Weekend Mathematics情報/「情報A」の授業2(2002年度)


「情報A」の授業・その2

「情報A」の年間指導計画(2002年度)


第21回・情報の検索と収集

情報を収集するには、どういう方法があるか考えてみて、 と生徒に投げかけたら、どんな情報ですか? と聞かれました。 それはそうですよね、欲しい情報によって違ってくるわけで、 そこが今回の授業の目的でもあるわけですから・・・。
いろいろなものを想定してなんでもいいから挙げてみてくれる? というと、 図書館、テレビ、インターネット、辞書などいろいろ言い始めました。
それらを皆で確認した後、情報収集の手段の1つとしてインターネットによる 情報検索を位置づけました。
「WWW」「ブラウザ」「URL」などのキーワードを説明しながら、 巨大なデータベースとしてのインターネットと、検索の重要性について話をしました。

実習は、URLを直接指定してwebページを閲覧することをしました。
URLの書式を説明しながら、
国立天文台日本テレビにつなげました。 国立天文台については、topページはすべて英語で書かれています。 そのことの意味についても考えてもらいました。

検索のための道具として、検索エンジンには 2つのタイプ、ディレクトリ型検索エンジンとロボット型の検索エンジンがあること、 その特徴などについて話しをしました。

ディレクトリ型検索エンジンの例として、 yahoo japanを紹介し、これを 利用してカテゴリ検索をしてもらいました。
yahoo japanへの登録はかなり審査が厳しく、 ひとつのステータスになっている。利用する側としては、 人の手で登録をしているということで、 信頼性の高い情報を得ることができる、 という説明をしました。





第22回・情報の検索と収集その2

2回目は、ロボット型検索エンジンの例として、Google を使ったキーワード検索をしてもらいました。
「高校野球」というキーワードでヒット件数、表示されるHPの順番、 リンク情報の分析等Googleの特徴を簡単に説明しました。
次に絞り込むための方法として、and検索、not検索なども説明し、 実際にキーワードを入れて、ヒット数を比較してもらいました。 更に、Google固有の「日本語ページ検索」や「イメージ検索」も紹介しました。

今年も15分間の検索トライヤルをしました。 昨年と問題文を若干変えましたが、期待(?)をこめて中田の血液型は残しました。 以下のような問題文の書かれたWordファイルを配り、URLのコピーの仕方を説明し、 答えとその根拠となるURLを両方答えるというルールでやってもらいました。


以下の質問に対する答をwebで検索せよ。
根拠となるページのURLも書き添えること。

  1. ベッカム(サッカー、イングランド代表)選手の生年月日は?
  2. 中田英寿の血液型は?
  3. 読売ジャイアンツの松井秀喜選手の出身高校は?
  4. 宇多田ヒカルのデビュー曲は?
  5. 日本最北端の駅は?
  6. サイパンの今日の天気は?

それぞれ工夫をして、キーワード検索をしている生徒がほとんどでした。 中には、「中田英寿の血液型」のように入力している生徒も見受けられましたので、 単語にして、and検索をするよう指導をしました。
早い生徒は15分で終了します。平均的には2〜3題くらいでしょうか。
終わってから、中田の血液型は何だった? と聞くと、「O型!」という声と、 「A型!」というのに別れました。生徒たちは、「ええーっ、どっちが本当なの?」 と予定通り(?)の反応をします。 間違った情報も役に立つことがあるのですね。 さあーどっちが本当なのかなあ・・・誰か次回までに調べてきてくれる?と振っておきました。

来年の今頃は皆サイパン修学旅行だね、今日のサイパンのお天気はどうだった? と聞くと、「曇りのち雨」ということでした。 これについて「サイパン 今日の天気」としてキーワード検索をしている生徒がいましたが、 なかなかうまくいきません。今日は今日でも8月30日付けの今日だったりするわけです。 キーワードによる検索は手軽だけれどもケースバイケース、場合によってはカテゴリー検索の 方がいい場合もあるというわけで、 yahoo japanの topページから、天気、オセアニアとたどるとOK、クリック2回です。
インターネットに限らず、目的に応じて使いわけるというのが大切ですというまとめをしました。



