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問題178 最小公倍数の問題
Weekend Mathematics問題/問題178 最小公倍数の問題

問題178 最小公倍数の問題

4つの相異なる1桁の正の整数がある。 これらの最小公倍数として考えられる最大の値を求めてください。


問題の出典

数学オリンピック
日本評論社
第18回日本数学オリンピック予選(2008年)

解答

〜到着順にご紹介します〜

解答・その1

(ペンネ−ム:スモークマン)

明らかではあるが...
互いに素な一桁の数を分類するとしたの4種類になるので...
  2, 22=4, 23=8
  3, 32=9
  5
  7

それぞれの組から最大数を選べばいい!!
つまり...
  23*32*5*7=2520
のはず...


解答・その2

(ペンネ−ム:オヤジ)

最小公倍数(L.C.M)を、考えるとき、

  1. 互いに素な方が数の積の方が大きくなる。

  2. 大きな数の方が、積が大きくなる可能性がある。

  3. 1桁の素数は、{2,3,5,7}である。

従って,  1桁の最小公倍数で最大となるのは、9と8と7と5の積

∵ (T)6は、9と8の最小公倍数72の約数
  (U)9=32, 8=23 ,7:素数 ,5:素数 ,4数は互いに素

従って 1桁の4数の正の整数の最小公倍数が最大となるのは,
  ∴ 9×8×7×5=2520


解答・その3

(ペンネ−ム:haya)

答: 2520

【解き方】
積が最大となる4つの相異なる1桁の正の整数の組合せは 9, 8, 7, 6 であるが、素因数分解すると、

  

であることより、最小公倍数は単純な積とならず、
  9 * 8 * 7 = 504
となる。 6 を次に大きな数 5 で代用すると、

  

より、求める解、
  9 * 8 * 7 * 5 = 2520
を得る。

*  4数の最小公倍数を求めるサブルーチンを作って総当たりのチェックをしてから投稿しました。 堅固に作ったので2桁にも使える筈、ところが1桁は直ぐに答えが出るのに、2桁は沈黙が続いたのでびっくり。
  89403930 = 99 * 98 * 97 * 95
と出て、1桁の場合同様「繰り上がり当選」でした。  最小公倍数は急激に数字が大きくなるのでプログラムは3桁以上には使えないことが分かりましたので、
  9・・・9, 9・・・8, 9・・・7, 9・・・6, 9・・・5
を直接素因数分解して眺めると、少なくとも5桁までは同じパターンですね。 9・・・6 から2と3の約数が出るので当然か。


解答・その4

(ペンネ−ム:浦岡)

9、8、7のどの2つも互いに素であることから、
9、8、7、6の最小公倍数(9・8・7=504)と 9、8、7、5の最小公倍数(9・8・7・5=2520)を吟味すれば十分である。
ゆえに、9・8・7・5=*2520* …(答)


解答・その5

(ペンネ−ム:のっこん)

  9=32
  8=23
  7=71
  6=2・3
  5=51
   ・・・

9、8を選べば6の因数としての2と3はそこに吸収されてしまう
よって最大の値は 5・7・8・9=2520


解答・その6

(ペンネ−ム:転位反応)

題意を満たすには、お互いに素であって、かつ、 できるだけ大きな1桁の自然数を選べば良いので
9、8、7、5 の四つとなる。
よって、求める最小公倍数は、
  9×8×7×5=2520


解答・その7

(ペンネ−ム:atsuhiro)

まず最小公倍数の性質から
  (4数の最小公倍数)≦(4数の積)・・・(1) は明らか.
次に4つの相異なる1桁の正の整数の積が最も大きくなる組み合わせは 6,7,8,9であるが、この組の最大公約数7*8*9
2番目に大きくなる組み合わせは5,7,8,9であり、 この組の最小公倍数は5*7*8*9 ( >7*8*9 )
(1)より最小公倍数がこれを超える組み合わせは存在せず、これが最大である。


