Colloquium

NO.211
Weekend Mathematicsコロキウム室/NO.211

NO.1627  約数の個数(4)  2006.11.17.  K.F.

問題1:

自然数nの正の約数の個数(d(n)で表すこととする。)と、 anの値を実際に求めてみると、tab.1のようになる。

tab.1

n
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
d(n)
an
16

n
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
d(n)
an
25
36

n
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
d(n)
10
an
49

問題2:

tab.1から、a=nとなるようなnは平方数であることが類推できる。

証明
仮に n が平方数であるとする。 すると、n は素因数p1、p2、・・・、pm、および自然数 k1、k2、・・・、kmにより、

   n=(p1k1・p2k2・・・ pmkm)2 =p12k1・p22k2・・・ pm2km   (式.1)

と表される。このとき、nの正の約数の個数d(n)は、

   d(n)=(2k1+1)・(2k2+1)・・・(2km+1)   (式.2)

である。さらに、

   (奇数)×(奇数)×・・・×(奇数)=(奇数)   (式.3)

となるから、式.2、3より、

   「nが平方数であれば、nの正の約数の個数は奇数である。」(命題.A)

は正しい。
一方、式.3からわかるように、逆に奇数を因数分解すると、それらの因数はすべて奇数となる (偶数の因数が入っていれば、奇数にならない。)から、命題.Aの「逆」も成り立つ。
故に、正の約数の個数が奇数であるnは、必ず平方数である。
               (証明終わり)

問題3:

であるから、2006以下の最大の平方数は、 442=1936である。
平方数の和の公式:  (式.4)

より、

問題4:
式.4より、 が、 それぞれ求まる。

   182=324、1+4+9+・・・+324=2109

よって、 が、2006以下となるような nの最大整数は、323

NO.1626  連続根号数と連分数の不思議な関係(2)  2006.11.16.  夜ふかしのつらいおじさん

次のようにおきます。

   

Xは、次の式から再帰的に導けます。  ・・・(1)

右辺のXに右辺全体を代入することを繰り返します。

Yは、次の式から再帰的に導けます。  ・・・(2)

右辺のYに右辺全体を代入することを繰り返します。

(1)を整理し、 X2−Xーx=0

Xについて解くと、  ・・・(3)

(2)を整理し、 Y2−xYーx=0

Yについて解くと、  ・・・(4)

(3)、(4)についてxのいろいろな値に対するX、Yの値を調べてみると次のグラフになります。
(3)、(4)においてx=1とすると、X=Y=Aとなります。





さて、黄金比を調べます。
長方形から正方形を切り取ると長方形が残ります。
この長方形の縦横の長さの比が、元の長方形の縦横の比と同じになるとします。

   a:b=b:(a−b)  全体をbでわります。

   

   α:1=1:(αー1)  α(αー1)=1 α2=1+αなので

   ・・・(5) または ・・・(6)

(1)でx=1とおくと(5)、(2)でx=1とおくと(6)と同じ形になります。 だから、X(x=1)=Y(x=1)となるのは必然です。
X=A、Y=Aとなるのは偶然です。

NO.1625  群数列  2006.11.13.  水の流れ

第182回数学的な応募問題

皆さん、過去の宮崎大学の入試問題を参考して出題します。是非チャレンジください。

数列{a}は、a=[logn]で定義されている。 ただし、[x]は、xを超えない最大整数を表すものとする。

問題1:初項aから第8項aまでの値を求めよ。

問題2:a=k(k≧0)となるような{a}をk群とするとき、 k群に含まれる数列の項数と和をkで表せ。

問題3:初項aから第2−1項までの和をmで表せ。 ただし、mは自然数

注:この記事に関する投稿の掲載は、12月4日以降とします。

NO.1624  約数の個数(3)  2006.11.13.  夜ふかしのつらいおじさん

問題1:

1=1、a2=0、a3=0、a4=4、 a5=0、a6=0、a7=0、a8=0、 (a9=9)

問題2:

