Weekend Mathematics問題/問題58



58.できるでしょうか?

  1. 最初の素数2から始めて36番目までの素数を用いて 6×6の魔法陣がつくれるでしょうか。 すなわち6×6のマス目のそれぞれに素数を1つずつおき、 縦、横、斜めの数の和がすべて同じになるようにできるでしょうか。

  2. 1から10までの数が一列に並んでいます。 数のあいだに+か−をおいて、その総和が0になるようにできるでしょうか。

  3. 線分ABを延長した直線上に45個の点をとります。 これらの点はすべて線分ABの外側にあります。 45個の点からAまでの距離を合計したものと、 45個の点からBまでの距離を合計したものを同じにできるでしょうか。








問題の出典


数学のひろば

ドミトリ・フォミーン、セルゲイ・ゲンキン、イリヤ・イテンベルク著
志賀浩二、田中紀子訳
岩波書店






答えと解説





答えと解説

解答・その1

(ペンネ−ム:kiyo)

1.
一定の和をXとすると、総合計は14Xとなる。
2は偶数で他の35個の素数は奇数であるから、2から36個の素数の和Y は奇数となる。
X=Y/14は自然数となることが出来ない。
したがって不可能である。

2.
(+)または(-)の演算子を○とする。
1○2○3○4○5○6○7○8○9○10==1 (mod 2)
したがってどのように演算子を選んでも0とすることは出来ない。
不可能である。

3.
45は奇数で、かつ線分ABの外に点をとらなければならないから、 どのように45点を選んでも和を同じにすることは出来ない。
線分ABの中点を選ぶことが出来れば可能であるが、それは許されない。
したがって、不可能である。

前回が3の剰余で、今回は2の剰余の問題ということでしょうか?。





解答・その2

(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん )

全部できません。

1)素数の36個の和は、2427(=3×809)となり、6で割れないからです。
素数は順に、
2,3,5,7,11,13,
17,19,23,29,31,37,
41,43,47,53,59,61,
67,71,73,79,83,89,
97,101,03,107,109,113,
127,131,137,139,149,151

です。
  魔法陣が完成したとすれば、例えば、横の合計が全部同じ値にならねばなりません。   これは、36個の素数の合計が6の倍数であることを意味します。   しかし、合計の2427は、3と809しか約数を持ちません。

2)1から10の合計は55で奇数だからです。
1+2+3+4+5+6+7+8+9+10=55
ここでどこかの符号を "−" に変えたとします。
すると、その数の2倍を55から引くことになります。
55から偶数をひくと奇数なので、どこを"−"にしても、0(偶数)にはできません。

3)点Aの座標を(a)、点Bの座標を(b)、45個の点の座標を(xi)とします。
問題は p=Σ|(xi−a)|と q=Σ|(xi−b)|とが 等しくできるかということです。
大事なことは45が奇数ということです。
45個の点は線分ABの上にないので、どの点xi も 点A、Bとの左右の位置関係が同じです。 (例えば、点xiが点Aの右にあれば、点Bの右でもあるということ)
ですから、絶対値を開いて、pとqを比べたとき、xi の部分は符号が同じです。
しかし、pは奇数個のa、qは同じ奇数個のbが残ります。
点AとBは異なるのでpとqは等しくなり得ません。




解答・その3

(ペンネ−ム:BossF)

1.明らかに、2のはいった行…@と、 はいってない行…Aができる。
ところが@の和はodd,Aの和はeven
∴出来ない…答

2.1〜10には、偶数,奇数 が五個づつ
さて、符号を変えても偶奇性は変わらないから
数のあいだに+か−をおいた時、偶数の項の和は偶数、奇数の項の和は奇数。
よって総和は奇数 i.e. できません…答

3.AB=a、45個の点をPi (1≦i≦45)とすると
ΣAPi=ΣBPi ⇔ Σ(APi-BPi )=0
ここで、APi-BPi =±a
ところが、aと-aが合計45個あったときその和を0にすることは明らかに不可能
i.e.できません…答

