問題165 製品検査の問題
ある工場で、1個を売って1000円の利益を得る製品を11個つくりました。
しかし、その中の1個が売ることのできない不良品であることがわかりました。
そこで、次の性質を持つ機械を使って、良品を選んで売ることにしました。
(機械の性質)
(1) 1回に、いくつの製品でも調べることができます。
(2) 1回調べるために、1000円の費用がかかります。
(3) 調べた製品の中に不良品が見つからなかった場合、調べた製品はすべて売ることができ、各1000円の利益が得られます。
(4) 調べた製品の中に不良品が見つかった場合、一緒に調べた製品もすべて不良品となってしまい売ることができなくなります。
たとえば、この機械を使って1個ずつ製品を調べていくと、次のような可能性が考えられます。
<1個ずつ調べていって、最も運のいいとき>
1個めに不良品が見つかる。
→調べるのに1000円かかり、残り10個を売り、各1000円の利益を得る。
1000×10−1000=9000円の利益
<1個ずつ調べていって、最も運の悪いとき>
10個めまで不良品が見つからない。
→最後の1個は、調べなくても不良品だとわかる。
それまでの製品から、各1000円の利益を得るが、調べるのに1回に1000円かかっているので、利益はない。
調べる個数や順序によっていくつかの調べ方が考えられますが、その中で<最も運の悪いとき>に
得られる利益を一番高くするにはどのような調べ方をすればよいでしょうか。
その調べ方と、その場合<最も運の悪いとき>に得られる利益を答えてください。
問題の出典
パズル気分で算数オリンピック
東大算数研究会
講談社
第1回算数オリンピック 決勝問題
答えと解説
解答・その1
(ペンネ−ム:のっこん)
最初にn個、次に(n-1)個、その次に(n-2)個、・・・・・と検査していくことにすれば、
どれに不良品が含まれていても損失は 1000(n+1)円と一定だから、常に 1000(10-n)円が利益となる。
n=5 の時
5個→4個→2個としても、5個→3個→3個としても
最も運が悪い時の利益は 1000・5=5000(円)
n=4 の時
4個→3個→2個→2個とすれば
常に利益は1000・6=6000(円)
n=3 の時
3個→2個→2個としても
3+2+2=7<11 となり不可
よって 4個→3個→2個→2個と検査していく時
最も多い利益(6000円)が得られる
解答・その2
(ペンネ−ム:スモークマン)
最期から2番目に判明=不良品が最期から2番目に入ってる or 最期に入ってることと
同じなので...同じ数で最小の1個にしておけば損失は最小...
同様に...その前の数が不良品でもその後ろの数と等しければ損失最小
つまり...2-(1-1)
その前は...
4-(2-1-1)
その前は...
8-4-2-1-1
だが...全部で11なので...
4-3-2-1-1
4:7-1=6,3:8-2=6,2:9-3=6,1:10-4=6
けっきょく...最悪でも6000円の儲け♪
解答・その3
(ペンネ−ム:オヤジ)
機械で調べる最多個数によって場合分けする。
・最高10個まで調べれば良い。従って10個全て良品の場合は考えないとする。
・不良品が見つかった時の調べた個数を、太字とする。
・左から順番に調べた個数とする。
(T)最多個数1個の場合
1,1,1,1,1,1,1,1,1,1 ・・・利益 0円
(U)最多個数2個の場合
(@)2,2,2,2,1,1 ・・・利益 4000円
(A)2,2,2,2,2 ・・・利益 4000円
etc
(V)最多個数3個の場合
(@)3,3,2,2 ・・・利益 5000円
(A)3,3,3,1 ・・・利益 5000円
etc
(W)最多個数4個の場合
(@)4,4,1,1 ・・・利益 5000円
(A)4,4,2 ・・・利益 5000円
(B)4,3,3 ・・・利益 5000円
(C)4,3,2,1 ・・・利益 6000円
4,3,2,1 ・・・利益 6000円
4,3,2,1 ・・・利益 6000円
4,3,2,1 ・・・利益 6000円
(D)4,2,2,1,1 ・・・利益 5000円
(E)4,2,2,2 ・・・利益 5000円
etc
(X)最多個数5個以上の場合
5,□,etc
6,□,etc
7,□,etc
8,□,etc
9,1 となり、利益が5000円以上には成らないので考える必要がない。
∴ 機械に乗せる個数は、4個→3個→2個→1個の順
得られる利益は、6000円
解答・その4
(ペンネ−ム:迷子の雄猫)
不良品がまだ検出されていず、n個の製品が残っているとき、
最悪の場合でも期待できる利益を p(n) であらわす。
最初に、1個〜11個のうち、いくつを調べるかを考える。
1個だと、良品と解っても利益がない。
よって2個以上一度に調べないと無意味。
また、1個残しても、不良品だった場合利益がない。
よって2個以上残さないと無意味。
p(0)=0
p(1)=0
p(2)=0
p(3)=0 2個調べて不良品だった場合、良品は1個。
p(4)=1000 2個調べれば、結果によらず良品は2個。
p(5)=1000 2個〜3個調べれば、結果によらず良品は2個。
p(6)=2000 2個調べれば、良品のとき利益は1000+p(4)
不良品のとき利益は3000
3個調べれば、良品のとき利益は2000+p(3)
不良品のとき利益は2000
p(7)=3000 2個調べれば、良品のとき利益は1000+p(5)
不良品のとき利益は4000
3個調べれば、良品のとき利益は2000+p(4)
不良品のとき利益は3000
4個以上調べれば、不良品のとき利益は2000以下
p(8)=3000 2個調べれば、良品のとき利益は1000+p(6)
不良品のとき利益は5000
3個調べれば、良品のとき利益は2000+p(5)
不良品のとき利益は4000
4個調べれば、良品のとき利益は3000+p(4)
不良品のとき利益は3000
5個以上調べれば、不良品のとき利益は2000以下
p(9)=4000 2個調べれば、良品のとき利益は1000+p(7)
