Weekend Mathematics/コロキウム室/NO.144
NO.1228 | 2002.7.1. | 水の流れ | 円を分割 |
太郎さんは、「数学A」の教科書で次のような問題をよく見かけます。
問題1:平面上にn本の直線があり、どの2本も平行でなく、
また、どの3本も同一の点を通らないものとする。
このとき、これらのn本の直線によって平面がan個の領域に分けられたとすると、
(1)数列{an}において、最初の6項を求めてください。
(2)数列{an}において、一般項anをnの式で表してください。
さて、同じようなことを円の中で考えてみることに気がつきました。
問題2:円周上にn個の点があり、そのすべての組み合わせが線で結ばれています。
ただし、内部の点で3本以上の線が交差しないように、
その点が結ばれているものとする。このとき、これらの直線によって、
円の内部がbn個の領域に分けられたとすると、
(1)数列{bn}において、最初の6項を求めてください。
(2)数列{bn}において、一般項anをnの式で表してください。
NO.1229 | 2002.7.6. | yokodon | 隠れた円周 |
模試シリーズ11
双曲線 xy = 1 のグラフ上に2定点A (1, 1) , B (-1, -1) をとる。直線 y =
-x 上の点P(但し、Pは (-1, 1) , (1, -1) , 及び原点とは異なるものとする)に
対して、直線BPとこの双曲線との交点をC(Bとは異なるものとする)、直線AC
と直線 y = -x との交点をQとする。このとき、2点A,Bは線分PQを直径とする
円周上に存在することを示せ。
NO.1230 | 2002.7.9. | yokodon | 空間上の円を動く2点(3) |
今更ながらですが、NO.1196の正解を発表したいと思います。
NO.1204 の DDT さんは、いい線を行っていると思います。
ただ、本問の場合、点Pの全体が描く図形は曲線です。
Q (cosα, sinα, 0) とおくことにします。
直線PQと xz 平面の交点が点Rですから、R (X, 0, Z) とすると、ある実数 t
が存在して、以下が成り立ちます。
・・・[1]
これを成分で書くと、以下のようになります。
・・・[2]
これの y 成分から、
t = sinα/(sinα - u) ・・・[3]
これを、[2] 式の x 成分と z 成分に代入して、
X = (1 - t)・cosα = u・cosα/(u - sinα)
Z = tv = v・sinα/(sinα - u) ・・・[4]
[4] の2式を cosα、sinα について解き、α を消去して整理すると次式を得ます。
・・・[5]
[5] 式が xz 平面上の円となるための条件は、
v2 = u2 -1 且つ u2・v2/(u2 - 1) > 0
ですが、仮定から u > 1 ですので上記第2式は自動的に成り立ちます。
逆の議論は、演習問題に残しておきましょう。
というわけで、求める関係式は、
v2 = u2 -1, u > 1 …(答)
です。Pの描く曲線は、従って双曲線の一部です。
まぁ、確かに試験の問題としては、なかなか大変です。過去、何度かご紹介した問
題も、高校3年〜その上の受験生時代に体験したときの『思い出の問題』です。ただ
、いざ大学での本格的な学問に向けてとなると、ある程度の問題なら何とかこなせる
腕力のある学生が欲しいというのは、大学側の本音でしょうね(かといって、極端に
難しくしても、極端に数学の不得手な学生が入学してしまい、公平な学習到達度の判
定にならないという“問題”もあったりしますが)。
数学を含めた広い意味での数理科学の素養と基礎的能力を養ってもらうためには、
練習問題を通して数学の考え方に慣れてもらうのも…少なくとも僕程度の凡人には…
必要なわけですが、かと言って受験用に特化せずにそれをやろうとすると、ほぼ必然
的に難易度設定の試行錯誤に陥るわけで、その線引きはなかなか難しいところですね。
それでも、頭の体操として、趣味で数学を楽しむ分には、ある程度ゲーム感覚でそ
の「難しさを楽しむ」のもまたオツなのではなかろうか…と思うことも出来るわけで
