Weekend Mathematicsコロキウム室1998.1〜6/NO.14


コロキウム室


NO.95     5/1   ヴァ−    硬貨の問題(2)

硬貨の問題(NO.90 by水の流れ さん) をやってみます。

何の公式も思いつかないので、 普通じゃない解き方をしてみます。

まず、100円玉3枚、10円玉4枚、1円玉5枚を使って 支払うことのできる金額の総パターン数を求めます。
すると、100円玉だけを考えると、

100円玉を0枚使う
         1枚使う
         2枚使う
         3枚使う
という4パターンがでてきます。
同じようにすると、10円玉だけだと5パターン、 1円玉だけだと6パターンできます。
ここから、すべてのパターン数は、
4×5×6=120パターンになります。

次に、支払うことのできる金額の平均を求めます。
これについても、それぞれの硬貨についての平均を求めて 足し合わせればOKです。
つまり、

求める平均=(0+100+200+300)/4
          +(0+10+20+30+40)/5
          +(0+1+2+3+4+5)/6
          =172.5(円)
ここで、
求める合計金額=さっきの平均×総パターン数
              =172.5×120
              =20700(円)
ということで、答えは20700円ということになりました!!




NO.96     5/1   水の流れ    百科事典の問題(1)

先日、百科事典を見ていたら、 どのページにもページ数を表す数字がありました。 そこで、1からはじめてすべての自然数を、横に1列に つづけて並べるとき、1998番目の数字は何ですか。
また、百科事典のページ数を示すために6885の数字が必要でした。 この辞典は何ページですか。




NO.97     5/3   Junko    硬貨の問題(3)

実は私も、この問題は120通りと答えたのですが、 この手の問題では、支払う金額が0というのはないだろう、 だから
120−1=119とやるようです。
合計金額については、私も同じ答えにたどり着きましたが、 アプロ−チが違います。
私のやり方は、基本的には数えていくというやり方ですので、 そこでちょっと小細工するにしても、 あまりかっこよくはないです。

(0+1+2+3+4+5)×20+(0+10+20+30+40)×24+(0+100+200+300)×30
=15×20+100×24+600×30
=300+2400+18000
=20700
100の位と10の位を固定すると、それは20通りあり、 1の位は、0,1,2,3,4,5と変化するので、
総合計は、(0+1+2+3+4+5)×20=15×20=300
・・・という風に合計していきました。




NO.98     5/3   水の流れ    硬貨の問題(4)

解答その1
百・十・一の位にでで来る数字に気をつけて見ると、
100(1+2+3)×5×6+10(1+2+3+4)×4×6+(1+2+3+4+5)×4×5
=20700(円)

   

解答その2
支払う方法は0円も含めて、4×5×6=120(通り)
そこで、必ず0と345,1と344、・・・対に考えます。
すると、常に一定な数345になります。
だから、(0+345)×120÷2=20700(円)




NO.99     5/6   Junko    百科事典の問題(2)

1桁の数は、1〜9ですから、9番目まではこれらの数字が並びます。
次に2桁の数は、10〜99までの90個です。
ですから、9+90×2=189となり、先程の続き、つまり10番目から189番目までは、 2桁の数が並ぶことになります。
次は3桁ですが、当然1つの数を表すのに数字を3つ使いますから、
(1998−189)÷3=1809÷3=603
このわり算は割り切れていますので、603番目に登場する3桁の数の 1の位の数が答えとなります。
それは、100+603−1=702より、「2」です。

3桁を超えて、4桁に突入するだろうと予想をたてて・・・。
3桁の数は、100〜999の900個あります。
189+900×3=2889となります。
2889<6885ですから、やはり4桁です。
4桁は1つの数を表すのに4つの数字を使いますから、
(6885−2889)÷4=3996÷4=999 となります。
4桁の999番目の数がラストです。
それは、1000+999−1=1998




NO.100     5/9   水の流れ  プレゼントの問題(14)

集合{1,2,3,・・・,n}(n≧1)上の置換を考えます。 ちょうどk(k=0,1,2,・・・,n)個の不動点をもつものの 個数をg(n,k)で表すことにする。
(注:集合{1,2,3,・・・,n}上の置換を (a1,a2,・・・,an)とするとき、 ai=iを満たす要素iをその置換の不動点と言う。)
このとき、Σ(k=0...k=n)k× g(n,k) =2n!  をまず証明します。

 Σ(k=0...k=n)k× g(n,k)  
=Σ(k=1...k=n)k× g(n,k)
=Σ(k=1...k=n)k×k× ×f(n−k)
            注1 
=Σ(k=1...k=n)k×k× n!/{k!×(n−k)!}×f(n−k)
=Σ(k=1...k=n)k×n×( n−1)!/{(k−1)!×(n−k)!}×f(n−k)
=Σ(k=1...k=n)k×n× n−1k−1×f(n−k)          
=Σ(k=1...k=n)k×n× g(n−1,k−1)
=nΣ(k=1...k=n)k× g(n−1,k−1) 
=n{Σ(k=1...k=n)(k−1)×g(n−1,k−1)+ Σ(k=1...k=n)g(n−1,k−1)}
=n{Σ(k=0...k=n-1)k×g(n−1,k)+ Σ(k=0...k=n-1)g(n−1,k)}
  注2                  注3
=n{(n−1)!+(n−1)!}
=2n! 

