Weekend Mathematics/問題/問題54
54.狂った天秤の問題
両皿天秤の両方の腕の長さが等しくなければ、正しくはかることはできません。 しかし、ここには両方の腕の長さが違う狂った天秤しかありません。 しかし、幸いなことに正しい分銅はそろっています。
問題1
牛肉の塊を左の皿にのせ、分銅ではかりますと、1152gありました。 次にこの肉を右の皿にのせ、分銅ではかりますと、1250gとなりました。 この肉の塊の正しい重さはいくらでしょうか?
問題2
この天秤を使って、2kgの肉をはかってください。
数学パスルランド/田村三郎著/講談社ブルーバックス
(ペンネ−ム:sho )
え〜数学ですが、物理のモーメントで考えます(笑
天秤の真ん中と左の間の長さをL、右との間をR、肉の重さをmと置くと、
L・M=1152・R・・・@
L・1250=M・R・・・A
AよりR=1250L/M 代入して整理するとM=1200 ・・・・・答
(ペンネ−ム:水の流れの申し子)
問題1
左側の天秤の長さをX 右側の天秤の長さをYとおき肉の重さをAとすると
A・X=1125・Y ,1250・X=A・Yとなるので、これを解くと
A2・Y=1125・1250・Y
A2=1125・1250
ゆえに A=1200
よって牛肉1200グラム
問題2
問題1よりX:Y=24:25となるのでおもりの重さをTとすると
左に肉を置いたとすると
2000・24=25・T よってT=1920(g)
同様に右に置くと
T=2083、3333・・・・・(g)
(ペンネ−ム:kiyo)
支点から右側の長さ(X)、支点から左側の長さ(Y)とする。
牛肉の塊をZgとする。てこの原理より、
1)
1152・X | =Z・Y |
Z・X | =1250・Y |
Z2 | =1152・1250 |
Z | =1200 |
2)
X:Y=25:24
左の皿に2000gを牛肉の塊を測れるようにする。
右の皿に載せる分銅をXgとする。
2000・24=X・25
X=1920
すなわち、右の皿に1920gの分銅を載せ、
左の皿に釣り合うだけの牛肉の塊を載せると、
2000g測れることになる。
(右の皿に牛肉の塊を載せる方法だと左の皿に載せる分銅が整数gとならない。)
(ペンネ−ム:海坊主)
問題1
X Y +−−−−−−−−−−−−−−+ | △ | 1250 肉:Z 肉:Z 1152
問題2
α=1として
24 25 +−−−−−−−−−−−−+ | △ | 2000 X Y 2000
先ず 2000・24=25・X
X=2000・24/25=80・24=1920g
次に 2000・25=24・Y
Y=2000・25/24=50000/24≒2083gである。
(ペンネ−ム:阿津志)
仮定:腕の長さは違っているがその状態で釣り合っている。
そうでないといくら正しい分銅があっても量れない(と思う)
問題1
肉の重さをx、支点から左の皿までの長さをa、右をbとする
天秤は(腕の長さ)×(重さ)が、左右で等しい場合に釣り合うので
(小学校の時に実験をした記憶がある)
条件から
ax=1152b …式1
1250a=bx …式2
三元連立一次方程式なので、式が2つでは解けないが
この場合aとbの比さえ解ればいいのでとりあえずこのまま解くと
式1より x=1152b/a
式2より x=1250a/b
1152b/a=1250a/b
(b/a)2=1250/1152
b=(25/24)a …式3
式3を式1に代入して
ax=1152×(25/24)a
x=1200
答.肉は1200g
問題2
左にのせるものの重さをy、右をzとすると、
ay=bz …式4
が成立する場合に釣り合う。
式3を式4に代入して
ay=(25/24)az
y=(25/24)z …式5
天秤は普通左の皿の重さを固定して右の皿の重さを変えて量るから、
右の皿に肉をのせ、肉を増減して2kgとするように考えると、
y=(25/24)×2000
=6250/3
=2083+1/3
1/3gという分銅があれば問題解決ですが、たぶん無いでしょう。
しょうがないので、天秤の左右を入れ替えて考えると、
2000=(25/24)z
z=1920
今度はうまくいきました。しかもより軽い分銅でことは足りました。
答.右の皿に1920gの分銅をのせて左の皿に肉をのせる
(ペンネ−ム:浜田 明巳)
問題1:
左右の腕の長さをそれぞれx,y,牛肉の正しい重さをBgとすると,条件から,
B・x=1152・y,1250・x=B・y
∴B=1152y/x=1250x/y……(1)
∴(y/x)2=1250/1152=(25/24)2
y/x>0から,
y/x=25/24
(1)から,
B=1152・25/24=1200
故に牛肉の正しい重さは1200gである.
