Weekend Mathematicsコロキウム室1999.1〜3/NO.37

コロキウム室



NO.295     '99 1/20   水の流れ     連続自然数の和(2)

15の奇数の約数は1,3,5,15の4個ですから、
 15=15
 15=7+8
 15=4+5+6
 15=1+2+3+4+5
の4種類に分解できます。
 「一般に、整数Nを連続したいくつかの自然数に分解する方法は Nの奇数の約数の個数に等しいのです」
だから、Junkoさんが言われるように、N=2の場合は不可能です。




NO.296     '99 1/20   Junko     連続自然数の和(3)

整数Nを連続したいくつかの自然数に分解する方法を Nの性質によって分類しながら示します。

[x]はガウス記号を表します。 これはxを越えない最大の整数を与えます。

    1. 奇数
      N=[N/2]+([N/2]+1)とできるからです。
      たとえば、15=7+8のように。

    2. 3の倍数
      N=([N/3]−1)+[N/3]+([N/3]+1)とできるからです。
      つまり、Nをまず3等分します。15=5+5+5
      真ん中を中心に先頭は1を引き、最後は1を足す。15=4+5+6
      ただし、[N/3]−1≧1より、N≧6

    3. 5の倍数
      N=([N/5]−2)+([N/5]−1)+[N/5]+([N/5]+1)+([N/5]+2)とできるからです。
      つまり、Nをまず5等分します。15=3+3+3+3+3
      真ん中を中心に前半は1づつ引き、後半は1づつを足します。 15=1+2+3+4+5
      ただし、[N/5]−2≧1より、N≧15

    4. 以下同様に・・・奇数の倍数ならば、同じようにできると思います。 ただし、Nはある定数以上という条件つきです。

  1. これだと奇数ばかりですので、偶数について考えました。
    1. 2×奇数
      N=N/2+N/2 (ここで、N/2は奇数ですから、iの1より)
       ={[N/4]+([N/4]+1)}+{[N/4]+([N/4]+1)}
       ={[N/4]+([N/4]+1)}+{([N/4]−1)+([N/4]+2)}
       =([N/4]−1)+[N/4]+([N/4]+1)+([N/4]+2)
      とできます。
      例えば、10=5+5
            =(2+3)+(2+3)
             =(2+3)+(1+4)
            =1+2+3+4
      
      ただし、[N/4]−1≧1より、N≧8です。

    2. 4×奇数
      N=N/4+N/4+N/4+N/4
         (ここで、N/4は奇数ですから、iの1より)
       ={[N/8]+([N/8]+1)}+{[N/8]+([N/8]+1)}+{[N/8]+([N/8]+1)}+{[N/8]+([N/8]+1)}
       ={[N/8]+([N/8]+1)}+{([N/8]−1)+([N/8]+2)}+{([N/8]−2)+([N/8]+3)}+{([N/8]−3)+([N/8]+4)}
       =([N/8]−3)+([N/8]−2)+([N/8]−1)+[N/8]+([N/8]+1)+([N/8]+2)+([N/8]+3)+([N/8]+4)
      とできます。
      例えば、44=11+11+11+11
            =(5+6)+(5+6)+(5+6)+(5+6)
             =(5+6)+(4+7)+(3+8)+(2+9)
            =2+3+4+5+6+7+8+9
      
      ただし、[N/8]−3≧1より、N≧32です。

    3. 以下同様に・・・2×奇数ならば、同じようにできると思います。 ただし、Nはある定数以上という条件つきです。
こうして考えていくと、「水の流れ」さんのおっしゃっている
「一般に、整数Nを連続したいくつかの自然数に分解する方法は Nの奇数の約数の個数に等しい」というのもうなづけるのですが、 疑問も生じます。

N=15の分解について、 単独、約数3をもつから3つに分解できる、 約数5をもつから5つに分解はいいとして、 約数15をもつことと、15=7+8との分解を どう関連づけていいのかわからないのです。

