Weekend Mathematics問題/問題59



59.勝負の行方

1が10個、2が10個、黒板に書いてあります。 2人のプレーヤーは順に数字を2つずつ消していきます。 消した数字が同じ数字なら、2を書き加えます。 消した数字が異なるときには、1を書き加えます。 最後に1が残れば先手の勝ち、2が残れば後手の勝ちです。 さてこの勝負、どうなるでしょう。








問題の出典


数学のひろば

ドミトリ・フォミーン、セルゲイ・ゲンキン、イリヤ・イテンベルク著
志賀浩二、田中紀子訳
岩波書店






答えと解説





答えと解説

解答・その1

(ペンネ−ム:みゆママ)

後手の勝ち!
後手は1を2つ消した上に2を1つ増やすことができる。 先手は1を増やそうとして1と2を消す、もしくは2を減らそうとして2を2つ消すが、 どちらも1が増えるわけではなく、2が1つ減るだけである。 結果1回の対戦(?)で2が2つ増えるので、 後手がわざわざ負けようとしない限り、先手の勝ちはありえない。



解答・その2

(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん )

後手の勝ちです。(先手は勝つことができず、後手は負けることができません)

「消した数字が同じ数字なら2を書き加える」場合は、2通りあります。
(あ)(1,1)を消し、2を書く。(1が2つ減り、2が1つ増える)
(い)(2,2)を消し、2を書く。(2が1つ減る)

「消した数字が異なるときには、1を書き加える」場合は、1通りあります。
(う)(1,2)を消し、1を書く。(2が1つ減る)

1はもともと10個あるので2個ずつ消える1は最終的には残ることができません。
だから先手が勝つことはありません。

念のため最後の場面を考えます。
どの場合もプレーヤーが1手進めるたびに数が1つずつ減ります。
もともと合計20個の数があるので先手はいつでも偶数個の数の中から2つを消します。
1は偶数個を単位とするので、最終局面で、先手は(1,1)か(2,2)を消します。
(1,1)のときも、(2,2)のときも同じ数字なので2が残ります。




解答・その3

(ペンネ−ム:BossF)

まず、具体的な1,2の個数の増減に注目します

選ぶ数1の個数2の個数
1,1-2+1
2,20-1
1,20-1

これにより、全体の数は常に-1…@
また1の個数は増えない…Aことがわかります
ここで、全ての数が2になれば、最後に残るのは、明らかに2であることに注意します
さて@によりゲームは19回目に終ります
ところが、上の表をAに注意して眺めれば、後手は10回目に全ての数を2にできます
したがって、後手必勝です…答



解答・その4

(ペンネ−ム:kiyo)

このゲームは19手で終わるゲームです。
2個消して1個書くので1手で1個減るからです。
仮に先手が勝ちとなる場合は、19手目に1が1個、2が1個残っている場合 しかない。
しかし、先手が1手目にがどのような消し方をしても、 2手目の後手は1、2が偶数個(0個は偶数に含める。)残るように消しすこ とが出来る。その後も同様です。
したがって、先手19手目に1が1個、2が1個残って手番となることはない。
よって、後手必勝のゲームとなる。



解答・その5

(ペンネ−ム:やなせ)

最後に残るのは”2”です。
ルールは以下の通りでしたね
必ず2個取らなければならない(取れなくなったらゲーム終了)
2個取れた場合は組み合わせにより以下の数字を書き足す。
同じ数字を取ったときは2を書き足す。
違う数字を取ったときは1を書き足す。
しかも最初用意してある1,2は各10個ずつ。

*ほんじゃまぁ、ゲーム開始といきますか?
3通りの取り方が考えられます
1)1と1
2)2と2
3)1と2

1)の時と2)の時は2を書き足します。
3)の場合のみ1を書き足します。

*途中経過です。
以上のことから 2の残り数は偶数になったり奇数になったりしますが 1を書き足す場合は3)の時だけなので1の 残り数は絶えず偶数になります。

*おっと、いつの間にか8回の裏じゃ〜
このことから 終了間際(4未満2以上)の組み合わせは
1)1,1,2
2)2,2,2
3)1,1
4)2,2
この4通りしか有りません

3)と4)の時は当然のごとく2が残ります。
2)の時は3)4)の時より回数が一回増えるだけで、同じようになります。
1)の場合は1,1を取ったときは2を書き足すのでパターン4)になります。
次に1,2を取ったときは1を書き足すのでパターン3)になります。
よって、どのように取っても最後に残るのは2になります。

