Weekend Mathematics問題/問題56



56.正方形?の問題

正方形らしき四角形の紙があります。 それが正方形であることを、紙を折ることによって確かめたいと思います。

  1. 向かい合った辺の中点を結ぶ横の線で折ったところ、きっちり重なりました。 そうすると、この四角形はどんな図形でしょうか。

  2. もう1度、中点を結ぶ縦の線で折ったところ、やはりきっちり重なりました。 すると、これはどんな四角形でしょうか。

  3. 上の問題とは別の四角形を、2本の対角線で折ったところ、どちらの場合もきっちり重なりました。 この四角形はどんな四角形でしょうか。

  4. 四角形の紙が正方形であることを確かめるには、最低何回折れば確かめられるでしょうか。








問題の出典


数学パスルランド/田村三郎著/講談社ブルーバックス






答えと解説





答えと解説

解答・その1

(ペンネ−ム:kiyo)

  1. 等脚台形、長方形、正方形
  2. 長方形、正方形
  3. 菱形、正方形
  4. 2回
 



解答・その2

(ペンネ−ム:やなせ )

問題1)については 長方形、正方形、左右の辺が等しい長さの台形

問題2)こうくると 長方形、正方形だけになります

問題3)ここでひっかかてはいけません(笑) 正方形と、4辺の長さが等しい平行四辺形(菱形だってね)

問題4)おこたえでぇ〜〜す(自信がない・・) 詰まるところ、問い1)か問い2)のどちらかの条件を満たし なおかつ問い3)の条件を満たせばいいのですから 折り曲げる回数は最低でも2回、 どうよどうよ



解答・その3

(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん )

1 等脚台形です。
向かい合った辺の中点を結ぶ横の線で折って、重なるということは、 この横の線が、辺AD、BCの垂直二等分線になっているということです。 すると、AD // BC となります。ここまでで、台形ということが分かりますが、 ABとDCも重なっているのですから等脚台形になります。

2 長方形です。
向かい合った辺の中点で折って重なれば、その2辺が平行ということが1番より分か ります。2番は向かい合う2組の辺がそれぞれ平行なのですから、 ここまでで平行四辺形ということが分かります。 さらにこの横の線と縦の線が直交しているのですから長方形になります。

3 菱形です。
対角線で折って重なるということは、対角線が向かい合う二つの内角 (AとC)の二等分線になっているということです。 隣り合う2組の二辺 ABとAD、CBとCDがそれぞれ等しくなります。 ここまでで凧型と分かりますが、2つの対角線で折って重なるということは、 4辺が等しいということになるので、菱形になります。

4 2回です。
向かい合った辺の中点で折って重なるということは、
    a 隣り合う2角が等しい(∠A=∠D、∠B=∠C)
    b 向かい合う2辺が等しい(AB=DC) ということです。
また、対角線で折って重なるということは、BR>     c 隣り合う2辺が等しい(AB=AD、CB=CD)
    d 向かい合う2角が等しい(∠B=∠D) ということです。
aとdより、4角が等しいことが分かり、bとdより、4辺が等しいことが分かるからです。



解答・その4

(ペンネ−ム:BossF)

以下折り目の線を、軸と呼びます

  1. 軸に関して対称ですから、中点をとった辺は共に軸に垂直で、等脚台形になります。
  2. 今度は等脚台形の上底と下底が等しいわけですから、長方形になります。
  3. 2組の対角が等しく軸(対角線)関してに対称な分けですから,菱形になります。
  4. 2回です。 対角が等しい等脚台形=正方形ですから、向かい合った辺の中点を結ぶ 横の線と、対角線でおれば確かめられます。




解答・その5

(ペンネ−ム:yokodon)

件の四角形の4頂点を時計回りにA,B,C,Dとする。

(1)辺AB、辺CDの中点を各々M、Nとする。
 題意より、四角形AMNDと四角形BMNCは合同であり、四角形ABCDは線分 MNに関して対称となる。
 そのような四角形は、等脚台形、長方形、正方形である。…(答)

