Weekend Mathematics問題/問題30

30.多角形の問題

最小の内角が120度で、それにつづく内角がどれもその前の角より5度だけ大きい ような多角形は2つだけです。ひとつは右に描かれている九角形です。 もうひとつは何角形でしょうか?





問題の出典


悩め!パスラ−(挑戦その1)

アンジェラ・フォックス・ダン編

啓学出版






答えと解説












答えと解説

解答・その1

(ペンネ−ム:さだやん)

外角の和が360度になるように内角をとればいい。
60+55+50+45+40+35+30+25+20=360------------9角形
(60+55+……………+25+20)+15+10+5+0+(-5)+(-10)+(-15) =360--------------16角形

感想
作図で考えようかと思いました。 でも,はじめできないと思いました。 できるとすると180度より大きくなる角を使いそうですが, すると最後は鋭角になるようでできない。
ふと,外角の和が360度になればいいのだ。と気づきました。 負の外角?も許すと機械的にできました。



解答・その2

(ペンネ−ム:荒城 清美)

求める多角形をn角形とする。



これは180×(n−2) と等しいので



5n2-125n+720=0
n2-25n+144=0
(n-9)(n-16)=0
∴ n=9,16
ゆえに9角形と16角形である。


《翌日のmail・・・》
ここで、多角形であるためには角が180度より小、 すなわちn<13でなければならない。 n=16 はこれを満たさないので題意を満たす多角形は 9角形しかない。(???)


《数日後のmail・・・》
しかし、16角形をかいていくと途中で180度が出てきてしまう。 そうするとこれは16角形ではない。だからといって15角形とすると 矛盾する。したがって条件に合う多角形は9角形しかない。(???)



解答・その3

(ペンネ−ム:数楽者)
今月の問題ですが、頂点数が13以上になると、 内角が180度の頂点?が出来ますがいいのでしょうか。 頂点数に関する2次方程式を解くと16角形となりますが 少し心配です。


《数日後のmail・・・》

多角形の問題の答    7角形
角度は順に、135,130,125,120,125,130,135です

略解
120度から両側に5度づつ増やしていき、 外角の合計が360度になった所で終わります。
両側の角が同じになっている必要はありませんが、 今回の答は偶然?そうなっていました。



解答・その4

(ペンネ−ム:kiyo)

初項が120で公差が5の等差数列は、 5n+115 (nは自然数。)
初項からn項までの和は、
(5n+235n)/2・・・・・・・・(1)
またn角形の内角の和は、
180n−360・・・・・・・・・・・(2)
(1),(2)が等しい。
(1),(2)から
−25n+144=0
(n−9)(n−16)=0
n=9 または n=16
したがって、求めるもうひとつの多角形は16角形となる。
                       答え 16角形。


《数日後のmail・・・》
先日の解答で16角形としましたが、内角が180度となるところがあります。 題意を満たさなくなるのではと思うのですが。
120,125,130,135,140,145,150,155,160,16 5,170,175,180 185,190,195。
凸型多角形と凹型多角形を問う問題ではないかと思います。
例えば、117.5が最小の内角であれば、8角形と18角形は可能だと思います。

以上のような疑問をもっています。いかがなものでしょうか。

《数日後のmail・・・》

  1. 120度を起点に同一方向に5度づつ増える場合。

    (5n+235n)/2=180×(n−2)
    −25n+144=0
    (n−9)(n−16)=0
    n=9 または n=16
    n=16のとき
    120,125,130,135,140,145,150,155,160, 165,170,175,180,185,190,195
    13番目が180度となり不適。

  2. 120度を起点に時計回りと反時計回りに5度づつ増える場合。

    (5m+245)/2+(5n+235n)=180×(m+n−2)
    −23m+n−25n+144=0
    (m−11.5)+(n−12.5)=(17√2)/2)
    m、nが自然数であるとき、
    m=8,n=1 または m=3,n=4
    前者の場合は9角形。後者の場合は7角形。
              120
            125   125
           130    130
            135 135
    
    内角の和900度。180×(7−2)=900
    題意を満たす。したがってもうひとつの多角形は7角形となる。

答え 7角形。



解答・その5

(ペンネ−ム:ありさのお父さん)