注1:NO.78のg(n,k)=f(n−k)より)

注2:NO.94のΣ(k=0...k=n)k×g(n,k)=n!より

注3:不動点の総数Σ(k=0...k=n)×g(n,k)=n!より

そして、不動点の個数をX(X=0,1,2,・・・,n)とし、 Xを確率変数とみると、 期待値E(X)=1・・・<NO.94ですでに証明済み >
さらに、 標準偏差σ(X),分散V(X)とすると
V(X)=E(X2)−{E(X)}2 で 
σ(X)=√ V(X) の公式から

 E(X)= Σ(k=0...k=n)k× g(n,k)/n!
  =2n!/n!=2
よって、
 V(X)=E(X)−{E(X)}
     =2−1=1 

 σ(X)=√ V(X) =1

感想:この確率変数Xは 期待値と標準偏差がともに1となった。 これには何か意味があるのだろうか。 他にまだ、調査研究することがあるのだろうか。 解明していない。

更に、
Σ(k=0...k=n)k× g(n,k)=5n!
Σ(k=0...k=n)k× g(n,k)=15n!
と、予想できます。証明はまだやっていません。
この証明は時間があれば、挑戦したいです。 これは何を意味するか分かりませんが。



NO.101     5/11   水の流れ  ボ−リング配列の問題(3)

先日のボーリング配列問題で、 私の友人ですが、 最後がBでなく、一般の場合を考えたと言われました。 コンピュータでプログラムをくんで探すと、 4通りでてきたとのこと。 早速、生徒と一緒に探したら、前の2通りのほかに2通りでてきました。 最後はCでした。

H I B G   G I B H  
 @ F D      A F E   
  E A       D @    
   C         C    




NO.102     5/13   水の流れ  カ−ドの問題

歴史的には確率を勉強していくと、 期待値として超越数eがでてくる問題があります。
「1からnまでの自然数をそれぞれ書いたn枚のカードあります。 1枚引いて数をみて、それをもとに戻します。 引いたカードに書かれた数の和がnを越えるまで繰り返す。
このとき、その引いた枚数をXとする 確率変数の期待値を求めよ。」 というものです。
<n→∞のとき、期待値の極限はeです。>



NO.103     5/15   水の流れ  1998和の問題(1)

「1からの自然数の列があって、ある項から順に和を取ったら、 ちょうど1998になりました。 どこの自然数からと何個の和でしょうか。ただし、 2個以上とることにします。」
 答えは1とおりでないです。
「1からの奇数の列の場合は、途中から順に和をとって、 1998になるのでしょうか?」
 答えはないのですが?



NO.104     5/18   Junko   1998和の問題(2)

初項をa、項数をnとすると、

a+(a+1)+(a+2)+・・・+(a+n-1)=1998
      
  na+(1/2)・n・(n-1)=1998・・・@

  2na+n・(n-1)=1998×2

   2a+n-1=3996/n・・・A
つまり、nは3996の約数でなければならないことになります。
そこで、3996を素因数分解してみました。
3996=22×33×37
これより、3996の約数は、
1,2,3,4,6,9,12,18,27,36,37,54,74・・・となります。
順次、確認しました。
  1. n=2のとき
    @より、2a+1=1998
         2a=1997 
    
    となり、aが自然数であることに反するのでだめ。
  2. n=3のとき
    @より、3a+3=1998
         3a=1995
          a=665
    
    確認・・・665+666+667=1998  OK
  3. n=4のとき
    @より、4a+6=1998
         4a=1992
          a=498
    
    確認・・・498+499+500+501=1998  OK
  4. n=6のとき
    @より、6a+15=1998
          6a=1983 
    
    となり、aが自然数であることに反するのでだめ。
  5. n=9のとき
    @より、9a+36=1998
          9a=1962
           a=218
    
    確認・・・218+219+220+221+222+223+224+225+226=1998  OK
  6. n=12のとき
    @より、12a+66=1998
          12a=1932
            a=161
    
    確認・・・161+162+163+164+165+166+167+168+169+170+171+172=1998  OK
  7. n=18のとき
    @より、18a+153=1998
           18a=1845 
    
    となり、aが自然数であることに反するのでだめ。
  8. n=27のとき
    Aより、2a+26=148
          2a=122
           a=61
    
    確認
     61+62+63+・・・87
     =(1/2)・27・(61+87)
     =(1/2)・27・148
     =74・27
     =1998  OK
    