(2)四角形AMNDに関して同様の考察をすることで(辺AD、線分MNの中点を 各々P,Qとすると、四角形AMNDは線分PQに関して対称)、(1)の3者のう ち等脚台形の可能性は排除される。
 当てはまる四角形は、長方形、正方形である。…(答)

(3)この場合は、三角形ABDと三角形BCDが合同であり、且つ三角形ABCと 三角形ACDが合同であれば良い。
 当てはまる四角形は、ひし形、正方形である。…(答)

(4)四角形ABCDが正方形であるための必要十分条件は、件の四角形が長方形で あり且つひし形であることである。
 長方形は(3)の条件を満たさず、ひし形は(1)の条件を満たさないから、四角形 ABCDが両者の条件を同時に満たすことを調べるには対角線の一方(例えばAC) と線分MNに関して対称であるか否かを調べればよい。
 よって、求める回数は2回。…(答)




解答・その6

(ペンネ−ム:浜田 明巳)

1.四角形ABCDにおいて,AD,BCの中点をそれぞれE,Fとする.
 EFを横の線とし(縦,横が違うぞ,とは言わないで下さい),この線で折って重なるとする.
 条件から,AB=DC,∠A=∠D,∠B=∠C
 また,∠AEF=∠DEF,∠BFE=∠CFEであるから,
  ∠AEF=∠DEF=90°,∠BFE=∠CFE=90°
  ∴∠AEF=∠CFE
  ∴AD//BC
 故に四角形ABCDは等脚台形である.

2.1から,AD//BC,AB//DCであるから,四角形ABCDは平行四辺形.
 また∠A=∠Dであるから,∠A=∠D=90°
 故に四角形ABCDは長方形である.(この時点では正方形と限定することは出来ない)

3.ACで折って重なることから,
 AB=AD,BC=DC
 BDで折っても重なるので,
 AB=BC,AD=CD
 故に4辺が等しいので,四角形ABCDはひし形である. (この時点では正方形と限定することは出来ない)

4.1回折っただけでは,明らかに正方形と限定することは出来ない.
 2回折れば,正方形と限定することは可能である.これを示す.
 まずEFで折り,重なることによって,
 AB=DC,∠A=∠Dであることが分かる.
 ACで折って重なることによって,
  AB=AD,BC=DC
 故に4辺が等しいので,四角形ABCDはひし形である.
 したがってAB//DCであるから,同側内角の和は180°である.
  ∴∠A+∠D=180°
 ∠A=∠Dから,∠A=90°
 故にひし形ABCDは正方形である.





解答・その7

(ペンネ−ム:judas)

1.
四角形の頂点を左上から逆時計回りにA,B,C,Dとする。
「向かい合った辺の中点を結ぶ横の線」で折ったところきっちり重なったということ は、ABの中点MとCDの中点Nを結ぶ線で線対称となる四角形である。
すなわちAM=BM、CN=DN、AD=BC、∠A=∠B、∠C=∠D、∠AMN=∠BMN=∠CNM= ∠DNM=90°となる。
これが成り立つためには四角形は等脚台形であることが必要十分条件(←言葉の使い 方あってますよね?)となる。(AB‖CD。つまり横向き。)

2.
1.の四角形を今度は中点を結ぶ縦の線で折ったところきっちり重なった。(一度開い てから再度折る、ということですよね?)
ADの中点OとBCの中点Pを結ぶ線で線対称となる。
すなわちAO=DO、BP=CP、∠A=∠D、∠B=∠Cとなる。
1.の条件とまとめると∠A=∠B=∠C=∠D=90°となる。
したがって、これが成り立つためには長方形であることが必要十分条件となる。

3.
四角形の頂点を左上から逆時計回りにA,B,C,Dとする。
対角線AC、BDそれぞれについて線対称の四角形となる。
ACについて、AB=AD、BC=CD、∠B=∠Dとなる。
BDについて、AB=BC、AD=CD、∠A=∠Cとなる。
まとめると、すべての辺の長さは等しく、向かいあった角の大きさが同じ四角形となる。
これを満たすにはひし形であることが必要十分条件となる。

