Weekend Mathematicsコロキウム室1999.1〜3/NO.45

コロキウム室



NO.370    '99 3/1    水の流れ     正四面体の問題(2)
  

正四面体の問題ですが、私は生徒に長方形の答案用紙で、正四面体の折り方 をいつも教えています。正四面体の2面のなす角の余弦が1/3だったかなー。 これらに大変役に立ちます。まして、神奈川県の入試問題の正四面体の問題など もし、受験生が答案を折って、模型を作ったら、これはどうなるのでしょう。

  1. 長方形ABCDにおいて、長い辺をAD,BCとします。 点Bを点Aに、点Cを点Dに重ねて、折り曲げて、折り目を作ります。
  2. ここが一番重要な所です。 点Aを固定して、点Bを先ほどの折り目に合わせて、 折り目AEを作ってください。
    ここで、問題です。
    ∠DAE=60度であることを証明してください。
  3. 線BEを折り目にして、折り曲げて、点Fを決めてください。
  4. 線AFを折り目にして、折り曲げてください。
  5. ここで、正三角形AEFができます。 線AF中点Mを決めてください。 点Eを先ほどの中点Mに合わせてください。 そして、線GHを決める。
  6. 線GMを折り目にして、折り曲げて,点Aを点Hに重ねます。
  7. 線MHを折り目にして、折り曲げて,点Fを点Gに重ねます。
  8. 正三角形MGHができます。
  9. 折り目MH、GM、GHをもどして、3点をA,E,Fを 重ねて、正四面体A−GHMができます。




NO.371    '99 3/1    Junko     バレンタインデーの贈り物(2)
  

左の図のような配置ではないかと思います。 この状態から少しでもずらすと、 正方形の1辺の長さが長くなってしまうと思うのです。 従って、正方形の1辺の長さは以下の通りです。


確かにこれでいいということを、複素数を使って検証します。





NO.372    '99 3/1    Weadore     宇宙空間での最短経路問題(3)
  

NO.353で求められた ネットワークが最小でないことを示す。
まず、最小のネットワークはある任意の点からたの全ての点に 行ければ良いので、閉じた回路をもっていない。 これは、かりにA→Bに行くとしよう。その時に、A→B に直接行く方法が二つ以上はないのです。 なぜなら、一つあれば十分なので、他をなくしても 問題ないからです。
また、ここで[No.353]のネットワークは閉じた回路を 明らかに含んでいます。よって、ネットワークは 最短ではない。
例を挙げてみますと、あの中央の立方体の 手前の四辺を取ってみましょう。 このとき、任意の点が他のすべての点へ 行けることを確かめましょう。 ね?行けるでしょう?遠回りだけれど。
また、その取ったネットワークは明らかに ネットワークの重みが釣り合ってない。 よって、そのネットワークも最短ではない。
多分あの実験では、二次元のネットワークしかできないでしょう。 事実、あの実験でやったのは、二次元のシュタイナーのネットワーク を釣り合わせただけですしね。
でも、ちなみに、正四面体はあのネットワークが最小です。 それは、これから証明します。お楽しみに。



NO.373    '99 3/1    Junko     ゼーター関数物語(20)
  





NO.374    '99 3/1    水の流れ     ゼーター関数物語(21)
  

ゼーター関数物語ζ(2)物語第7夜の始まり、はじまり。
昨夜の無限級数と無限席が等しいことが分かったでしょうか。
コロキウム室を愛好している皆さんにはちょっと、 首をひねっただけで解けただろうと思います。

さて、レオナルド・オイラーは広範囲に業績を残した 18世紀を代表する数学者であります。 彼は、生涯に45冊の本と700編以上の論文を書いています。 研究範囲は、フェルマーの定理のn=3,4の場合の証明などの整数論から、 幾何学、代数学、微分積分学、確率論、 さらには、現代のトポロジーやグラフ理論の誕生につながる問題、 力学や音楽理論や造船学にまで及んでいる。
さらに、彼は、新しい記号メーカーでもあった。 一例を挙げると、関数記号f(x)、指数関数の底e (これなど、自分のEulerの頭文字をとっている)、 円周率π(先駆者はいたが・・・)、 虚数単位のi、和の記号Σなど特殊な記号を導入している。
また、三角関数の定義を比例であるかのように、 一般的なものとして普及させることに成功している。 これらの一部は、1748年に発表された『無限小解析入門』 の中に書いてあります。
後に、かの数学者ガウスは、初めてオイラーの業績に出会ったときのことを回想し、 『それまで味わったことのない熱い思いがわきあがってきた。』と言い、 さらに、『広い科学分野の限界にまで挑戦してやろうと固く決心した。』と書いています。