今月は偶奇性ですね。



解答・その4

(ペンネ−ム:judas)

1. ×
2以降の素数はすべて奇数となる。
任意の奇数を6個とりあげて合計すると必ず偶数になるが、 奇数を5個にして2を足すと合計が奇数になる。
2を含む列の合計は奇数となり、含まない列の合計は偶数となるから魔方陣は成立しない。

2. ×
つまり1から10の数のうちいくつかをプラスし、その他をマイナスにするということ だが、 1から10までの数の合計は55すなわち奇数であるから、 プラス、マイナスともに同じ数になるように分けることは不可能。

3. ×
45個の点からAまでの距離=45個の点からBまでの距離
→45個の点からAまでの距離−45の点からBまでの距離=0
→それぞれの点について(Aまでの距離−Bまでの距離)の合計=0
図に書いてみると明らかだが、直線AB上の線分ABの外側に任意の点Xを取った場合、 XからAまでの距離−XからBまでの距離=±線分AB となる。
すなわち、45個の点からAまでの距離とBまでの距離を合計した数は、45個の線分ABを プラスかマイナスした数になる。
点の数は奇数個なので距離の合計を0にすることは不可能。



解答・その5

(ペンネ−ム:やなせ)

問題1
素数の中で偶数は2だけです。 残りの素数は全て奇数です。 そこで36個の素数のうち偶数は一個奇数は35個。 奇数の数値を奇数の個数、足すと合計は奇数になります。 その奇数の合計にたった一つの偶数の素数を足しても やっぱり、総数は奇数になります。 魔法陣の升目の数は6(偶数)ですよね、するとですね、 総数が6(今回は)で割り切れなくてはいけませんが、 奇数は偶数で割り切れないので、出来ないって事になります。

問題2
これについては+とーだけですよね
( )は使えないとの認識で解きます
1+2+・・・・・・+10=55これはもう衆知のことですよね・・たしか +とーだけをつかうとゆうことは、表現の仕方が変とおもいますが。
1から10までの数字で、+側に使った数字の合計と (=X) その残りが−側の合計とします。(=Y)と Y=X(同数なので2で割り切れる)にならなければいけませんが
1+2+・・・・・・+10=55なので割り切れ無いので 不可能←これが答え

問題3
線分をA側とB側に伸ばします。これが第一のミソ
問題2と同じように偶数なら簡単に出来ますが
全ての点が同じ位置にないのなら これもできないと思います。



解答・その6

(ペンネ−ム:高橋 道広)

1 最初5,6個書いてはたと気がついてやめました。書く前に気がつかないのが 私です。(~o~)
64個のうち、63個は奇数で1個は偶数ですからその和は必ず奇数になります。
各列の和は、合計の1/6になるので、合計が6の倍数(2の倍数)でないときは このような魔方陣はできないことになります。

2 +1も-1も奇数,+2も-2も偶数ですから、5個の偶数と、5個の奇数の和で偶数を つくるなどということは、当然出来ません。

3 こうなると3番も偶数,奇数に関係があるんだろう、で、当然不可能という答えに なるんでしょうね。
Aからある点までの距離とBから同じ点までの距離を引くとABまたは-ABになります。
(Aからすべての点までの距離の和)ー(Bから全ての点までの距離の和) =((Aからある点までの距離)−(Bからその点までの距離))の和
となりますから、ABを奇数回足したり引いたりして0にはなりません(ABと-ABをペア にしていくと必ず奇数個ABまたは-ABがあまる)から問題文にあるような点の取り方は 出来ないことになります。




解答・その7

(ペンネ−ム:ねこ)

1.(a)
用いる数の中で偶数は2だけであとは奇数。
列について考えると、 2の含まれる列は
(偶)+(奇)+(奇)+(奇)+(奇)+(奇)=(奇)
それ以外の列は
(奇)+(奇)+(奇)+(奇)+(奇)+(奇)=(偶)
となり、和が同じになり得ない。
つまり、できない。

