問題192 マッチ棒の問題・その2
長さ1cmのマッチ3本と、3cmのマッチ3本を、下の図のように円に沿うようにおきます。
この6角形の面積は、1cmのマッチ3本で書いた正3角形の面積の何倍あるでしょうか。
問題の出典
パズルより面白い中学入試の算数
ピーター・フランクル
講談社
解答
〜到着順にご紹介します〜
解答・その1
(ペンネ−ム:次郎長)
右上の点をAとし、反時計周りにB,C,D、下辺の2点をE,Fとし、円の中心をOとします。
すると、△OAB、△OBC、△OCDは合同
△OAF、△OFE、△0EDも合同(それぞれ3辺の長さが同じ)
そこで、△OBAと△OAFを足したもの、つまり四角形OBAFで考えると、
角BOFは120度で、四角形OBAFは6角形ABCDEFの1/3
残りの三角形4つ(△OBC、△ODEなど)をばらしてくっつけて、
四角形OBAFと合同の四角形を2つ作り、うまく合わせると、
1辺5の正三角形から、3つの頂点から1辺1の正三角形を3つ
飛ばしたダイヤモンドのような6角形が出来ます。
これは、25−3=22倍ですね
解答・その2
(ペンネ−ム:マシャ)
まず, 円の中心をから各頂点(マッチ棒の先)ごとに切ります.
次にマッチ棒1と3でできた扇形を交互に並べます.
すると1セットの扇型の中心角は120度になります.
一方, その反対の角度は360-120=240度になります.
円周角の定理より, マッチ棒1と3からなる角度は240/2=120度です.
このマッチ棒1の外側にマッチ棒1からなる正三角形を置きます.
すると, 角度が正三角形とマッチ棒3からなる角度が180度,つまり直線になります.
この操作を全てのマッチ棒1に対して行うと
全体の形はマッチ棒5の正三角形になります.
この面積はマッチ棒1からなる正三角形の25倍です.
また, 追加した面積が3つ分なので,
答えは, 22倍です.
解答・その3
(ペンネ−ム:スモークマン)
マッチ棒の位置を入れ替えて、図のような六角形を作る。
その外側に、小さい正三角形をくっつけると、1辺が5の正三角形になるので...
求める面積は...小さい正三角形の...
52-3=22 倍 ♪
解答・その4
(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん)
【その1】
図1のようにマッチ棒の端と円の中心を結びます。
次に図2のように三角形を交互に並び替えます。
さらに図3のように円に内接する大きな正三角形と細長い三角形に分けて考えます。
図4のように細長い三角形を並び替えて中が抜けた正三角形をつくります。
さて、ピンク色の三角形の二辺は1と3でその間の角は120度です。
(円に内接する三角形の向かい合う角の和は180度です)
ピンク色の三角形の一番長い辺の長さ は、余弦定理より
解答・その5
(ペンネ−ム:Ryu1128)
問題の6角形を円の中心と各内接点を結んだ線で分割し円内で組み替えます。
すると、下図のように1辺が5の正三角形の3隅から1辺1の正三角形を取り除いた6角形となります。
1辺が5の正三角形は1辺1の正三角形の25倍なので、
問題の6角形の面積は1辺1の正三角形の25-3=22倍となります。
解答・その6
(ペンネ−ム:まーりんandさとりん)
図のとおり補助線をとり、各点をA、B、C、D、E、F、Gとおく。
ここで、△ABCと△AGCに着目すると
辺AC共通
∠BAC=∠GAC(供に弦の長さ3の円周角)
∠ACB=∠ACG(供に弦の長さ1の円周角)
1辺両端角が等しいので
△ABC≡△AGC
よってAG=AB=1、CG=CB=3
同じくFG=1、DG=3
以上より、
△AFGは1辺の長さが1の正三角形
△CGDは1辺の長さが3の正三角形
1辺が1の正三角形の面積をαとすると
△AFGの面積はα
△CGDの面積は9α
△AGCの面積は△CDGの面積の1/3(AG/DG)になるので、3α
△AGC≡△ABC≡△FGD≡△FEDなので
△ABC、△FGD、△FEDの面積も3α
よって6角形ABCDFFの面積は (1+9+4×3)α=22α
答.22個
解答・その7
(ペンネ−ム:haya)
答: 22倍
【解き方】
解答・その8
(ペンネ−ム:のっこん)
一番左にある1cmのマッチ棒の左端をAとし
時計回りに各頂点をB,C,D,E,Fとする
この円の中心をOとし、OA=r とする
△OAB,△OBC,△OCDは合同な二等辺三角形