 <以上のまでの原稿を書くにあたっての参考文献を挙げておきます。>

  1. 「数学の宇宙」:現代数学社
  2. 秋山仁の数学タイムトラベル:NHK出版
  3. 新数学事典:大阪書籍             

オイラーがセントペテルスブルグ大学での初年度、 1734年に発表したのがゼーター関数
ζ(2)=1+1/4+1/9+1/16+・・・の値でした。
このとき、彼はこう語っています。
・・・私は予想もしなかったエレガントな式を発見した。 ・・・それもπを用いてのものである。
このエレガントな式から結論を導き出すために、 オイラーには2つの道具が必要でした。
1つは初歩の三角法のいわゆる“正弦関数sinx”です。 ここで、f(x)=sinx のグラフを書いてください。 ここがオイラーの洞察の核心があるのです。 グラフがちょうどx軸と交わるときのxの値に対して関数の値は 0であることを思い出してください。
x=0,±π,±2π,±3π,±4π,・・・,これらの値のとき、 sinx=0になります。

 さて、今夜の問題です。 解析学でテイラー級数の展開を学んだ人なら即座に分かります。
次の関数をx=0でテイラー展開または、 マクローリン(1698〜1746)展開してください。

  1. f(x)=1/(1−x)
  2. f(x)=1/(1+x)
  3. f(x)=sinx
今夜これで、床に就きましょう。お休みなさい。



NO.375    '99 3/1    Junko     正四面体の問題(3)
  

案外、簡単に60゚を作れることができるのですね。
右の図のように、ABの中点をNとして、△ABNを考えます。
AN:AB=1:2より∠NAB=60゚
∠NAE=∠EABより、∠NAE=30゚
従って、∠DAE=60゚




NO.376    '99 3/1    Junko     ゼーター関数物語(22)
  





NO.377    '99 3/2    月の光     ゼーター関数物語(23)
  

NO.374のテ−ラ−展開です。





NO.378    '99 3/2    Junko     ゼーター関数物語(24)
  

NO.374の(3)のテ−ラ−展開です。





NO.379    '99 3/3    水の流れ     ゼーター関数物語(25)
  

ゼーター関数ζ(2)物語第8夜の始まり、始まり。
オイラーは当然ζ(2)=1+1/4+1/9+1/16+・・・の問題ことは 師であるヨハンを通じて聞き及んでいたことでしょう。
最初は彼も、いずれ正確な値が出てくるだろうと期待して この級数の項を単に延々と足して いってみたと述べています。
結局、小数点以下20位までの和を出してみて (コンピューターなどがなかった時代ですから、並々ならぬ計算作業です)、 それが、1.6449・・・という数値になっていきそうだと分かりましたが、 残念ながらこの数字ではどうにも落ち着きが得られなかったのです。
あきらめることなく彼は問題に取り組み続け、ついに謎の 扉を開く鍵を発見したのです。 その1つの鍵が第7夜で述べた、正弦関数 のテイラー級数の展開でした。

sin x=x−x3/3!+x5/5!−x7/7!+x9/9!−・・・

ここで、重要なのはオイラーが“無限に続く多項式”として sin x を代表させていることです。 これがオイラーが謎を解くのに必要な有効な手段の1つになりました。
もう1つの鍵は三角法でも微分でもない単純な代数でした。 sin x のテイラー展開が終わりのない多項式を示唆したわけですから、 オイラーは有限な多項式によくある性質を調べてみることにして、 そこから無限のケースへと大胆に拡大していくことにしました。

さて、ここで今夜の問題です。
『次の条件を満たすn次の多項式P(x)を見つけなさい。
 P(0)=1、P(a)=0,P(a)=0, P(a)=0,・・・,P(a)=0』

今日は雛祭り。
また、夕方西の空には下から順に、水星、木星、金星、土星と ほとんど一直線上に並びます。
オイラーは晩年孫と遊んだり、天王星に関する 最新の理論について話し合ったりして過ごしたりしたと言われます。 きっと、これらの惑星は今も昔も変わらず、 地球とともに太陽の周りを公転していることでしょう。お休みなさい。」



NO.380    '99 3/3    月の光     ゼーター関数物語(26)
  

NO.357の(2)についてです。








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