Weekend Mathematics問題/問題39



39.正六角形の問題


1辺の長さが4cmの正六角形ABCDEFがあります。
各辺AB、BC、CD、DE、EF、FA上に、 それぞれ頂点A、B、C、D、E、Fから3cmのところに 点P、Q、R、S、T、Uをとり、 これらを結んで六角形を作ります。
このとき六角形PQRSTUの面積は、もとの六角形ABCDEFの面積の何倍になりますか。



問題の出典


算数100の難問・奇問part3

中村義作

講談社ブル−バックス

麻布中





答えと解説












答えと解説

解答・その1

(ペンネ−ム:MINIMINI32)


まず正六角形ABCDEFの面積をもとめます。
(六角形の中点をA'とし、線ABの中点をB'とする)
△ABA’は正三角形なので△AB'A'はAA'が 4cm、AB'が2cm、A'B'が2になる。
よって六角形ABCDEFの面積は4×2÷2 ×6=24となる。
次に点Fから垂直におろした線と線ABの水平にのばした線との交点をC'とすると
∠FAC'=60°、∠AC'F=90°、∠C'FA=30°となり、
線AFが4cmなので線AC'=2cm、線C'F=2となる。
FU:AU=3:1ということはUから垂直におろした線と線AC'との交点をD'とすると
線UD'=/2cm、 また線PD'=7/2cm、よって線PU=cm。
よって六角形PQRSTU=×√39/2 ×(1/2)×6=(39/2)/2。

(解答)
六角形ABCDEF:六角形PQRSTU=16:13




解答・その2

(ペンネ−ム:ひろゆき)


三角形APUと合同な六つの鋭角三角形 を二つずつひっぺがしてきてくっつけて三つの平行四辺形を 作る。
平行四辺形は、120度と60度の角をもつ。
辺の長さもわかっているので、その面積は 3/2 となる
(以下面積単位はすべて平方センチメートル)
元の正六角形の面積は 4×6 = 24で、
小さくなった正六角形の面積は 24−3/2×3=39/2 である。
よって、六角形PQRSTUの面積は、 もとの六角形ABCDEFの
39/2÷24=39/48=13/16倍 −(答) 




解答・その3

(ペンネ−ム:歯)


2つの正6角形の外接円の中心をOとし、 TからOFに垂線を降ろし、hとする。
△OThの内部の2つの3角形について、 3平方の定理を利用する。
△TFhは、∠TFh=60°の直角三角形だから、 辺Thは 、辺Fhは 1/2 となり、 OF=4より、Oh= 7/2

OT2=Th2+Oh2 より、 OT2=()2+(7/2)2=52/4

また、△EOFと△STOはともに正三角形だから、相似比は OF:OT
面積比はOF2:OT2
よって、 42:52/4=64:52=16:13
六角形PQRSTUの面積:六角形ABCDEF=13:16    




解答・その4

(ペンネ−ム:かつ)


解法1
ひとつ目は素直に面積を求めて計算するものです。
1辺が4cmの正六角形ですので比較的簡単にできます。
この黒塗り全体の面積は・・・正三角形が6つあります。
正三角形の高さは2だから 面積は4×2×1/2=4
これが6つでこの六角形は24cu


次に小さい方の正六角形ですが・・・ こちらの面積は・・・まず1辺の長さがわかればいいのでそれを 調べます。


中心がOとして計算する。
当然Oからおろした垂線であるから、線分EDの中点を通る。
よって垂線との交点と点Sまでは、1cm。
ピタゴラスの定理をつかって・・・OS=になる。
これから黒い方と同じように計算すると面積は39/2cuである。
よって正六角形PQRSTUは正六角形ABCDEFの何倍かなので。
PQRSTU÷ABCDEF=(39/2)/(24)=13/16 だとおもいます。

ちなみにこの前の解答はかなりまわりくどいことをしています。 本当は、小さいほうの1辺の長さがわかると答えは出ます。 2つの正六角形は当然相似になっています。 これは相似比がわかれば面積比すぐわかるのですね。 相似比は4:であることがわかっているので 当然面積比は16:13になります。 よってここの問題の答えは13/16というわけです。



