Weekend Mathematicsコロキウム室1999.1〜3/NO.35

コロキウム室



NO.274     '99 1/12   月の光     1999年の問題(5)






NO.275     '99 1/12   Junko     定義域(2)

定義域というのは文字通り「定義」するものですから、自由に設定できるはずです。 従ってこの問題は最大限定義できる範囲と解釈することにします。
逆関数を考えて、その値域(Yのとりうる範囲)を求めればいいのでしょうか?


こちらの定義域は、x>0と考えられますから、 この時の値域を考えることにします。



NO.276     '99 1/12   月の光     四角形の最大値(1)

中心Oの円Oがあり、半径をrとする。 円Oの周上の一点aを中心とする円Aと円Oが交わる2点を順にb、dとする。 次に、a,oを結ぶ直線と交わる点をcとする。 この時、四角形abcdの最大値を求めよ。
円Aの半径をxとし、0<x<2rとする。
左図のように∠oab=θ、0<θ<(π/2)としてみてください。
これは、大学院の入試問題ですが、意外と簡単です。




NO.277     '99 1/13   水の流れ     1998倍数の問題(2)

2.1998=2×9×111 で偶数なので、 等しい各位の数字は、2,4,6,8が考えられる。 ところが、2,4,8の3つの場合、 これらを並べた数が9の倍数でもあるので  最低9桁は必要です。 実際並べてみます。
222222222,444444444,888888888 は1998で割り切れない。
一方、666666666は1998で割り切れる。
さらに、6666,66666,6666666, 66666666は明らかに9の倍数でない。
666666は999の倍数でない。
したがって、   答え 666666666

3.1998より大きい自然数Nを考えると、 組み合わせの記号1998
1998= N(N−1)(N−2)・・・(N−1997)/1998!
ここで、左辺はN個のものから1998個とる組み合わせの数だから 自然数であり、これは右辺の分子が(連続する1998個自然数の積) 1998!で割り切れることを示しています。
よって、証明終わり。
「一般に連続するn個の自然数の積はn!で割り切れます。」



NO.278     '99 1/13   水の流れ    星形n角形

正n角形があります。 今、1つの頂点から出発し、等しい長さの対角線 を右まわりに連続して次々に引いていきとき、 何周かして元の点に戻るまでに、 すべての頂点を通過している場合があります。 こうして、これらの線によって1つの模様が出来ます。 この模様を星形n角形と呼びます。
例えば、n=5のとき、皆さんがご存じの星形1個ができます。
n=6のとき、星形6角形は出来ません。
さて、n=7のとき、異なる星形7角形は何個できますか。
n=10のとき、異なる星形10角形は何個できますか。
n=12のとき、異なる星形12角形は何個できますか。
一般に、異なる星形n角形は何個できるか、nで表してください。



NO.279     '99 1/13   Junko     定義域(3)





NO.280     '99 1/14   Idaho Poteto     分数の問題・その後(6)

No.261で、マサボーさんは、 「分数の問題」に対する「数学的に正しい解答」とは何かを論じておられますが、 この点について、私はかなり異なる見解を持っています。

今回の問題は、「2/3, 4/5 を、相異なる単位分数の和で表せ」というものでしたが、 私は、問題文を読んで、単純に、

この問題が要求していることは、 2/3, 4/5 のそれぞれについて、 単位分数の和による表現を「少なくとも1通り」示すことである
と理解しました。 「すべての解を示せ」と明示的に要求していない以上、 このような解釈は、数学的に自然だと思います。

それを超える部分は、 あくまで、 それぞれの解答者による独自の拡張であって、 それはそれで大いに有意義なことではありますが、 問題に対する答としての「正しさ」とは別次元の話だと思います。
そして、その「拡張」の例として、たとえば

  1. 任意の分数(正の有理数)は単位分数の和として表わすことができることを示す
  2. 単位分数の和による表現が1つ存在すれば、それは無限個存在することを示す
などがあるわけですが、
具体的に与えられた分数について、 単位分数の和による表現をもれなく検索するための手順を与える
ということもまた、その「拡張」のひとつとして評価されるべきだと思います。

したがって、この問題の答としては、 少なくとも(たとえば)「2/3 = 1/2 + 1/6」「4/5 = 1/2 + 1/5 + 1/10」の2つの事実が述べられていれば、 それだけで完璧に「数学的に正しい」と考えます。

ついでに言うと、私は、 「1/2 + 1/6」「1/2 + 1/5 + 1/10」という具体的な解を「どうやって見つけたか」ということは、 その解答の「数学的な正しさ」とは無関係だと思っています。 つまり、たとえ「あてずっぽう」でそれらの解を見つけたとしても、 結果さえ正しければ、それは「数学的に正しい」、ということです。
もちろん、より一般性のある解法を示すほうが、 「より多くの拡張の可能性が生じる」という意味において有益であることは、 私も十分承知しています。 しかし、そのことと、 答としての「正しさ」とは、別の問題であると理解しています。

このようなことを言うと、 見識高い「数学教育者」の皆さんのお叱りを受けるかもしれませんが、 数学一般において「正しい」とはそういうことである、 ということも、また事実なのです。



NO.281     '99 1/14   Idaho Poteto     分数の問題・その後(7)

前項に関連する問題提起です。

次のような問題を考えます。

(問題)
変数 x は実数を表すとする。 このとき、 命題「x2 > 4 ならば x > 2」は正しくないことを示せ。
この問題に対する解答例を2つ示します。 どちらのほうが、より「数学的に正しい」解答といえるでしょうか?

(解答1)
x2 > 4 より、x < -2 または x > 2 である。
したがって、命題「x2 > 4 ならば x > 2」は正しくない。
(解答2)
x = -4 とすると、 x2 > 4 であるが、x > 2 ではない。
したがって、命題「x2 > 4 ならば x > 2」は正しくない。




NO.282     '99 1/14   3−6     定義域(4)





NO.283     '99 1/14   I.T.     定義域(5)





NO.284     '99 1/14   水の流れ     定義域(6)









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