最初は、単純にExcelに
180 120 
360540125245
5401080130475


と言った具合に、凸型多角形と、120°からの内角の合計を計算し、 ぐいっと下へ引っ張り(Excelを使わない人にはわかりにくい言い方で、 すみません。繰り返し計算です。)、 合計が同じになる数字を探して、 9と16が答えと思いました。

式を解いても
(n-2)×180 = 115n+5×(1+2+.....+n)
180n-360 = 115n+5×n(n+1)/2
(n-16)(n-9) = 0 になります。
でも、内角が180°以上とはいったいどういうこと と悩みはじめました。凹型を認めても、内角が180°の 頂点があるわけがないしと.....。

その後、しばらくたってから問題文を読み直し、 両側へ角度が大きくなってもいいと気づきました。
あとは、またExcelで、 180-内角の合計を次のように計算して、

12060 
12555115
12555170
13050220
13050270
13545315
13545360


で360°になってめでたしめでたしです。
答えの多角形を図にしましたので、添付します。


《数日後のmail・・・》
(n-2)×180 = 115n+5×(1+2+.....+n)
180n-360 = 115n+5×n(n+1)/2
(n-16)(n-9) = 0
から,9角形か16角形になりますが, これを作図すると添付ファイルのようになります。
ここで,内角が180度の点 N は多角形の頂点とは呼べないんで, これを除いて数えるべきだと思います。

と言うことで,  答え 15角形


(この図もご本人の提供です。)




解答・その6

(ペンネ−ム:ヨッシー)

該当する多角形がn角形だとすると、 その内角の和は 180(n-2) 度。
一方、問題の条件より、内角の和は

 120+125+・・・・+{120+5(n-1)}
  =120n+5{0+1+・・・・+(n-1)}
  =120n+5n(n-1)/2
以上より、  180(n-2)=120n+5n(n-1)/2
両辺2倍してカッコをはずして、
 360n-720=240n+5n2-5n
整理して、
 5n2-125n+720=0
因数分解して  5(n-9)(n-16)=0
 n=9,16
9角形の他に、理屈上は、16角形が考えられますが、 13番目の角が180度になり、これを角と認めるなら、 答えは16角形(見た目は、「凹角を3つ含んだ15角形」)です。



解答・その7

(ペンネ−ム:ものもの)

120゜の角を作って片方の辺を基準にします。(0゜)。
点が進んでいってそして曲がるとすると120゜の次は125゜なので 55゜左に曲がります、次は130゜なので50゜曲がります、 以下同様です(185゜からは右曲がり)。
そして、それらの曲がる角度を順次足していくと、 N回曲がった時の辺の基準からの角度になります。
基準から120゜で平行、それから180゜曲がると基準でない もう一方の辺とつながることがわかります。 つまり300゜でつながります。
曲がる角度を順次足していくと
55゜+50゜+45゜+40゜+35゜+30゜+25゜+20゜ (ここで300゜になる。ここまで8回曲がっている、 最初の120゜の角を足して9角。)
+15゜+10゜+5゜+0゜ (ここは175゜の次なので180゜として、角にはならないが点だけ打つ。 角には数えないが180゜の角とみなす?)
ー5゜(ここから右曲がりなのでマイナス)
ー10゜ー15゜(ここで300゜、14回曲がりなので15角)
よって9角形と15角形が可能です。



発展・その1

(ペンネ−ム:Chee)

問題の多角形をN角形とする。
それぞれの内角をたしていくと、
120 + (120+5) + ... + 120+5×(N-1)= 120×N + 5×(N-1)×N/2
一方、N角形の内角の和は、180×(N-2)なので、
120×N + 5×(N-1)×N/2 = 180×(N-2)
整理して、 N2 - 25×N + 144 = (N - 9)×(N-16) = 0
答えは、9角形と16角形。

ちなみに、最小の内角をa度とした場合は、
それぞれの内角をたしていくと、
a + (a+5) + ... + a+5×(N-1)= a×N + 5×(N-1)×N/2
一方、N角形の内角の和は、180×(N-2)なので、
a×N + 5×(N-1)×N/2 = 180×(N-2)
整理して、 N2 + (2/5×a - 73)×N + 144 = 0、(0<a<180)
(2/5×a - 73)をAとおいて、無理矢理Nについて解くと



