NO.1840 確率は面積比[3](4) 2010.2.20. DDT
NO.1817,NO.1826と、この手の問題にも慣れてきたので、今回も挑戦します。2つの問題で学んだのは、次のような手順です。
場合分けが無限個ある分布確率を扱う場合、
(1)ます確率空間を設定し、確率1になるべき全体積Vを決める.
(2) (1)に基づいて、規格化定数を決める.
(3)求めたい確率の条件から、Vの中の領域Rを定める.
(4)Rの体積を求め、Vとの比を取る.
(5)比に規格化定数を掛ければ、求めたい確率.
という手順です。誰も言ってくれないと思うので敢えて言いますが、数学の楽しさとは、道具造り(手法造り)の楽しさだと自分は思っています。まぁ、完全に工学系の感覚なのですが、NO.1817,NO.1826とでは、この手の楽しさを味わえたと思うので、今回も同じ方針で行きます(再びヒント無視!)。
1.確率空間の設定
問題には「床一面に等間隔な平行線群がひかれて・・・」とあっさり書かれていますが、床の大きさが有限の場合と、無限に広い場合とで、じつは問題になりそうです。最初は、有限の場合から。
床の横×縦をb×aとする。ただしa=4mで、mは0以上の整数(平行線の間隔4)。
そうすると上図のようになる。このとき針の両端点は対称に扱いたいので、針の中点を(x,y)として、
A:(x+cosθ,y+sinθ)
B:(x−cosθ,y−sinθ)
で表わせる(針の長さ2)。θの範囲は、0≦θ<2π。
床の面積を限定してしまったので、「床に針が落ちる」という事も定義しなければならない。
何故なら落ちた針が、床をはみ出す場合もあり得るから(←この辺りは、まさに工学部)。次のように定義する。
針の中点(x,y)が、(x,y) ∈[0,b]×[0,a]に落ちた時、針は床に落ちたと定義にする.
ここで[0,b]や[0,a]は、閉区間。
・・・何かヒントに近くなって来たぞ・・・。
よって確率空間は、[0,b]×[0,a]×[0,2π]となる。x,y,θ方向の規格化定数は、
1/b×dx,1/a×dy,1/2π×dθ。
2.交わる条件
針の長さは平行線の間隔より短いから、針をどう投げても、平行線の1本としか交われない。
ちなみにこの辺も工学部の感覚です。
(針が2本以上の平行線と交わるなら、「場合わけをやってうやろうじゃないか!」という気になってしまう)
従って、針と平行線が交わる条件は、([針のA点のy座標]−4n)と([針のB点のy座標]−4n)が、異符号の場合です。
ここで、0≦n≦mで、nは整数。それは、
(y+sinθ−4n)( y−sinθ−4n) ≦0 (1)
と書けます。
まずxが消えたから、床の幅は無限に広くても良い。そしてこの条件は、(y,θ)で考えれば良いので、2次元(面積比)になった!。(1)を展開すると、
または、
という事だから、n=1の場合でグラフにしてみると、下図のようになる。
ハッチ部が求める面積。ハッチ部の面積は、
従って、0≦y≦4mの時は、1≦n≦m−1について独立試行なるので、8×(m−1)が求める面積。
n=0とmについては、下記ハッチ部の上半分と下半分がそれぞれ有効になるから、結局、もう一つ8を足して8m。
よって求める確率は、規格化定数を考慮して(a=4m)、
と計算できる。この結果にも縦幅は含まれていないから、確率は縦幅にも影響されず、
無限に床が広くても同じ結果になる。ただし縦幅がきっちり4の倍数でない時は、もう少し複雑になって、
倍数で割り切れない端数が付くだろうが、それはa→∞の極限移行で0になると予想できるし、これが求められている結果思える。
答え:
今回は「正解を教えて下さい・・・」などと泣き言は言いません。
コロキウム室のデーマ別の部屋に、ビュッフォンの針問題があるもんね!。・・・うん、正しいようだ・・・^^。めでたし、めでたし・・・^^。
NO.1839 問題157の覆面算(3) 2010.2.20. 夜ふかしのつらいおじさん
※ 「l(小文字のエル)」は数字の「1」と区別がつきにくいので、「n」で表すことにします。
● この計算を上2桁と下2桁に分けて考えます。
上2桁の計算の一の位は、下2桁の方からの繰り上がりがあるかないかわからないので答えをm’とします。
下2桁の計算の百の位は十の位からの繰り上がりがあるかないかわからないので答えをm’’とします。
(m’’は0か1です)
繰り上がりのことを考えると、g=1です。
