Weekend Mathematics/問題/問題55
55.正方形の問題
1.円に内接する正方形の面積と、その円に外接する正方形の面積との比を求めてください。
2.(簡単すぎる・・・と言う方に)
正三角形や、正五角形、正六角形ではどうでしょう。
数学パスルランド/田村三郎著/講談社ブルーバックス
(ペンネ−ム:菜実)
赤線の正方形を45度回転して対角線を引いてみると・・・アラ、
外側の緑の正方形を4等分しているじゃないの。それでその4等分してつ
くられた正方形を赤線がそれぞれ2分の1に分けているのだから、そう、そうなのね、
面積は2分の1なんだわ!
(ペンネ−ム:mhayashi)
「円と、それに内接する正方形との接点」を
「円と、それに外接する正方形との接点」と接するように
正方形を回転させると
(つまり問題文の図で言うと、赤い正方形を45度回転させると)、
明らかに面積比は1:2となる。
(ペンネ−ム:やなせ )
内接する円の半径をRとすると
その円に外接する正方形の1辺の長さは 2Rになります。
よってその正方形の面積は2R×2R=4R2ですよね。
次にその円に内接する正方形の1辺の長さは
三角形の定理から2R÷ルート2 になります。
面積は(2R÷ルート2) ×(2R÷ルート2) =4R2 ÷2=2R2
ほんでもって 外接する正方形が2で内接する正方形が1で2:1が答えです。
(ペンネ−ム:海坊主)
円に内接する正方形は正方形の対角線と円の直径が同じであるよって
D=2Rとすると内接する正方形の1辺の長さは
1辺:1辺:対角線=1:1:√2より
1:√2=X:2R → X・√2=2R → 辺X=R・√2
よって内接する正方形の面積は
X・X=2・R2 となる。
円に外接する正方形の1辺と円の直径は同じであるよって
Y・Y=2R・2R=4・R2 となる。
上記より 内接する正方形:外接する正方形は
2・R2:4・R2=1:2となる。
円に内接する正三角形の重点は円の中心点となるから
三角形の底辺から引かれた垂線の長さは2:3=R:Xより
X=3R/2となる。
これより底辺の長さは√3:2=3R/2:Lより
L・√3=3R → L=R・√3となる
これより内接する三角形の面積は
(R・√3)・(3R/2)・(1/2)=(3・R2・√3)/4
円に外接する正三角形の重点はも円の中心点となるから
三角形の底辺から引かれた垂線の長さは1:3=R:Xより
X=3Rとなる
これより底辺の長さは√3:2=3R:Lより
L=2R・√3となる。
これより外接する三角形の面積は
3R・(2R・√3)・1/2=3・R2・√3
上記より内接する三角形:外接する三角形は
(3・R2・√3)/4:3・R2・√3=1:4となる。
円に外接する正六角形も同じ大きさの正三角形を6こ組み合わせたものである。
この場合正三角形の底辺に対する垂線の長さがRである。
よって2:√3=X:R → X=(2R・√3)/3
これより三角形の面積は
R・(2R・√3)/3・1/2=(R2・√3)/3
円に外接する正六角形はこれを6倍したものとなる。
上記より内接する六角形:外接する六角形は
(R2・√3)/4:(R2・√3)/3=3:4となる。
(ペンネ−ム:kiyo)
正N角形のとき、
相似比 COS(180/N) :1
面積比 COS2(180/N):1
N=4のとき 1/2:1=1:2
N=3のとき 1/4:1=1:4
・・・
N=8110のとき .9999998
N=8111のとき .9999998
N=8112のとき .9999999
N=8113のとき .9999999
正8112角形でほぼ1。
(ペンネ−ム:BossF)
fig.1,2より明らかに正方形では2:1、
正三角形では4:1です
n角形の場合fig3の様に点を取リ、円の半径をrとすると
AH=r tanθ BH=r sinθ だから
相似比は tanθ:sinθ=1:cosθ
因って面積比は 1:cos2θ
(ただし θ=π/n)
(ペンネ−ム:DDT)
正n角形のほうでいきます。
[方針]
正n角形と円なので、例えば正3角形で考えればじゅうぶん。
図-1のように、正n角形の中心(重心)から頂点までの距離を正n角形の半径,
正n角形の中心から辺までの垂直距離を短径と、(勝手に)定義します。
そうすると題意より、半径と短径の等しい正n角形の面積比を求めよ、という意味になる。
[実行]
@ 図-1より、外接半径と外接短径の比は、cos(π/n).
A 図-2より、内接半径は外接短径に等しい.