問題2:
左に2sの肉をのせると,右の重さは,
2000・x/y=2000・24/25=1920(g)
右に2sの肉をのせると,左の重さは,
2000・y/x=2000・25/24=6250/3(g)
故に左にのせ,右の重さが1920gになるようにはかればよい.
(ペンネ−ム:けんたん)
問題1の解答
右図のように、天秤の右腕の長さを1、左腕の長さをa
ax=1152・1
1250a=x・1
上式よりaを消去して
x2=1152・1250
∴x=1200
よって、牛肉の塊の重さは1200g
問題2の解答
分銅の重さをp(g)とすると
問題1の解答より
a=1152/1200
∴2000a=p・1
∴p=1152/1200・2000=1920
よって、2キログラムの肉の塊を計りとるには、右の皿に
1920グラムの分銅をおいて、左の皿に肉をおいてつりあう
時の肉の重さが2キログラムになります。
(ペンネ−ム:shino)
問1
右の図で、左右がつりあったとすると、
右の重さ:左の重さ=Y:X
牛肉の重さを”Z”とすると、
Y:X=Z:1125=1250:Z
Z2=1440000
∴Z=1200
A牛肉は1200グラム
問2
Y:X=1250:1200
Y:X=25:24
左側に2000グラムの肉をのせ、右側にWグラムの分銅をのせるとすると、
25:24=2000:W
∴W=1920
A右側に1920グラムの分銅をのせ、左側に肉をのせて、
つりあったら、肉の重さは2キログラムです。
(ペンネ−ム:TAKAYA )
天秤の左腕をa、右腕をb、肉をxとします。(a,b,xとも正の整数)
当然、 1152a=bx・・・@
ax=1250b
が得られます。
xを消去すると、 1152a2=1250b2
1152=32・27
1250=54・2
なので a:b=25:24が得られます。
ここで問題になるのは天秤の腕の比なのでaが25、bが24という長さにしても全然構わないわけです。
(分かりやすいのでこの長さで。)
すると@は、1152・25=24・xとなり
x=1200
肉は1200gです。
2000gを計る場合、@のxを2000にすれば重りは1920g。
計算は要らないでしょう。
(ペンネ−ム:パコ)
Question #1
Suppose L and R are the length of the left and right arms of the balance
and x is the weight of meat, one may get two equations;
x*L=1152*R ...(1) and x*R=1250*L... (2).
Multiply both sides in (1) and (2), then one may get;
x2=1152*1250=(1200)2.
Therefore x=1200 (g).
Question #2
Since 1200*R=1250*L, L/R=1200/1250=0.96.
Therefore a load of 2000 g must be scaled to be 2000*0.96=1920 g
when it is put on the left pan.
(ペンネ−ム:ねこ)
問題1
左の腕の長さをa、右の腕の長さをb、肉の重さをmとする。
モーメントが等しいという釣り合いの条件より、
1152a=bm
1250b=am
辺々掛け算して
1440000ab=abm2
したがって
m=1200(g)
問題2
問題1より、aとbの比は
b/a=0.96と分かる。
分銅の重さをwとする。
(i)肉を右のさらに乗せる場合
2000a=0.96aw
w=2000/0.96=2083.333・・・となり、不適。
(ii)肉を左のさらに乗せる場合
2000×0.96a=aw
w=2000×0.96=1920
となり、量ることができる。
(ペンネ−ム:DDT )
あえて泥まみれでやってみます。
[問題1]
問題の条件
w0: 本当の重さ(未知数)
w1: 左で計ったときのみかけの重さ(既知数,=1152g)
w2: 右で計ったときのみかけの重さ(既知数,=1250g)
L1: 天秤の左腕の長さ(未知数)
L2: 天秤の右腕の長さ(未知数)
支点に関するモーメントの釣り合いより、
w0 L1=w1 L2 (1)
w2 L1=w0 L2 (2)
状況調べ
@ 未知数は3個なのに、条件式は2本しかない。
一般論としては不定解で、未知数のw0,L1,L2うちの1個を、独立なパラメーターとして選べる。
A w0を独立なパラメーターとして選ぶと、任意のw0に対してL1とL2は、
式(1),(2)を満たしながら、w0の変化に合わせて変化する。
B にも関わらず、w0は定まるという。ということは、w0はL1とL2の値とは無関係に定まる。
つまりL1,L2とw0に関数関係はない。
方針
@ L1,L2とw0に関数関係がないことを見るためには、代入消去法を使って、
L1とL2をw0で表そうとする努力をすれば良いはずだ。