(b)
p1からp36までの総和は奇数。
1列の和はこれの1/6とならなければならないが、
奇数/6は整数とならない。
したがって、できない。

2.
  1〜10の中には、奇数が5個、偶数が5個ある。
それぞれに±の符号をつけても偶奇は変わらない。
奇数を5個と偶数を5個を足し合わせると奇数である。
総和は奇数となり、0とはなり得ない。
つまり、できない。

3.
点が1個の場合、できない。
点が2個の場合、2点がABについて逆の位置にあれば距離の合計は同じになる。
同様に、点が44個の場合、22個ずつABの両側に配置すれば距離の合計は同じに なる。
しかしもう1つ配置してしまうと、点が1つの場合と同様に、同じにはできない。



解答・その8

(ペンネ−ム:yokodon)

(1)36個の素数による魔法陣
件の魔法陣を6次正方行列とみなし、これを a{i,j}、1 ≦ i,j ≦ 6 で表す。
 この行列が魔法陣を成すための条件は以下の4つである。

ところで、題意から各成分 a{i,j} は全て素数なので、2以外は奇数である。
また、奇数6個の和は偶数だが、奇数5個と2の和は奇数である。
ところで、ある整数 p,q(1 ≦ p,q ≦ 6)に対して a{p,q} =2だから、
Σa{i,p}、Σa{q,i} は奇数である(和は、i:1〜6 にわたる)。
これは、題意の魔法陣が実現不可能であることを示している。
よって、結論は不可能。…(答)

(2)1〜10 の線形結合を0に出来るか?
55 個のマス目を一列に並べて、2色(例えば赤と青)に塗り分ける操作を考える。
もし、題意のようなことが可能ならば、赤と青のマス目を同数用意して、 例えば「1個赤、2個青、…、10個赤」等のようにして一列に並べることが出来るはずである。
しかし、55 個のマス目を同数の2色に分けることは不可能である。
これは、題意のような操作が不可能であることを示している。
よって、これも結論は不可能。…(答)

(3)45 個の外分点からの距離の和
ここでは、text 形式で書く都合上、ベクトルを[AB]のように表す。
直線ABを x 軸、点Aをその原点とし、 45 個の点をその x 座標が小さい順に Xi(1 ≦ i ≦ 45)とする。
与条件から、[AXi]=ti[AB]、 ti < 0 or 1 < ti である。
題意から、以下が成り立つか否かを調べればよい。 Σ|[AXi]|=Σ|[BXi]| (和は、i:1〜45 にわたる)
上式は ti の和に直すことが出来る。 Σ|ti| =Σ|ti - 1|  ・・・(#) (和は、i:1〜45 にわたる)
ここで、もし全ての ti が負ならば、(#)式は、以下のようになる。 -Σti =-Σti + 45 (和は、i:1〜45 にわたる)
これは明らかに成り立たない。全ての ti が1より大きい場合も同様にして不可 能であることを示せる。
ある整数 k(2 ≦ k ≦ 45)が存在して、tk-1 < 0 , 1 < tk が成り立つ場合、(#)式は、以下のようになる。
-Σti +Σti =Σ(1 - ti) + Σ(ti - 1) (両辺とも、和は第一項が i:1〜k-1 、第2項が i:k〜45 にわたる)
 これを整理すると、以下のようになる。
-Σti +Σti =-Σti + Σti + 2k - 45 (両辺とも、和は第一項が i:1〜k-1 、第2項が i:k〜45 にわたる)
よって、0 = 2k -45 となるが、これを満たす整数 k は存在しない。
すなわち、(#)を成り立たせる様な点の配置は存在しない。
従って、結論は不可能。…(答)




解答・その9

(ペンネ−ム:スチューデント)