B よって、外接半径と内接半径の比はcos π/nで、面積比はcos2(π/n).
答え.(内接正n角形の面積)/(外接正n角形の面積)=cos2(π/n)
(ペンネ−ム:けんたん)
左図のように円に内接する正n角形の頂点と外接する正n角形と円の接点を重ねる。
内接する正n角形の面積と外接する正n角形の面積比は
中心Oより各正n角形に下ろした垂線と交わる点をP,Qとすると
|OP |2:|OQ|2となる。
そこで、∠POQ=360°/2n=180/n だから
|OQ|=|OP|/cos(180/n)
∴面積比 | =|OP |2:|OQ|2 |
=|OP |2:(|OP|/cos(180°/n))2 | |
=1:1/cos2 (180°/n) |
そこで、正方形の場合は
面積比 | =1:1/cos2 (180°/4) |
=1:1/cos245° | |
=1:(√2)2=1:2 |
正三角形の場合は
面積比 | =1:1/cos2 (180°/3) |
=1:1/cos260° | |
=1:22=1:4 |
正五角形の場合は
面積比 | =1:1/cos2 (180°/5) |
=1:1/cos236° | |
=cos236°:1 |
正六角形の場合は
面積比 | =1:1/cos2 (180°/6) |
=1:1/cos230° | |
=1:(2/√3)2=3:4 |
(ペンネ−ム:yokodon)
(1)
円の半径を R とする。
内接する正方形の一辺の長さは 21/2×R。
外接する正方形の一辺の長さは 2R 。
なので、各々の面積は、内接する正方形が 2R2 、外接する正方形が 4R2 。
よって、面積比は、(外接):(内接)=2:1。
(2)
一般の正n角形の場合について考える。
内接する分に関しては、正n角形の一辺と外接円(半径 R)の中心が作る二等辺三
角形に関して、
底辺の長さが 2Rsin(π/n)、高さが Rcos(π/n)
よって、内接する正n角形の面積Sは、
n×{(底辺)×(高さ)}/2= nR2×sin(π/n)cos(π/n)
外接する分に関しても同様に考えて、三角形一つあたりで
底辺の長さが 2Rtan(π/n)、高さが R
よって、外接する正n角形の面積Tは、
n×{(底辺)×(高さ)}/2= nR2×tan(π/n)
以上より、
S:T | =sin(π/n)cos(π/n):tan(π/n) |
=cos2(π/n):1 |
(ペンネ−ム:ねこ)
1.
内接正方形を45度傾け、外接正方形の各辺の中点に頂点が来るようにするとわかり
やすい。
明らかに、面積比は1:2。
2.
1と同じように、外接多角形の各辺の中点を頂点とした多角形を考えればよい。
円の中心をOとし、そこから、
外接多角形の頂点までの長さをa、
内接多角形の頂点までの長さ=外接多角形の辺の中点までの長さをb、
内接多角形の辺の中点までの長さをc
とする。中心角をΘ=π/nとする。
内接多角形の面積S1は、S1=n(1/2)bc sinΘ
外接多角形の面積S2は、S2=n(1/2)ab sinΘ
両者の比は、S1:S2=c:a
となる。
ここで、b=a cosΘ、c=b cosΘと言う関係から、
S1:S2=cos2 Θ:1
=cos2 (π/n):1となる。
これを用いて、
n=3・・・cos2(π/3):1=(1/2)2:1=1:4
n=4・・・cos2(π/4):1=(1/√2)2:1=1:2
n=5・・・cos2(π/5):1=(1+√5/4)2:1=3+√5:8
n=6・・・cos2(π/6):1=(√3/2)2:1=3:4
(ペンネ−ム:高橋 道広)
今回の問題は1は瞬殺です。円の中心を中心にして45度回転させて終わり。1:2で
す。
2は図のように考えると,正n角形を2n等分すると三角形BOCと三角形AOBの面積比を
調べると良いことになります。この三角形は相似ですから
OB=1 角AOB=xとすると, 相似比はOC:OB=cosx:1 より
面積比は (cosx)2:1 x=2π/2n=π/n
n=3のとき cosπ/3=1/2より 1/4:1=1:4
n=4のとき cosπ/4=1/√2より 1/2:1=1:2
ここまでは図を見たほうが早いですね。次に、
n=6のときcosπ/6=√3/2より 3/4
これは、平行線の補助線を引くことによって相似から面積比をだすこともできます
ね。
n=5のとき cosπ/5は2倍角3倍角を利用するか,36度72度72度の三角形の角の2等分線
を使うか,正5角形の対角線でできる図形の相似を使うか…
(ペンネ−ム:浜田 明巳)
正n角形について考える.