解答・その5

(ペンネ−ム:mhayashi)


線分ADと線分BEの交点を点Oとする。
三角形OABと三角形UAPについて考える。
前者の底辺ABと後者の底辺APの比は4:3であり、 また、前者の高さと後者の高さの比は4:1であるから、
三角形OAB:三角形UAP=4×4:1×3
=16:3
となり、明らかに三角形OAB=三角形OUP+三角形UAPより
よって三角形OAB:三角形OUP=16:13
ゆえに、
六角形ABCDEF:六角形PQRSTU=6×三角形OAB:6×三角形OUP
=16:13

答え:13/16倍





解答・その6

(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん)


答えは、13/16です。 なぜなら、
六角形PQRSTU/六角形ABCDEF
△OUP/△OAB
UP2/AB2
OP2/OA2
(OH2+HP2)/42
((2)2+12)/42
13/16
相似な図形の面積は、辺の長さの2乗に比例します。 また、正六角形の中心と頂点を結ぶと正三角形が6個できます。




解答・その7

(ペンネ−ム:青光)


まず、内側に出来る六角形は正六角形です。 よって、外側の六角形と相似なので、面積比を出す事にします。
相似比は辺の比なので、辺の長さの2乗を求めます。
正六角形の1つの角は120°なので(どこでもいいけど)三角形UAPに対して余弦 定理を使うと、

PU2 = AU2 + PA2 - 2×AU×PA×cos120°

となります。
ここで問題文より AU = 1 PA = 3 であり、cos120°= -1/2 であるので、
PU2 = 1 + 9 - (-3) = 13 となります。

これで、内側の六角形の辺の長さの2乗が求まりました。 また、外の六角形は一辺の長さが4なので、2乗して16となるので、
面積比…… 外:内 = 16:13
よって、元の六角形の13/16倍になる。




解答・その8

(ペンネ−ム:ch3cooh)


答え:13/16

  1. もとの6角形の中心点を取る。
  2. 各頂点への距離は4
  3. 新しい6角形の頂点への距離は3各関数を用いて
  4. (/4)2= 13/16 (answer)





解答・その9

(ペンネ−ム:kiyo)


もとの正六角形の6分の1の正三角形の面積を1とする。
等積変換の考え方によると、新しく出来た正六角形の6分の1の正三角形の面積は、
2−(1+(1/4)×(3/4))=13/16
したがって、求める答えは13/16倍となる。
答え 13/16倍




解答・その10

(ペンネ−ム:sambaGREEN)


△UAP:△FAB=1×3:4×4=3:16
△FABは六角形ABCDEFの6分の1で △UAPは六角形PQRSTUと六角形ABCDEFの差の6分の1です
したがって,六角形PQRSTU:六角形ABCDEF=(16-3):16=13:16
答え・・・13/16倍




解答・その11

(ペンネ−ム:Idaho Potato)

(1)は「まず相似比を求める」という視点からの解答、 (2)は最初から「面積比」に着目した解答になっていますが、 どちらが「素直な」解答といえるでしょうか?

私は最初に(1)の解法を思いついたので、 (2)はきわめて技巧的な感じがしたのですが、 あらためて考えてみると、 有理数の計算のみで有理数の解にたどり着く(2)のほうが、 ある意味で「素直な」解法であるような気がしてきました。


(1) ピタゴラスの定理を使った解答
(単位cmは省略)
六角形ABCDEFの外接円の中心をO、OからABへおろした垂線の足をHとする。
このとき、 OA = 4, AH = 2, HP = 1 である。
OH = sqrt(OA2+AH2) = 2
OP = sqrt(OH2+HP2) =
ゆえに、六角形PQRSTUと六角形ABCDEFの相似比は
OP/OA = /4である。
面積比は相似比の2乗だから、(六角形PQRSTU)/(六角形ABCDEF) = 13/16である。
 