第23回・情報の検索と収集その3

次の時間から始まる事業所見学のしおり作りを意識して、 情報検索の仕方と、情報の活用の仕方を学びました。
最初は、yahoo japanの「路線」サービスです。 例えばディズニーランドに11時集合という想定で、学校(弘明寺)から舞浜まで、到着時刻指定(10:50)で検索してもらいました。 経路と費用を確認、舞浜の周辺地図を見て11時に間に合うかという検証もしてもらいました。
次は、yahoo japanの「地図」サービスです。 訪問する事業所の中から1箇所を例にとって、住所からその場所を検索してもらいました。 縮尺を変えてみたりして、最寄り駅はどこなのかというあたりを確認してもらいました。 その後、自宅の住所からその周辺地図を出してみてごらんというと、 隣の生徒に「うちはここなんだよ・・・」といいながら楽しそうにやっていました。

後半は、将来の職業を意識して、 リクルート進学ネット の仕事ナビにアクセスし、興味・関心のある職業のページを自由に見てもらいました。 (このサイトはなかなかよくできていて、進路指導にも多いに活用できると思います。) しばらく見てもらったあと、このページを利用して、テキストのコピーの仕方、画像のコピーの仕方を 説明し、実際にやってもらいました。
因みに3年生の情報の授業では、リクルート進学ネットを活用して職業調べを行い、まとめるということを1学期にしていて、 それが廊下の掲示板に張ってあります。
最後に簡単にではありますが、文字、画像、音声、プログラム等含めWebページには著作権があるから 再利用については、充分注意しなければならないということを話しました。 これについては細かく言い出したらきりがないので、場面に応じてそれに関連する話をしていこうと 思っています。



第24回・しおり作り

本校では、今年度1年生を対象に「総合的な学習の時間」を週1時間で実施しています。 総合学科における「産業社会と人間」を取り込んだ内容ということで、 1学期は自己理解、職業理解、社会人講話などを行ってきました。 2学期に入り、事業所見学を10月4日に実施する予定です。 そのための事前準備を情報の授業を通して行いました。
具体的には、「しおり作り」を通して訪問する事業所やその職業についての下調べをするというのが 中心になります。 授業の内容としては、情報検索の仕方、情報のまとめ方、 複数ページに渡る文書の作成などを学ぶことになります。

最初の時間は、この事業所見学としおり作りの概要、情報の授業における評価の観点 などについての説明をしました。
まずは、事業所見学の目的と意義について確認(これが重要!)。 次に、各自訪問する事業所を確認(1学期に希望をとり、調整済み)しました。 行き先によって、時間の設定や細かい指示(私服でくるように、など)が違うので、 担当の先生とよく連絡をとるようにとも指導しました。

しおりについては、項目だけを書いた雛形を提供し、それぞれ必要事項を書き込む形にしました。 訪問先の住所、担当して下さる方の名前など必要事項を記入、 訪問先の住所から地図を検索して周辺地図の貼り付け、 交通手段と交通費を検索して記入。 更にグループごとにそれぞれ訪問時間、待ち合わせ場所、時間等の記入。
そしてメインは訪問事業所の業務内容についての情報収集です。 訪問事業所がHPを提供しているところは、ほとんどそこで情報収集できますが、 そうでないところはその業種、その職業について調べてもらいました。 それらを貼り付け等して、まとめをしてもらいます。 更にそれぞれ当日訪問先で質問する項目を記入してもらいました。
表紙やページ構成については各自工夫をして自由にやって構わないので、 是非いいものを作ってほしい、ということで作業に入ってもらいました。

情報の授業における評価の観点としては、以下のような点を生徒にも伝えました。






第25回・しおり作りその2

生徒たちは、それぞれのペースで作業を始めました。
訪問先の周辺地図を貼り付けるところでは、普通にコピー&ペーストではうまくいきませんので、 bmpを指定して貼り付けることとしました。
路線を調べて、どういう経路で行くか、グループで相談している姿も見受けられました。
表紙に懲り始める生徒もいましたが、大切なのは中味だからほどほどにということで・・・。

教育課程新聞社 の教育マルチメディア新聞に授業の様子を掲載したいということで、取材にみえました。




第26回・しおり作りその3

3回目ということで、ほとんどの生徒が訪問先の事業内容の下調べをしていました。 事業所のホームページがあって、そこに事業内容が書いてあるケースはいいのですが、 そうでないところは苦労していました。 仕上がった生徒から順に印刷をして、綴じて提出です。 このしおり作りを通して、事業所訪問の意識づけがなされればと思っています。



第27回・しおり作りその4

事業所訪問のしおり作りに4時間を設定しましたが、 お休みをしたりして、完成していない生徒もいます。 そのための補習を1日、設定しました。

作品をいくつか紹介します。

作品1
訪問する事業所のWebページがありませんので、それに関連した職業について調べてくれました。
ところどころにワンポイントのイラストをいれて、 かわいく仕上げています。







