Weekend Mathematicsコロキウム室1999.1〜3/NO.34

コロキウム室



NO.264     '99 1/8   月の光     富士山(2)

まず、地球の半径をa、富士山の高さをbとし、 地球を半分に切ってxy平面で考えます。
すると、
地球の方程式 x2+y2=a2と、 点C(0,a+b)を通る直線との
交点Q(x0,y0)までが 富士山から見下ろせる範囲となります。


a=6371(km),b=3.776(km)とすれば、Q(219.25,6367.23)
つまり富士山の傾斜を考えなければ、麓から大体219km (正確には219.294km)の地点まで見渡せることになります。 雲がなければですが。 しかし、TVを使えばどこまででも見ることができます。

この問題をやっていてふと思ったんですけれど、地球の反対側まで穴を空けて、 その穴に落ちた時、加速度はどうなるんでしょうか? 又、中心からずらして穴を空けるとどうでしょう?



NO.265     '99 1/8   Junko     富士山(3)


左の図の赤い部分の距離を求めます。
方程式cosθ=6371/(6371+3.776)を解くことにより、角θを求めます。
「mathematica」で解くと、θ=0.0344・・・(ラジアン)となりました。
次に、赤い部分の長さlを求めるために、l=rθの式に代入します。
l=6371×0.0344・・・=219.294・・・となりました。
答えは富士山山頂の真下から半径約219kmの 円内ということになるのでしょうか? 




NO.266     '99 1/8   水の流れ     富士山(4)

静岡県の漁師などは富士山の頂上が見えなくなると、だいたい200km だと、肌で感じていました。

ここで、先ほどの富士山と同じ問題です。

7月末に、私は浜松の中島砂丘に立って、遠く彼方の海をみて、 心を静めていました。 一体何km先の水平線を眺めていたことになるでしょうか。 ただし、私の目の高さを1.5m、地球の半径を6371kmとして、 計算してください。 勿論、地球は球体をして、考えてください。



NO.267     '99 1/8    月の光     連続根号数・その1(1)






NO.268     '99 1/8    月の光     連続根号数・その2(1)






NO.269     '99 1/10    豊作     互いに素(3)



*このTeXファイルもご本人の提供です。




NO.270     '99 1/10    水の流れ     互いに素(4)

自然数N=aαβγ・・・(素因数分解した形)とおくと、
Nと互いに素(1以外に公約数をもたない)なものの個数をψ(N)と表す
(オイラー関数)。
ψ(N)=N(1−1/a)(1−1/b)(1−1/c)・・・・・・ となる。

ここで、このオイラー関数の簡単な性質を書きます。

定理1.NとMが互いに素なら、ψ(NM)=ψ(N)・ψ(M)

定理2.N=aαのとき、(aは素数)
ψ(aα)=aα−aα−1=aα(1−1/a)
だから、これと定理1から
ψ(N)=N(1−1/a)(1−1/b)(1−1/c)・・・・・・ 

定理3.各素因数aに対して、

 ψ(1)+ψ(a)+ψ(a)+・・・+ψ(aα)
=1+(a−1)+(a−a)+・・・+aα(1−1/a)=aα

例 N=16=2のとき、

 ψ(1)+ψ(2)+ψ(4)+ψ(8))+ψ(16) 
=1+1+2+4+8
=16

定理4.Nのすべての約数を1,p,q,r,・・・,Nとすると、
ψ(1)+ψ(p)+ψ(q)+ψ(r)+・・・+ψ(N)=N

例 N=15のとき、15とすべての約数は1,3,5,15だから

 ψ(1)+ψ(3)+ψ(5)+ψ(15)
=1+2+4+8
=15

そこで、問題です。
ψ(N)=6 となる自然数Nを求めよ。<参考:オイラー関数表参照>

オイラー関数表
ψ(N)ψ(N)ψ(N)ψ(N)ψ(N)
  1  1 21 12 41 40 61 60 81 54
  2  1 22 10 42 12 62 30 82 40
  3  2 23 22 43 42 63 36 83 82
  4  2 24  8 44 20 64 32 84 24
  5  4 25 20 45 24 65 48 85 64
  6  2 26 12 46 22 66 20 86 42
  7  6 27 18 47 46 67 66 87 56
  8  4 28 12 48 16 68 32 88 40
  9  6 29 28 49 42 69 44 89 88
 10  4 30  8 50 20 70 24 90 24
 11 10 31 30 51 32 71 70 91 72
 12  4 32 16 52 24 72 24 92 44
 13 12 33 20 53 52 73 72 93 60
 14  6 34 16 54 18 74 36 94 46
 15  8 35 24 55 40 75 40 95 72
 16  8 36 12 56 24 76 36 96 32
 17 16 37 36 57 36 77 60 97 96
 18  6 38 18 58 28 78 24 98 42
 19 18 39 24 59 58 79 78 99 60
 20  8 40 16 60 16 80 32100 40




NO.271     '99 1/11   Junko     1999年の問題(4)

