Weekend Mathematics/コロキウム室/1999.1〜3/NO.33
NO.254 '99 1/3 Idaho Potato 分数の問題・その後(4) 定理:任意の分数(正確に言うと正の有理数)は
必ず異なる単位分数の和として表すことができる 補題1:与えられた分数を超えない単位分数の中で一番大きいものを
引いていきます。これを何回か繰り返すと、必ず残りも単位分数になります。 補題1の証明に含まれている仮定のうち、
「b<a」は証明の中で使われていないので、
補題1自体は、与えられた分数が1以上であっても成り立ちます。 定理の正しい証明を与えるには、次のように議論を修正すればOKです。 次の有名な事実を使います。 命題:調和級数 1 + 1/2 + 1/3 + ... は、正の無限大に発散する。 補題2:任意の正の実数 x について、 さて、与えられた正の有理数を x とします。
を証明するのに、
を証明して、その系として定理が得られる、としていますが、
実はそれでは不十分であることに気づきました。
また、与えられた分数が2未満の場合には、
同じ単位分数が高々1度しか使われないことは、容易にわかります。
しかし、与えられた分数が2以上の場合は、
補題1によって与えられるアルゴリズムで単位分数に分解しようとすると、
1を複数回使うことになってしまいます。
これは、次のように言い換えることができます。
1 + 1/2 + 1/3 + ... + 1/n > x
となる自然数 n が存在する。
この x について、補題2を満たす自然数 n のうち最小のものをとります。
このとき、y = x - ( 1 + 1/2 + 1/3 + ... + 1/(n-1) ) とおくと、
n の選び方により、 0 <= y < 1/n が成り立ちます。
この y を、補題1で与えられるアルゴリズムで単位分数の和に分解すると、
そこには、1/n 未満の単位分数しか現れないので、
1, 1/2, 1/3, ..., 1/(n-1) とは重複しません。
つまり、最初に与えられた x から、1, 1/2, 1/3, ... というふうに、
単位分数を大きいほうから順に引いていくと、
補題2によって、どこかでそれが続けられなくなりますが、
そのときの「余り」について、補題1を使えばよいわけです。
NO.255 '99 1/3 ちょま 1999年の問題(2) 1999年の問題を考えてみました。
34、38が出来ていませんが、1から40までです。
1=−1−9÷9+√9 2=−1+√9+9−9 3=1+√9−9÷9 4=1+√9+9−9 5=1+√9+9÷9 6=1×9−9÷√9 7=−1+9−9÷9 8=−1+9+9−9 9=1×9+9−9 10=1+9+9−9 11=1×99÷9 12=1+99÷9 13=19−9+√9 14=−1+9+9−√9 15=1×9+9−√9 16=1+9+9−√9 17=−1−9+9×√9 18=19−9÷9 19=19+9−9 20=19+9÷9 21=1×9+9+√9 22=19+9÷√9 23=−1+9×√9−√9 24=1×9×√9−√9 25=19+9−√9 26=−1+9+9+9 27=1×9+9+9 28=1+9+9+9 29=−1+9×√9+√9 30=1×9×√9+√9 31=19+9+√9 32=(1+√9)×(9−’9) 33=(1+√9)×9−√9 34=? 35=−1+9×√9+9 36=1×9×√9+9 37=19+9+9 38=? 39=(1+√9)×9+√9 40=(1+√9)×(9+’9)
なるべく使う記号を少なくしようと1から31までは+−×÷√のみで作りました。
32と40の ’9 は、本当は9の上に点をうつ循環小数のつもりで、’9=1
です。
41以降も考えているんですが出来ていないところが多いです。
他の記号を使えばかなり出来そうですが・・・
NO.256 '99 1/4 月の光 オリジナル問題(1)
オリジナル問題。
問題)XY平面で、X軸上にP0(r,0)をとる。ただし0<r<1。
次に、P0をθだけ回転し、
長さをr倍した点をP1とする。
つまりP1は
(r+r2cosθ,r2sinθ)
このとき、limPn(n→∽)を求めよ。
0<θ<πの条件は必要ないですね。消します。(1/5)
NO.257 '99 1/4 ちょま 1999(2) NO.247 1999 を考えてみました。
3つ作ってみました。
12×34×5−6×7−8+9=1999
12×34×5+6−7×8+9=1999
−1+2345−6×7×8−9=1999
ところで、最初の2つをみくらべると6、7、8のところの演算子が違うだけで、
とてもよく似ています。
3つの連続している数A、B、Cには
A×B+C=−A+B×C