作品2
訪問する事業所の周辺地図は、縮尺を変えて2種類
表紙も行き先を意識したものになっています。








作品3
訪問する事業所のWebページにある写真なども取り込んで、 事業内容をまとめています。








作品4
周辺地図を2種類、これなら迷うことはないでしょう。
表紙にこだわりが感じられますね。







ご協力いただいた事業所は以下の24社です。

大口東総合病院、上州屋、ホテルリッチ、 ロイヤルホールヨコハマ、富士シティオ(スーパー)、 横浜インポートマート、横浜丸中青果・丸魚、 ワミレスコスメティックス、 ビックカメラ、横浜八景島、全日警、 横浜ハーベスト(美容院)、 資生堂鎌倉工場、ビクトリア(スカーフ製造)、 丸山(スカーフ製造)、荻原流通センター(衣料品)、 ダイイチ(ユニフォーム製造)、野毛印刷所、三井倉庫、 横浜アリーナ、相鉄エージェンシー(広告代理店)、 柴橋商会(介護用品レンタル)、 横浜南警察署


生徒たちのために、資料等準備いただき、貴重なお時間を割いて対応していただきました。 この場を借りて、深く感謝申しあげます。 生徒たちは、「職場」を見学し、働くということがどういうことか、 それぞれ考えてくれたのではないかと思います。

当日の様子(大岡高校の公式ホームページ)

生徒の感想文(大岡高校の公式ホームページ)



第28回・メールアカウントの設定

電子メールに関する実習について、2000サーバーにフリーの black jambo dogでメール・サーバーをたてて、AL-Mail(教育機関フリー)を使用しています。 教室の中だけのメールです。本来なら外部との送受信を体験させてあげたいと思いますが、 情報の授業時から発生するトラブル等(特に携帯とのやりとり)をさけるため、 教室の外とは送受信できないこととしました。 メールの「授業」のためのメール環境としては、 これでとりあえずは仕方がないだろうという判断です。
メーラーについては、個人のMail Boxを用意してプライバシーやセキュリティのこと に配慮することにつなげるため、 各自のログオンした環境に設定等が残せるAL-Mailにしました。

最初の授業では、まず本人のメールアドレスを確認しました。 メールアドレスは、学年組番号の組み合わせにイニシャル1文字を足して、ユーザー名としました。 例えば、1年6組12番小島だとすると、「1612k@ooka-h.ed.jp」となります。 イニシャルを1つ足すことで、いたずらmailを防ぐことができるという 茨城県のN先生からいただいたアイディアです。
メーラーの設定をそれぞれ項目の意味を説明しながら各自でやってもらいました。 予め、"設定完了おめでとう"メールを全員に送信しておきましたので、 きちんと設定できた生徒はそれが読めるということになります。
パスワードについて、この時間はまだ仮のパスワードでmail送受信のテストをしましたが、決め方や扱いについての注意をした後、4文字のパスワードを申告してもらいました。




第29回・アドレス帳、署名

まず新しいパスワードでサーバーに接続できるかチェックをしました。
毎回メールアドレスを入力するのは煩わしいということで、アドレス帳に何件か登録をしてもらいました。自分、私(kojima@ooka-h.ed.jp)、次の出席番号の人、その他です。
アドレス帳を使っての通信テストはまず自分宛でということで、テストmailを発信してもらいました。そうしますと、標準の署名つきで届きます。それを確認してもらい、署名の説明をし、別ヴァージョンを作ろうということにしました。皆、楽しげに作っていました。「署名デザインコンテスト」をやったらおもしろいかも? と思ったりして・・・。



第30回・チェーンメール、添付ファイル

昨年同様、チェーンメール・コレクション にあるチェーンメールを使わせていただきました。
私のアドレス帳に予め全員を登録しておき、一斉送信をしました。

1つめは、
「あなたに会えてよかった・・・(中略)・・・ 今よりもっと仲よくなりたいと思う5人に送ってください。きっと、もっと仲よくなれるよ。」
「こういうメールを受け取ったらどうする?」
「どうもしなーい!」
OK

2つめ
「【重要警告】ウィルス情報です・・・(中略)・・・ この情報をインターネットにアクセスする出来るだけ多くの人に知らせてあげてください。」
こういった情報は本当だとしてもmailで流すのは避けるべきで、Webや掲示板、もしくは インターネット以外のメディアで情報提供するべきだという話しをしました。