Nは整数なので、ルートの中身:(A2 - 242)は平方数になる。
ところで、0<a<180だったので、 -73<A<-1。
つまり、12<A2<732
結局、ルートの中身が平方数になるのは、


《数日後のmail・・・》

これをみて、気づいたことがあります。
Nの値を見ると、 3,4,6,8,9,12,16,18,24,36,48と、
すべて「2i ×3j (0≦i, 0≦j)」の形をしています。 (当然、(0,0)と(1,0)は除きますが)
すべてそうなのかという予想ができますが、27(3)がありません。
そこで、N=27を確認してみました。
A=−97/3(a=790/3)となりますが、なんと、これがOKなのです。
そこで、「(A2 - 242)は平方数になる。」の部分は、 整数ではなく、有理数まで拡張した平方数にしなければいけないことに気づきました。 (実は気づいていたのですが、まさかNは整数になるような有理数があるとは..)
さらに、32(2)もないので、確認してみると、 A=−55/2(a=1005/4)で、これもOK!
これで、すべてのNが、「2i ×3j (0≦i, 0≦j)」であらわせました。
ただし、凸型の多角形(言い方合ってますか?)になる範囲という条件があります。
さて気になることがいくつかあります。
その1:
この性質は、5度づつという条件からきてるのか?
「5度づつ」を変えるとどうなるか?

その2:
今回は、「2i ×3j (0≦i, 0≦j)」から抜けを見つけましたが、 「(A2 - 242)は平方有理数になり、Nが整数になる」でちゃんと調べると、 ほかにも見つかるのでは?

その3:
48より後ろは、多分、内角(?)が180度をを超えてしまいますが、実は、 三日月の形のような多角形になるのでは? これが言えるとすると、どこままでも大きくできるのかな?


《数日後のmail・・・》

冷静に考えてみると、



が整数になるには、Aについて解けばよく、結果は、 A=−(N+144/N)ですね。
つまり、任意のNでOKです。 (どこでどう勘違いしたのか???)
で、Aが整数になるNはというと、 144=24×32なので、
N=2i ×3j(0≦i≦4、0≦j≦2、3≦N) となります。
ところで、Aは、「(2/5)×a-73」を置き換えたものなので、Aが整数 であっても面白くありません。 そこで、aが整数になるように考えてみました(懲りずに)。
a=(5/2)×(73−N−144/N) が整数..
(5と144に注目すると)Nの必要条件は、
N=2i ×3j×5k (0≦i≦4、0≦j≦2、0≦k≦1、3≦N)
あとは、この30個のNに対して確認するのが手っ取り早いかな。
結果:

※ 48<Nの72と144については,気になりますが、 これについては、a<0になるのでボツ!
こうしてみると、問題として一番きれいなのは、スタートが120度のとき ですね(ちゃんと考えられていたのかな..)。 次にきれいなのは、スタートが55度のときでしょうか?
結局、「スタートの角度が整数で、5度づつ・・の多角形」は、 7つということで。
のこる疑問は、「5度でないとき」だけですが、 つまらない結果になりそうなので、 これ以上は止めます。




発展・その2

(ペンネ−ム:ちゃめ)

最初、最小の内角120度の角はひとつだけ、と考えてn角形について、



よりn=9,16で16角形か、と単純に思ったのですが、 180度が含まれるので不適なことに気づきました。
で、120度の角は複数連続してあってよく、 それにつづく内角が(存在すれば、)どれもその前の角より5度大きい、 というように問題文を解釈しました。
果たしてそれでよいのかどうか解りません。 全然自信がないのですが解答してみます。

---------- 解答 ---------
180度は多角形の内角の大きさとしては不適だから、 題意を満たす多角形の内角の大きさは高々175度である。
120度の内角k個、それに続く内角が120+5×1度、120+5×2度、・・・、(120+5m)度 である(k+m)角形を考える。
120≦120+5m≦175 より、mは0≦m≦11の整数。
この多角形の内角の和は、

(度)

また(k+m)角形の内角の和は、 (2×(k+m)-4)×90=180×(k+m)-360 (度)
よって、この多角形が題意を満たすための必要条件として、
120×(k+m)+(5/2)×m(m+1)=180×(k+m)-360
整理して、 m(23-m)=24(6-k) ・・・(1)
m, 23-m, 6-k は整数だから、 0≦m≦11で(1)を満たす(m,k)の組は (m.k)=(8,1),(0,6) の2組。