● 下2桁について
se+nn=m’’es
(10s+e)+11×n=100m’’+10e+s
9s−9e+11n=100m’’
9(s−e)+11n=100m’’
・ m’’=0のとき
9(e−s)=11n
右辺は11の倍数になります。
(e−s)の因数に11はないので、e=s,n=0しか可能性がありません。
よって、この場合は不適当です。
(eとsは異なるとして)
・ m’’=1のとき
9(s−e)+11n=100
この式を満たすのは、n=5、s−e=5のときしかありません。
11n | 0 | 11 | 22 | 33 | 44 | 55 | 66 | 77 | 88 | 99
|
---|
9(s−e) | 100 | 89 | 78 | 67 | 56 | 45 | 34 | 23 | 12 | 1
|
---|
判断 | × | × | × | × | × | ○ | × | × | × | ×
|
---|
この表の2行目の数が9の倍数になっているのはn=5のときだけです。
s−e=5となるので、sとeの可能性は次のようになります。
(s,e)=(7,2)、(8,3)、(9,4)
(g=1、n=5より、1と5のないもの)
● 上2桁について
ba+ba=1am’
2×(10b+a)=100+10a+m’
10×(2b−a)+(2a−m’)=100
この式の左辺の前半は10の倍数です。
・ 左辺の後半の(2a−m’)が0のとき、
(2b−a)は10です。
だから、可能性は(b,a)=(6,2)、(7,4)です。
(g=1、n=5より、1と5のないもの。また(8,6)、(9,8)は、1の位の繰り上がりがあるので除きます)
・ 左辺の後半の(2a−m’)が10のとき、(2b−a)は9です。
だから、可能性は(b,a)=(8,7)です。
(g=1、n=5より、1と5のないもの。また(6,3)は繰り上がらないので除く。(9,9)は同じ数なので除く)
● 以上から、(b,a)の可能性は、(6,2)、(7,4)、(8,7)
(s,e)の可能性は、(7,2)、(8,3)(9,4)
よって、(base)の可能性は、同じ数字が重ならないように(6283)、(6294)、(7483)、(8794)です。これらを試してみると、
1、2、4番目は答えの百の位が5となりうまくありません。
よって、base+ball=gamesは
7483+7455=14938です。
NO.1838 有名な無限級数 2010.1.15. 水の流れ
第237回数学的な応募問題
受験生である生徒から、2010年同志社大学の入試問題を見ることができました。
1996年札幌医科大に出た問題とよく似ていますから、比較しながら解いてみてください。
まずは、札幌医科大の入試問題です。
次に同社大学の問題です。
注:この記事に関する投稿の掲載は、2010年3月8日以降とします。
NO.1837 確率は面積比[3](3) 2010.2.15. junko
「ビュッフォンの針の実験」と呼ばれるシミュレーションによって円周率π
を近似するというものですね。
かつて、シミュレーションプログラムを作ったものがありますので、お試しください。
ビュッフォンの針の実験による円周率π
平行線の間隔30に対して針の長さと投げる本数を指定して、平行線と交わる針の本数を数え、
そこから円周率πを近似するというものです。
NO.1836 確率は面積比[3](2) 2010.2.15. 夜ふかしのつらいおじさん
針がどこに落ちるか分からないことと、同じ状態が繰り返されることから
1本の線の左右2cm(計4cm)の幅の中で考えます。
針の中心はどこにでも同じように落ちると考えられるので、その確率分布を p(x)=1/4 と考えます。
針の中心が、線から1cm以上離れると線と交わることはありません。
図の赤の部分に中心があると交わりません。
図の青の部分に中心があると交わる可能性があります。
針の中心が線と交わる可能性がある位置のときを考えます。
針と線がぎりぎりで共有点を持つ場合の角を右周りにはかってθとします。
針の中心がその位置にあるとき線と交わる確率は q=4θ/2π です。
線から針の中心までの距離をxとすると、針の長さが2cmなので、cosθ=xです。
θをxで表すと、θ=cos-1x です。
以上から線の右半分を考えて2倍して確率を求めます。
故に、1/πとなります。
NO.1835 問題157の覆面算(2) 2010.2.11. 浜田 明巳
