Weekend Mathematicsコロキウム室テーマ別 /19.オイラーの「無限解析入門(1)」2



コロキウム室
(オイラーの「無限解析入門(1)」・その2)


NO.489 '99 5/23水の流れオイラーの「無限解析入門(1)」(11)
オイラーの「無限解析入門(1)」の第6夜の始まり、始まり。
Junkoさんが見事にBernoulli数がTaylor展開によって、求められました。
数式ソフト「Mathematica」と共にJunkoさんの能力も素晴らしい。
解析概論を読んでいたら、Bernoulli数を別の角度から、 求めてありましたので、紹介します。
−2π<x<2π において、



この2式を掛けると、明らかに右辺は1になります。
そして、当然 B=1 であり、xの係数は 0 です。
これを左辺で見ますと、



両辺に(n+1)! を掛けて 、2項係数で表すと

n+1n+1n−1n+1n−2+ ・・・+ n+1n+1n+1=0

これは n+1 のところを n で書き直し、さらに組合せの性質もつかって、

n−1n−1n−2n−2+ ・・・+ =0

これは(B+1)−B=0 と書けば分かり易いです。
ただし、展開後の B の指数を下の添え字にしてください。

ここで、n=2 を代入して 2B+1=0    ∴B=−1/2
n=3 を代入して  3B+3B+1=0        ∴B=1/6
n=4 を代入して 4B+6B+4B+1=0    ∴B=0
n=5 を代入して 5B+10B+10B+5B+1=0 ∴B=−1/30
後は、読者に任せます。分かったことは


(B以外の奇数番号のBは0になっています) 

ここで、ゼーターの値 ζ(0)=−1/2,ζ(−1)=−1/12,ζ(−2)=0, ζ(−3)=1/120,・・・を比較してください。 すると、


と簡単に書けることをオイラーは1749年に発見しました。
さて、ζ(2),ζ(3),ζ(4),・・・とB、B,B, ・・・の関係については、オイラーは すでに1735年に見つけていました。

ここの関係を発見するにはガンマ関数Γ(s)の登場になります。


と書きます。

ここで、やっと、今夜の宿題です。
このガンマ関数Γ(s)の下記の性質を示してください。
(1) Γ(s+1)=sΓ(s)  、Γ(1)=1
(2) Γ(s+1)=s! 

この先の展開に不安を持ちつつ、第6夜はゆっくりねましょう



NO.496 '99 5/26Junkoオイラーの「無限解析入門(1)」(12)





NO.506 '99 6/1水の流れオイラーの「無限解析入門(1)」(13)

オイラーの「無限解析入門(1)」の第7夜の始まり、始まり。
前夜、ガンマ関数Γ(s)の話をしましたね。 もう一度、書いておきます。



を言います。

さて、いきなりですが、今夜の宿題です。
次の関数が、ゼーター関数ζ(s)の積分における表現になっていること を示してください。



皆さん、この積分をしてみてください。今夜は短いお話でした。



NO.509 '99 6/3月の光オイラーの「無限解析入門(1)」(14)







NO.538 '99 6/19水の流れオイラーの「無限解析入門(1)」(15)

リ−マンのゼ−タ関数は、積分によっても次のように表現できます。


「素数の不思議:好田順治著(現代数学社)」に載っていましたので、紹介します。




NO.540 '99 6/21水の流れオイラーの「無限解析入門(1)」(16)

オイラーの「無限解析入門(1)」第8夜の始まり、始まり。
自然数全体の和はオイラーが1749年にゼーター関数を用いて、 奇妙な計算結果を導きました。

1+2+3+4+・・・=−1/12

そして、自然数の積はリーマンが1859年にゼーター関数を用いて、 次のような奇妙な計算結果を導きました。


そこで、今夜の宿題です。

を示してください。



NO.542 '99 6/23水の流れオイラーの「無限解析入門(1)」(17)

オイラーの「無限解析入門(1)」第9夜の始まり、始まり。
今夜は「数学の宇宙(現代数学者:中村由子訳)」を読んで、 多くの引用をさせてもらいながら、お話をします。
オイラーは1740年の秋に、フランスの数学者フィリップ・ノードから、 「自然数を異なる自然数の和として表わす方法がいくるあるか?」 という手紙を受け取りました。これが、オイラーの興味を引きました。 数日後、彼は「ここ数週間苦しめられた視力の低下のせいで返事の遅れた」 ことを詫びる手紙を添えて解答を送りました。
解答の紹介は後にしまして、少し説明します。

例えば、n=6のとき、異なる自然数の和として、次の4通りがあります。

6,5+1、4+2,3+2+1 です。

6を構成している数字は1回だけしか使えません。 だから、異なっている数字なら、数字はいくつ使ってもよいです。
ここで、ある自然数nを異なる自然数の和で表わす方法をA(n)とします。
つまり、A(6)=4 です。

次に、6を構成している数字が奇数だけになっている方法を考えて見ます。

5+1,3+3,3+1+1+1,1+1+1+1+1

の4通りです。奇数という制限はありますが、 同じ数字を繰り返して使ってもよいです。
ある自然数を奇数の和で表す方法をB(n)とすれば、 B(6)=4となります。

皆さん、A(6)=4 、B(6)=4 が偶然に一致したかどうか、 これから、2,3調べてください。
これが今夜の宿題です。
n=7,8,・・・を調べてください。



NO.543 '99 6/26Junkoオイラーの「無限解析入門(1)」(18)


どうやら、A(n)=B(n)は偶然ではなさそうですね。



NO.544 '99 6/27水の流れオイラーの「無限解析入門(1)」(19)

オイラーの「無限解析入門(1)」第10夜の始まり、始まり。
昨晩、ある自然数nを異なる自然数の和で表わす方法をA(n)として、 2,3調べてくださいと、言って床につきましたが、 この数列はいちいち計算しなければならないのでしょうか? いえいえ、当然ある関数の係数として表れてきます。これが、母関数です。
そこで、皆さん、今夜の宿題です。
次の関数を展開してくださいね。 当然係数に注目ください。 そして、この係数がどうして、数列{A(n)}なのかも考えてください。

F(x)=(1+x)(1+x)(1+x)(1+x)・・・・・・



NO.546 '99 6/27月の光オイラーの「無限解析入門(1)」(20)


この式は初めて見たので驚きました。 早速証明に取り掛かりましたがまだ出来ていません。 そのかわりこの式を仮定して別の奇妙な式が得られました。

2×3×5×7×11×・・・=1/4π2

左辺は素数の無限積です。

証明)


証明終)



次へ 戻る