A でもL1,L2とw0に関数関係はないのだから、その過程でL1とL2は消えるだろう。
そうでなければ、関数関係がついてしまう。
B L1とL2が消えた時には、未知数はw0しか残らないから、その関係式がw0=定数と
いう隠れた関数関係に化けるに違いない。
実行
(1)よりL1を w0とL2で表す。
L1=w1/w0・L2 (3)
(3)を(2)に代入してをL1消去し、L2に対するw0の表式を求めようとする。
w2 L1 | =w0 L2 |
w2・w1/w0・L2 | =w0 L2 |
w2・w1/w0 | =w0 |
w02 | =w1 w2 |
w0 | =(w1 w2)1/2 |
w0 | =(1152×1250)1/2 |
=1200 g |
(ペンネ−ム:高橋 道広)
今回は、問題にはまっていました。というのは、天秤に重さがあって,最初は傾い
ていると仮定していたのです。しかし、これでは条件不足でできないようです。
できない問題は、何日かほおって置いて、時間が十分あるときに考えるようにしてい
ます。
で、今日考えました。天秤の重さは無視、または、腕の長さが等しくはないが、空
の情況で、つりあっていると仮定して解きました。
問題1
肉の重さをXとすると、X:1152=1250:X より X=1200
今回の問題は相乗平均の例になりますね。相乗平均の例では
「ある企業の売上が、1年目は前年比2倍、2年目は前年比8倍、では平均は?」などと
いうものがありますね。
調和平均は、「ある区間を行きは時速60km,帰りは時速40km 平均は
?」かなあ。
並列の抵抗の式やレンズの焦点距離の式1/f=1/a+1/bも調和平均のにおいがします
が、この辺のいい例はないでしょうか。
ところで、天秤は、確か、分銅を載せるほうが決まっているはずですね。
なぜでしょう。錆びるから??
問題2
解1
1250:1200=25:24より左に2000gを置くと、右には、2000*24/25=1920gの分銅を置くとつりあうので
1920gの分銅を右においてつりあうように肉を置くといいようです。
解2
25:24=2100:2016から、左に2100gの分銅、右に2000gの肉と16gの分銅をおくと
つりあいますね。としたらたくさんの方法がありますね。
解3
解1から肉屋さんで3920gの肉を買い,不釣合いな天秤でつりあうように分け
る。これは、最初から肉屋さんで、2000gを買えばいいではないか。m(__)m
(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん )
問題1
正しい重さは、1200gです。
肉の重さをXg、左の腕の長さをL、右の腕の長さをRとすると、モーメントを考えるて、
XL=1152R
1250L=XR
それぞれの辺で上の式を下の式で割り(X、L、Rは0でない)、整理すると、
X2=1152・1250.
∴X=1200g(>0)
なお、L:R=24:25です。
問題2
(ペンネ−ム:Idaho Potate)
問題1
これは「相乗平均」というやつですね(^^)。
左右の腕の長さの比を r : 1 、肉塊の質量を M とします。
左に肉塊、右に質量 m1の分銅を置いてつりあったとすると、
M * r = m1 より M = m1 / r
です。また、右に肉塊、左に質量 m2の分銅でつりあったら、
m2 * r = M
となります。これら2式より、
M2 = m1 * m2
すなわち
M = sqrt( m1 * m2 )
となります。問題では m1 = 1152 、 m2 = 1250 (g) なので、
M = sqrt( 1152 * 1250 ) = 1200 (g)
が答え。
問題2
左の皿に 2kg の分銅をのせ、右の皿に分銅を置いてつりあわせる。
そして、左の皿の分銅を肉塊に置き換える。
結局、 r の値はわからなくても答えは出る、というところがミソですね。
ちなみに、問題1の結果から、 r = 0.96 であることがわかります。
kiyo | 浜田 明巳 | 夜ふかしのつらいおじさん |
DDT | けんたん | sho |
shino | 海坊主 | 高橋 道広 |
ねこ | パコ | TAKAYA |
阿津志 | 水の流れの申し子 | Idaho Potate |
むずかしくいうとモーメント、小学校時代に習ったてこの原理(というかシーソーの原理)、
天秤の腕の長さとおもりの重さの積が一定ということです。
左に乗せた場合と右に乗せた場合の平均をとればいい、この場合の平均は相乗平均というわけです。
平均と言ってもいろいろあります。
2つの数 a、b に対して、
相加平均・・・(a+b)/2
相乗平均・・・
調和平均・・・2ab/(a+b) [2/c=1/a+1/b] (訂正、7/7)
このあたりのことについて、
高橋 道広さんがコメントしてくださいました。
2番については、Idaho Potateさん、
夜ふかしのつらいおじさんがお答えくださった方法ですと、
使う分銅の重さを知る必要はありません!!