△ODE,△OEF,△OFAは合同な二等辺三角形
よって四角形BAFOの面積は六角形の面積の1/3
また∠BOF=360°÷3=120°
∠OBA=∠OAB=α、∠OAF=∠OFA=βとすると
2(α+β)=360°-120°=240°だから α+β=120°
つまり∠BAF=120°
△BAFにおいて
BF2=12+32-2・1・3・cos120°
従ってBF2=13
△BFOにおいて
BF2=r2+r2-2・r・r・cos120°
従ってr2=13/3
△BAF=(1/2)・1・3・sin120°=3√3/4(cm2)
△BFO=(1/2)・r2・sin120°=13√3/12(cm2)
よって 3(△BAF+△BFO)=22√3/4(cm2)
1cmのマッチ棒3本でできる正三角形の面積は√3/4(cm2)だから
(六角形の面積)÷(正三角形の面積)=22
解答・その9
(ペンネ−ム:ちょろんは太太)
解答・その10
(ペンネ−ム:転位反応)
【解法T】三角関数を用いる方法
問題の出典を見ていなかったので、中学入試問題とは思わずに三角関数を使いました。
六角形は次の二種類の三角形A、B、それぞれ三つから構成されている。
与えられた円の半径をr、三角形A、Bの頂角をそれぞれα、β、
さらに、頂点から底辺に下した垂線の長さをそれぞれ、h1、h2とする。
三角形Aについて
r sin (α/2) =3/2 ・・・@
三角形Bについて
r sin (β/2) =1/2 ・・・A
ここで、3α+3β=2π なので、β/2=π/3-α/2
r sin (β/2)
=r sin (π/3-α/2)
=r {sin (π/3)・cos (α/2)-cos (π/3)・sin (α/2)}
=r {√3/2・cos (α/2)-1/2・sin (α/2)}
ここで、cos (α/2)={1-sin2(α/2)}1/2 であるから
=r[√3/2・{1-sin2(α/2)}1/2-1/2・sin (α/2)] ・・・A'
式@A'より、r について解くと
r2=13/3
∴ r>0より、 r=(13/3)1/2
このr を用いて、三平方の定理からh1,h2を求めると次の通り。
h1=√3・5/6
h2=√3・7/6
よって、三角形A、Bの面積をそれぞれSA 、SBとすると
SA=√3・5/4
SB=√3・7/12
∴六角形の面積は、3SA+3SB=√3・11/2
他方、一辺が1cmの正三角形の面積は、S1=√3/4
∴ (3SA+3SB)/S1=22
【解法U】三角関数を用いない方法
中学入試問題なので三角関数を使わない方法で解きました。
解法Tで述べた通り、六角形は二種類の三角形で構成されている。
その二種類の三角形から下記の四角形を組み立てることができるが、
この四角形は六角形の部分構造であり、面積は六角形の1/3である。
辺BCを延長して、頂点Aから下した垂線との交点をDとすると、
∠AOC=120°であるから、円周角の定理により、∠ABC=120°
よって、∠ABD=60°、∠BAD=30°
△ABDについて、BD:AB:AD=1:2:√3
∴BD=3/2、AD=√3・3/2 (∵ AB=3)
△ACDについて、CD=5/2なので、三平方の定理により、AC=√13
また、△OACは二等辺三角形なので、∠OAC=∠OCB=30°
頂点Oから辺ACへ垂線を下し、その交点をEとすると、
△OAEについて、EO:AO:AE=1:2:√3 であるから、E0=√39・1/6
これで面積を求める準備が整った。
△OACの面積S1=AC×E0×1/2=√3・13/12
△ABCの面積S2=△ACDの面積S3-△ABDの面積S4=√3・3/4
∴S1+S2=√3・11/6
∴六角形の面積は、3(S1+S2)=√3・11/2
一辺が1cmの正三角形の面積は、S0=√3・1/4 なので、
∴ 3(S1+S2)/S0=22
解答・その11
(ペンネ−ム:浜田 明巳)
GRAPESで解いた.
半径rの円Oに六角形ABCDEFが内接し,
EF=FA=AB=1
BC=CD=DE=3
とする.
座標系を導入し,Oを原点,この六角形がy軸について対称とし,
A(−1/2,{r2−(1/2)2}1/2),F(−1/2,{r2−(1/2)2}1/2)
C(−3/2,{r2−(3/2)2}1/2),D(−3/2,{r2−(3/2)2}1/2)
とする.
∠AOFが定まるので,その角でA,Fを回転して,B,Eを定める.