4.
結論から言うと2回です。
まず向かい合った辺の中点(縦でも横でもよい)で折り、重なれば等脚台形と確認で きる。
横で折ったとすると(ABの中点MとCDの中点Nで折る)、∠A=∠B、∠C=∠D、AD=BC となる。
次に対角線(どちらでもよい)で折り、重なることを確認する。
ACで折ったとすると、AB=AD、BC=CD、∠B=∠Dとなる。
以上をあわせると、∠A=∠B=∠C=∠D=90°、AB=BC=CD=ADとなり、正方形とな る。




解答・その8

(ペンネ−ム:柿本 浩)

●向かい合った辺の中点を結ぶ横の線で折り、きっちり重なる場合

重なり合う部分を考えると、上下の隣り合った角の大きさが等しい事が分かる(図1)
全ての内角が直角である正方形・長方形がこの条件を満たすのは無論だが 台形であってもこの条件をを満たす場合がある(図2)
よってこの場合、四角形は正方形・長方形・平行でない2辺の長さが等しい台形(等脚台形)のいずれかだと分かる。

●更に中点を結ぶ縦の線で折り、きっちり重なる場合

今度は全ての角が重なりあうので、全ての内角の大きさが等しい事が分かる(図3)
この場合、360°÷4=90°で全ての角は直角となるので 四角形は正方形もしくは長方形だと分かる。

●1本の対角線で折り、きっちり重なる場合

この場合は、対角線を挟んで隣り合う辺の長さと 斜めに向かい合う角の大きさが等しい事が分かる(図4)
ただし、対角線を挟まずに隣り合っている辺(図4の青の辺と赤の辺)の長さが 等しい保証はなく、図5の様な四角形も考えられる。

●2本の対角線で折り、どちらもきっちり重なる場合

この場合は全ての辺の長さが等しい事になるが 角度に制限はないために、菱形であってもこの条件を満たす事が分かる(図6)
よってこの場合、四角形は正方形もしくは菱形だと分かる。

★最低何回折れば正方形である事を確かめられるか?
向かい合った辺の中点を結ぶ横の線で折り、きっちり重なるならば 正方形・長方形・平行でない2辺の長さが等しい台形のいずれかとなり、 紙を開いて今度は対角線で折り、きっちり重なるならば この四角形は正方形だと分かる。 (長方形・台形は対角線で追ってもきっちり重なる事はない)
よって、最低2回折れば、四角形は正方形だと確認できる。



解答・その9

(ペンネ−ム:DDT)

[問題1]
図-1の一般の四角形で、中線M1が折り返しに関する対称軸であるためには、 M1は辺a2,a4と直交する必要がある。よってa2,a4は平行。 この条件を満たす最も一般的な四角形は、中線M1を対称軸とする2等辺台形(図-2)。 この時、M1で折り返すと、辺a1とa3が重なるのは明らか。

[問題2]
図-2の2等辺台形の中線M2が対称軸ならば、a2=a4。 また対称軸M1,M2に関して向かい合う頂点の角度は等しいので、 全ての頂点角は等しい(360/4=90°)。よって向かい合う辺の長さが等しく、 頂点角は全て90°なので長方形。

[問題3]
問題1,2と同様に考えれば、正ひし形。

[問題4]
補1.四角形の形を一意に定める最低の折り返し数は、2。
[証明?]
四角形の頂点を平面座標で表せば、1頂点に2自由度で、2×4=8自由度。平行移動(自由度2)と剛体回転(自由度1)の任意性,相似図形は同一視することから(自由度1)、形だけを定める自由度は、8−2−1−1=4。 中線が対称軸の場合、両端点で辺に直行していなければならないので、1中線対称軸に対して、自由度に関する独立な制約条件が最大2個生じる(注.四角形に限る)。 対角線が対称軸の場合、両端点は、向かい合う2頂点の2等分線になっていなければならないので、1対角対称軸に対して、自由度に関する独立な制約条件が最大2個生じる(注.四角形に限る)。 よって最も効率良く行って、4/2=2回の折り返しで、四角形の形は一意に定まる。
[証明? 終わり]

