Weekend Mathematics問題/問題83



83.トランプタワーの問題

この写真のようにトランプでタワーを作って遊んだことはありませんか?
さて、今月の問題はトランプ1組(ジョーカーを入れて54枚)で最大何段のタワーが作れるでしょうかというのが問題です。 (組み上げてから途中のカードを抜いていくというのはなしですよ、そういうゲームもありますが・・・。) 次に、トランプ2組ではいかがでしょうか?














答えと解説





答えと解説

解答・その1

(ペンネ−ム:巷の夢)

3段以上の組み立ては以下の様にやればトランプの使用数が最小で済む。

  

この考えに基づきトランプ枚数の一覧表を作ると、

  
上からの段数トランプ枚数トランプ枚数合計
1段
水平1段
2段
水平2段
3段15
水平3段18
4段26
水平4段30
5段1040
水平5段45
6段1257
水平6段63
7段1477
水平7段84
8段16100
水平8段108


(1)上の表からトランプ一組の場合は5段

(2)同様にトランプ二組の場合は8段

となる事が分かる。



解答・その2

(ペンネ−ム:Toru)

写真は2段ということでしょうか、これを3段にする時は、一番下の段に2枚、下か ら2段目に底の一枚を含めて3枚、3段目にも3枚加えて、3×2+2=8枚増える。
同様にN段の時の枚数をF(N)とするとF(N+1)=F(N)+3N+2 F(1)=2 N=1,2,---とすると、
F(2)=7,F(3)=15,F(4)=26,F(5)=40,F(6)=57,F(7)=77,F(8)=100,F(9)=126
よって54枚では5段まで、108枚では8段まで可能。



解答・その3

(ペンネ−ム:aa)

1段目は Λ ですからトランプは2枚必要。
2段目は、 − の5枚がさらに必要。
       ΛΛ
3段目は、−− の8枚が必要。
       ΛΛΛ
1段増えるごとに2−5−8というように3枚増えていく。
2+5+8+11+14=40、2+5+8+11+14+17=57なので、トランプ1組では5段。

いや、まてよ、問題は「タワーを作る」ってなっていて、ピラミッド型にしろとかかいてないぞ。 そうすると、
1段目は Λの2枚。
2段目以降は、 − の5枚ですむ。
         ΛΛ
2+5×10=52なので、11段が可能




解答・その4

(ペンネ−ム:杖のおじさん)

答え
54枚  5段です
108枚 8段です

 使用枚数合計
 段初め段終わり
1段0枚4枚  
2段5枚12枚       
3段13枚23枚        
4段1124枚37枚        
5段1438枚54枚        
6段1755枚74枚         
7段2075枚97枚         
8段2398枚123枚          
9段26124枚152枚

今回もCASIO(カシオ) FX―870P  CASIO(カシオ) FX―890P  のポッケトコンピューター(ポケコン)で次のようなBasicプログラムを作って見ました。

トランプタワーのプログラム

10 PRINT“トランプタワー”
20 INPUT“ナンマイ”;A
30 J=0 : H=8.5
40 FOR N=1 TO 3000
50 P=2+3*(N−1):J=J+P
60 IF J―3>=A  THEN BEEP :
   N=N−1:H=H+N/100:
   PRINT N;“ダン タカサハ”;H;“メートル デス”;INT(−A/54)*(−1);“クミ ヒツヨウデス”:
   GOTO20
70 TEXT N
80 BEEP:PRINT“マイスウガ オオスギマス”
90 GOTO 20

30行のHは段の高さの変数です。高さが8.5となっています。高さが9cmなら H=9に変更してください。 40行のTOの後ろの3000は3000段まで計算できると言うことです。 5000段までなら数字を変更してください。 60行、80行のBEEPは音を鳴らします。BEEPはBEEP0とBEEP1があり 高音、低音の2種類を出せます。BEEPと指定するとBEEP0と指定した事になります。

上のプログラムを実行して見てください。 実行するとトランプタワーと表示されます。 EXE キーを押すと ナンマイ? と聞いてきます。54と入力し EXE キーを押すと5ダン 0.425メートル デス 1クミヒツヨウデスと表示されます。続いてナンマイ?と聞いてきますので108と入力しEXEキーを押すと8ダン  0.68メートルデス 2 クミヒツヨウデス と表示されます。

遊びに10000000と入力しました。 EXEキーを押すと 2581ダン タカサハ 219.385メートル デス 185186 クミヒツヨウデスと表示されます。 EXEを押してから結果が出るまで2分50秒かかりました。BEEP音で知らせてくれるのでそれまでコーヒーでも飲んで待ってました。エクセルだとすぐ出ますね! 数学って面白いですね!