解答・その8

(ペンネ−ム:ちょろんは太太)

1から9までの正の整数すべてを素因数分解する。
1,2,3,22,5,2・3,7,23,32
これらすべての最小公倍数は、23・32・5・7
この中から4つの整数を選んでその最小公倍数を求めると、この値以下になる。
また、この値は、4つの整数(8, 9, 5, 7)の最小公倍数にもなっている。
従って、これは求める4つの1桁の整数の最小公倍数の最大値でもある。
答え: 23・32・5・7=2520


解答・その9

(ペンネ−ム:浜田 明巳)

一般的に,大きな数を沢山使えば,その最小公倍数は大きくなる.
  1
  2
  3
  4=2
  5
  6=2×3
  7
  8=2
  9=3
であるから,4数の中に8,9を入れれば,それらより2,3の素因数数が少ない2,3,4,6を入れる必要はない.
 故に4数は,5,7,8,9となり,それらの最小公倍数は
  2×3×5×7=2520
である.

 これを下記のエクセルのマクロでチェックしてみると,確かにそうなっている事を確認できる.

Option Explicit
Sub Macro1()
Dim a As Integer
Dim b As Integer
Dim c As Integer
Dim d As Integer
Dim l As Integer
Cells(1, 1).Value = 0
Range("A1").Select
For a = 1 To 9 - 3
For b = a + 1 To 9 - 2
For c = b + 1 To 9 - 1
For d = c + 1 To 9
l = LCM(LCM(a, b), LCM(c, d))
If Cells(1, 1).Value < l Then
Cells(1, 1).Value = l
Cells(1, 2).Value = a
Cells(1, 3).Value = b
Cells(1, 4).Value = c
Cells(1, 5).Value = d
End If
Next d
Next c
Next b
Next a
End Sub
Private Function GCM(ByVal a As Integer, ByVal b As Integer) As Integer
If b = 0 Then
GCM = a
Else
GCM = GCM(b, a Mod b)
End If
End Function
Private Function LCM(ByVal a As Integer, ByVal b As Integer) As Integer
LCM = a * b / GCM(a, b)
End Function


解答・その10

(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん)

各数を素因数分解すると、
  1=1 2=2 3=3 4=22 6=2×3
  5=5 7=7 8=23 9=32
最小公倍数を考えるので、大きい順にみます。
9、8、7までは互いに素なので問題なくリストされます。
次の6ですが、その因数の3も2も既に9と8がもっています。
6をリストしても最小公倍数は大きくなりません。
そこで、リストしてある3つの数と素である5を加えます。
最小公倍数は、9×8×7×5=2520


解答・その11

(ペンネ−ム:Ryu1128)

4つの数の最小公倍数は4つの数の積を、共通の因数で割れば求まります。
4つの相異なる一桁の正の整数のうち、7,8,9は互いに素(注1)
これらに対し互いに素で最大の数は5(素数なので)です
6は、8と9に共通の因数2,3を持ちますので・・。
よって最大の最小公倍数は5*7*8*9=2520・・

因みに他の組み合わせをつくり小さいほうからn1、n2、n3、n4
とした場合n1≦5、n2≦7、n3≦8、n4≦9となることからも明らかです。(左式の不等号の内少なくとも1つは等号を含まない)

注1;
  7:素数
  8=23
  9=32
互いに共通因数を持たない

2桁の数を考えてみました
  95=5*19
  97=素数
  98=2*7*7
  99=3*3*11
上記4数は互いに素です。
96は、98と因数2が共通します
従って2桁の場合の最小公倍数の最大は
  95*97*98*99=89,403,930


解答・その12

(ペンネ−ム:マシャ)

【解答】
5*7*8*9=2520

【過程】
1から9までの数字を指数表示して考えました.
すると, 素因数が2,3,5,7の4つしかないことに気づきました.
4つの相異なる正の整数を選ぶので, この素因数の指数が最大のものを 選べば良いと考えました.
その結果上記のような解答にたどり着きました.