はいゲーム終了
やれやれかならず2が残るのだから必ず後手が勝ちになります



解答・その6

(ペンネ−ム:高橋 道広)

その1
最初に数の総和は偶数
  1,1を消すとき 2を書くので残りの数の和は偶数
  1,2を消すとき 1を書くので残りの数の和は偶数
  2,2を消すとき 2を書くので残りの数の和は偶数
 交互に消していくと、1つずつ個数は減るから,最後に消すのは先手。
また、残りの数の和は常に偶数なので2が必ず残ることになる。
よってどのようにしても後手の勝ち。

その2 もうすこし具体的に…
先手先手が1,1を消すとき   1が2つ減り、2が1つ増える
  後手が1,1を消すとき 1が2つ減り、2が1つ増える
       結果 1が4つ減り2が2つ増える
  後手が1,2を消すとき 2が1つ減る
          結果 1が2つ減る
  後手が2,2を消すとき 2が1つ減る
          結果 1が2つ減る
先手が1,2を消すとき   2が1つ減る
  後手が1,1を消すとき 1が2つ減り、2が1つ増える
          結果 1が2つ減る
  後手が1,2を消すとき 2が1つ減る 
         結果 2が2つ減る
  後手が2,2を消すとき 2が1つ減る 
         結果 2が2つ減る
先手が2,2を消すとき   2が1つ減る
  後手が1,1を消すとき 1が2つ減り、2が1つ増える 
         結果 1が2つ減る
  後手が1,2を消すとき 2が1つ減る 
         結果 2が2つ減る
  後手が2,2を消すとき 2が1つ減る  
       結果 2が2つ減る
先手後手がどのように消していっても、後手が終了したときには、1と2が 偶数個あり、1,2が1つずつ残ることはない。 よって後手の勝ち。

うまくやらないと後手が勝たないかと思いましたが、適当でも勝てるのですから これは楽でいいですね。 早速だれかとかけをしよう(^。^)



解答・その7

(ペンネ−ム:ねこ)

全ての数字の和について、一手先の状態を考えてみる。

同じ数字を消した時
(1,1)あるいは(2,2)が消えて(2)が加えられるので、一手先の和は増減 なし、あるいは−2。

異なる数字を消した時
(1,2)が消えて(1)が加えられるので、一手先の和は−2。 したがって、全ての数字の和の偶奇性は一手先も変わらないことが分かる。

ここで最初の状態を考えてみると、1が10個、2が10個で全ての数字の和は30 であり、偶数である。
偶奇性は最後まで変わらないから、最後に1がひとつだけ残ることはありえない。
よって、最後に残るのは2であり、後手が勝ちとなる。



解答・その8

(ペンネ−ム:柿本 浩)

最初に存在する数字の合計値は (1×10)+(2×10)=30
数字を消す組み合わせを考えると
1と1が消える → 2が追加される → 合計値は±0
1と2が消える → 1が追加される → 合計値は−2
2と2が消える → 2が追加される → 合計値は−2
よって、どの様な手順、組み合わせで数字を消したところで その合計値は変化しないか、2ずつ減少していくかのどちらかしかなく 最後には必ず2が残る事になり、後手の勝利は保証されておりまする。 (1・1で合計値が2であっても、それを消せば2が残る)



解答・その9

(ペンネ−ム:DDT)

[状況調べ]

@先手が1を消したとき後手が1を消せば、1は2個減り、2は1個増える。 先手が2を消したとき後手が2を消せば、1の数はそのままで、2は1個減る。

A数字1が一つしかない時、先手が1を消したとすれば、後手は2しか消せないので、 数字1の数は変わらない。また数字2が一つしかない時、先手が2を消したとすれば、 後手は1しか消せないので、やはり数字1の数は変わらない。

B @,Aより、後手は数字1を2個づつ消すことができる。

[方針]
可能であれば、後手は先手と同じ数を消すものとする。

[実行]
可能であれば後手は先手と同じ数を消すものとする。 数字1の初期の数は10なので、ゲームの各段階で数字1の総数は0も含めて常に偶数。 1回のプレイごとに数字1と2の数の合計は必ず1個減り、 勝負の決する数字1と2の合計が1個(奇数)の時には、数字1の総数は常に偶数なので、 存在できない(0個)。従って、可能であれば後手は先手と同じ数を消すものとすれば、 最終状態は常に、「2」という状態になり、後手必勝。

答え.後手必勝



解答・その10

(ペンネ−ム:とうがらし)

