Weekend Mathematics/コロキウム室/テーマ別
/13.互いに素
NO.260 '99 1/5 月の光 互いに素(1)
任意に自然数を2つ選ぶ時、それらが互いに素である確率を求めよ。
NO.263 '99 1/6 水の流れ 互いに素(2)
自然数N=aαbβcγ・・・
(素因数分解した形)とおくと、
Nと互いに素(1以外に公約数をもたない)なものの個数をψ(N)と表す
(オイラー関数)。
NO.269 '99 1/10 豊作 互いに素(3)
*このTeXファイルもご本人の提供です。
NO.270 '99 1/10 水の流れ 互いに素(4)
自然数N=aαbβcγ・・・(素因数分解した形)とおくと、
Nと互いに素(1以外に公約数をもたない)なものの個数をψ(N)と表す
(オイラー関数)。
ψ(N)=N(1-1/a)(1-1/b)(1-1/c)・・・・・・ となる。
ここで、このオイラー関数の簡単な性質を書きます。
定理1.NとMが互いに素なら、ψ(NM)=ψ(N)・ψ(M)
定理2.N=aαのとき、(aは素数)
ψ(aα)=aα-aα-1=aα(1-1/a)
だから、これと定理1から
ψ(N)=N(1-1/a)(1-1/b)(1-1/c)・・・・・・
定理3.各素因数aに対して、
ψ(1)+ψ(a)+ψ(a2)+・・・+ψ(aα) =1+(a-1)+(a2-a)+・・・+aα(1-1/a)=aα
例 N=16=24のとき、
ψ(1)+ψ(2)+ψ(4)+ψ(8))+ψ(16) =1+1+2+4+8 =16
定理4.Nのすべての約数を1,p,q,r,・・・,Nとすると、
ψ(1)+ψ(p)+ψ(q)+ψ(r)+・・・+ψ(N)=N
例 N=15のとき、15とすべての約数は1,3,5,15だから
ψ(1)+ψ(3)+ψ(5)+ψ(15) =1+2+4+8 =15
そこで、問題です。
ψ(N)=6 となる自然数Nを求めよ。<参考:オイラー関数表参照>
オイラー関数表
N | ψ(N) | N | ψ(N) | N | ψ(N) | N | ψ(N) | N | ψ(N) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 21 | 12 | 41 | 40 | 61 | 60 | 81 | 54 |
2 | 1 | 22 | 10 | 42 | 12 | 62 | 30 | 82 | 40 |
3 | 2 | 23 | 22 | 43 | 42 | 63 | 36 | 83 | 82 |
4 | 2 | 24 | 8 | 44 | 20 | 64 | 32 | 84 | 24 |
5 | 4 | 25 | 20 | 45 | 24 | 65 | 48 | 85 | 64 |
6 | 2 | 26 | 12 | 46 | 22 | 66 | 20 | 86 | 42 |
7 | 6 | 27 | 18 | 47 | 46 | 67 | 66 | 87 | 56 |
8 | 4 | 28 | 12 | 48 | 16 | 68 | 32 | 88 | 40 |
9 | 6 | 29 | 28 | 49 | 42 | 69 | 44 | 89 | 88 |
10 | 4 | 30 | 8 | 50 | 20 | 70 | 24 | 90 | 24 |
11 | 10 | 31 | 30 | 51 | 32 | 71 | 70 | 91 | 72 |
12 | 4 | 32 | 16 | 52 | 24 | 72 | 24 | 92 | 44 |
13 | 12 | 33 | 20 | 53 | 52 | 73 | 72 | 93 | 60 |
14 | 6 | 34 | 16 | 54 | 18 | 74 | 36 | 94 | 46 |
15 | 8 | 35 | 24 | 55 | 40 | 75 | 40 | 95 | 72 |
16 | 8 | 36 | 12 | 56 | 24 | 76 | 36 | 96 | 32 |
17 | 16 | 37 | 36 | 57 | 36 | 77 | 60 | 97 | 96 |
18 | 6 | 38 | 18 | 58 | 28 | 78 | 24 | 98 | 42 |
19 | 18 | 39 | 24 | 59 | 58 | 79 | 78 | 99 | 60 |
20 | 8 | 40 | 16 | 60 | 16 | 80 | 32 | 100 | 40 |
NO.273 '99 1/12 Junko 互いに素(5)
NO.270のオイラー関数表を検証していて、 オイラ-関数の値を求める際には、次の2通りでせめていけばよいということに気づきました。
例えば、ψ(16)=ψ(24) =24-23 =16-8 =8 ψ(17)=17-1 =16
例えば、ψ(15)=ψ(5×3) =ψ(5)×ψ(3) =4×2 =8
「ψ(N)=6 となる自然数Nを求めよ。」を考えてみます。
上記の2つの型別に考えてみます。
蛇足ながら、ψ(28)=ψ(2)×ψ(14)=1×6=6とはなりません。
以上により、ψ(N)=6を満たす自然数Nは、
N=7,9,14,18の4つに限る。
さて、オイラ-関数表を見ていて思ったのですが、
「N≧3に対して、ψ(N)は必ず偶数となる」ようですね。
NO.289 '99 1/18 ヴァー 互いに素(6)
No.260の月の光さんの互いに素の問題を図にしてみました。
横方向のxとして1から100までの自然数を、 縦方向のyとして1から100までの自然数をならべて、 その交点(x,y)について、xとyが互いに素のときには黒、 そうでないときには白という風に色を付けました。
この場合は、黒の割合が6087/10000になりました。(1/20 訂正、白黒逆でした。)
NO.294 '99 1/19 水の流れ 互いに素(7)
NO.289で、「ヴァ-」
さんが100までについて図示してくださいました。
これを、オイラ-関数表で計算すると、確かに
2{ψ(2)+ψ(3)+・・・ψ(100)}+1=2×3043+1=6087となっています。
「豊作」さんのレポ-トによれば、
10000×(6/π2)=6079.27・・・ですのでまあまあいい感じですね。
NO.301 '99 1/21 ヴァ- 互いに素(8)
水の流れさんの答え(NO.263)によると
ψ(2)+.....+ψ(100) = 3043なので,
(ψ(2)+.....+ψ(100))/(100(100-1)/2) = 3043*2/100/99 = 3043/4950
となって,私の6087/10000とは違っています.
これは,水の流れさんでは,僕の図(NO.289)でいうと,
左下から右上に向かう対角線より下半分の部分の白黒を
考えていることになっているからです.
つまり,6087=3043*2+1,なんですが,
これは3043が下半分の黒の個数なのでそれを2倍して上半分の黒まで考慮し,
最後に(x,y)=(1,1)の部分の黒を付け加えているわけです
NO.302 '99 1/21 Junko 互いに素(9)
「任意に自然数を2つ選ぶ時、」とありますが、その選び方によって違ってくるわけですね。
同じものを2つ選ぶことを許し、さらにその順序も考慮する(重複順列)と、
全部で1002=10000通りです。
そのうちの6087通りですから、6087/10000
1度に2つの自然数をとる(組み合わせ、同じものどうしはありえない)と、
100C2=100・99/2=4950
そのうちの3043ですから、3043/4950