3/2≦r≦4として,シラミつぶしにrに値を代入して,|BC−3|が最小になる場合が,問題の条件を満たす六角形である.
その面積を,1辺の長さが1の正三角形の面積√3/4・12で割った数が答である.
GRAPESのスクリプトにより,答は22倍である.
(スクリプト) k:=.01 m:=1000000 t:=0 for @:=1 to 12 if @=1 then a:=3/2+k b:=4 else a:=p-k b:=p+k k:=k/10 endif for d:=a to b step k s:=abs(len(B,C)-3) if m>s then m:=s p:=d endif draw next d next @ d:=p t:=3*1/2*O.r*O.r*sin(arg(F,O,A)) t:=t+3*1/2*O.r*O.r*sin(arg(B,O,C)) t:=t/(Sqrt(3)/4*1*1) draw
解答・その12
(ペンネ−ム:浦岡)
解答・その13
(ペンネ−ム:杖のおじさん)
図1の円の中心から各円周の接点に線を引くと6個の三角形が出来る。
それを並び替えて図2のようにする。大きい三角形の底辺を延長して出来る交点を
A,B,、Cとすると一辺1pの正三角形の高さをrとすると
元の六角形の面積は図2の△ABCの面積から3つの一辺を1pとする
正三角形の面積を引いたものと一致します。
従って、次の式によりその倍数を計算します。
一辺5cmの正三角形△ABCの面積=(5×5r)÷2
そこから3つの正三角形の面積=(3×r)÷2
元の六角形の面積は
(25r÷2)―(3r÷2)=22r÷2
一辺1pの正三角形の面積で割ります。
(22r÷2)÷〈r÷2〉=22
答え 22倍 です。
解答・その14
(ペンネ−ム:三角定規)
図形を並べ替えると添付図のようになる。
対称性から,長さが 3 の 3 つの弦は正三角形の 3 辺の一部となり,
それぞれを両側に延長すると,一辺が 5 の正三角形となる。
よって,求める図形の面積は,一辺が 1 の正三角形の面積の
25−3=22 倍
解答・その15
(ペンネ−ム:オヤジ)
円の半径を r とする。
6角形を、円の中心を頂点とする2種類の、半径 r の2等辺三角形6個に分割する。
解答・その16
(ペンネ−ム:Part Marty)
点Eは、点CからABの延長線に垂線を引いた交点
点Fは、点OからACに垂線を引いた交点
∠ABC=∠AOC=360°/3より
CE=3*sin(60°)=3*√3/2
△AECにおいて∠AEC=90°より
AC2=AE2+CE2=(1+3/2)2+(3/2*√3)2
=(25+9*3)/4=52/4=13
OF=AF/√3=√(13/3)/2
△ABCの面積は、AB*CE/2=3/4*√3
△AOCの面積は、AC*OF/2=√(13)*√(13/3)/4
□ABCOの面積は、△ABC+△AOC=3/4*√3+13*√3/12
=(9+13)*√3/12=22*√3/12=11/6*√3
六角形の面積は、11/2*√3
1辺1cmの正三角形の面積は、√3/4
従って六角形の面積は、1辺1cmの正三角形の22倍
解答・その17
(ペンネ−ム:百紅)
円の中心から、等しい長さの線分へと直線を引くと図1のようになる
図1のa及びbはそれぞれ面積が等しい三角形
つまり図形の全体の面積は
(a * 3 + b) * 3 で求められる
図1の黄色く塗った部分の面積 (a * 3 + b) を求めることを考える
この部分の中心角は円全体の中心角(360度)の三分の一なので、120度。
ここの対角も120度になる。
従って図2の黄色の部分は、広い角が120度で等しい長さの辺が1の二等辺三角形。
その面積は √3 / 4
よって図2の緑色と黄色を足した部分の面積は3 * √3 / 4
赤色の二等辺三角形の底辺の長さは、余弦定理から√13(黄色と緑色の三角形を合わせた三角形で、二辺の長さとその間の角度から)
したがって赤色の二等辺三角形の面積は13 * √3 / 12
よって図1の黄色の部分の面積は、まとめて11 * √3 / 6
求める答えは、これを三倍した 11 * √3 / 2
コメント
皆さんから寄せられた解答をみると、本当に様々なアプローチがあるなあと思います。
そこが数学のおもしろさでもあります。
途中の計算が複雑な割には、出てきた答えが「22」という整数。
中心と各頂点を結び、できた二等辺三角形の並び替えをすることで、
正三角形の角がとれた六角形ができるというアイディアを生かした解答を何人かの方から
お寄せいただきましたが、やられたって感じですよね。