授業の中で、生徒にも挑戦してもらいました。

(1×9+9)÷9=2
−1+9÷9×√9=2
1+9÷(√9×√9)=2
−1−√9+9−√9=2
1×(9+9)÷9=2
−1+{9÷(9÷√9)}=2
1+9÷√9÷√9=2


1×√9×9÷9=3
1×9÷9×√9=3
1−9÷9+√9=3
1×√9×9÷9=3
1×9−√9−√9=3
1+(9+9)÷9=3
1×9−9+√9=3
1×√9+9−9=3


(1+√9)×9÷9=4
1+√9×√9÷√9=4
1+√9+√9−√9=4
1+√9+9−9=4
1×(9÷9+√9)=4
1+9−9+√9=4
1×9÷9+√9=4
1+9−√9−√9=4


1+√9+9÷9=5
1+9÷9+√9=5
−1+(9+9)÷√9=5
1+√9÷√9+√9=5
1+√9+√9÷√9=5
−1+9−9÷√9=5


(1+9÷9)×√9=6
1×√9×√9−√9=6
1×9÷√9+√9=6
{1+(9÷9)}×√9=6
1×√9+9÷√9=6


−1+9−9÷9=7
−1+9−√9÷√9=7
1+9÷√9+√9=7
1+9−9÷√9=7
1+√9+9÷√9=7


−1+9÷9×9=8
−1+9−9+9=8
−1+9+9−9=8
−1−9+9+9=8
1×9−9÷9=8
−1+√9+√9+√9=8
−1×9÷9+9=8


1×9+9−9=9
1×9−9+9=9
1−9÷9+9=9
1×9×9÷9=9
1×9÷9×9=9
1+9−9÷9=9
1+9−√9÷√9=9
−1+9+9÷9=9
(1+9−9)×9=9


1×9÷9+9=10
(1+9)×9÷9=10
1+9+9−9=10
1−9+9+9=10
1+9−9+9=10
1+9×9÷9=10
1+√9+√9+√9=10


1+9+9÷9=11
1+9÷9+9=11
−1+√9+√9×√9=11


1×√9+√9×√9=12
1×√9×√9+√9=12
1×√(9×9)+√9=12
1×9÷√9+9=12
1×9+9÷√9=12






NO.272     '99 1/11   月の光     定義域(1)


オイラーが解を得ています。



NO.273     '99 1/12    Junko     互いに素(5)

NO.270のオイラー関数表を検証していて、 オイラ−関数の値を求める際には、次の2通りでせめていけばよいということに気づきました。

  1. N=aα (但し、aは素数)の時、
    ψ(N)=aα−aα−1
    (NO.270の定理2)
    特にN自身が素数の時は、ψ(N)=N−1
    例えば、ψ(16)=ψ(2)        
            =2−2
            =16−8
            =8
        ψ(17)=17−1
            =16
    
  2. それ以外の時は、N=aαβγ・・・(素因数分解した形)として、 aα、bβ、cγ、・・・は互いに素だから、NO.270の定理1より
    ψ(N)=ψ(aα)・ψ(bβ)・ψ(cγ)・・・
    例えば、ψ(15)=ψ(5×3)
            =ψ(5)×ψ(3)
            =4×2
            =8
    

「ψ(N)=6 となる自然数Nを求めよ。」を考えてみます。
上記の2つの型別に考えてみます。

  1. aを素数として、N=aαの時、
    ψ(N)=aα−aα−1=aα−1(a−1)=6
    • a−1=1とすると、a=2。このとき、2α−1=6よりダメ
    • a−1=2とすると、a=3。このとき、3α−1=3よりα=2
      従ってN=3=9
    • a−1=3とすると、a=4。このとき、4α−1=2よりダメ
    • a−1=6とすると、a=7。このとき、7α−1=1よりα=1
      従ってN=7=7
  2. N=aαβγ・・・(素因数分解した形)の時、
    ψ(N)=ψ(aα)・ψ(bβ)・ψ(cγ)・・・=6
    ψ(a)・ψ(b)=2×3=6またはψ(a)・ψ(b)=1×6=6なる組み合わせを探す。
    • ψ(N)=3を満たすNは存在しません。
      ψ(N)=aα−aα−1=aα−1(a−1)=3
      • a−1=1とすると、a=2。
        このとき、2α−1=3よりダメ
      • a−1=3とすると、a=4。4は素数でないからダメ
    • ψ(N)=1を満たすNを探す。
      ψ(N)=aα−aα−1=aα−1(a−1)=2
      a−1=1とすると、a=2。
      このとき、2α−1=1よりα=1
      従ってN=2=2
      例外的に、ψ(1)=1。しかし1では話が進展しない。
      ψ(N)=6を満たすのは、前段の話しよりN=7とN=9だから、
      ψ(14)=ψ(2)×ψ(7)=1×6=6
      ψ(18)=ψ(2)×ψ(9)=1×6=6

蛇足ながら、ψ(28)=ψ(2)×ψ(14)=1×6=6とはなりません。

以上により、ψ(N)=6を満たす自然数Nは、
N=7,9,14,18の4つに限る。


さて、オイラ−関数表を見ていて思ったのですが、
「N≧3に対して、ψ(N)は必ず偶数となる」ようですね。







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