8.魚屋の問題
よしこさんは魚屋さんで次の魚をどれも1尾以上、 ちょうど3600円分買いました。
さて、よしこさんはあじを何尾買ったことになるでしょうか。
- さば (1尾あたり 130円)
- あじ (1尾あたり 170円)
- いわし(1尾あたり 78円)
- さんま(1尾あたり 104円)
問題の出典
算数オリンピック第1回予選問題
算数オリンピックに挑戦
雅 孝司編
講談社・ブル−バックス
答えと解説
回答・その1
(ペンネ−ム:FLASH!)
いわしとさんまの100の位がちょうどになるのは、
いわし 156円(2) 312円(4) 468円(6) 624円(8) さんま 1144円(11) 2288円(22) 832円(8) 1976円(19) 計 1300円 2600円 1300円 2600円 の4つ。
残金 3600円-1300円=2600円
さばとあじの合計が2300円となるのは、
さば 260円(2) あじ 2040円(12) 計 2300円
つまり、 いわし 156円(2) さんま 1144円(11) さば 260円(2) あじ 2040円(12) 計 3600円
従って答え、あじは12匹買った。
回答・その2
(ペンネ−ム:はなフムフム)
全部の魚を1尾ずつ買うから
3600-(130+170+78+104)=3118
計算しやすいように、2で割る。
3118 1559 130 65=5×13 170 85=5×17 78 39=3×13 104 52=4×13 とする。
1559=13x+17y(x≦119、y≦91)
さらに、yは必ず5の倍数だから、y=5、10、15、20・・・90 と代入し、xが整数になる組み合わせを探す。
y=55、x=48の時のみ。
よって、あじは1+11=12。
回答・その3
(ペンネ−ム:コレクトコ−ルは106番!)
問題文は「あじ」についてのみ問うている。 何故かと考え、「あじ」の価格の数値の特徴が他の魚の価格の 特徴と何か違うのではないか、と考えた。 で、素因数分解してみた。
さば 130=2×5×13 あじ 170=2×5×17 いわし 78=2×3×13 さんま 104=23×13 合計額 3600=24×32×52と、「あじ」の数値にのみ「17」が含まれ、 他の数値には「13」が含まれていることがわかった。
これは、
[3600-(170×a)]÷13=b
ここで、3600は合計金額、170は「あじ」の価格、 aは「あじ」の尾数、13は他の魚の素因数、 bは他の魚の各々の尾数×価格÷13、の合計
上の式の数値bが整数であればよいということになるのでは と思ったが、じゃ、どうやってaやbを求めればよいか。
これといった方法は思いつかなかった。
aについて見てみると、これは尾数であるから、 いうまでもなく正の整数であり、bも正の整数でなければならないため、
[3600-(170×a)]÷13>0 として不等式を解くと、
a<21+3/17となり、
aは0<a≦21を満たす整数となる。
ここまでわかったので、あとは電卓でひとつひとつ検証していった結果、
[3600-(170×12)]÷13=120
となり、他にはなかった。とにかくa=12が判明。
少々こじつけ気味ではあるが、あじは12尾。
回答・その3・コメント
なぜ「あじ」か、というアプロ−チがすごい!
正解者(ペンネ−ム)
S.I.
shiba−shiba
一行エロ日記
masa
FLASH!
コレクトコ−ルは106番!
おかめなっとう
はなフムフム
まとめ
この問題で作ることのできる方程式は、
130×a+170×b+78×c+104×d=3600
未知数4つに対して、式が1つしかないのでお手上げです。
しかしながら、ここで注目してほしいことは未知数a、b、c、dすべてが 1以上の整数でなければならないということで、 これはかなり強い条件です。
さらにそれぞれの魚の価格130,170,78,104を見ると、 あじの価格170だけが因数13を持っていない、 ということに気づくと一気に答えが出ます。
先程の130×a+170×b+78×c+104×d=3600
という式を13で割った余りに注目して考えます。
さて、合同式の書き方を確認しましょう。
たとえば、14≡1(mod13) つまり、13の剰余類で同じグル−プに属するということ、 もう少し平たく言うと13で割ったあまりが同じということ。
6月1日≡6月8日(mod7)つまり、同じ曜日だということ。
(左辺)=130×a+170×b+78×c+104×d =13×10×a+(13×13+1)×b+13×6×c+13×8×d =13×(10×a+13×b+6×c+8×d)+b ≡b(mod13) 170以外は皆13で割り切れます。170の13による剰余は1ですから。 一方、 (右辺)=3600 =13×276+12 ≡12(mod13) 従って、 b≡12(mod13) つまり、b=12、25、37・・・ところが、あじを25尾買ってしまうとそれだけで3600円を越えてしまい、 他の魚が買えない!!(1以上の整数というのが強い条件だという所以) それでは困る。と、いうわけで買ったあじは12尾。
寄せられた回答の中には、「答えをみ−つけた!」 というのがいくつかありました。 答えの存在性をいうならそれでいいわけですが、 一般に「方程式を解く」というのは、 与えられた条件を満たす解をすべて求めることを 意味します。 この問題の場合もこれにあたると思いますから、 解の一意性(これ以外に解はない)を示さないと厳密にはだめですね。