またN=111の分解について、111=3×37より、 単独、約数3をもつから3つに分解できる(111=36+37+38)、 奇数だから2つに分解できる(111=55+56、前段で言ったこと)はいいとして、 約数37をもつから37に分解できる、というわけにはいかないと思うのです。 強引にやるなら、

111=3+3+3+・・・+3(37個)
   =(3+3+・・・+3)+3+(3+3+・・・+3)
   ={(-15)+(-14)+・・・+2}+3+{4+・・・+20+21}
でも、負の数はだめですよね。先程述べたNはある定数以上という条件にひっかかるわけです。
私はとんでもなく見当違いな考え方をしているのでしょうか?  もっと別な分解の仕方があるのでしょうか?



NO.297     '99 1/20   コウスケ     1999!の桁数(1)

よって、1999!は4601桁、4602桁、4603桁のいずれかである。
これ以上できない・・・どうすれば正しい答えにたどり着けるのでしょうか?



NO.298     '99 1/20   Junko     1999!の桁数(2)

感心しました、すごい発想+計算ですね!
関数のグラフとx軸とで囲まれた面積を出すのに、 内側の柱集団と外側の柱集団の面積ではさみ、 その横幅を小さくしていく(極限をとる)ことで求めるということがあります。
しかしこの場合は逆に柱集団の面積を求めるのに、 y=log x の定積分で近似するということですね。

ただし1ヶ所、計算まちがいをしています。


従って、可能性は5731、5732、5733となります。
ですから、答えが1つに決まらないという問題は相変わらず解決しません。
これは、この方法では仕方がないように思います。 この精度を上げるには、面積ではさむ時の無駄を少なくする工夫を していかなければならず、これはむずかしいように思います。
円周率πを求めるのに、内側と外側から正多角形でせめていったことを連想させますね。
因みに、「mathematica」で計算しましたら、 log101999!=5732.22・・・となりましたので、5733桁ということになります。
今月の問題 1999年の問題は、 この5733桁のうち下から何桁まで0が並ぶでしょうか? という問題です。



NO.299     '99 1/21   水の流れ     連続自然数の和(4)

15=1×15
  =1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1+1
  =−6−5−4−3−2−1+0+1+2+3+4+5+6+7+8
  =(−6−5−4−3−2−1+0+1+2+3+4+5+6)+7+8
  =0+7+8
  =7+8
となり、和は0ですから。その和は15で変わらないのです。

111=3+3+3+・・・+3(37個)
   =(3+3+・・・+3)+3+(3+3+・・・+3)
   ={(-15)+(-14)+・・・+2}+3+{4+・・・+20+21
   ={(-15)+(-14)+・・・14+15}+16+17+18+19+20+21
   =0+16+17+18+19+20+21
   =16+17+18+19+20+21
負の数の処置をどうするかだけでした。



NO.300     '99 1/21   水の流れ     連続自然数の和(5)

「一般に、整数Nを連続したいくつかの自然数に分解する 方法はNの奇数の約数の個数に等しい。」

<証明>Nがある奇数の約数(2k+1)を持つとき、 (ただし、kは整数)
a×(2k+1)=Nとなるaを「真ん中」として連続数が作れる。
そこで、aを「真ん中」として、mを最小数、Mを最大数とする。
N=m+(m−1)+・・・+a+・・・+(M−1)+M・・・@
これは、aの左側はk個、aの右側はk個、そして、真ん中の1個 の合計(2k+1)個の数が並んでいる。
もし、mが負の数のときには、少し考えてみます。
m+(m−1)+・・・+0+・・・+(−m−1)+(−m)=0 ・・・A
より、@−A=N−0=N
すなわち、(−m+1)+・・・+(M−1)+M=N ・・・B
これは,正の数だけで作った連続数の和です。

