Weekend Mathematics/コロキウム室/1999.10〜12/NO.78
NO.681 | '99 12/12 | kiyo | 13の倍数(2) |
13の倍数の判定法
X=A×1000+B 1≦A<99,0≦B≦999 とする。
1000==12==-1 (mod 13)
A×1000==-A (mod 13)
X==B-A (mod 13)
NO.682 | '99 12/13 | sambaGREEN | 13の倍数(3) |
1001=7×11×13ですから,
同様の手法が,7の倍数,11の倍数を見つけるのに使えます。
ただし,11の倍数の方は,1つおきにとった2組の数の合計の差で判定
する方法がよく知られています。
これは,10≡−1(mod 11)から,102k≡1,
10(2k+1)≡−1で説明できます。
逆に,この発想を使うと,10002k≡1,
1000(2k+1)≡−1 (いずれも mod 7,13) より,
何桁の数でも,3桁づつに区切った数を1つおきに加えた合計の差で
7,13の倍数かどうか判定できます。
例えば,
A×1012+B×109+C×106+D×103+E | ≡A−B+C−D+E (mod 7,13) |
≡(A+C+E)−(B+D) (mod 7,13) |
NO.683 | '99 12/13 | Junko | 13の倍数(4) |
13で割り切れるかどうかの判定方法は、
「下から3桁ごとに区切り、奇数番目のものの和と、
偶数番目のものの和の差が13の倍数なら割れる。」です。
7桁の数での証明
13×77=1001を利用します。
x=a×106+b×105+c×104+d×103+e×102+f×10+g =a×(103)2+(b×102+c×10+d)×103+e×102+f×10+g =a×(1001−1)2+(b×102+c×10+d)×(1001−1)+e×102+f×10+g =a×(13×77−1)2+(b×102+c×10+d)×(13×77−1)+e×102+f×10+g =a×((13×77)2−2×13×77+1)+(b×102+c×10+d)×(13×77−1)+e×102 +f×10+g =13×(a×13×77×77−2×77+(b×102+c×10+d)×77)+a−(b×102+c×10+d) +e×102+f×10+g ≡a−(b×102+c×10+d)+e×102+f×10+g(mod13)
以前にカ−ドの問題で話題にしました。
13以外の数も含めて、
まとめと詳しい証明があります。
NO.684 | '99 12/14 | 浜田 明巳 | 数セミ問題 |
数学セミナー12月号のエレガントな解答をもとむ問題1の私的解答
数学セミナーの99年12月号のエレガントな解答を求むの問題1において,
私好みの問題を見付けましたので,いつものようにパソコンのVisual Basicで解いてみました.
本来であれば,数学セミナーに投稿すべきなのですが,
このような邪道な解答がrejectされるのは明らかなので,このサイトに投稿します.
申し訳有りません.それに締め切りの12月10日も過ぎています.
問題は以下の通りです.
すべて1つの平面の上で考えます.
直線g上の点Pに長さlの垂線PRを立てます.
PRを対角線とする正方形を図1(省略)のように,右まわりに,PQRSとします. つぎにPの左右に点AとBをAP=l,PB=lとなるようにとり, AとBから,gに関し,点Rと同じ側に長さ2lの垂線AA'とBB'を立てます.
線分QA'を左向きに90°回転してQEとし,線分SB'を右向きに90°回転してSFとします. このとき,E,Fはg上にあってPがEFの中点であることは明らかです.
さて,これからが問題です.
2つの点AとBは動かさず,Pをg上の任意の点に動かします(図2(省略)). ただし,PR⊥gと正方形PQRSの大きさはそのままです. このとき,EとFはgから外れますが,次の2つの性質は保たれています.
この2つを証明してください.
- E,P,Fは1直線の上にある.
- Pは線分EFの中点である.
さらに,PRをgに関してAA'やBB'と反対の向きにとるとどのようになるか考えてください.
なお,図2ではPを線分AB上にとりましたが, ABの外にとってもよいし,AまたはBと一致してもよいことを注意しておきましょう.
E,P,Fが一直線であることを∠EPF=180°で示し,
PがEFの中点であることをEP/FP=1で示します.
Pの位置を少しずつ変え,それぞれのときの∠EPF,EP/FPを計算し,平均を求めます.
合計200回の試行ですが,結論が成り立つことが分かります.
正方形PQRSが直線gより下の場合もまったく同様に示すことができます.
変数のueの値を1から−1に代えればいいだけです.
このとき,E,Fの回転方向が直線gの上にある場合と逆になることに注意します.