最後に3通め
「AB型RH ― 献血のお願い・・・(中略)・・・ご連絡ください。」
確かに善意のメールで、実際に人助けに役立ったという例もある、でも一方で、 不注意にも病院の電話番号が記載されていたためにその病院の通常業務に支障をきたすほどの問い合わせが殺到したということもある、たとえ善意からでた行為であっても結果として社会に多大な迷惑をかけてしまうことがあるので慎重な対応が必要である、この場合でもやはりメールは避けた方がよいというようなことを話しました。
話をややずれますが、メールというコミュニケーションは直接的ではないので、誤解を招きやすい。 ことば使いや内容などにも十分注意をしないと、人間関係を壊しかねないという話しもしました。

後半は、一転して添付ファイルの実習をしました。

自己紹介のメールを書き、それに以前作成した似顔絵ファイルを添付して、 次の番号の人に送ってもらいました。 受け取った添付ファイルは、一端ハードディスクに保存してから開いてもらいました。 本来ならウイルスチェックをしてから開くべきだと思いますが、 今回は説明だけで実習はしませんでした。 前の番号の人から送られてきた似顔絵をみて、「いやあー、よく似てるね」と盛り上がっていました。

最後にまとめ、添付ファイルは便利だけれども気をつけなければならない点がいくつかあるということで、相手の環境に配慮する、サイズの大きいものは添付しないなどの注意をしました。



第31回・コンピュータウイルスとセキュリティ

生徒たちは、将来いやでもコンピュータやネットワークとつきあっていかなければならない状況になると思います。その際に、コンピュータウイルスに対する正しい知識と認識を持っていてもらおうということで、取り上げました。 情報処理振興事業協会(IPA)からいただいた、 「15分で学ぶ コンピュータウイルス対策」というビデオを上映しました。 このビデオは、コンピュータウイルスにはどういったタイプがあるのか、 感染するとどういった症状が現れるのか、実際の映像で示してくれています。 またこれらに対応するためにはどういう対策をたてておけばいいか、ということも教えてくれます。 皆でこれを見たあと、IPAのホームページにあるウイルス対策7箇条に基づいて、解説を加えながら再確認しました。 更に対策7箇条+1ということで、もう1項目(最新の情報に敏感であること)を付け加えました。 この後、インターネットでIPA のサイトにつなぎ、新種ウイルス情報を見てもらいました。

「どういう人たちが何の目的のためにウイルスを作るの?」という質問を受けました。 フィリピンの専門学校生が犯人であったという「ラブレター」の話をしました。
「ばらまいて迷惑をかけるつもりはないけれど、ウイルスを作ってみたい。」
という生徒がいました。一瞬どきっ!
「つまり、破壊行為をせずに毎月1日になると音楽がなるとか、 自動的にアニメーションが動くとかをしてみたいわけね? それだったらプログラミングの勉強をすればいいのよ。」
「そうそう、先生安心して。悪いことをしたいってわけではないよ。そういうのやってみたーい!」
ほっ!
「3年生になったらプログラミングの授業を選択してね!!」

メールのセキュリティということで、暗号化と電子署名についての話しもしました。 電子メールはたくさんのサーバーを経由していくので、途中悪意のある人がいれば読まれてしまう、いってみれば「はがき状態」であることを説明し、そのセキュリティを守るために暗号化技術が生かされているということ。また、なりすましを見破るために電子署名と認証というシステムがあることなどを説明しました。



第32回・添付ファイルしりとりリレー

「添付ファイルしりとりリレー」をしました。
5人1組のチームを編成し、添付ファイルでしりとりをしていき、その速さを競うのです。 Wordファイルに最初、1行「小島淳子 りんご」とだけ書いてあります。 それを添付したメールを私から1番手のメンバーに一斉送信をしてスタートです。 受け取った人はそのファイルに1行ずつしりとりを書き足しながら、添付ファイルで次の人にリレーしていきます。 mailの題名は「添付ファイルしりとりリレー」、本文には必ずあいさつと添付ファイルがある旨をかくことを条件としました。 かなり盛り上がりを見せて、それぞれのチーム内で協力している様子が多々見受けられました。 チームによっては、予め送信mailを用意しておくなど工夫していました。
最後の人は私に送り返すということで、私は一切手伝わず、時々メールチェックをしながら待っていました。1番早いチームで10分くらいでしょうか。 ひととおり返ってきたところで、皆でしりとりの内容を確認し、優勝チームを決めました。
ひとつのファイルを皆でリレーしながら書いていくということができる、これってすごいことだよね。環境さえ整えば、世界中の人達とこういった協同作業ができるのだということでまとめをしました。
次回はペイントによる「イラストしりとりリレー」というのもいいかも?






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