1,出来ない。
 素数の中で偶数は2だけである。残りは奇数より、各辺の和は2が含まれている場 合奇数、含まれていない場合は偶数である。2をすべての辺に含ませることは出来な いし、2をすべての辺からはずすことは出来ないので、偶数になる辺と、奇数になる 辺が出来てしまう。よって魔法陣は出来ない。

2,出来ない。
 + X の所を− Xに変えると、2X少なくなる。1から10までの和は55、 55−0=55より、0にするには55減らさなければならない。しかし、一つを+ から−に変えると、2X(Xは2〜10の正数)減ることになるので、奇数分減らす ことは出来ない。よって0には出来ない。

3,出来ない。
 ある点が、A側にある場合、その点はAの方がBよりも線分の長さだけ距離は長 い。B側にある場合はその逆である。線分の上には点がないので、両側に等しい数の 点が置かれたとき、それぞれの合計は等しくなる。しかし、点は奇数個しかないの で、同じには出来ない。



解答・その10

(ペンネ−ム:中数の基本)

1
[解答]
 できない。
[理由]
 2が含まれる行、列は2+奇+奇+奇+奇+奇となって奇数となりますが、それ以 外の行、列は奇+奇+奇+奇+奇+奇となって、偶数になりますので、等しくなりませ ん。
[point]
 偶数の素数が一つだけ(2)含まれるところが鍵です。


[解答]
 できない。
[理由]  1+2+3+・・・+10=55ですが、どの符号を変えても、偶数分変化するので、結 果は奇数になります。 つまり、
1+2+・・-k−m−n+・・・10=(1+2+3+・・・+10)-2(k+m+n)なので、 奇数になります。
[point]
 一つ符号を変えると偶数分変化します。


[解答]
 できない
[理由]
 Aの左に一つの点があれば、その位置にかかわらず、Aまでの距離とBまでの 距離は、ABだけ異なります。
 そこで、Aの左にm個、Bの右にn個あれば、Aまでの距離の和とBまでの距 離の和は(n−m)ABだけ異なります。
 これが0となるには、左右同数でなければ等しくなたないところ、45が奇数 なので、等しく分けられません。
[point]
 点の位置にかかわらず、一つの点について和はABだけ異なります。

※1,2,3に共通:0となるための必要条件は偶数であること。したがって、0 にならないことの証明は、偶数にならないことの証明で足りる。



解答・その11

(ペンネ−ム:Idaho Potato)

(1) できない。
用いる素数のうち、2のみが偶数でほかはすべて奇数なので、 列に2を含むか否かによって、列の和の偶奇が変わる。 (2を含む列の和は奇数、その他の列の和は偶数)

(2) できない。
すべて + と仮定すると総和は 55 で奇数。 n の直前の符号を - に変えると 総和は 2n 小さくなるので、どの符号を変えても総和はやはり奇数である。 ゆえに総和が 0 になることはない。

(3) できない。
線分ABの外側の1点から A, B への(符号つきの)距離の差を考えると、 それは、絶対値が一定(線分ABの長さ)で、「符号」はその点が A, B の どちらの側にあるかに依存する。
各点から A, B への「距離の総和」の差は、「(符号つきの)距離の差」の 総和に等しいことに注意すると、点の数は奇数なので、それは線分ABの長さの 奇数倍となる。ゆえにそれは 0 ではない。



解答・その12

(ペンネ−ム:浜田 明巳)

1.不可能である.
2以外の素数はすべて奇数である.
縦,横,斜めのどれかに2が入るものがあり,他の5個の素数はすべて奇数であるから, その和は奇数である.しかし2が入らないものも必ず存在し, その和は6個の奇素数の和となり,偶数である.つまり2が入るものと, 2が入らないものの和の偶奇は一致しない.故に魔法陣はつくれない.

2.不可能である.
1から10までに,奇数は5個,偶数は5個ある. 故にこれらの10個の数の和,差は必ず奇数となり, 偶数の0に等しくなることはない.

