Weekend Mathematics/問題/問題33
33.円の問題
円の直径ABを2点C、Dによって3等分して、
ABの一方の側にACとADを直径とする半円を描きます。
そして、もう一方の側にBDとBCを直径とする半円を描きます。
このとき、分けられた3つのエリアのうち一番面積の大きいのはどれでしょう?
左から、1番青、2番黄色、3番緑のいずれかで答えてください。
悩め!パスラ−(挑戦その1)
アンジェラ・フォックス・ダン編
啓学出版
(ペンネ−ム:マサボー)
円の半径を3rとして、円の半分を180回転すると(裏返しと云うかも)
黄色の面積は半径2rの円から半径rの円の面積を引いたものとなるので、
黄色の面積は π(2r)2−πr2=3πr2
青と緑の面積は等しく、その面積は全体から黄色の面積を引き、2で割ったものなので
青、緑の面積 = {π(3r)2ー3πr2}/2
= 3πr2
よって全ての色の面積は等しい。
(ペンネ−ム:海津北高校1年2組全員)
AB=6cmとおく。
半径3cmの大円の面積は、3×3π=9π
半径2cmの中円の面積は、2×2π=4π
半径1cmの小円の面積は、1×1π=π
よって、
@の面積は、 | 1/2{(大円)−〈中円)+(小円)} |
=1/2{9π−4π+π} | |
=3π | |
Aの面積は、 | {〈中円)−(小円)} |
=4π−π | |
=3π | |
Bの面積は、 | 1/2{(大円)−〈中円)+(小円)} |
=1/2{9π−4π+π} | |
=3π |
(ペンネ−ム:小春)
これは全部同じ大きさではないのでしょうか?
図の書き方が分からないので全部言葉で書かせてもらいます。
まず、問題の図のABの上半分だけを考えます。
半円BDの面積を1とおくと、辺と面積の相似比から半円BC、半円BAの面積
はそれぞれ4、9になるので、
緑、黄、青の面積はそれぞれ1、3、5となります。
これで下半分の面積も同じなので、
結局3つの面積はすべて6になりました。
(ペンネ−ム:sambaGREEN)
3つの半円の直径の比は1:2:3。従って面積比は1:4:9
直径ABの左上の部分の 緑:黄:青=1:3:5
直径ABの右下の部分の 緑:黄:青=5:3:1
ゆえに,面積はすべて等しい。
(ペンネ−ム:ちゃめ)
まず直径を任意に3つに分割する場合を考えます。
円の直径ABを2とする。
AC=2a, BD=2b, CD=2c とする。
0<a, b, c<1 a+b+c=1 である。
左青、中央黄、右緑の面積をそれぞれB, Y, Gとする。
円周率をπとすると、
図から、
2B/π = 12-(1-a)2+a2=2a
B=a×π
同様に、
G=b×π
また、
2Y/π = (a+c)2-a2 + (b+c)2-b2 = 2c×(a+b+c)=2c
よって、
Y=c×π
以上から、
B : Y : G = a : c : b = AC : CD : BD
すなわち面積比は直径を分ける比に等しい。
よってC、Dが3等分点である場合は、
3つのエリアの面積はすべて等しい。
(答え) 青、黄、緑いずれも最大である。(いずれも最大でない?)
(ペンネ−ム:かに)
AB=r, AC=r1, CD=r2, DB=r3 とすると
(r1+r2+r3=r)
青色のエリアの面積は
1/2π(r/2)(r/2)-1/2π(r2+r3/2)(r2+r3/2)+1/2(r1/2)(r1/2) | |
= | 1/8πr×r-1/8π(r-r1)(r-r1)+1/8πr1×r1 |
= | 1/4πr×r1 |
(ペンネ−ム:水の流れ)
先日,参観授業で今月の問題を取り扱いました。
答えを写真で送ります。ご覧ください。
3つのエリアの型紙を作って,重さを測って,調べました。
先生が、型紙3種類を持ってきて別の考え方はないかと質問しました。
教卓には、天秤が置いてあったので、おもさをはかっておおきさを調べました。
緑と黄色は同じ重さで、今度は青と黄色も同じ重さなので、
3つのエリアの大きさは全て等しい。
海津北高校1年2組家政科全員
水の流れ | かに | ありさのお父さん |
海津北高校1年2組全員 | 浜田 明巳 | sambaGREEN |
かねさん | ものもの | マサボ− |
Idaho Potato | 月の光 | 小春 |
ちゃめ | toki |
当初3等分というところが曖昧な表現で、ご迷惑をおかけしました。
等分ではなく、一般に3分割したらどうなるかという解答をおよせいただきました。
(解答・その5の「ちゃめ」さん、解答・その6の「かに」さん)
それによると、直径を分割するときの長さの比が、そのまま面積比になるのですね。
私はまた違った意味で一般化してみようと思います。
等分に分割する、その分割数を一般化してみました。
まずは4等分から。
直径を4等分して同じように4つのエリアに分けます。
半円の面積比は小さい方から1:3:5:7となります。
これを逆向きに組み合わせて足しますので、
1+7=8、3+5=8、5+3=8、7+1=8とすべて等しくなります。
5等分でも同様です。
半円の面積比は小さい方から1:3:5:7:9となります。
5つのエリアの面積比は10:10:10:10:10とすべて等しくなります。
これは偉大な数学者ガウスの幼い頃のエピソ−ドを思い出します。
子供たちに「1+2+3+・・・+100」の計算を課して自分はのんびりしようとした
ビュットナ−先生は、まもなくガウス少年から「5050」とだけ書かれた
石板を受け取ることになります。
どうやって答えをだしたのか? と問われるとガウス少年はこう答えたのです。
「100+1=101、99+2=101、98+3=101というふうに2つづつ足します、
これが100のなかの対だけありますから、答えは50×101つまり5050です。」
一般に円をn等分して同じようにn個のエリアに分けたとします。
半円の面積比は小さい方から1:3:5:・・・:(2n−1)となります。
左からi番目のエリアの面積は、
(2i-1)+{2(n+1-i)-1}=2n
となり、iに無関係な値となります。つまりすべてのエリアの面積は同じということです。
ところで、半円の面積比が
1:(4−1):(9−4):(16−9):(25−16)=1:3:5:7:9
というように奇数が並ぶのはなぜでしょう?
(偶然ではないのだよ!)
n2−(n−1)2=2n−1
n番目の平方数と(n−1)番目の平方数との差はn番目の奇数になるのです。
左の図を見ていただいてもわかるかな?(左上から右下に向かって見てください。)
また逆にいうと、奇数を順に足していくとそれは常に平方数だという言い方もできますね。
というわけです。