問題187 正十二角形の秘密
辺の長さが1の正十二角形の面積は、 辺の長さが1の正三角形 x 個と辺の長さが1の正方形 y 個の面積を加えたものとなる。 x と y を求めてください。
問題の出典
解答
〜到着順にご紹介します〜
解答・その1
(ペンネ−ム:浦岡)
【解答1】
正三角形の面積=√3/4、正方形の面積=1より、正十二角形の面積=(√3/4)x+y ・・・☆とおける。
ここで、図1のように、黄色の三角形の面積をSとすると、S=(1/2)*r2*sin30° ・・・[1]
また、余弦定理より、1=r+r-2*r*cos30° ∴r=2+√3 ・・・[2]
[1][2]より、S=(2+√3)/4
したがって、正十二角形の面積=12S=6+3√3 ・・・★
☆★より、x=12、y=6
【解答2】
正三角形の内角=60°、正方形の内角=90°、正十二角形の内角={180°(12-2)}/12=150°であり、
60°+90°=150°と、それぞれの辺の長さに着目すると、
図2のように、正三角形と正方形を正十二角形の内部に隙間なく敷き詰めることができる。
よって、正三角形の個数=x=12、正方形の個数=y=6
(補足)
解答1は三角関数を利用した自然な解法で、図形的考察もほとんど必要なく平易。
解答2は直感によるもので視覚的に明快ではあるが、いつでも上手くいくとはかぎらない。
ただし、問題のタイトルに『正十二角形の秘密』とあるので、
興味深い性質を発見することが今回の趣旨であり、解答2の方を期待された問題といえる。
解答・その2
(ペンネ−ム:スモークマン)
正十二角形が内接する円の半径を x とすると...
面積=x2*sin(π/6)*6=3*x2
1辺が1なので...
12=2x2-2x2*cos(π/6)=x2*(2-√3)
x2=2+√3
正三角形の面積=√3/4
正方形の面積=1
正十二角形の面積=3*(2+√3)=6+3√3
から...△の数:x=12, □の数:y=6 個
見事な分解図を期待してます ^^v
解答・その3
(ペンネ−ム:転位反応)
角度に着目して考察する。
正十二角形の内角は150°である。150=90+60より、下図の通り、
正方形と正三角形の組み合わせでその角を作ることができる。
さらに、新たに生じた内側の角120°は、二つの正三角形で作ることができる。
以上の考察から、正十二角形の構造は、
正六角形の各辺に正方形が接し、その正方形の間を正三角形がうめる構造をしている。
∴正三角形x=12個、正方形y=6個である。
解答・その4
(ペンネ−ム:浜田 明巳)
1辺の長さが1の正三角形と正方形の面積はそれぞれ,
√3/4,1
この正十二角形の外接円の中心をOとし,OA=rとする.
△OABにおいて,余弦定理から,
AB2=OA2+OB2−2・OA・OB・cos∠AOB
∴12=r2+r2−2r2・cos(2π/12)
∴1=r2(2−√3)
∴r2=1/(2−√3)=2+√3
∴△OAB=1/2・OA・OB・sin∠AOB=1/2・r2・sin(2π/12)=1/2・(2+√3)・1/2=(2+√3)/4
故に正十二角形の面積Sは,
S=12△OAB=12・(2+√3)/4=6+12・√3/4
また,
S=√3/4・x+y
x,yは非負整数,√3/4は無理数なので,
x=12,y=6
CABRIを使って,正十二角形を実際に作図すると,確かに正三角形が12個,正方形が6個あることが分かる.
