122.変幻自在の図形
図A、B、Cの斜線部分の面積SA、SB、SCの
大小関係を示してください。
2つの円は同心円で直線lは内部の円の接線
2つの正方形。Oは一方の正方形の中心
Oは大きい円の中心。小さい円は大きい円に内接する三角形の各辺の中点を通る円
問題の出典
判断力を高める推理パズル
鈴木清士 著
講談社ブルーバックス
平成7年度国家公務員T種試験
答えと解説
解答・その1
(ペンネ−ム:杖のおじさん)
答え SA=SC>SB
(1)SAについて
直線l、ABを円の中心Oを通るようにするとその図形は下図のようになります。
そしてその面積は次の通り半径a/2する円の面積となります。
SA=(a/2)2×π
(2)SBについて
正方形の中心Oを固定して正方形OGEFを回転させ辺OGを辺CDに直角に交差させると
次の下図のようになります。
そしてその面積は次の通りa/2を一辺とした正方形の面積となります。
SB=(a/2)2
(3)SCについて
円の弧ABの中間点Gを通る垂直線と、孤ACの中間点を通る垂直線の交点は円の中心Oとなります。
BCを近づけると下図のような図形になります。
そしてその面積は次の通りOB=a なのでPBを半径とする円の面積になります。
SC=(a/2)2×π
従ってSAの面積(a/2)2×π=SCの面積(a/2)2×π
>SBの面積(a/2)2となり答えは SA=SC>SB となります。
解答・その2
(ペンネ−ム:解答ルパン)
SA = π・a2/4 [cm2]
SB = a2/4 [cm2]
SC = π・a2/4 [cm2]
∴SA = SC > SB
Aについて、内部の円の半径を r 、外部の円の半径をRとする。
底辺の長さをaとして、円の中心を頂点に二等辺三角形を考えると、
その斜辺は外部の円の半径Rに等しく、その高さは内部円の半径rとなるので
ピタゴラスの定理より、
a2/4 + r2 = R2
∴R2 - r2 = a2/4
SA | = π・R2 - π・r2 |
= π・(R2 - r2) | |
= π・a2/4 [cm2] |
Bに関しては、下の図の様に、重なりが正方形から少しずれた場合は、
△OPQ≡△ORSとなる(二角挟辺相等)となるので、
SBは重なりが正方形のときの面積に等しく、常に SB = a2/4 [cm2] となる。
Cに関しては一般的に考えるのが難しかったので、両極端で考えてみました。
まず、大円に内接する三角形の二つの辺が接近し、極限的に重なったときを考えると・・・
重なった二辺は大円の直径に一致、もう一つの辺は点に収束してしまうので、SCは直径が大円の半径の円の面積に等しくなる。
SC = π・a2/4 [cm2] となる。
その状態から、重なっていた三角形の二辺のなす角が大きくなり、
三辺とも等しくなって正三角形になったときを考えても、
面積はπ・a2/4なので、それ以外も同様と考えられる。
(直角と60°を持つ三角形の斜辺とその60°を挟む辺の比が2:1であるため)
以上のことから、SA = SC > SB としました。
解答・その3
(ペンネ−ム:FausT)
それぞれの図形の面積をaで表して比較するのが定石でしょうかね。 ・・ということで、順に検証していきましょうか。
【A】
外側の円の半径を r、
内側の円の半径を b とすれば、
三平方の定理より、
r2=(a/2)2+b2
また、
SA=πr2−πb2
=πr2−π{r2−(a/2)2}
=πa2/4
【B】
こういう問題の性質上、どの角度で重なってもSBは常に一定なんですよね?であれば、
2つの正方形が45゜ズレて重なるカタチで考えると一番わかりやすいですよね。
すると、SBは正方形の面積の4分の1に等しいから、
SB=a2/4
【C】
これもBと同様ですかね、内接する三角形の条件は任意のようですから、
正三角形で考えるのがわかりやすいですね。すると、小さい円の半径はa/2だから、
SC=π(a/2)2=πa2/4
これらを比較して、
SA=SC>SB ・・・・・・【解】
解答・その4
(ペンネ−ム:ますますタコさん)
解答: Sa=Sc>Sb
(比は Sa:Sc:Sc=π:1:π、ですか?)