解答・その5

(ペンネ−ム:SOU)

三角に立てる部分を、左右で1セットとします。1セットに必要なカードの枚数は2枚です。
一番上を一段目とします。
一段目には1セット、二段目には2セット、・・・、n段目にはnセットの三角があります。
まず、この三角の部分の構成に必要な枚数を数えると、
n段目までのセット数→1+2+3+・・・+n=n(n+1)/2
となり、この時カードの枚数は

   n(n+1) ・・・@

となります。

次に、n段目までに必要な間に水平にはさむしきいの枚数を数えます。 これは、(n-1)段目まではそれぞれセット数と同じ枚数だけ必要なので、(n段目は必要 ない)

   1+2+3+・・・+(n-1)=n(n-1)/2 ・・・A

となります。 @、Aの合計が54以下である時の、最大の自然数nがいくつかを考えればよいので、

n(n+1)+n(n-1)/2≦54
3n2/2+n/2-54≦0
3n2+n-108≦0
n<6  (途中計算:方程式3n2+n-108=0の解利用)
n=5  (nは自然数)   ・・・答1


同様に、2セット使うなら

n(n+1)+n(n-1)/2≦108
3n2+n-216≦0
・・・ (中略)
<9
n=8   ・・・答2


余談:n=5の時、40枚使用し、n=8の時100枚使用する。



解答・その6

(ペンネ−ム:teki)

答え 1組:5段 2組:8段

<解法>
n段の場合の斜めのカードの数は、2×Σn、間に入る水平のカードの数はΣ(n-1) 枚です。

これを計算すると、n(n+1)+n(n-1)/2=(3n+n)/2となります。
よって、54枚の場合は、5段、108枚の場合は8段できますね。



解答・その7

(ペンネ−ム:リナライ)

解答:まず、トランプタワーを作るのに必要な枚数を確認しましょう
上からn段目を組むときに必要な枚数をan、anの和をSnとおくと、 n段のタワーを作るのに必要な枚数は

    Sn=a1+a2+……+an

また、an

    an=3(n-1)+2=3n-1

とおく事ができます 試しに、n=1、2、3を入れてみると

    n=1……3-1=2
    n=2……6-1=5
    n=3……9-1=8

実際にタワーを建てるのに必要な枚数はSn必要なので、試しに入れてみると

    n=1……2枚
    n=2……2+5=7枚
    n=3……7+8=15枚

この事は、実際に組んで見て使った枚数を数えてもらえばわかるとおもいますので、これ以上の説明は省きます では、実際にこの通り計算していくと……

    n=4……12-1=11……11+15=26
    n=5……15-1=14……26+14=40
    n=6……18-1=17……40+17=57

以上より、S5<54<S6なので、トランプ一組の時は5段作れて14枚余ります 更に続けてみると……

    n=7……21-1=20……57+20=77
    n=8……24-1=23……77+23=100
    n=9……27-1=26……100+26=126

以上より、S8<108(トランプ2組分の枚数)<S9なので、 トランプ2組の時8段作れて8枚余ります



解答・その8

(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん)

トランプタワーを作るとき、その土台の上になるべく高くなるよう、順番を次の ように積み重ねることにします。下から上に向かって段を数えることにします。

 4段目       10
 3段目      6 9
 2段目     3 5 8
 1段目   1 2 4 7

1段目の各順番の位置を積み重ねるのに必要な枚数は2枚です。
2段目から上は1枚を横に敷いてから2枚を斜めに合わせるので3枚必要です。
n段目まで積み重ねるのに必要な枚数を an とします。( a1=2 )
さらにもう1段積み重ねるには、2+3×n 個のトランプが必要なので、

    an+1=an +(3n+2)

という漸化式ができます。ですから、一般項は、




すると、

   a1=2、a2=7、a3=15、a4=26、a5=40、
   a6=57、a7=77、a8=100、a9=126 .

ですからトランプ1組(53枚)では5段まで、2組(106枚)では8段まで 積み重ねることができます。



解答・その9

(ペンネ−ム:浜田 明巳)

n段の場合の全カード数をf(n)とする.f(1)=2は明らか.
次にf(n+1)をf(n)で表す.
n段の右横(左横でも可)にそれぞれカード2枚と,新たな一番上の段のカード2枚, 及び一番上の段から下から2番目の段までの下にひくそれぞれカード1枚が新たに必要と なるので,

   f(n+1)=f(n)+2(n+1)+n=f(n)+3n+2

n≧2のとき,

f(n)=f(1)+Σ(1≦k≦n-1){f(k+1)−f(k)}
=2+Σ(1≦k≦n-1)(3k+2)
=2+3・(n−1)n/2+2(n−1)
=(3n2+n)/2

これはf(1)=2を満たす.

トランプ1組では,f(n)≦54となる最大の自然数nを求めればよい.
このとき,

   (3n2+n)/2≦54
   ∴3n2+n−108≦0

g(n)=3n2+n−108とすると,

   g'(n)=6n+1>0(∵n≧1)

故にg(n)は増加関数であり,

   g(5)=−28<0,g(6)=6>0

故にnの最大値は5である.
故に答は5段である.