ところで、@の形でつくった連続の和は当然「奇数個」です。
Bの場合は、@の奇数個から、Aの奇数個を引きますから、 当然「偶数個」の連続数の和です。
以上から、1個の奇数の約数から、必ず@またはBの形の1通りの連続数の和が得られます。

 

逆に、1通りの連続数があったとき、1個の奇数があるだろうか?
調べます。
1通りの連続数が与えられたとき、それは@かBのどちらかの形です。
@なら、奇数個より、真ん中の数が1つ存在して、それに応じて奇数1つが決まる。
Bなら、偶数個だから、Aの奇数個を作って、 @の負から始まる奇数個の和をつくる。 このとき、真ん中の数が1つ存在して、 それに応じて、他の別の奇数が1つが決まる。
したがって、「奇数の約数」と「正の連続数の和」は1対1に対応して、 その個数は一致する。   <証明終わり>




NO.301     '99 1/21   ヴァ−     互いに素(8)

水の流れさんの答え(NO.263)によると
ψ(2)+.....+ψ(100) = 3043なので,

(ψ(2)+.....+ψ(100))/(100(100-1)/2) = 3043*2/100/99 = 3043/4950

となって,私の6087/10000とは違っています.
これは,水の流れさんでは,僕の図(NO.289)でいうと, 左下から右上に向かう対角線より下半分の部分の白黒を 考えていることになっているからです.
つまり,6087=3043*2+1,なんですが, これは3043が下半分の黒の個数なのでそれを2倍して上半分の黒まで考慮し, 最後に(x,y)=(1,1)の部分の黒を付け加えているわけです



NO.302     '99 1/21   Junko     互いに素(9)

「任意に自然数を2つ選ぶ時、」とありますが、その選び方によって違ってくるわけですね。

同じものを2つ選ぶことを許し、さらにその順序も考慮する(重複順列)と、
全部で100=10000通りです。
そのうちの6087通りですから、6087/10000

1度に2つの自然数をとる(組み合わせ、同じものどうしはありえない)と、
100=100・99/2=4950
そのうちの3043ですから、3043/4950




NO.303     '99 1/22     水の流れ     1998倍数の問題(3)

NO.184の3.「連続する自然数r個の積はr!で割り切れる」の別証明です。

<証明>組み合わせ=n!/r!(n−r)! を考える。
ここで、任意の素数pが分子のn!に含まれる個数をn(p)と、 分母のr!(n−r)!に含まれる個数をr(p)+s(p)とおいて、 比べます。
ただし、r(p)はr!に含まれる素数pの個数、 s(p)は(n−r)!に含まれる素数pの個数とする。
だから、どんなpにたいしても、n(p)≧r(p)+s(p)を示せれば良いのです。 [  ]はガウス記号です。
n(p)=[n/p]+[n/p2]+[n/p3]+[n/p4]+・・・
r(p)=[r/p]+[r/p2]+[r/p3]+[r/p4]+・・・
s(p)=[s/p]+[s/p2]+[s/p3]+[s/p4]+・・・
ただし、s=n−r,n=r+sここで、 ガウス記号の性質として、
一般に[(a+b)/k]≧[a/k]+[b/k]が成り立ちますので、 これより、明らかに、n(p)≧r(p)+s(p)が成り立ちます。
したがって、分母はすべて、約分されて、は整数となる。
すなわち、=n(n−1)(n−2)・・・(n−r+1)/r!
より、題意は証明された。




NO.304     '99 1/22     水の流れ     パスカルの三角形(3)

「pが素数なら、パスカルの三角形の両端の1以外は pで割り切れる」ことにも気がつきました。

<証明>=n!/r!(n−r)! において、特に素数pに対して、
=p!/r!(p−r)!
これは、整数ですので、0<r<pならば、 分子にpがあり、分母にはpという因数は含まれていません。
したがって、pが素数ならば、、 (0<r<p)はpの倍数である。
<証明終わり>








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