7483
7455
-------
14938
Option Explicit
' BASE
'+ BALL
'------
' GAMES, 文字は互いに異なる. B,G≠0
Sub Macro1()
Sheets("Sheet1").Select
Dim B As Integer
Dim A As Integer
Dim S As Integer
Dim E As Integer
Dim L As Integer
Dim G As Integer
Dim M As Integer
Dim kuriagari(3) As Integer
Dim gyou As Integer
Cells(1, 1).Value = 0
Range("A1").Select
For E = 0 To 9
For L = 0 To 9
If E <> L Then
S = (E + L) Mod 10
If E <> S And L <> S Then
kuriagari(1) = (E + L) \ 10
If (S + L + kuriagari(1)) Mod 10 = E Then
kuriagari(2) = (S + L + kuriagari(1)) \ 10
For A = 0 To 9
If E <> A And L <> A And S <> A Then
M = (A + A + kuriagari(2)) Mod 10
If E <> M And L <> M And S <> M And A <> M Then
kuriagari(3) = (A + A + kuriagari(2)) \ 10
For B = 1 To 9
If E <> B And L <> B And S <> B And A <> B And M <> B Then
If (B + B + kuriagari(3)) Mod 10 = A Then
G = (B + B + kuriagari(3)) \ 10
If G > 0 And E <> G And L <> G And S <> G And A <> G And M <> G And B <> G Then
Cells(1, 1).Value = Cells(1, 1).Value + 1
gyou = Cells(1, 1).Value * 4 - 3
Cells(gyou, 3).Value = B * 1000 + A * 100 + S * 10 + E
Cells(gyou + 1, 2).Value = "+"
Cells(gyou + 1, 3).Value = B * 1000 + A * 100 + L * 10 + L
Cells(gyou + 2, 3).Value = G * 10000 + A * 1000 + M * 100 + E * 10 + S
Call keisen(gyou + 1)
End If
End If
End If
Next B
End If
End If
Next A
End If
End If
End If
Next L
Next E
End Sub
Sub keisen(ByVal gyou As Integer)
Range("B" + strr(gyou) + ":C" + strr(gyou)).Select
Selection.Borders(xlDiagonalDown).LineStyle = xlNone
Selection.Borders(xlDiagonalUp).LineStyle = xlNone
Selection.Borders(xlEdgeLeft).LineStyle = xlNone
Selection.Borders(xlEdgeTop).LineStyle = xlNone
With Selection.Borders(xlEdgeBottom)
.LineStyle = xlContinuous
.Weight = xlThin
.ColorIndex = xlAutomatic
End With
Selection.Borders(xlEdgeRight).LineStyle = xlNone
Selection.Borders(xlInsideVertical).LineStyle = xlNone
Range("A1").Select
End Sub