過程:
A:Sa=(大円の面積)−(小円の面積)です。
大円の面積は、円の中心から大円と直線の接点の距離が大円の半径(=R とします)で、πR2 です。
小円の面積は、円の中心から小円と直線の接点の距離が小円の半径(=r とします)で、πr2 です。
(実際には補助線をひくと分かりやすいのですが)そうすると、問題のacmの直線とで、直角三角形があらわれます。
三平方の定理から、(a/2)2=R2−r2です。
Sa=πR2−πr2ですから、
Sa=π(R2−r2)
Sa=π(a/2)2
Sa=πa2/4 になります。
B:まずScの部分が「正方形」の時と、「直角二等辺三角形」の時と、
「どちらでもない時」に分けて考えます。
「正方形」の時: 正方形Scの一辺は a/2 で、面積は a2/4 になります。
「直角二等辺三角形」の時: 底辺が a で、高さが a/2 となり、
面積は (a・a/2)/2=a2/4 になります。
「どちらでもない時」: (問題の図形を利用して、相対的な表現も使用させてもらいます)
中心Oを持つ正方形を S として、もう一方の正方形を s とします。
中心Oから正方形Sの右の辺に垂線をひきます。
もう一本同様に下の辺にも垂線をひきます。
中心O、正方形Sと垂線の交点、正方形Sと正方形sの交点の3点を頂点とする三角形が、2つできます。
そこで、
1、それぞれの垂線の長さは同じです。
2、それぞれの垂線と正方形Sの辺との角は直角です。
3、それぞれの垂線と正方形sの一辺でなす角は同じです。(証明は省略させてください)
ゆえに、2つの三角形は、一辺の長さとその両端の角度が同じなので、合同です。
三角形を移動すると、「正方形」の時と同じ正方形ができます。
面積は a2/4です。
C:すいません。うまく説明できません。
まず、内接する三角形が正三角形の時は、もとの円の直径が半分の同心円になります。
直角三角形の時、斜辺の中点(円の中心)と直角の頂点との長さ(もとの円の半径)を直径とする円になります。
鈍角三角形はもとの円より外側にはみ出ますが、やはり、半径が半分の円が出来ます。
面積は半径が半分ですから、Aと同様に πa2/4です。
解答・その5
(ペンネ−ム:のっこん)
(1) 大きい円の半径をb、小さい円の半径をcとする
y=c と x2+y2=b2 の交点のx座標は ±√(b2−c2)
2√(b2−c2)=a だから b2-c2=a2/4
よって
SA=π(b2-c2)=πa2/4
(2) 明らかに
SB=a2/4
(3) 大きい円に内接する三角形の頂点をA、B、Cとする
ABの中点をD、BCの中点をE、CAの中点をFとすると
FE:AB=1:2、DF:BC=1:2、ED:CA=1:2 だから
△DEF∽△CAB (相似比1:2)
従って△DEFに外接する円の半径をr1、△CABに外接する円の半径をr2とすると
r1:r2=1:2 ←この辺は論証が必要かもしれない
よって
SC=πa2/4
(答)SA=SC>SB
楽しい問題でした
小円に接する弦の長さが決まればSAが決まるなんて驚きです!