図において,△A'OC'∽△AOCであるから,相似比は
C'O:CO | =C'O:A'O=cos∠A'OC':1 |
=cos∠AOC:1=cos(2π/2n):1 | |
=cos(π/n):1 |
正三角形の場合,
{1+cos(2π/3)}:2=1:4
正方形の場合(問題1の答),
{1+cos(π/2)}:2=1:2
正五角形の場合,
{1+cos(2π/5)}:2=(3+√5):8
正六角形の場合,
{1+cos(π/3)}:2=3:4
正七角形の場合,
{1+cos(2π/7)}:2
正八角形の場合,
{1+cos(π/4)}:2=(1+√2):2√2
(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん )
1 答えは1:2です。(正方形の場合)
2 円に内接する正n角形と外接する正n角形の面積の比は、
1:1/cos2(π/n)です。
半径1の円に、x軸上に頂点がくるように2つの正n角形が内接と外接をしているとします。
x軸上の頂点をA、A’とします。左回りに次の頂点をB,B’とします。
正n角形は各頂点を中心と結ぶとn個の二等辺三角形ができます。
2つの正n角形の面積の比は、この2つの二等辺三角形の面積の比と同じです。
また、相似の図形の面積は対応する長さの2乗に比例します。
そこで原点から正n角形の辺までの距離を求めて2乗します。
外接する正n角形の辺までの距離は1で簡単です。
上の図で角AOBの大きさを、θ(2π/n)とします。
点Aの座標は(1,0)、点Bの座標は(cosθ,sinθ)です。
2点A、Bを通る直線の方程式は、
y−0=(0−sinθ)/(1−cosθ)・(x−1).
これを整理して、
sinθ・x+(1−cosθ)・y−sinθ=0.
原点とこの直線の距離dは、
d | =sinθ/sqrt(sin2θ+(1−cosθ)2) |
=sinθ/sqrt(2(1−cosθ)). |
d2:12 | =sin2θ/2(1−cosθ):1 |
=1:2(1−cosθ)/sin2θ 【半角や2倍角の公式を使って】 | |
=1:2・2sin2(θ/2)/{2 sin(θ/2)cos(θ/2)}2 | |
=1:1/cos2(θ/2) | |
=1:1/cos2(π/n). |
n=3のときは、1:4
n=4のときが、正方形のときです。(1:2)
n=5のときは、1:16/(sqrt(5)+1)2 【後に説明】
n=6のときは、1:4/3
n→∞のときは、1:1に収束します。
【後の説明】
n=5のときは、結局cos72°を求めることに帰着します。
右の図のように、角A=36°、角B=角C=72°の二等辺三角形を考えます。
BC=BDとなるように補助線を引くと、△ABC相似△BCDなので、
AB=1、BC=xとすると、1:x=x:(1−x) なので、
x2+x−1=0
x={sqrt(5)−1}/2 【x>0】
∴cos72°={sqrt(5)−1}/4
よって
cos(θ/2) | =cos36°=sqrt{1/2・(1+cos72°) } |
=sqrt{1/2・(1+(sqrt(5)−1)/4)} 【2重根号を開いて】 | |
=(sqrt(5)+1)/4 |
kiyo | 夜ふかしのつらいおじさん | 高橋 道広 |
やなせ | yokodon | 浜田 明巳 |
けんたん | 菜実 | ねこ |
BossF | DDT | 海坊主 |
mhayashi |
今回の問題は、同一の円に内接する正多角形と外接する正多角形との面積比を求める問題でした。
四角形については、菜実さん、mhayashiさんの解答のように45度回転させれば、OKです。
三角形、五角形、六角形ときて、個々に考えるよりも、正n角形として考えた方が案外わかりやすかったのではないかと思います。
何人かの方が導いてくださったので、改めての説明は省略しますが、結果はcos2(π/n):1です。
kiyoさんのご指摘のように、n→∞のとき、この比は1に収束します。
内接正n角形の面積<円の面積<外接正n角形の面積
ということと照らし合わせて考えれば、いわゆるはさみうちにより、
内接正n角形の面積、円の面積、外接正n角形の面積は、ともにn→∞のとき
同じ値Sに収束するということがわかります。
そして、このことから円周率πの値が求まるわけです。
これをシミュレーションできるサイトを紹介しましょう。
THE UNIVERSITY OF UTAH の Archimedes and the Computation of Pi