Weekend Mathematicsコロキウム室/NO.121

コロキウム室



NO.1026 2001.9.3.浜田 明巳動く正三角形(2)



図から,求める領域は,OA,OBを接線とする放物線と, OAとOBで囲まれる部分であることが分かる
(どうして放物線か? とは聞かないで下さい).
ABをx軸,ABの中点Mを原点,MOをy軸,Oはx軸より下側に, Aはy軸より右にあるとして,方程式をたてる.
AB=2であるから,A(1,0)となるので,直線OAの方程式は,
  y=√3(x−1)
放物線の方程式を
  y=ax2+b(a>0,b<0)………(1)
とすると,
  y'=2ax
接点A(1,0)における接線の傾きは,x=1を代入して,
  2a=√3
  ∴a=√3/2
(1)に代入すると,
  y=√3x2/2+b………(1)'
A(1,0)を通るので,
  0=√3/2+b
  ∴b=−√3/2
(1)'に代入すると,



故に求める面積は,






NO.1027 2001.9.4.Hakuchonn無数の組み合わせ(3)

NO.1024の解答にもある通り初項1、第 2項が2のフィボナッチ数列の奇数項F(2k-1),F(2k+1)が解となりま す。
証明はF(n)=F(n-1)F(n+1)+(-1)n-1 という有名 な性質を使えば出来ます。



NO.1028 2001.9.4.Hakuchonn知り合い(3)

「3,3,4人の3グループに分けた時にどのグ ループの人も、同じグループ内の人とは知り合いで、かつ違うグループの人とは知り 合いではないと考えられるので、この時3+3+6=12組の知り合いが必要であ る。故に11組しかいないことから、鳩ノ巣原理より1グループ内に知り合いではな い2人が必ず存在することが分かる。よって、お互いに知り合いではない4人が存在 する。(これはピーター先生の解答を私なりに解釈したものです。)」



NO.1029 2001.9.5.yokodon無数の組み合わせ(4)

NO.1027 の命題の証明

F(1)=1、F(2)=2 から F(3)=F(1)+F(2)=3
このとき (左辺)= F(2)2 = 4
     (右辺)= F(1)F(3)+1 = 4
となり、n = 2 で成立する。
ある自然数 k での命題の成立を仮定すると、
F(k)2 = F(k+1)F(k-1)+(-1)(k-1)
このとき、

F(k+2)F(k) = {F(k+1)+F(k)}・F(k)
= F(k+1)F(k) + F(k)2
= F(k+1)F(k) + F(k+1)F(k-1) + (-1)(k-1)
= F(k+1)・{F(k)+F(k-1)} + (-1)(k-1)
= F(k+1)2 + (-1)(k-1)

従って、以下を得る。
F(k+1)2 = F(k+2)F(k) + (-1)k
これは、n = k+1 でも、件の命題が成り立つことを示している。
よって命題の主張は成立する。

でも、NO.1024 の主張は、当方今のところまだ数値実験でいくつか確認しただけで す(恥ずかしながら)。(^^;
フィボナッチ数列って、いろいろ面白いことがあるもんですねぇ。 まだまだ、いろいろ遊べそうですね。



NO.1030 2001.9.5.渡部 勝正方形の折り紙(3)

「工夫力」

生徒に一枚、ペーパーを与えてください。多くの場合、それが、B5版 あるいはA4版コピー用紙などであるとしましょう。
それでは、この用紙を使って正方形を作って下さい。
出来ましたか?ここまでは小学生でも出来ると思います。 (長いほうの辺に短いほうの辺の長さを取り、その点で折ればよい)
次に、この正方形の面積を1として、その面積の1/2となる正方形を つくってください。
  

どうしますか?
四隅を中心点に合わせる様に折る。(小学生でも出来るかもしれません)
それでは、その一辺となった長さを考えて見ましょう、√2/2(2分の √2)となっていることが判ります。そうです面積が1/2となっているわ けですから、その一辺の長さは√1/2=√2/2となるわけですね。
では面積を1/2にする方法はこれだけなのでしょうか?
多くの方法がありますので工夫してください、どの様に見つけるのか、 プロセスによっては、中学生、高校生向けのテーマとなります。
 

では、1/3となる正方形はどうでしょう、少し難しくなってきます。
1/4は?これは簡単に出来そうですね、ある方法は小学生でも出来るかも 知れません、然し他の方法はどうでしょうか?
順次、1/5 1/6・・と進めてください。
更に高度なテーマとしてこのA4版紙の面積の1/3となる正方形をつくってください。
一枚のペーパーを手に実感しながら「工夫する力」を高める事になります。
次に、それらの辺を、図形として、あるいは計算値として求め確認します。

Help: ブルーバックス「折る紙の数学」




NO.1031 2001.9.5.DDT動く正三角形(3)

No.1026の浜田さんへの大きなお世話です。 私も、題意の領域の外形線は放物線だと思います。



まず正三角形の明らかな対称性から、RQは図-1のように動くと思います。 図-1では計算しにくいですが、適当な1次変換で図-2の状態に移れるはずです。 ここでO'A'=O'B'=1とします。 0≦δ≦1です。O'B',O'A'方向にx軸とy軸を立てれば、直線R'Q'は、

y=−(1−δ)/δ・x+(1−δ)

となり、δ=0も考慮すれば、

(1−δ)x+yδ=δ(1−δ) (1)