解答・その6
(ペンネ−ム:NSP)
A:二つの円の半径が直角三角形の斜辺と一辺の関係なので
三平方の定理より
Sa=πa2/4
B:斜線部分は正方形の1/4のピースなので
Sb=a2/4
C:小さい円の内接三角形は大きな円のものの相似比1/2となっている。
よって小さな円は直径がaとなる。
Sc=πa2/4
Sa=Sc=πa2/4>a2/4=Sb
解答・その7
(ペンネ−ム:まーや)
(答え)SA=SC>SB
解答・その8
(ペンネ−ム:テレスとアリス)
(1)SAの面積を求めます。
内側の円と、内側の円の接線との接点をPとします。
同心円の中心をOとします。
線分IOをxとし、線分POをyとします。
三角形IPOは直角三角形となります。
xは外側の円の半径、yは内側の円の半径です。
外側の円の面積=x2π cm2
内側の円の面積=y2π cm2
「三平方の定理」により、x2=y2+(a/2)2 です
SAの面積 | = 外側の円の面積 − 内側の円の面積 |
= x2π − y2π | |
= (y2+(a/2)2)π − y2π | |
= (a/2)2π cm2 |
よって、SAの面積は (a/2)2π cm2 です。
(2)SBの面積を求めます。
2つの正方形の交点をP1、Q1とします。
Oを中心にして正方形を回転させた時の新しい交点をP2、Q2とします。
正方形を回転させた時の図形、OP1P2、
OQ1Q2 は合同となるので
SBの面積は変わらない。
またP1が正方形の一頂点の時、Q1はその隣の頂点にあるので、
SBの面積は正方形の面積の四分の一となります。
よって、SBの面積は (a/2)2 cm2 です。
(3)SCの面積を求めます。
大きい円に内接する三角形をABCとします。
AB、BC、CAの各辺の中点をそれぞれD、E、Fとします。
三角形DEFは三角形ABCと合同となります。
三角形DEFに外接する円は、三角形ABCに外接する円と合同となります。
さらにAで大きい円に内接します。
AB(またはAC)が大きい円の直径の時、D(またはF)は、
大きい円の中心Oと重なり、AOは小さい円の直径となります。
よって、SCの面積は (a/2)2π cm2 です。
以上から
SA = (a/2)2π cm2
SB = (a/2)2 cm2
SC = (a/2)2π cm2
が求められます。大小関係は、SA=SC>SB となります。
答え SA = SC > SB
以上です。
解答・その9
(ペンネ−ム:新俳人澄朝)
A
右の図において、大円の半径R、小円の半径をrとする。
円の中心から線分ABに垂線を引くと、
BC=a/2 であり、直角三角形OBCにおける
B
右の図において、四角形OABCの面積SBは、三角形OBDの面積に等しいことを示す。
C
問題の大円を、原点中心、半径aの円とする。
また、大円に内接する三角形ABCを、点B、Cがy軸対称となる
2点としても問題の一般性は失われない。
そこで、A(2α,2β)、B(−2s,2t)、C(2s,2t)とすると、この3点は円周上の点より、
4α2+4β2=a2
4s2+4t2=a2
この2式より α2−s2=t2−β2 ・・・(1)
小円の中心を求める。
D(0,2t)、E(α+s,β+t)、F(α−s,β+t)であり、△DEFの外接円の中心は、
線分EF,DEそれぞれの垂直二等分線である。
線分EFの垂直二等分線は、x=a ・・・(2)
線分DEの垂直二等分線
上のように、力技(代数学)で解答した後に、簡単別解(幾何学?)を発見
Cの【別解】
右の図において、△ABCの外接円が大円であるから正弦定理より、
以上A、B、Cの結果より、SB<SA=SC
解答・その10
(ペンネ−ム:オヤジ)
白い円の半径をd、また一番大きな円の半径をlとすると、
求める面積 SAは、
l2π−d2π=(l2−d2)π=(π/4)a2
SA=(π/4)a2・・・(1)
SB=a2/4・・・・(2)
SCは、半径aのに内接する三角形の三辺の各中点を通る三角形の
3つの頂点を通るから、中点連結定理より三角形は、相似比1/2の三角形