3.不可能である.
線分ABをAの方向に延長した線上にm個の点A1〜Amをとり, Bの方向に延長した線上にn個の点B1〜Bnをとる.
このときm+n=45,m,nは非負整数となる.
1A+AB=A1B,・・・, AmA+AB=AmB,AB1=AB+BB1,・・・, ABn=AB+BBn であるから,Aまでの距離の和は,
(A1A+・・・+AmA)+(AB1+・・・+ABn)
(A1A+・・・+AmA)+(AB+BB1)+・・・+(AB+BBn)
(A1A+・・・+AmA)+(BB1+・・・+BBn)+nAB

Bまでの距離の和は,
(A1B+・・・+AmB)+(BB1+・・・+BBn)
(A1A+AB)+・・・+(AmA+AB)+(BB1+・・・+BBn)
(A1A+・・・+AmA)+(BB1+・・・+BBn)+mAB

もしこれらの和が等しいとすると,n=mとなる.
しかしm,nの和が奇数なので,m,nの偶奇は一致しない.したがってm=nは矛盾する.
(例外として,A,Bが一致する場合がありますが,これは考えなくていいでしょう)
いずれの場合も,いつものようにパソコンのプログラムで解こう,と張り切っていたのですが, パソコンの画面に向かっている間に,ついつい解いてしまいました. 私は一度解いてしまうと,まったく解く気をなくしてしまう悪い癖があります. プログラムはついに未完成のままで,ピリオドとなりました. すみませんでした.私がこんな数学的な解答を作ったって,まったく意味がありませんよね.
ちなみに問題2のマクロは以下の通りです. 1はまだ未完成で,3はまだ作ってません.作る前に解けてしまいました.

Option Explicit
Sub Macro2()
    Dim a(10) As Integer
    Cells(1, 1).Value = 0
    Call check(1, a())
End Sub
Sub check(ByVal n As Integer, ByRef a() As Integer)
    Dim wa As Integer
    Dim j As Integer
    a(n) = 1
    While a(n) >= -1
      If n < 10 Then
        Call check(n + 1, a())
      Else
        wa = 0
        For j = 1 To 10
          wa = wa + a(j) * j
        Next j
        If wa = 0 Then
          Cells(1, 1).Value = Cells(1, 1).Value + 1
          For j = 1 To 10
            Cells(Cells(1, 1).Value + 1, 2 * j - 1).Value = fugou(a(j))
            Cells(Cells(1, 1).Value + 1, 2 * j).Value = j
          Next j
        End If
      End If
      a(n) = a(n) - 2
    Wend
End Sub
Private Function fugou(ByVal n As Integer) As String
    If n = 1 Then
      fugou = "+"
    Else
      fugou = "-"
    End If
End Function




解答・その13

(ペンネ−ム:DDT)

[方針]
不得意分野なので、機械に頼ることにしました。
TotalSumm=±1±2±3±4±5±6±7±8±9±10(全ての±は、復号同順ならず!)・・・(1)

(1)をプログラムで計算します。 ±について2回周るループを10重にすることも考えましたが、 今週か来週に多分木構造を扱う破目になりそうなので、式(1)を深さ10の2分木と考えて、 再帰呼び出しルーティンで処理してみました。言語はVBです。

'メインルーティン
Sub Main()
  ResultsCount = 1
  ReDim Results(ResultsCount)
  Call Recall(0, 0)

  '結果出力用コード(省略)
End Sub

'再帰呼び出し用ルーティン
Sub Recall(i As Integer, Summ As Integer)
  Dim Dep_th As Integer      '2分木の深さ
  Dim LocalSumm As Integer   '途中の枝における和

  Dep_th = i + 1

  For j = 0 To 1
    LocalSumm = Summ + (-1) ^ j * Dep_th

    If j = 0 Then
      Results(ResultsCount).Sg_n(Dep_th) = "+"
    Else
      ResultsCount = ResultsCount + 1
      ReDim Preserve Results(ResultsCount)