、ここではまぁそういうことにしておきましょうか。一連のシリーズは、そうした趣
旨でご紹介致しております。
NO.1231 | 2002.7.20. | yokodon | 複素数の部分集合(1) |
模試シリーズ号外
複素平面の部分集合として、以下の5つの集合を考える。
但し z は複素数、z*はその共役、i は虚数単位を表す。
A= {z | (z + z*)/2 が √2 の整数倍},
B= {z | (z + z*)/2 が √3 の整数倍},
C= {z | (z - z*)/2i が √2 の整数倍},
D= {z | (z - z*)/2i が √3 の整数倍}
E= (A∩C)∪(A∩D)∪(B∩C)∪(B∩D)
Eから任意の 17 個の元を取り出して作った集合をFとするとき、Fの2点の中点
をとるとそれがEの元になっているようなFの元の組が必ず存在することを証明せよ。
#バイト先で見かけた問題です。
NO.1232 | 2002.7.21. | 中川 幸一 | 円錐側面の投影(1) |
xyz空間に、側面を母線で展開すると半円で、底面の方程式が
x2+y2=r2
となる、円錐の側面Sを考える。
このとき、Sを頂点と点(0,-r,0)を結ぶ母線で、頂点と点(0,r,0)を動かさずに展開
する。
できた図形を点(0,0,+∞)から、xy平面に投影してできた図形をFとする。
このとき、図形Fの曲線Cの方程式を求めよ。
NO.1233 | 2002.7.21. | 水の流れ | 定積分(1) |
太郎さんは、この夏補習で「数学Vの入試問題」を解説する予定です。次の2問を考えてください。
NO.1234 | 2002.7.24. | BossF | 定積分(2) |
(1)
とおくと、グラフより明らかに T<S<U です。ところが
ですから、Sの整数部分は 18 ■
(2)まず、一般に
であることに注意します。
NO.1235 | 2002.7.24. | BossF | 円錐側面の投影(2) |
NO.1232において、
「Sを頂点と点(0,-r,0)を結ぶ母線で、頂点と点(0,r,0)を動かさずに展開する。」とありますが、この条件だけだと展開した側面(半円)は頂点と点(0,r,0)を通る直 線を軸に回転したどの位置にもこれるから、Fはきまらないんでは?
以下は展開した側面=半円の直径が x-y 平面と平行であるとした時の解です。
[解]
まず母線の長さRを求めます。
2πr=πR より R=2r
すると、展開した側面の x-y 平面への正射影は長軸 4r 短軸 2r の楕円の半分になります。
∴C; x2/16+y2/4=r2,z=0 (y≧0)及び y=z=0(lxl≦4R)
NO.1236 | 2002.7.24. | BossF | 複素数の部分集合(2) |
Aの元であることを、e(A)と表すことにします。
また、m,nは任意の整数,xは任意の実数とします。
題意より
e(A)=√2n+xi
e(B)=√3n+xi
e(C)=x+√2ni
e(D)=x+√3ni
ですから
e(A∩C)=√2m+√2ni
e(A∩D)=√2m+√3ni
e(B∩C)=√3m+√2ni
e(B∩D)=√3m+√3ni
このm、nを整数成分ということにします.
さて、e(A∩C)をm、nの偶奇性によって分類すれば4通り
e(A∩C),e(A∩C),e(A∩C)も同様ですから全部で16通り。
するとEから17 個の元を取り出し時、
少なくとも2つは上の分類で同じ所に入ります
その二つの中点を考えると偶奇性の一致から
同じ分類のところに入ります。 ■
NO.1237 | 2002.7.24. | 中川 幸一 | ルジャンドル多項式 |
となることはどのように証明すればよいのですか?
(これはルジャンドル多項式の有名事項だそうです。)
NO.1238 | 2002.7.24. | 中川 幸一 | 数列の一般項 |
一部修正7/26 7:30
f(1)=2, f(n+1)=1/f(n) + 2/(n+1) このとき、数列 f(n) を求めよ。(但し、n∈N)
数学的帰納法を用いて解け。 という問題だったのですが、それではおもしろみがな
いので数学的帰納法を用いずに解けないかと思いまして…。
ちなみに数列の解答は f(n)=(n+1)/n のはずです。