Option Explicit Sub Form_Load() Picture1.Scale (-1, 1)-(1, -1) End Sub Sub Command1_Click() 'ss9912 Randomize Timer Dim j, j1, j2, iro0, iro1, iro2, ue As Integer iro0 = RGB(255, 255, 0): iro1 = RGB(0, 0, 255) iro2 = RGB(255, 0, 0) Do ue = Val(InputBox("正方形PQRSが直線gより上→1 直線gより下→2 ?", "入力")) Loop Until ue = 1 Or ue = 2 ue = 3 - 2 * ue Dim shikoukaisuu, kaisuu, machijikan As Long shikoukaisuu = 200: kaisuu = 0: machijikan = 400000 Dim l, x(9), y(9), d, d_genkai, P_genkai, hen(2) As Double Dim cos_EPF, kaku_EPF, chuuten, wa1, wa2 As Double l = 0.3: d_genkai = 0.05: P_genkai = 0.75 Dim ten(9) As String ten(0) = "A": ten(1) = "B": ten(2) = "A'": ten(3) = "B'" ten(4) = "P": ten(5) = "Q": ten(6) = "R": ten(7) = "S" ten(8) = "E": ten(9) = "F" x(0) = -l: y(0) = 0: x(1) = l: y(1) = 0 x(2) = -l: y(2) = 2 * l: x(3) = l: y(3) = 2 * l y(4) = 0: y(5) = l * 0.5 * ue: y(6) = l * ue: y(7) = l * 0.5 * ue Picture2.Cls: Picture3.Cls: Picture4.Cls Picture5.Cls: Picture6.Cls For kaisuu = 0 To shikoukaisuu If kaisuu = 0 Then x(4) = 0: d = 0: wa1 = 0: wa2 = 0 Else d = d + (Rnd * 2 - 1) * d_genkai If Abs(d) > d_genkai Then d = -Sgn(d) * d_genkai x(4) = x(4) + d If Abs(x(4)) > P_genkai Then x(4) = Sgn(x(4)) * P_genkai End If x(5) = x(4) - l * 0.5: x(6) = x(4): x(7) = x(4) + l * 0.5 For j = 0 To 1 x(j + 8) = ue * (2 * j - 1) * (y(j + 2) - y(2 * j + 5)) + x(2 * j + 5) y(j + 8) = ue * (1 - 2 * j) * (x(j + 2) - x(2 * j + 5)) + y(2 * j + 5) Next For j = 0 To 2 j1 = -4 * (j = 0) - 8 * (j = 1) - 9 * (j = 2) j2 = -8 * (j = 0) - 9 * (j = 1) - 4 * (j = 2) hen(j) = (x(j1) - x(j2)) * (x(j1) - x(j2)) + (y(j1) - y(j2)) * (y(j1) - y(j2)) If hen(j) < 0 Then hen(j) = 0 Else hen(j) = Sqr(hen(j)) Next chuuten = hen(0) / hen(2) wa2 = wa2 + Sgn(kaisuu) * chuuten cos_EPF = (hen(2) * hen(2) + hen(0) * hen(0) - hen(1) * hen(1)) * 0.5 / hen(2) / hen(0) If cos_EPF = 0 Then kaku_EPF = 90 Else kaku_EPF = 1 / cos_EPF / cos_EPF - 1 If kaku_EPF < 0 Then kaku_EPF = 0 kaku_EPF = Atn(Sqr(kaku_EPF)) If cos_EPF < 0 Then kaku_EPF = 180 - kaku_EPF If y(4) > (y(9) - y(8)) / (x(9) - x(8)) * (x(4) - x(8)) + y(8) Then kaku_EPF = 360 - kaku_EPF End If End If wa1 = wa1 - (kaisuu > 0) * kaku_EPF Picture1.Cls Picture1.Line (-1, 0)-(1, 0), iro0 For j = 0 To 1 Picture1.Line (x(j), y(j))-(x(j + 2), y(j + 2)), iro0 Next Picture1.PSet (x(4), y(4)), iro1 For j = 7 To 4 Step -1 Picture1.Line -(x(j), y(j)), iro1 Next Picture1.Line -(x(6), y(6)), iro1 For j = 2 To 3 Picture1.Line (x(j), y(j))-(x(j + 3 - (j = 3)), y(j + 3 - (j = 3))), iro2 Picture1.Line -(x(j + 6), y(j + 6)), iro2 Next For j = 8 To 9 Picture1.Line (x(4), y(4))-(x(j), y(j)), iro2 Next For j = 0 To 9 Picture1.CurrentX = x(j): Picture1.CurrentY = y(j) Picture1.Print ten(j) Next Picture2.Cls: Picture2.Print kaisuu; "回試行" Picture3.Cls: Picture3.Print "∠EPF="; kaku_EPF Picture5.Cls: Picture5.Print "EP/FP="; chuuten If kaisuu > 0 Then Picture4.Cls: Picture4.Print "∠EPFの平均="; wa1 / kaisuu Picture6.Cls: Picture6.Print "EP/FPの平均="; wa2 / kaisuu End If For j = 0 To machijikan: Next Next Beep End Sub Private Sub Command2_Click() End End Sub
NO.685 | '99 12/14 | 水の流れ | 新聞紙の折り曲げ(1) |
これは、依然テレビで実際に実験をやっているのを太郎さんはみていました。
さて、問題です。厚さ0.2ミリの新聞紙を100回折ったらその厚さはどのくらいに
なりますか。1回折るたびに二倍の厚さになります。
NO.686 | '99 12/14 | 水の流れ | 13の倍数(5) |
NO.682「sambaGREEN」さんの中にでてくる1001を数学上は「シェヘラザーテ数」といいます。
また、「千一夜物語」への連想もできます。
この物語のいわれは後日の機会にして、
1001=7×11×13という連続する3つの素数の積になっています。
平凡な数の用ですが、なかなか興味深い数です。
私などは「6桁の整数」「6桁の整数」として、良く教材に使います。
1桁のnの数字を使って、n×3×37×10001を計算してください。
驚きますよ。
「シェヘラザーテ数」は王妃のように綺麗な素敵な数なんです。
1×11+2×22+3×33+4×44+5×55+6×66=
11×(12+22+32+42+52+62)にも表れてきますよ。
他には、1桁のnの数字を使って、n×9×12345679もあります。
NO.687 | '99 12/15 | 浜田 明巳 | 新聞紙の折り曲げ(2) |
2100=(210)10=
102410≒(103)10=1030
∴0.2o×2100≒0.2o×1030=2×1023q
したがって一番近いのは5の宇宙のはてでしょう.
この問題は,その昔高3生に聞かれ,上記の様に暗算で計算して,威張った事があります.
連中は「何か方法があるんだ!」と叫んでいたので,この種明かしをしました.
実際には厚さ10pくらいまでが限界でしょう.
このときx回折り曲げたとすると,
0.2o×2x≒10p
∴2x≒500
∴x≒9
つまり9回が限界という事です.
NO.688 | '99 12/16 | 水の流れ | サンタの贈り物 |
太郎さんは、先日サンタさんから素敵な贈り物を頂きました。
その伝票には、10桁の番号が書いてあります。
よくみると、偶然にも幸運な数字です。
それは、0から9までの数字が1回ずつ使ってあって、上から2桁の数は2の倍数で、
3桁の数は3の倍数で、・・・・・・、n桁の数はnで(n=2,3,4,・・・,10)
割り切れていました。
太郎さんは、この幸運な10桁の数字が他にもあるのか、知りたくなりました。
<参考資料:カ−ドの問題の
まとめと詳しい証明>
NO.689 | '99 12/16 | Junko | 新聞紙の折り曲げ(3) |
2100という数は一体どの位大きいのでしょうか?
x=2100として常用対数をとってみます。
そうすれば、桁数を知ることができるからです。
log10x | =log102100 |
=100×log102 | |
=100×0.3010・・・(常用対数表を見て) | |
=30.10・・・ |
0.2o×2100 | =0.2o×a×1030 |
=2a×1029mm | |
=2a×1026m | |
=2a×1023km |
NO.690 | '99 12/16 | 水の流れ | 13の倍数(6) |
「千一夜物語」のエピソードを紹介します。
ここからの文章は<恥ずかしくて聞けない数学64の疑問:仲田紀夫(黎明書房)>から引用します。
「メソポタミアのササン王朝(紀元5世紀ごろ)のシャフリヤール王が、 妻に裏切られたことから女性を憎み、新しい妻と一夜を過ごした翌日殺す、という行為を繰り返した。このエピソードから、数学では、この1001をシェヘラザーテ数と呼んでいます。
これを知った大臣の娘シェヘラザーテは、このすさんだ王の心を安らかにしようと、すすんで王妃になった。 そこで一晩中、楽しい物語を王に聞かせたところ、王は翌日も続きを聞きたたいため、 王妃を殺さなかった。 こうして千一夜が過ぎ、その後末永く王と王妃とは幸福な人生を送るようになった。」
「この物語は誰かの創作だろうが、話は広くインド、ペルシャ、ギリシャ、ユダヤ、 エジプトなどからのものを集めたという。 『アラジンの魔法のランプ』『アリババと四十人の盗賊』などが有名で、約300話あるそうです」