となり 円SCは、相似比1/2の円 よって
SC=(π/4)a2・・・(3)
(1)、(2)、(3)より、SA=SB>SB
解答・その11
(ペンネ−ム:にしやん)
以下、長さの単位 cm、面積の単位 cm2 は省略する
[1] SAについて
大きい円の半径をR、小さい円の半径をrとすると
R2 = ((1/2) * a)2 + r2
∴R2 - r2 = (1/4) * a2
SA | = π * (R2 - r2) |
(1/4) * π * a2 |
[2] SBについて
一辺が (1/2) * a の正方形の面積と等価なので
SB = (1/4) * a2
[3] SCについて
大きい円に内接する三角形の各辺の中点を結ぶ三角形の各辺の長さは、
中点連結定理により、大きい三角形の各辺の長さの半分の相似形となる
従って、小さい三角形を内接する円の半径は、(1/2) * a となる
SC | π * ((1/2) * a)2 |
(1/4) * π * a2 |
以上より
SA=SC>SB
解答・その12
(ペンネ−ム:nao)
SAについて:大きい円の半径をR、小さい円の半径をrとすると、斜線の面積は、
R2π―r2π=(R2ーr2)π ・・・(1)
ここでピタゴラスの定理より、
(a/2)2+r2=R2
R2ーr2=a2/4
(1)に代入して
SA=(a2/4)π
SBについて:SBの面積はa2/4 (証明略)
SCについて:大きい円の半径はa。三角形は大きい円に内接しているので、逆に三
角形の外接円と考える。
小さい円はその三角形の各辺の中点を通るので、中点を結んでみると、元の三角形の
半分の長さの相似三角形になることが分かる。
小さい円はその三角形の外接円になっている。
つまり、大きい円の半径は、小さい円の半径の2倍である。
SCは小さい円の面積なので、
(a/2)2π=(a2/4)π
答え
SA=SC>SB
解答・その13
(ペンネ−ム:巷の夢)
(図A)
内部の小円の半径をr、外の大円の半径をRとすると、三平方の定理から
SA=大円の面積-小円の面積=
(図B)
外側の正方形を内側の正方形の中心点で回転させると以下の図になる。
因って、面積
(図C)
3点のうち2点づつを選び直線で結び三角形を作ると、それらの3辺は全てもとの3角形
の長さの半分で各々の辺に平行な相似三角形である。ここで正弦定理より、
元の一辺の長さをd、その頂角をAとすると、その外接円の半径はaであるから、
d/sinA =2a が成立する。 3点を結んだ三角形のうちdに対応する一辺の長さはd/2、
角度はAであるので、
d/2sinA =2(a/2)が成立する。即ち、小円の半径は大円の半分となることが分かる。
因って、
SC=
以上より
SA=SC>SBとなる。
解答・その14
(ペンネ−ム:住吉ノ浜太郎)
まず、Aです。
両円共通の中心から小円 の接線との接点までを'b'とします。
大小の円の中心は一緒で、接線aは
接点で二等分されます。 大円の直径は、ピタゴラスの定理で
( a / 2 )2 + b2 }1/2
です。 すると斜線部分の面積は、
[{( a / 2 )2 + b2 }1/2]2 × π − b2 × π
= ( a / 2 )2 × π
になります。
Bです。
斜線部分をOから右下のカドへ直線を引き、ふたつの3角形
に分けます。大きい方の三角形は、やはりOから左下のカドへ直
線を引いて、小さい方の三角形の右に現れる三角形と’合同’です。
なぜなら、1辺(対角線の半分)と2角(45度と中心部分の角)
が一緒だからです。 従って、斜線部分の面積は
a× ( a / 2 ) / 2= ( a / 2 )2
Cです。
おおきい円は三角形の外接円、中の小さい円はもとの三角形の相似形で
半分の大きさの三角形の外接円だから、おおきい円の直径がaだ
と小さい円の直径はa/2。 斜線部分の面積は、
( a / 2 )2 × π
答え SA = SC > SB
解答・その15
(ペンネ−ム:真夏のサンタ)
三平方の定理を使うと、
大きい円の半径の2乗ー小さい円の半径の2乗=a2/ 4