解答・その5
(ペンネ−ム:のっこん)
正十二角形の1つの頂点をA、その隣りの頂点をBとする
この正十二角形に外接する円の中心をOとする
辺の長さが1の正三角形の面積をP、辺の長さが1の正方形の面積をQとする
△OABは頂角30°の二等辺三角形である
OからABに垂線を下し、その足をHとする
OH上に点CをAC=ABとなるようにとると
△CABは辺の長さが1の正三角形となる・・・・・・・[1]
∠OAC=15°∠ACO=150°だから∠COA=15°
よって△COAはAC=CO=1の二等辺三角形になる
また△CBO≡△COAである
△CBOをOを中心に30°回転しOBをOAに重ねると
辺の長さが1のひし形ができる
このひし形をC´ACOとすると
∠C´AC=30°だから
C´からACに垂線を下し、その足をH´とした時
C´H´=1/2となる
よってひし形C´ACOの面積=1/2・・・・・・[2]
[1]、[2]より
△OABの面積=P+(Q/2)・・・・・・・[3]
[3]の右辺を12倍すると12P+6Q
従って x=12 y=6
解答・その6
(ペンネ−ム:次郎長)
正十二角形の中心をOとして、
OA、OBを結ぶと、三角形OABは30・75・75度の二等辺三角形
AB(一辺1)のO側にPA=PB=1となるように点Pを取ります。
同様にCDの内側にQを取ります。
すると、三角形OPQも一辺1の正三角形となり、
なんと、四角形BCQPは一辺1の正方形となります。
これは、角度から証明できます。
各辺に対して同様の作業?をすると、
点Oの周りに正三角形が6個、その周りに正三角形が6個+正方形6個ができます。
「正十二角形の秘密」って何だろうって考えていたのですが、
内側の正三角形の頂点が正十二角形の頂点と15度傾いているところなんでしょうね。
解答・その7
(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん)
図のように正十二角形の辺のところに、正三角形をつくります。(黄色の正三角形12個)
次に隣り合う正三角形の頂点を結びます。(空色の二等辺三角形12個)
次に正三角形の頂点と正12角形の中心とを結びます。(白色の二等辺三角形12個)
正十二角形に図のように対角線を引くと、12−2=10個の三角形に分かれます。
だから、正12角形の一つの内角は、180°×10÷12=150°です。
空色二等辺三角形のとんがった方の角の大きさは、150°−2×60°=30°です。(底角は75°)
白色の二等辺三角形のとんがった方の角の大きさは、360°÷12=30°です。(底角は75°)
空色と白色の二等辺三角形は、底辺を共有しています。(1辺とその両端の角)
だから、この二つの二等辺三角形は合同になります。
この2つの二等辺三角形を図のように置き、等積変形をします。
すると、白の部分は、高さが1/2になります。
つまり、2等辺三角形4個で、1辺の長さが1の正方形になります。
以上から、1辺1の正三角形を12個、1辺1の正方形を6個合わせたものが、 1辺1の正十二角形と同じ面積になります。
解答・その8
(ペンネ−ム:Ryu1128)
1辺1の正三角形と正方形を図2のように各々a、bとします。
正12角形を図1のように分割します
ABに注目し図4のように組みなおすと
ABはA×4+a×2であることが解ります
また、図5で示すとおりA×4=bであることが解ります
従って、A+B=b+2aとなります。
正12角形は6×(A+B)なので
6b+12aに等しくなります
よってx=12、y=6 ・・・・回答
別解1
aの面積は√3/4、bの面積は1
正12角形の面積Mは外接円の半径をrとすると
r×r×sin30度×1/2×12=3r2
1×sin75度=r/2から
r=(1+√3)×√2×1/2
なので
M=3√3+6=12×(√3/4)+6
よってx=12、y=6
別解2
解答・その9
(ペンネ−ム:オヤジ)
正12角形の半径 r をとすると、頂点を1個づつ飛ばした正6角形の一辺も r より、
第2余弦定理から、
解答・その10
(ペンネ−ム:杖のおじさん)
正十二角形の中心Oから辺B点。C点を結ぶ△は二等辺三角形になります。
∠BOC=360°÷12=30°
∠OBC=(180°−30°)÷2=76°
∠ABC=75°×2=150°
150°=90°+60°になります。
一辺1とする正方形の隣には一辺1とする正三角形が並べられる事が分かります。
従って、周囲には□が6個、△が6個出来ます。