トランプ2組では,f(n)≦54×2となる最大の自然数nを求めればよい.
このとき,

   (3n2+n)/2≦108
   ∴3n2+n−216≦0

h(n)=3n2+n−216とすると,問1と同様にh(n)は増加関数であり,

   h(8)=−16<0,h(9)=36>0

故にnの最大値は8である.
故に答は8段である.

エクセルのマクロで解くと次のようになる. ちなみにトランプの組数をいくらでも増やせるように作ってある.

Option Explicit
Sub Macro1()
    Sheets("Sheet1").Select
    Dim mondai As Integer '問題番号
    Dim a(100) As Integer '段を1つ増やした時に必要な枚数
    Dim card As Integer 'カード枚数
    Dim dan As Integer '段数
    Dim owari As Integer '終了判定用
    Dim j As Integer
    a(1) = 2
    For mondai = 1 To 10 '本当は2でいいのだが,...
      Range("A" & mondai).Select
      card = 2
      dan = 1
      owari = 0
      While owari = 0
        dan = dan + 1
        a(dan) = dan * 2 + (dan - 1)
        card = card + a(dan)
        If card > mondai * 54 Then '行き過ぎたので1つ戻る
          card = card - a(dan)
          dan = dan - 1
          owari = 1
        ElseIf card = mondai * 54 Then
          owari = 1
          Cells(mondai, 1).Value = dan
        Else
          Cells(mondai, 1).Value = dan
        End If
      Wend
      For j = 1 To dan '枚数表示用
        Cells(mondai, j + 2).Value = a(j)
      Next j
      Cells(mondai, dan + 4).Value = card '使用枚数表示
      Cells(mondai, dan + 5).Value = mondai * 54 - card '残り枚数表示
    Next mondai
End Sub




解答・その10

(ペンネ−ム:三角定規)

題意のようなトランプタワーがn段のとき,使用しているトランプの枚数をan枚とする。
これをn+1段とするためには,
  ・水平のカードがn枚
  ・斜めのカードが2(n+1) 枚
必要だから,次の漸化式を得る。

   a1=2,an+1=an+3n+2 (n≧1 )

これを逐次計算して,

   { an }={ 2,7,15,26,40,57,77,100,… }

よって,トランプ1組(54枚)で作れるのは… 5 段
      〃  2組(108枚) 〃 … 8 段   [答]




解答・その11

(ペンネ−ム:yokodon)

全部で n 段出来るとして、k 段目(k = 1, 2, ..., n)のカードの枚数をまず考 えます。なお、1番上を1段目とします。
k 段目のカードの枚数を a(k) とすると、(k + 1) 段目から k 段目に1段降りる 毎にカードが3枚増えるので、

   a(k + 1) - a(k) = 3

・・・が成り立っています。a(1) = 2 ですから、従って

   a(k) = 2 + 3×(k - 1) = 3k - 1

・・・を得ます。
カードの総数 N(n) は、

   N(n) = Σa(k) = 1/2 ×(3・n2 + n)

・・・です。
求める段数の最大値は、N(n) ≦ 54 を満たす n の最大値です。
ところで、N(n) は n ≧ 1 において n の単調増加関数なので、順番に n を代入して、

   N(5) = 40 < 54 、N(6) = 72 > 54

より、求める最大値は、トランプ1組(54 枚)の場合、5段です。
なお、トランプ2組(108 枚)の場合は、

   N(8) = 100 < 108 、 N(9) = 126 > 108

より、最大値は8段となります。



解答・その12

(ペンネ−ム:高橋 道広)

答え5段 8段

1段目が山2つ 2段目が横のカード1枚とと山2つ 3段目が横のカード2枚と山3つ…と考えると1段増えるごとに3枚増える。
等差数列になっているのでn段目は 2+(n-1)×3
このn段目までの和は 2n+(n-1)n/2×3=3n2+n
これを計算すると

12
27
315
426
540
657
777
8100
9126
このことから トランプ1組では5段、2組では8段となる



解答・その13

(ペンネ−ム:午年のうりぼう)

段数・・・n
枚数筋交い1220・・・@
・・・A
合計1526・・・B










正解者

巷の夢 teki yokodon
Toru 高橋 道広 浜田 明巳
杖のおじさん SOU 三角定規
aa 夜ふかしのつらいおじさん リナライ
午年のうりぼう





まとめ

何人かの方が、数列の一般項を求めてくださいました。 数学的にいうと、階差数列(数列の各項の差をとって、それをまた数列とみなす)が、 等差数列(各項の差が一定、この場合公差は3)になっている数列ということになります。

6段のトランプタワーを作るには57枚のカードを必要とします。 トランプ1組(54枚)では、3枚足りません。 左の写真は、ちょっとずるして6段作ったものです。

aaさん流のトランプタワーにも挑戦したのですが、 なかなかむずかしくて、実現できていません・・・。







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