となるので、斜線部の面積はa2/4×πとなります。
Bは等積変形でちょうど、正方形の面積の1/4になるので斜線部の面積はa2/4
Cについて。大きい3角形と、中点を結んでできる3角形は相似になり、相似比は1;
2です。そのため面積比は1;4.大きい円の面積はa2×πなので、小さい円の面
積はa2/4×π。
ゆえに斜線部の面積はC=A>Bとなります。
解答・その16
(ペンネ−ム:To the stars)
■S(A)の面積を求める
外側の円の半径をα、内側の円の半径をβとおくと、
三平方の定理より、
(α2)-(β2)=(a/2)2
が成り立つ。
S(A) | =π(α2)-π(β2) |
=π{(α2)-(β2)} | |
=π(a/2)2 | |
=(πa2)/4 |
■S(B)の面積を求める
Oを中心とした正方形において、Oを通る水平線と垂線を引くと、
S(B)は、台形と直角三角形に分断される。
このうち直角三角形の方は、反対側の直角三角形の部分と合同
であるため、
S(B) | =(a/2)(a/2) |
=(a2)/4 |
■S(C)の面積を求める
円Oの内接三角形を三角形Aとする。
三角形Aの角辺の中点を全て通る円を円Pとする。
三角形Aの角辺の中点を全て通る三角形を三角形Bとする。
この時、三角形Bは円Pの内接三角形であることは明らかである。
また、三角形の中点連結定理により、三角形Aと三角形Bは相似であり、
対応する各辺の比は2:1であることも明らかである。
三角形Aは円Oの内接三角形であり、
三角形Bは円Pの内接三角形であるから、
円Oの半径aと円Pの半径も2:1である。
よって、円Pの半径は(a/2)である。
S(C) | =π(a/2)2 |
=(πa2)/4 |
以上により、
S(B) < S(A) = S(C)
解答・その17
(ペンネ−ム:バルタン星人)
答えSA=SC>SB
A:小さい円の半径をbとすると大きな円の面積は
π(a2/4+b2)
ここから小さい円の面積πb2を引くと
πa2/4
B:点Oから右辺及び底辺に垂線を引いてできる
三角形は等しいので斜線部は1/4の正方形に等しい。
ゆえに
a2/4
C:三角形の中点を結んでできる三角形は中点連結定理より、
各辺が元の三角形の1/2となり、相似比1/2の相似三角形となる。
大きな円、小さな円は、各三角形の外接円だから小さな円の
半径は大きな円の半径の1/2。ゆえに小さな円の面積は
πa2/4
(正直に申しますと、Cは座標系から力まかせに解いて、
半径a/2を求め、そこから上の解法を思いつきました)
解答・その18
(ペンネ−ム:転位反応)
Aについて
大きい円の半径をR、小さい円の半径をrとすると、
SA=π(R2−r2)
三平方の定理から、R2−r2=(a/2)2なので
SA=πa2/4
Bについて
下図の通り、斜線部分の一部である△OPQについて
△OPQ≡△ORSなので
SBは一辺がa/2の正方形の面積に等しい
SB=a2/4
Cについて
大きい円に内接する三角形を△PQRとし、
各辺の中点を結んでできる三角形を△XYZとすると
中点連結定理から、△XYZ∽△PQR、その相似比は1:2
△XYZは小さい円に内接する三角形であることから、
小さい円と大きい円の相似比も1:2
よって、SC=πa2/4
以上の結果から、SA=SC>SB
解答・その19
(ペンネ−ム:T_Tatekawa)
A: 大きい円の半径を R[cm], 小さい円の半径を r[cm] とすると,
R2=(a/2)2+r2
斜線部の面積は
π(R2 - r2) = πa2/4 [cm2]
B: O を頂点の一つとする正方形は,O を中心とする正方形と
交わるが,これによって前者に含まれる後者の辺の長さは 合計で a[cm] である.
補助線を引くことにより斜線部は高さ (a/2) [cm] の
二つの三角形に分割できるので,斜線部の面積は
a*a/2 /2 = a2/4 [cm2]
C: 小さい円は三角形の中点を通るので,内接する三角形は
大きな円に内接する三角形と相似関係にあり,かつ
相似比が 1:2 であることを使います.