=nとなるようなnは平方数です。
ある自然数nを素因数分解して

   n=pi×qj×rk

となったとします。nの約数は、(i+1)×(j+1)×(k+1) 個あります。 この値が奇数になるためにはすべての因数が奇数です。 つまり、i,j,kそのものは偶数である必要があります。
i=2i'、j=2j'、k=2k' とおくと

   n=p2i'×q2j'×r2k' =(pi'×qj'×rk'2

問題3:

2006より小さい最大の平方数は、1936=442です。(2025=452) だから、1から1936までの平方数(44個)の和は、

   1/6×44×(44+1)×(2×44+1)=29370

問題4:

1/6×k×(k+1)×(2×k+1)≦2006 を解くと、k=17です。
172=289、182=324なので 289項までで項の和が2006に一番接近します。 次の平方数が324なので290項から323項までは値が0だから、 答えはn=323です。

NO.1623  約数の個数(2)  2006.11.13.  teki

=1,a=0,a=0, a=4,a=0,a=0,a=0, a=0

平方数
理由:一般に奇数個の約数を持つのは平方数のみです。(証明は以下の通り。)
   N=a*b*c・・・  

とすると、Nの約数の個数は、

   (p+1)*(q+1)*(r+1)・・・・。

これが奇数となるには、p,q,r,・・・・が全て偶数の場合。 よって

   N=ap’*bq’*cr’・・・・

と書け、これは平方数です。

2より、2006以下の平方数の合計を求めればいいので、
44=1936、45=2025 より

煤ik=1→44)k^2=29370・・・答え

 煤ik=1→17)k=1785、煤ik=1→18)k=2109 よ り N<324 → 323・・・答え

NO.1622  連続根号数と連分数の不思議な関係  2006.11.5.  K.F.

各項が未知数xであるような連続根号数(式.1)と連分数(式.2)をそれぞれ考えます。

      (式.1)

      (式.2)

いま、式.1と式.2の極限値が存在し、かつそれらの値が等しいとすると、 xを未知数とする方程式(式.3)がつくれます。

      (式.3)

式.3の方程式は、理科系の大学生でも解けないかもしれません。 ところが、中学生でも解けます。式.1の極限値をXとすると、

      (式.4)

式.4の二次方程式を解くと、

      (式.5)

一方、式.2の極限値をY(≠0)とすると、

      (式.6)

式.6の二次方程式を解くと、

      (式.7)

式.3より、X=Y よって、式.5、7より、

   

故に、式.3の方程式の解は、x=1
さらに付け加えると、極限値X(=Y)の実数値は、

   

この値は、ギリシア時代から最も調和のとれた比といわれる黄金比に等しいです。すなわち、

   

これは偶然でしょうか?

NO.1621  半整数四角形の問題(3)  2006.11.1.  夜ふかしのつらいおじさん

答えは、(55/2)°です。
方法は少しも華麗ではなく、腕力の行使ですが三角関数の良い復習になります。
まず、三角形の内角の和が180°であることを使って求まる角をすべて求めます。
次に、正弦定理や余弦定理を用いて、AD,BD,ADの長さを求め、∠BAD(図の青い角)の大きさが 150°であることを調べます。
そして、△PADの内角を考えて問題の∠ADB(図の赤い角)を決めます。

   

さて、線分ACとBDの交点をPとします。
∠BAC=65/2°、∠BPC=35°、∠BDC=30°は、三角形の内角の和が180°より求まります。
∠APDは∠BPCの対頂角です。

BCの長さを1とします。(数式中では角の単位「°」は省略します)



よって△ABDについて余弦定理より



ここで、分子は負なので







NO.1620  半整数四角形の問題(2)  2006.11.1.  teki

NO.1616にラングレーの問題の記述がありましたが、 実は、このタイプのラングレー問題はすでに解決してるんです。
ある方のHPの「計算の小道具」 というCGIを用いたプログラム で問題の4つの角度を入力すれば、答えが自動的に出てきます。 (本問題では30度と出てきます。) よろしければ、遊んでください。

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