後手の勝ち。

黒板に残った数字の和は常に偶数。 したがって、数字の残りが3つになったときは、(112)あるいは(222)しかない。 後手はここから2を残し、11あるいは22を消して勝ちを収めることができます。

10分くらいかかりました。先手が勝つためには残り3枚が(111)になってなけ ればいけないから...。と遡っていくうちに和が常に偶数であり、(111)にはな らないことに気づきました。



解答・その11

(ペンネ−ム:Idaho Potato)

ゲームの定義を次のように「同値変形」するとわかりやすい。
「可能な着手は『1を2つ消して2を1つ書き加える』『2を1つ消す』の2種類」
1は2つずつ減る一方で、増えることはない。
一方、2は消されても (1を2つ消すのと引き換えに) 補充できる。
すなわち、先手の着手に関わらず、後手は『1を2つ消して2を1つ書き加える』 を指し続ければ、それが後手の必勝戦略となる。

蛇足ながら、もし最初の1の個数が奇数であれば、1が1つになった時点で、 先手、後手ともに可能な着手が『2を1つ消す』だけになるので、 1が1つ残ったまま2が1つずつ減っていく。すなわち、先手必勝である。



解答・その12

(ペンネ−ム:浜田 明巳)

1,1を消すとき,2を書き足すので,結局1が2個減り,2が1個増える.
1,2を消すとき,1を書き足すので,結局1がそのままで,2が1個減る.
2,2を消すとき,2を書き足すので,結局1がそのままで,2が1個減る.
これらのことから,思考実験の結果,戦略を考えなくても, 機械的にゲームが進行することが分かる(よかった!). 次のエクセルのマクロを作成して,解いてみた.
a(m,n)は,1がm個,2がn個あるときの勝者を表す.
a(m,n)=1で先手勝利,a(m,n)=2で後手勝利となる.
a(1,0)=1,a(0,1)=2からスタートし,
  a(2,0)=a(0,1)=2,
  a(1,1)=a(1,0)=1,
  a(0,2)=a(0,1)=2
 さらに,
  a(3,0)=a(1,1)=1,
  a(2,1)=a(0,2) or a(2,0)=2,
  a(1,2)=a(1,1)=1
  a(0,3)=a(0,2)=2,
  ・・・

この順で計算していき,a(10,10)の値を求める.
結果は  a(10,10)=2 となるので,どうころんでも(酔っぱらっていても)後手勝利となる.
しかし,マゾ的な先手でない限り,どうやっても負ける試合を始める訳はないので, 勝負なしという結果も考えられる.

Option Explicit
Sub Macro1()
    Dim a(20, 20) As Integer
    Dim b(3) As Integer
    Dim j1 As Integer
    Dim j2 As Integer
    Dim j3 As Integer
    Dim j4 As Integer
    a(1, 0) = 1
    a(0, 1) = 2
    b(2) = 0
    b(3) = 0
    For j1 = 2 To 20
      For j2 = 0 To j1
        j3 = j1 - j2
        j4 = 0
        If j3 >= 2 Then
          j4 = j4 + 1
          b(j4) = a(j3 - 2, j2 + 1)
        End If
        If j3 >= 1 And j2 >= 1 Then
          j4 = j4 + 1
          b(j4) = a(j3, j2 - 1)
        End If
        If j2 >= 2 Then
          j4 = j4 + 1
          b(j4) = a(j3, j2 - 1)
        End If
        If j4 = 1 Or (j4 = 2 And b(1) = b(2)) Or (j4 = 3 And b(1) = b(2) And b(2) = b(3)) Then
          a(j3, j2) = b(1)
        Else
          Cells(1, 1).Value = "このマクロでは解けません!!"
          Exit Sub
        End If
      Next j2
    Next j1
    Cells(1, 1).Value = a(10, 10)
End Sub





正解者

柿本 浩BossF夜ふかしのつらいおじさん
kiyo高橋 道広やなせ
浜田 明巳ねこみゆママ
DDTとうがらしIdaho Potato





まとめ

前回の問題と同様に、今回も偶奇性の問題でした。 勝敗はもちろん後手必勝、どうがんばっても後手は負けることができません。 残った数字の和が偶数ということに着目すれば、おのずとわかりますね? 解答・その11 Idaho Potatoさんの解答にもあるように、パリティを逆にすれば もちろん先手必勝になります。 解答・その6 高橋さん、誰かとかけをしてはいけませんよ!!







E-mail 戻る top