よって求める多角形は6角形 ・・・(答え)


120度以外の角も複数あり得る場合を考えてみました。
内角が120度、125度、・・・、120+5n度から成る多角形で、 どの大きさの内角も複数あってもよい場合を考える。
120+5×m 度の角がKm個あるとする。(0≦m≦11)
{Km}の満たすべき条件として、 Km=0となるmの最小値をMとすると、 M≦mであるすべてのmについてKm=0でなければならない。(*)
内角の総和は、



12+11+・・・+4=72だから、条件(*)より、 K9=K10=K11=0 。

以上のような場合があると考えました。



正解者

kiyoかにありさのお父さんヨッシー浜田 明巳
数楽者Cheeよかとんちゃめものもの
マサボ−かこ荒城 清美月の光さだやん





まとめ

え−っ、そんなのなしだよ・・・、本当に数学の問題?という声が聞こえてきそうな・・・・。
最初にあやまってしまおう、ごめんなさい。

私自身は、「16角形」という答えを出しました。 出典の本によれば、
「16角形。ただし、13番目の角度が、 120+5(13-1)=180(度) になっています。つまり、この16角形は内角のうちのひとつが180度という特別な 16角形ということになりますが、それを私たちは普通、15角形と呼んでいます。 ですから、答えは15角形
ということで、これを読んだ私は思わず笑ってしまいました。

問題文の解釈が、別れるところかもしれません。 数学では、曖昧な表現や定義はまずいわけで、そのあたりを責められるとちょっとつらいところです・・・。
まず、凸多角形に限定すべきかどうか?
問題文を読む限りでは、多角形とあるだけですから、凹多角形(180度以上の角を有する多角形) でもいいと思います。つまり、内角は180度を越えてもいい、と判断できます。 ただし、今回の問題は120度から5度ずつ増やしていくので、その課程で180度という角を通過します。 これを角と認めていいのかどうか? という疑問は残ります。 実際、ここでためらった方も多いのではないでしょうか?
これを角と認めるなら16角形(?)、認めないと15角形(?)、でも認めないと 等差数列にならない??
混乱を招いてすいません・・・。今回は何回かに渡ってmailをいただいた方々もいます。 どうもありがとうございました。

私の予想外に、7角形という解答がありました。(kiyoさん、数楽者さん、ありさのお父さんさん)
これは120度から5度ずつ増やしていく際に、1方向だけでなく両方向へ増やしていってもいい、 という解釈です。 改めて問題文を読んでみると、それはいいように思います。 じかもその条件に合う多角形が存在する!

また、同じ大きさの角が重複してもいいという解釈(ちゃめさん)がありましたが、 これはご本人がおっしゃるようにちょっと無理があるかな、と思います。 ただこの問題を離れて考えれば、こういった考察は意味があると思います。 今回、発展という形で載せさせていただきました。

また、スタ−トの角度を120度に限定しない(ただし、整数)で考えるとどんな多角形ができるかな? という レポ−トをくださった方(Cheeさん)もいらっしゃいました。
こういった発想で臨むと、問題作成者の意図がわかってきたりしますね。


ところで、多角形の内角の和についてです。
N角形の内角の和は、180(N-2)となります。 それは、(N-2)個の三角形に分割できることから、わかります。
右の図は9角形で、7つの三角形に分割できます。


また、外角で考えてくださった方もいます。(さだやんさん、数楽者さん、ものものさん、ありさのお父さんさん)
外角については、どんな多角形でも360度になります。
右の図を見て、多角形に沿って一周してみてください。 外角の和が360度になるのがわかります。

ところで問題にある9角形の図の角度は、正確ではありません。
さすがに15角形は特に角度を正確に、と思っていました。 角度を正確に描くための道具を持ち合わせていないので、 仕方ない分度器+スキャナ−? と思って(ちょっと情けない?)、 分度器を探すべく机の中をがさごそしていました。 そんなある日「ありさのお父さん」さんから、見事な15角形の図が送られて来ました。 おかげで、私は分度器と格闘せずにすみました。 ご協力に感謝!!


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