  9. n=36のとき
    Aより、2a+35=111
          2a=76
           a=38
    
    確認
     38+39+40+・・・73
     =(1/2)・36・(38+73)
     =(1/2)・36・111
     =18・111
     =1998  OK
    
  10. n=37のとき
    Aより、2a+36=108
          2a=72
           a=36
    
    確認
     36+37+38+・・・72
     =(1/2)・37・(36+72)
     =(1/2)・37・108
     =54・37
     =1998  OK
    
  11. n=54のとき
    Aより、2a+53=74
          2a=21
    
    となり、aが自然数であることに反するのでだめ。
  12. n=74のとき
    Aより、2a+73=54
          2a=-19
    
    となり、aが自然数であることに反するのでだめ。
  13. これより先はすべてだめ。
以上、答えは7通りかな?

次に奇数の列を考えました。
初項をa(奇数)、項数をnとすると、

a+(a+2)+(a+4)+・・・+{(a+2(n-1)}=1998
      
  (1/2)・n・{2a+2(n-1)}=1998

    n・{a+(n-1)}=1998

     a+(n-1)=1998/n・・・B
つまり、nは1998の約数でなければならないことになります。
そこで、1998を素因数分解してみます。
1998=2×33×37
これより、1998の約数は、
1,2,3,6,9,18,27,37,54,74・・・となります。
順次、確認しました。
  1. n=2のとき
    Bより、a+1=999
         a=998 
    
    となり、aが奇数であることに反するのでだめ。
  2. n=3のとき
    Bより、a+2=666
         a=664 
    
    となり、aが奇数であることに反するのでだめ。
  3. n=6のとき
    Bより、a+5=333
         a=328 
    
    となり、aが奇数であることに反するのでだめ。
  4. n=9のとき
    Bより、a+8=222
         a=214 
    
    となり、aが奇数であることに反するのでだめ。
  5. n=18のとき
    Bより、a+17=111
          a=94 
    
    となり、aが奇数であることに反するのでだめ。
  6. n=27のとき
    Bより、a+26=74
          a=48
    
    となり、aが奇数であることに反するのでだめ。
  7. n=37のとき
    Bより、a+36=54
          a=18 
    
    となり、aが奇数であることに反するのでだめ。
  8. n=54のとき
    Bより、a+53=37
          a=-16 
    
    となり、aが自然数であることに反するのでだめ。
  9. これより先はすべてだめ。
従って、条件に合うものはない。



NO.105     5/28   水の流れ  サ−ビス券の問題

昨日球技大会がありました。 生徒が頑張ったから、何かおごってとせがまれました。 やはり、暑いので缶ジュースとなりました。 先生!いいとこ知っているよ。 5本の空き缶を持っていくと、 1本の缶ジュースと交換しているお店へ 買いにいくことになりました。 私のクラスは担任の私を入れて、41人です。 早速この利用方法を使いました。 お店の人に必ず空き缶をもっていくと約束して、 私は最低何本買えばよいか、考えました。 果たして、何本で済んだでしょうか。
(勿論、まだ、こんな店は近くにないのですが。)



NO.106     5/29   ヴァ−    プレゼントの問題(15)

このまえの水の流れさんの結果から次のような関係があると予想できます。
Σ(k=0...n)km×g(n,k)=h(m)×n!
ここで、h(m)に関して次の漸化式が成立することを証明します。

[証明]

m=0のときは、不動点の総数を考えることになりますが、
これは、すでに証明済みです。

m>0のときは、
h(k)×n!=Σ(k=0...n)km×g(n,k)
=Σ(k=1...n)km×g(n,k)
=Σ(k=1...n)km×nCk×f(n-k)
=Σ(k=1...n)km×n!/{k!(n-k)!}×f(n-k)
=Σ(k=1...n)km-1×n×(n-1)!/{(k-1)!(n-k)!}×f(n-k)
=Σ(k=1...n)km-1×n×n-1Ck-1×f(n-k)
=Σ(k=1...n)km-1×n×g(n-1,k-1)
=n×Σ(k=1...n)km-1×g(n-1,k-1)
=n×Σ(k=0...n-1)(k+1)m-1×g(n-1,k)
=n×Σ(k=0...n-1){g(n-1,k)×Σ(i=0...m-1)m-1Ci×ki}
=n×Σ(i=0...m-1){m-1Ci×Σ(k=0...n-1)ki×g(n-1,k)}
=n×Σ(i=0...m-1){m-1Ci×h(i)×(n-1)!}
=n!×Σ(i=0...m-1)h(i)×m-1Ci

両辺をn!で割れば証明したい式が得られます。

ところで、このh(m)は統計学で言う「(原点のまわりの)m次のモーメント」です。

このモーメントを先の式を使ってmの値に応じて順番に計算すると
次のように変化します。
m h(m)
0 1
1 1
2 2
3 5
4 15
5 52
6 203
7 877
8 4140
9 21147
10 115975




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