中心には一辺1とする正三角形6個による正六角形が出来ます。
∠EOF=360°÷6=60°
答えは
x△=6個+6個=12個です。
y□=6個です。
解答・その11
(ペンネ−ム:まーりんandさとりん)
求める正12角形の面積をXとし、左の三角形の面積をYとすると
X=12Y
Yは「1辺の長さ1の正三角形1つ」と
「頂角150°等辺の長さ1の二等辺三角形2つ」の和である。
「1辺の長さ1の正三角形1つ」の面積はx
「頂角150°等辺の長さ1の二等辺三角形2つ」の面積は、
左の図から内角が150°と30°のひし形の面積と等しく、
これは辺の長さ1と1/2の長方形の面積と等しい。
よって、面積は0.5yとなる。
X=12(x+0.5y)=12x+6y
答. x=12 y=6
別解
解答・その12
(ペンネ−ム:haya)
答: x=12, y=6
【解き方】
解答・その13
(ペンネ−ム:SOU)
正三角形,正方形,正十二角形の面積は各々
√3/4 , 6 + 3√3 , 1
で与えられる。従って、正方形の個数をA、三角形の個数をBとして
1xA + √3/4xB = 6 + 3√3
を解くことになるが、A,B は自然数 なので、
(4A-24) + (B-12)√3 = 0
とした時、A = 6,B = 12 が必要。
以上から正方形が6個、正三角形が12個という組合せが答えで、
また、これ以外の組合せは存在しない。
解答・その14
(ペンネ−ム:三角定規)
1辺が1の正十二角形は,12個の二等辺三角形(底辺1,頂角30°,底角75°)からなるが,
それらのうちの2個は図に着色したように,1辺が1の正三角形2個(●は60°)と,
8個の直角三角形(内角が15°(■),75°(▲))に分割できる。
8個の直角三角形は,並べ替えれば右側のような1辺が1の正方形を作るが,
青く重なっている部分は白色の部分と合同だから面積が等しい。
よって,
2個の二等辺三角形=2・△+1・□
∴ 正十二角形=12・△+6・□ [答]
解答・その15
(ペンネ−ム:やなせ)
1辺1cmの正12角形の面積と正三角形の面積はここで調べました。
数学公式集
これによると正12角形の面積は11.196cm2
正三角形は0.433cm2 (数を y として)
正方形は当然1cm2 (数を x として)
x+0.433y=11.196 といった式が成り立ちます。
連立方程式ではないから、ここからは全く数学的では無いけれど
正方形の数は偶数と思われるので
11.196から
−2、−4、−6と引いた数の中でぴったし0.433で割り切れるのを探しました。
正方形が2個の場合 9.196÷0.433=21.2378・・・・
4個の場合 7.196÷0.433=16.6189・・・・
6個の場合 5.196÷0.433=12(ぴったりです。)
よって
正三角形の数 x は12個
正方形の数 y は6個
解答・その16
(ペンネ−ム:ちょろんは太太)
正十二角形を上記のように分割すれば、6個の正方形と12個の正三角形から
成ることがわかる。
答 x=12, y=6
解答・その17
(ペンネ−ム:T_Tatekawa)
tan [pi/12] を求める.三角関数の倍角の公式から,
2 * tan[pi/12] / (1- tan[pi/12]2 ) = tan[pi/6]
よって
tan[pi/12]2 /sqrt[3] + 2 * tan[pi/12] - 1 /sqrt[3] =0
tan[pi/12] > 0 より
tan[pi/12] = 2-sqrt[3]
辺の長さが1の正十二角形の面積は,底辺の長さを1,頂角の大きさを
[pi/6] とする二等辺三角形12個分.二等辺三角形1つの面積は,
2 * (1/2) * (1/2)/tan[pi/12] / 2 = (2+sqrt[3])/4
なので,辺の長さが1の正十二角形の面積は
12 * (2+sqrt[3])/4 = 3 * (2+sqrt[3])
一方で,辺の長さが1の正三角形の面積は
1 * (1*sin[pi/3])/2 = sqrt[3]/4
なので,辺の長さが1の正十二角形の面積は
辺の長さが1の正三角形 12 個と辺の長さが1の正方形 6 個の面積を加えたものとなる.
コメント
正方形の面積=1で有理数、正三角形の面積=√3/4で無理数です。 正十二角形の面積をこの2者の和とするところから、アプローチするやり方と、 正方形と正三角形で正十二角形を埋め込むという幾何学的なやり方に大別されましたね。