中点である。さらに、ADの中点Mに対して、 線分MB,MCによってこの円弧を3個の部分に分ける。次に、 それぞれの部分に半径rの3つの内接円O、O、Oを作る。 ここで、AD=a、MN=bとしたとき、rをa、bで表せ。

  

注:この記事に関する投稿の掲載は、2010年5月10日以降とします。

NO.1847   自然対数と確率(2)  2010.4.23.  夜ふかしのつらいおじさん

(0) 前回のNO.1842 の「有名ないい話」 と同様で次の式を確認しておきます。
 @連続する自然数の積からできている数列の和の式

  

 A二項定理

  

はじめから一般の場合を考えます。

(2)k回目でカードの出た数の和がnを超える場合を考えます。
kは2からn+1の場合があります。
@k−1回目までに出た数の和をmとします。(mはk−1からnの場合があります)
k−1回目までの場合の数は、1番からk−1番のマスに1を割り振り、
残りn−(k−1)=n−k+1の割り振り方を考えます。(重複組合せ)
よって、

  

通りです。
Ak回目の場合の数は、カードの数の最小はn+1−m、最大がnなので
n−(n+1−m)+1=m通りです。
@、Aから、k回目でカードの数の和がnを超えるのは

  

通りです。
Bn枚のカードをk回引くときの場合の数は、nkです。
Cだからカードを引く回数の期待値Enは、A、Bより

  

よってその極限値は、

  

(1)上の計算でnを6に変えて計算します。

  

NO.1846   三角形の頂点までの距離の和    2010.4.23.  スモークマン

少し前に思いついた問題で証明できないものがあります...
教えていただければ嬉しいです m(_ _)m

問題
各辺が a ≦ b ≦ c なる三角形ABC内部に点 P を取るとき、その点 P から各頂点 A, B, C までの距離 PA+PB+PC の最長の長さを求めよ。

簡単に言えると思ってたけど...わかりません...^^;
直感的には...内部に最短点(フェルマー点)があるのだから...
それから一番離れた点...つまり...C=P のときで、
最長距離=b+c だと...?

これがいえれば...
凸四角形ABCD内部に点 P をとるとき、AP+BP+CP+DP の最大値をとるときの点 P もい ずれかの頂点に一致するはずで...それらの図形の内部の点か外部の点かを評価する とき最長距離より大なら外部と言えるはずだと...^^?...一般の凸多角形の場合にも 言えるような気も...?

NO.1845   両皿天秤のオモリ    2010.4.5.  山崎 昇

次の問題のエレガントな解き方が不明です。
「5つのオモリのうち1つは10kgです。両皿天秤を使って1kgから85kgまでの荷物をはかり分けるには、 残り4つのオモリにどんなのがあればよいでしょうか?」
原書には解き方が示されていなくて、答えのみ2,13,19,60kgと出ています。 これらの答えを求めるには、どうすればよいでしょうか?
なお、これらのオモリがあれば、確かにはかりわけられます。 たとえば、1〜32kgは2,10,13,19kgのオモリではかりわけられますが、 33kgは、33=60−(10+19−2)ですから、60kgのオモリが必要になります。 5種類のオモリのどれを用いればよいかは一通りでないこともわかります。 たとえば、28=(2+10+19)―13の他に、28=60−(10+13+19)もあります。


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