の関係が成り立っているようです。
B=nとおいて左辺と右辺を計算してみると、
左辺=(n−1)×n+(n+1)
=n×n−n+n+1
=n2+1
右辺=−(n−1)+n×(n+1)
=−n+1+n×n+n
=n2+1
ゆえに 左辺=右辺
となり、A×B+C=−A+B×Cが成り立っていることがわかります。
ちなみに4つ連続している数A、B、C、Dには
A+B+C+D=−A×B+C×D
が成り立っています。
B=nとおいて左辺と右辺を計算してみると、
左辺=(n−1)+n+(n+1)+(n+2)
=4n+2
右辺=−(n−1)×n+(n+1)×(n+2)
=−n2+n+n2+n+2n+2
=4n+2
ゆえに 左辺=右辺となります。
たとえば連続している数1、2、3、4ならば
1+2+3+4=−1×2+3×4=10
というわけです。
演算子がちがうのに同じ数字から同じ計算結果になるのがおもしろいと思います。
NO.258 '99 1/5 水の流れ オリジナル問題(2)
NO.259 '99 1/5 ちょま 1999年の問題(3) NO.246 1999年の問題の
34、38が出来ました。
99÷√9=33を使えば32、33もさらにシンプルに
表せます。
32=−1+99÷√9 33=1×99÷√9 34=1+99÷√9 38=19×(’9+’9)
NO.260 '99 1/5 月の光 互いに素(1) 任意に自然数を2つ選ぶ時、それらが互いに素である確率を求めよ。
NO.261 '99 1/7 マサボー 分数の問題・その後(5) この問題を考える時、答えを求める他に次の2点にも
注目する必要があると思います。
それは、1)任意の分数(正の有理数)は単位分数の和として
表わすことが出来る、
2)その表わし方は無限に存在する、の2点です。
これらの提議は解答の中で証明されていると思いますが、
では実際の答えを示すにあたり
(今回の問題は2/3や4/5を単位分数の和で表わすこと)、
数学的に正しい解答を書くのはかなり難しいかったのではないでしょうか
(当然、答えが無限にある訳ですから)。
私が思うに数学は普遍性を重んじる学問ですから、
ある一定のプロセス(あるいは公式)を踏むことで
全ての答えが得られることが重要であり、
答えに「もれ」があってはならないと思います。
その意味から「水の流れ」さんの答えはかなり正解に近いものでしょう。
別のアプローチとして最初に方程式にて最少の単位分数の数を決め、
次に(最少+1)の単位分数の場合、
(最少+2)の単位分数の場合を各々方程式で求めるのも
答えを漏らさない方法の一つだと思います。
しかし、最初から最少の単位分数の個数を決める方法がない場合は
(私には分からなかった)、2個の場合、3個の場合と
「しらみ潰し」でやるしかないのかもしれません。
やはり数学も科学であり99%のperspirationが必須なのでしょう。
NO.262 '99 1/7 Junko 年号と西暦の関係(2) 明治をM、大正をT、昭和をS、平成をH、西暦をXとすると、
次の関係が成り立ちます。 次に素数の探し方です。 試しに、1から100までをふるいにかけてみました。 また、特定の数Nが素数かどうかを判断するにはどうしたらいいか?
X=M+1867(1≦M≦45)
X=T+1911(1≦T≦15)
X=S+1925(1≦S≦64)
X=H+1988(1≦H≦11)
「エラトステネスのふるい」というのを紹介しましょう。
(素数は○で囲む替わりに、赤くしてあります。)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
41 42 43 44 45 46 47 48 49 50
51 52 53 54 55 56 57 58 59 60
61 62 63 64 65 66 67 68 69 70
71 72 73 74 75 76 77 78 79 80
81 82 83 84 85 86 87 88 89 90
91 92 93 94 95 96 97 98 99 100
2,3,5,7,・・・と素数だとわかっている数で割っていきます。
もし何かで割り切れれば、もちろん素数ではありません。
(素数でないものを合成数といいます。)
√Nまで調べて、割り切れるものがなければ、それは素数ということになります。
なぜ√Nで充分か?
もし、√Nより大きい数Aで割れるならば、N=ABとなり、
このときB<√Nとなります。
ですから、先に√Nより小さい数Bで割り切れているはずだからです。
NO.263 '99 1/6 水の流れ 互いに素(2) 自然数N=aαbβcγ・・・
(素因数分解した形)とおくと、
Nと互いに素(1以外に公約数をもたない)なものの個数をψ(N)と表す
(オイラー関数)。