[解答]
右図のように、対称軸M,Dがあるとする。 @対称軸Mより、
a1=a3
d1=d2
d3=d4
A対称軸Dより、
a1=a4
a2=a3
d1=d3
B @,Aより、
a1=a2=a3=a4(すべての辺が等しい)
d1=d2=d3=d4(すべての頂点が等しく90°)
C Bより対称軸M,Dがある四角形は正方形。 補1.より、これ以上少ない折り返し数で四角形の形は一意に定まらない。 従って最低2回の折り返しが必要。
答え.2回






解答・その10

(ペンネ−ム:高橋 道広)

(1)横の線を軸に2組の頂点が点対称なので、等脚台形

(2)2つの向かい合う辺が平行で対称軸を有するので長方形

(3)


(4)2つ 横の線 と 対角線 で折る。
横の線により、等脚台形になることがわかる。
対角線で、隣り合う辺の長さがすべて同じになる。
ひし形で、横の線で対称なのは正方形




解答・その11

(ペンネ−ム:ねこ)

1.
ABの中点とCDの中点で折ったものとすると、 ∠A=∠B、∠C=∠Dなる台形。

2.
1の条件に加え、∠A=∠D、∠B=∠Cが成り立つので、 全ての内角が同じなので、長方形。

3.
1回目でAB=BC、CD=DAが成り立ち、 2回目でBC=CD、DA=ABが成り立つ。
全ての辺が同じ長さなので、菱形。

4.
1と、3の1回目の結果を用いると、 ∠A=∠B、∠C=∠D、AB=BC、CD=DAより、
△ABD≡△CBDが得られ、∠A=∠C。
したがって□ABCDは長方形であるのでAD=BC。 全ての辺の長さが同じであるので正方形と分かる。
したがって、2回でよい。



正解者

kiyoやなせ夜ふかしのつらいおじさん
BossFyokodon浜田 明巳
judas柿本 浩DDT
高橋 道広ねこ





まとめ

四角形の中でも特殊な四角形の定義を整理してみます。
(定義と同等な性質もありますが・・・)

台形・・・向かいあう1組の対辺が平行
平行四辺形・・・向かいあう2組の対辺が平行
長方形・・・4角がすべて直角
ひし形・・・4辺がすべて等しい
正方形・・・4角がすべて直角、かつ4辺がすべて等しい

これらの包含関係をベン図にしてみました。


従って、たとえば2番の問題で「長方形」とかけば、それは「正方形」も含んでいることになります。

しかしある時、小学生向けの算数の問題で、 四角形がいくつか示されていて長方形はどれですか? という問題を見る機会がありました。
解答を見ると、正方形は除かれていました。
小学校の算数では、そういう指導なのでしょうか?
私が偶然みかけたその問題がいけないのでしょうか?

さて、次に等脚台形です。
等脚台形の定義は? と悩んでしまいました。
「台形、かつ平行でない1組の対辺の長さが等しい」でしょうか?
それとも「台形、かつ平行な辺の両端の角が等しい」でしょうか?
それによって、平行四辺形との包含関係が違ってきます。

仮に等脚台形の定義を「台形、かつ平行でない1組の対辺の長さが等しい」とします。
これには以下の(ア)、(イ)のような2つのタイプがあります。


(ア)のタイプは平行四辺形ですから、等脚台形は平行四辺形を包含することになります。
ベン図でかくと、以下のようになります。


この場合、問題1の答え方は大変複雑になります。
平行四辺形を除く等脚台形と長方形、という感じでしょうか。

一方、等脚台形の定義が、「台形、かつ平行な辺の両端の角が等しい」とします。
先程の図の(イ)のタイプです。
この場合、平行四辺形との包含関係はありませんが、 平行四辺形との交わりがちょうど長方形になります。
ベン図でかくと、以下のようになります。


この場合の問題1の答え方は、等脚台形ということになります。

私は漠然と前者の定義をイメージしていました。
でもこうして考えてみると、後者の定義が妥当だと思われます。
私の手元にはっきりと等脚台形の定義が記述されたものがありません。
どなたかおわかりでしたら、教えてください。






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