Private Function strr(ByVal n As Integer) As String
strr = Right(Str(n), Len(Str(n)) - 1)
End Function
NO.1834 問題157の覆面算 2010.2.11. 迷子の雄猫
BASE 7483
+ BALL + 7455
−−−−−−−− −−−−−−−−
GAMES 14938
G=1、B=5〜9までは簡単。
L=5に気づいたときは嬉しかったです。
NO.1833 ノルム 2010.2.7. RYU1128
学生時代ベクトルと行列の授業を欠席したため今とても苦労しています。(最近に
なって最小二乗法を使う必要に迫られ図書館で参考書を借りてきたところ、行列ベク
トルの嵐です)
そこでウロウロしながら色々な読み漁りをしていたらノルムという言葉が出てきまし
た。なにやら距離を表す言葉のようですが、パソコンでMAXという関数を使うと最大
値が簡単に選び出せますが、下記のPを無限大にしたとき最大値が出ます。無限大ノルムと言うそうです。
目からうろこでした。因みにP=2の場合文字通り距離でユークリッドノルム(直感に
とても近い)と言うそうです。
そこで最大値が極限で表せるなら、最小値(MIN)や、中央値(median)はどうで
しょうか。
NO.1832 角度を求める問題(3) 2010.2.1. 夜ふかしのつらいおじさん
エレガントでない解答を一つ。
図のようにAからBDに垂線AHをおろします。
ACとBDの交点EからBCに垂線EFをおろします。
△ABDは二等辺三角形です。
△ABHと△CEFは相似です。
辺ABの長さを1とします。
∠DCE=x、∠CDE=yとします。
AH=sin 50°、AD=1、BH=DH=sin 40°
△AHDにおいて、AEが角の二等分線なので、AH:AD=HE:EDより
HE=HD×AH/(AD+AH)=sin 40°sin 50°/(1+sin 50°)
ED=HD×AD/(AD+AH)=sin 40°/(1+sin 50°)
BE=BH+HE=sin 40°+sin 40°sin 50°/(1+sin 50°)
=sin 40°(1+2sin 50°)/(1+sin 50°)
EF=1/2×BE=sin 40°(1+2sin 50°)/2(1+sin 50°)
△CEFにおいて、CE sin 40°=EFより
CE=(1+2sin 50°)/2(1+sin 50°)
△BCEの面積を考えると、BC×EF=BE×CE sin 70°より
BC=BE×CE sin 70°/EF=sin 70°(1+2sin 50°)/(1+sin 50°)
△CDEで正弦定理を考えると、
ED/sin x=CE/sin y ・・・ @
△BCDで正弦定理を考えると、
BC/sin y=BD/sin(x+40°) ・・・ A
@、Aをかけ合わせて分母を払うと、
ED×BC sin(x+40°)=CE×BD sin xより
sin 40°/(1+sin 50°)×sin 70°(1+2sin 50°)/(1+sin 50°)×(sin x cos 40°+cos x sin 40°)
=(1+2sin 50°)/2(1+sin 50°)×2sin 40°×sin x
sin 70°/(1+sin50°)×(sin x cos 40°+cos x sin 40°)=sin x
sin 70°cos 40°sin x+sin 70°sin 40°cosx=(1+sin 50°)sin x
(sin 70° cos40°−1−sin 50°)sin x=−sin 70°sin 40°cos x
tan x=−sin 70°sin 40°/(sin 70°cos 40°−1−sin 50°)
=−sin 70°sin 40°/(sin 70°cos 40°−1−cos 40°)
=−cos 20°sin 40°/(cos 20°cos 40°−2cos2 20°)
=−sin 40°/(cos 40°−2cos 20°)
=sin 40°/(cos 20°−cos 40°+cos 20°)
=sin 40°/(cos 20°−cos 40°+cos 20°)
=sin 40°/(2sin 30°sin 10°+sin 70°)
=sin 40°/(sin 10°+sin 70°)
=sin 40°/(2sin 40°cos 30°)
=1/√3
∴X=30°
よって∠BCD=70°