      For k = 1 To i
        Results(ResultsCount).Sg_n(k) = Results(ResultsCount - 1).Sg_n(k)
      Next k

      Results(ResultsCount).Sg_n(Dep_th) = "-"
    End If

    If Dep_th < 10 Then
      Call Recall(Dep_th, LocalSumm)
    Else
      Results(ResultsCount).TotalSum = LocalSumm
    End If

  Next j

End Sub

'結果保存用グローバルデータ
Type Result_s  '結果保存用ユーザー定義型の定義
  Sg_n(1 To 10) As String  '±符号保存用文字型配列
  TotalSum As Integer      '一つの枝に関する最終結果
End Type

Public Results() As Result_s    '動的配列として宣言
Public ResultsCount As Integer  '上記配列の寸法(2分木から生成される枝の数)

[結果]
深さ10の2分木として210=1024通りを計算し、 その内、+1±2±3±・・・±10に対応するのは最初の1024/2=512通りなので、 Results(1 to ResultsCount)から512個を抽出して、 {Results(i).TotalSumm}i=1〜512を絶対値の降順に並べました。その結果、

+1+2+3+4+5+6+7+8+9+10= 55
+1-2-3-4-5-6-7-8-9-10=-53
+1-2+3+4+5+6+7+8+9+10= 51
+1+2-3-4-5-6-7-8-9-10=-49
+1+2-3+4+5+6+7+8+9+10= 49
+1-2+3-4+5-6-7+8-9+10=- 1
+1+2-3-4-5-6+7+8-9+10= 1
+1+2-3-4+5-6-7-8+9+10=- 1
+1+2+3+4-5-6-7+8+9-10=- 1
+1+2-3+4+5-6+7-8+9-10= 1

が得られました。絶対値の降順で、55,53,51,・・・7,5,3,1と 55から奇数飛びになります。 最大値55から2づつ和の絶対値が減る1〜10の数の組み合わせの存在が言えれば良いと思います (予想証明行数は実質最大10行)。以上「方針」のみですが答えは、
答え:不可




正解者

kiyo夜ふかしのつらいおじさんBossF
judasやなせ浜田 明巳
高橋 道広DDTねこ
yokodonスチューデント中数の基本
Idaho Potato





まとめ

前回は、3の剰余類で解決できる問題でしたが、 今回は2の剰余類、偶奇性(パリティ)をテーマにしました。 もちろん、今回の問題はすべて不可能なものばかりです。
偶奇性(パリティ)が一致しているからといって、それは具体的な方法を示すものではありませんし、可能であることの 証明にもなりません。 しかし偶奇性(パリティ)が一致していないとき、それは不可能であることを証明することになります。

データ通信におけるパリティチェックも同様です。
データに含まれる1または0の数を計算し、 その結果をパリティビットとしてデータに付加する。データを読み出したときにもう 1度パリティを計算し、読み出したパリティビットと一致しなければ、 データ転送が正しく行われなかったことがわかります。 もちろんパリティが一致しからといって、データの誤りがないということにはなりません。

ところで最近、マーティン・ガードナー著「自然界における左と右」という本を読み始めています。
まえがきによれば、1957年に中国系アメリカ人の李政道と楊振寧の2人が、パリティの非保存に関する 研究に対して、ノーベル物理学賞を受けたとあります。
原子核の崩壊をつかさどる「弱い相互作用」の実験がパリティ非保存を示した。 つまり自然界は右と左を区別する、対等ではないということのようです。
私には話しがむずかしそうだなという雰囲気も漂っていますが、 右と左が対等ではないということはわかるし、それって驚きってところもあります。 素粒子の世界は想像を超えたものだとも思います。 この本、読み進めてみます。

さて、Idaho Potatoさんからの関連問題です。 → コロキウム室 NO.1077





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