すると小さい円の半径は a/2 なので,斜線部の面積は
π(a/2)2 = πa2/4 [cm2]
よって面積の大小関係は SA = SC > SB である.
解答・その20
(ペンネ−ム:三角定規)
[A] 小円の半径を r とすると大円の半径は √(a2/4+r2)
∴ SA=π(a2/4+r2)−πr2=πa2/4
[B] 図の黄緑の三角形の面積が等しいから,
SB=(a/2)2=a2/4
[C] 3辺の中点を D,E,F とすると,
中点連結定理より DE=AB/2,EF=BC/2,FD=CA/2 で △DEF∽△ABC。
3点 D,E,F を通る円は △DEF の外接円で,その半径は明らかに a/2。
∴ SC=πa2/4
以上より SA=SC>SB
解答・その21
(ペンネ−ム:Toru)
A 大きい方の円の半径R 小さい方の円の半径rとすると
R2-r2=(a/2)2
より
SA=π(R2-r2)=πa2/4 (cm2)
B 四角形SBをOを通る対角線で2つの三角形に分割し片方を90度回転すると
SBは
正方形の1/4であることが分かるので
SB=a2/4 (cm2)
C 三角形の各辺の中点を結んだ三角形はもとの三角形と相似で相似比は2:1
SCはその三角形の外接円で半径はもとの円の1/2となるので
SC=πa2/4 (cm2)
以上よりSA=SC>SB
解答・その22
(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん)
SAの面積は、大きい円の半径をR、小さい円の半径をrとすると、
SA=π(R2−r2) です。
SAの図で、△OAHにピタゴラスの定理を使うと、
R2=r2+(a/2)2 より
R2−r2=a2/4 なので
SA=π・a2/4
SBの面積は、図のように△OAB≡△OCDなので
元の正方形の1/4の大きさです。
SB=a2/4
SCの面積は、大きい円の1/4です。
大きい円は、△ABCの外接円です。
小さい円は、△PQRの外接円です。
三角形の中点連結定理より二つの三角形は相似で
相似の比は2:1です。
だから面積の比は4:1です。
SC=π・a2/4
なので、SA=SC>SB となります。
解答・その23
(ペンネ−ム:蜘蛛の巣城)
A.同心円の小円に接する大円の弦の長さ ap
図1.のように2つの直角三角形が生ずる。
大円、小円それぞれの半径を Rp、rp とすればピタゴラスの定理から
ところで
(1)(2)より
B.図2.1から図2.3まで反時計回りに一方の正方形を回転させる。 重なる面積の、失われる部分と得られる部分とが等しい。(対称性から明白と言ってよいですか) 従って
C.図3.の大三角形の各辺の中点を結んで小三角形をつくる。中点連結定理から大小三角形の相似比は2:1。 題意から大円は大三角形の、小円は小三角形の外接円だから大小の円の相似比も2:1。面積比は4:1。
A.B.C.から得られる結論;
正解者
真夏のサンタ | にしやん | 巷の夢 |
To the stars | Toru | 夜ふかしのつらいおじさん |
のっこん | 転位反応 | ますますタコさん |
オヤジ | 新俳人澄朝 | 解答ルパン |
杖のおじさん | nao | テレスとアリス |
住吉ノ浜太郎 | T_Tatekawa | まーや |
NSP | 三角定規 | FausT |
バルタン星人 | 蜘蛛の巣城 |
まとめ
この問題に登場する図形は、どれも変幻自在、示された条件を満たしながら移動させても、
面積は変化しません(*)。ですから、極端な状態で面積を求めることができます。
図Aの場合、内側の円の半径をどんどん小さくして0で考える、
図Bの場合は、2つの正方形を平行移動の位置で考える、
図Cの場合は、内接する三角形を正三角形で考えたり、1辺の長さを短くして0で考えるなどです。
ただし、厳密にいえば、(*)を証明しなければなりませんが、多くの方が証明を含めて解答してくださいました。
図Aについては、問題21 じゅうたんの問題で取り上げたテーマですが、 おもしろい性質ですよね。