(2) 小学校の算数の範囲での解答
六角形ABCDEFの外接円の中心をOとする。
求める面積比は △OPQ/△OAB に等しいので、これを求めることを考える。
次の事実を用いる。
「高さが等しい三角形の面積比は、底辺の長さの比に等しい。」
△OBQ ≡ △OAP より、 △OAB = 四角形OPBQ = △OPQ + △PBQ
また、△OAB = △ABC (ABを共通の底辺とみると高さが等しい)
ゆえに、△OPQ = △ABC - △PBQ である。
△PBQ = (BQ/BC)△PBC (BQ,BCを底辺とみると高さが等しい)
= (BQ/BC)(PB/AB)△ABC (PB,ABを底辺とみると高さが等しい)
= (3/16)△ABC

△OPQ = △ABC - △PBQ = (13/16)△ABC = (13/16)△OAB
したがって、求める面積比は 13/16 である。




解答・その12

(ペンネ−ム:水の流れ)

1辺が4cmの正六角形ABCDEFと 正六角形PQRSTUは内角がすべて120度だから 相似です。よって、1辺例えば、UPの長さを求めます。 こう考えれば、高校生風に思いつきました。もちろん、中学校入試問題ですから、 小学校の考え方でしょうが、とりあえず、高校の考え方でいきます。

  1. 平面座標を考えて、二点間の距離の公式を使う。
  2. 三角形の応用で、余弦定理を使う。
  3. 平面ベクトルを用いて、ベクトルの絶対値で求める。
  4. 複素数平面で、複素数の絶対値で求める。
  5. 平面幾何で定理等使いながら、求める。
  6. 模型を作って、重さを測って求める(近似値)。
    ・・・・

後は、どんな考え方があったかな。 太郎さんは、今、はやりの複素数平面で解いてみます。


A(0+i0),B(4+i0)とおくと、明らかに、P(3+i0), また、Uの座標は(cos120゜+i sin120゜)=(-1/2+i/2)
よって、┃UP┃=┃((3+i0)−(-1/2+i/2)┃
=┃((7/2−i/2)┃
=√(49/4+3/4)
したがって、相似比の二乗になることを考えて、
正六角形PQRSTU:正六角形ABCDEF=13:16 
                  答 13/16倍
 



解答・その13

(ペンネ−ム:浜田 明巳)

いつものようにパソコンで図を描くプログラムを作ってみました.
辺AB上を点PがAからBまで移動し,AP=3となるときの面積比を計算します
(本当は,Oを正六角形の中心とするときのOP2/OA2を計算するだけなので, こんな大がかりなものにする必要はなかったのですが).
このプログラムにより,答は0.8125(=13/16)となる事が分かります.






正解者

kiyo少年HsambaGREEN
ch3cooh夜ふかしのつらいおじさんかつ
mhayashi水の流れ浜田 明巳
Idaho Potato青光MINIMINI32
ひろゆきトシ
マサボー





まとめ

こういった図形の問題は解法がたくさんあって、そういった意味でおもしろいなあと思います。
解答・その4でかつさんがおっしゃっているように、 相似な図形においては、面積比を出すために面積を直接出す必要はなく、相似比がわければその2乗で求めることができますね。 もちろん体積比なら3乗です。
私も解答・その11のIdaho Potatoと同感で、 いくつかある解法の中で、三角形の底辺の長さと高さの比で出しているものが もっともシンプルできれいだなと感じます。 解答・その9のkiyoさんは、基本的に1行で解答に至っています。 小学生の知識で解けるということもありますが、これは感覚的なものかもしれませんので、 人によって感じ方は違うかもしれません。


この解法で、AP:PB=3:1 を一般化してみます。
AP:PB=N:1 とします。
△UAP=(N/N+1)・(1/N+1)△OAB
△OCP={1-(N/N+1)・(1/N+1)}△OAB
従って、答えは1-(N/N+1)・(1/N+1)=(N2+N+1)/(N+1)2 となります。
このグラフを「mathematica」で描くとこうなります。
もちろんN=1で極小で、極小値3/4です。



 

関連した話題が、 コロキウム室 NO.793にあります。







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