です。式(1)をδについて整理すると、

δ2+(−x+y−1)δ+x=0 (2)

で、直線R'Q'の掃く領域ですから、(2)が0≦δ≦1となる任意の解δを持てば良いはずです。 その必要十分条件は、(2)の左辺をf(δ)としたとき、

@: f(0)=x ≧0 (題意を満たす)

A: f(1)=y ≧0 (題意を満たす)

B:
=(−x+y−1)2−4x
=x2+y2+1−2xy−2y+2x−4x
=x2−2xy+y2−2x−2y+1
=(x−y)2−2(x+y)+1
≧0

となります。@〜Bは、式(2)が0≦δ≦1に2実解を持つ条件です。
1実解の場合は、題意のx≧0とy≧0より除外されます。
条件Bが、問題の放物線になるはずです。

(x−y)2−2(x+y)+1≧0 (3)

例によってα=x−y,β=x+yと基底変換すれば、(3)は、

α2−2β+1≧0

となり、確かに放物線です。図-1 → 図-2(x-y系)→ α-β系の変換は、 いずれも正則1次変換なので、あとは任意の正則一次変換で、 放物線は放物線に写ることを言えれば良い(これって、もしかして明らかですか?)。
放物線の標準形を、

y=x2+γ (4)

とした場合、放物線(4)は任意の一次変換で、

ax'+by'=(cx'+dy')2+γ (5)

の形に写りますが、式(5)には常に、式(5)を、

px"+qy"=rx"2+γ

qy"=rx"2− px"+γ

の形に移す直交変換が存在する。cx'+dy'=定数の直交方向の単位ベクトルと、 それに直交する単位ベクトルとを、新しい基底に選べば良い。 従って、一次変換はベキ乗の次数を変えないという理由から、ok!。



NO.1032 2001.9.6.Junko正方形の折り紙(4)

面積1/3の正方形の折り方について、考えてみました。



まず半分に折って、折り目EFを得ます。(図1)

頂点DがEFに重なるようにおります(H)。(図2)

更にHC、HBに折り目をつけます。これで正三角形HBCができました。
正方形の1辺の長さを1とすると、HF=√3/2となります。(図3)

三角形HBCの中線を折ることで、その交点Gを得ます。 これは三角形HBCの重心になります。
従って、HG:GF=2:1(図4)

更に、HGを折ることでその中点Iを得ます。
HI=IG=GF=(√3/2)・(1/3)=√3/6
IF=√3/3(図5)

Iで、ADとBCが平行になるように折ることで、IFの長さをAB上にとります。
これ(長さ√3/3)を1辺とする正方形を作れば、その面積がちょうど1/3です。

面積1/5の正方形の折り方については、問題50 面積5分の1の問題 が参考になると思います。




NO.1033 2001.9.7.浜田 明巳懸賞マニアの悩み

うちは家族全員懸賞マニアです. もうじきコ○コー○製品の懸賞の締め切りが近づいていますので, 無理のない範囲で応募シールを集めています.
ここで,次の疑問が浮かんできました. 1枚の申込用紙(葉書)で,1口から3口までの申し込みが出来るのです. 1枚で1口だけなら,その用紙を無作為に選ぶだけで,公平な抽選が出来ると思います. しかし,2口や3口の用紙から選ぶにはどうすればいいのでしょうか. まさか2口,3口の用紙から,1口の用紙と同様に選ぶのは,不公平であり,詐欺です.
実際にどのように抽選されているのか,ご存じの方がいらしたら,是非お教え下さい. お願いします.非常に気になる問題なのです.
私なりに考えてみた結果,次のようにすれば公平なのではないか,と思います.
まず1口,2口,3口の用紙の枚数をそれぞれ数えます. 確率計算によって,1口用の当選者数,2口用の当選者数,3口用の当選者数をそれぞれ決定し, その数の分だけ抽出するのです.
例えば,次のようになります.1口分が1000人の応募数, 2口分が2000人の応募数,3口分が3000人の応募数だったとします.すると全部で,
  1×1000+2×2000+3×3000=14000
口の応募があったことになります.
当選者数が250名だとすると,1口分の応募者の中から,
  1×1000×250/14000=17.8………≒18
2口分の応募者の中から,
  2×2000×250/14000=71.4………≒71
3口分の応募者の中から,
  3×3000×250/14000=160.7………≒161
分の用紙をそれぞれ抽出すればいいことになります. 四捨五入の関係で誤差が出る場合は,その分を適当に割り振ります.
本当のところはどうなんでしょうか.これでいいんでしょうか. それとも,大きな声では言えませんが,もっと適当にやっているんでしょうか.



NO.1034 2001.9.10.渡部 勝正方形の折り紙(5)

正方形の頂点を左上からA,B,C,D,とします。
はじめに辺ADの中点BCの中点を結ぶ折り線を作ります。
続いて辺BCをBを起点に折り、頂点Cが先に作った 折り線に重なる様にします。
このときに作られた折り線と辺CDとの交点をEとすると 長さCEは1/√3となります。
ほかにも方法があります。
HELP:ブルーバックス「折る紙の数学」




NO.1035 2001.9.11.Junko正方形の折り紙(6)



NO.1034渡部 勝さんの折り方を図にしてみました。
∠EBC=30°になりますので、確かにそうですね、とってもシンプル! 素晴らしいです。








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