解答・その13

(ペンネ−ム:迷子の雄猫)

2520。
4桁の異なる1桁の整数の積は、最大で6×7×8×9であるので、最大でも3024にしかならない。
しかしこの数字は6,7,8,9の最小公倍数ではないので、6より一つ小さい5に入れ替えた
  5×7×8×9=2520=5×7×23×32
が最大。


解答・その14

(ペンネ−ム:T_Tatekawa)

a と b が互いに素の場合,最小公倍数は ab になる.
1桁の正の整数は,4つの素数(2, 3, 5, 7)を持つ.
これら4つの素数の積は,4つの素数の最小公倍数.
ところで,1つの素数からなる1桁の合成数は
  8=2*2*2
  9=3*3
である.2, 3の代わりに8, 9を選ぶ.つまり
(5, 7, 8, 9) の4つの数の組み合わせを考えても,
これらは互いに素であるので,最小公倍数はこれらの積になる.
  5*7*8*9 = 2520
が1桁の正の整数の最小公倍数として得られる最大値である.
なお,2520は1桁の正の整数全ての最小公倍数でもある.


解答・その15

(ペンネ−ム:AND)

9 8 7 6 5 4 3 2を素因数分解したら、以下の通りとなる。
  32, 23, 7, 2*3, 5, 22, 3, 2
最小公倍数を構成する4つの数を考えると以下のようになり、
  9,8,7,6 --> 23 * 33 * 7
  9,8,7,5 --> 23 * 33 * 5 * 7
  9,8,7,5の組合せが最大の最小公倍数となる


解答・その16

(ペンネ−ム:杖のおじさん)

答え 最大値は2520です。
1桁の正の整数は10以上の素数を持ちません
1,2,3,4,5,6,7,8,9、の中で1桁の因数分解した時、重複する物を除きました。
  1→1
  2→2×1
  3→3×1
  4→2×2
  5→5×1
  6→2×3×1
  7→7×1
  8→2×2×2
  9→3×3
上記により2と3と5と7の指数を取り、それぞれの1桁が10以上の素数を持たないようにするには次のようになります。
結果は2×3×5×7=8×9×5×7=2520です。
従って最大値は2520です。


解答・その17

(ペンネ−ム:三角定規)

2,3,4(=22),5,6(=2・3),7,8(=23),9(=32) の中から選んだ 4 つの数の最小公倍数は,
4数の積が大きいほど,また,4 数の素因数の重複が少ないほど大きくなる。
よって,最小公倍数が最大となるのは,5,7,8(=23),9(=32) を選んだときの 5・7・8・9=2,520 …[答]


解答・その18

(ペンネ−ム:G3)

9×8×7×5=2520
単純に互いに素である数を大きいほうから4つとると9,8,7,5なので。

コメント

単純に大きい方から4つとればよいと考えてしまいがちですが、そうはなりません。
1桁の正の整数1つなら、もちろん9
1桁の正の整数2つなら、9と8、両者の最小公倍数は9×8=72です。
1桁の正の整数3つなら、9と8と7、これらの最小公倍数は、9×8×7=504です。
ところが、1桁の正の整数4つの場合、9と8と7と6 というわけにはいきません。
9と8と7と6の最小公倍数は、やはり、9×8×7=504です。
つまり、最小公倍数を大きくするために、6は貢献できていません。
それは、504=32×23×7と素因数分解をしてみればわかります。
6=2×3 ですから、6の持っている素因数は既に存在しています。

イノベーションを起こして、大きくなるためには、異質なものが必要ということでしょうか?

因みに、T_Tatekawaさんの解答にあるように、これ以上1桁の正の整数の数を増やしても、 素因数の数が増えないので、最小公倍数を大きくすることはできません。

また、hayaさんRyu1128さんが、 2桁の正の整数についても言及してくださいました。


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