不良品のとき利益は6000
3個調べれば、良品のとき利益は2000+p(6)
不良品のとき利益は5000
4個調べれば、良品のとき利益は3000+p(5)
不良品のとき利益は4000
5個以上調べれば、不良品のとき利益は3000以下
p(10)=5000 2個調べれば、良品のとき利益は1000+p(8)
不良品のとき利益は7000
3個調べれば、良品のとき利益は2000+p(7)
不良品のとき利益は6000
4個調べれば、良品のとき利益は3000+p(6)
不良品のとき利益は5000
5個以上調べれば、不良品のとき利益は4000以下
p(11)=6000 2個調べれば、良品のとき利益は1000+p(9)
不良品のとき利益は8000
3個調べれば、良品のとき利益は2000+p(8)
不良品のとき利益は7000
4個調べれば、良品のとき利益は3000+p(7)
不良品のとき利益は6000
5個以上調べれば、不良品のとき利益は5000以下
<最も運の悪いとき>に得られる利益は6000円。調べ方は下記のとおり。
11個の製品のうち4個調べる。 不良品の場合、良品が7個出るから利益は6000円。 良品の場合、良品が4個出るから利益は3000円。 残り7個の製品のうち3個調べる。 不良品の場合、良品が4個出るから利益は3000円。 良品の場合、良品が3個出るから利益は2000円。 残り4個の製品のうち2個調べる。 不良品の場合、良品が2個出るから利益は1000円。 良品の場合、良品が2個出るから利益は1000円。 残り2個の製品のうち1個調べる。 不良品の場合、良品が1個出るから利益は0円。 良品の場合、良品が1個出るから利益は0円。
解答・その5
(ペンネ−ム:ykak)
答え 4回目まで次の枚数の通り検査する。
もっとも運の悪いときの利益は6,000円
1回目 4個
2回目 3個
3回目 2個
4回目 1個
考え方
[1] 問題の方法で利益が6,000円になるための条件を考える。
- 1回目の検査で不良品が見つかっても利益が6,000円になるためには、
1回の検査代1,000円を使っても利益が6,000円にならなければならないから、
7,000円の売上げがなければならない。
従って、1回目に検査する製品の個数は4個以下でなければならない。
- 2回目の検査で不良品が見つかっても利益が6,000円になるためには、
2回の検査代2,000円を使っても利益が6,000円にならなければならないから、
8,000円の売上げがなければならない。
従って、2回目に検査する製品の個数は3個以下でなければならない。
- 3回目の検査で不良品が見つかっても利益が6,000円になるためには、
3回の検査代3,000円を使っても利益が6,000円にならなければならないから、
9,000円の売上げがなければならない。
従って、3回目に検査する製品の個数は2個以下でなければならない。
- 4回目の検査で不良品が見つかっても利益が6,000円になるためには、
4回の検査代4,000円を使っても利益が6,000円にならなければならないから、
10,000円の売上げがなければならない。
従って、4回目に検査する製品の個数は1個でなければならない。
- 5回目の検査をすれば、利益を6,000円にすることはできない。
[2] 次に、同様にして利益が7,000円になるための条件を考える。
- 1回目の検査で不良品が見つかっても利益が7,000円になるためには、
1回の検査代1,000円を使っても利益が7,000円にならなければならないから、
8,000円の売上げがなければならない。
従って、1回目に検査する製品の個数は3個以下でなければならない。
- 2回目の検査で不良品が見つかっても利益が7,000円になるためには、
2回の検査代2,000円を使っても利益が7,000円にならなければならないから、
9,000円の売上げがなければならない。
従って、2回目に検査する製品の個数は2個以下でなければならない。
- 3回目の検査で不良品が見つかっても利益が7,000円になるためには、
3回の検査代3,000円を使っても利益が7,000円にならなければならないから、
10,000円の売上げがなければならない。
従って、1回目に検査する製品の個数は1個でなければならない。
- 4回目の検査をすれば、利益を7,000円にすることはできない。
- ところが、上記の条件で3回目までに11個の製品全部を検査することは出来ないから、
結局問題の方法では利益を7,000円にすることはできないことになる。
[3] 従って、得られる利益の最大額は6,000円ということになる。
利益を6,000円にするためには、1の条件に従って決めればよいが、
最後に残ったものは検査をする必要がないから、4回目まで次の枚数を調べればよい。
4回目で不良品が出れば、残っている1個は売れるから、全部で10,000円の売り上げがあり、
利益は6,000円になるし、4回目までの検査で不良品が出ない場合は残りの1個が不良品となり、
どちらにしても利益は6,000円になる。
なお、3回目までの個数を減らす(たとえば1回目の個数を3にするとか、2回目の個数を2にするなど)と、減らした分を5回目に持ってこなければならなくなるが、5回目の個数を1以上にすると、4回目までに不良品が出なかった場合の利益が
6,000円にならなくなるから、答えは次の一通りに決まると思いますが、自信なし。
1回目 4個
2回目 3個
3回目 2個
4回目 1個
解答・その6
(ペンネ−ム:杖のおじさん)
4個→3個→2個→1個の順に検査します。
何回目の検査で不良品が見つかってもそれまでの検査費用を引くと6000円の利益になります。
1のパターンは
1回目で不良品が見つかったので残りの検査は必要ありません。
従って、11000−1000円(検査費用)―4000円(売れない製品)=6000円(利益)
2パターンは2回目に見つかったので11000円―2000円(検査費用)
―3000円(売れない製品)=6000円(利益)
3パターンは3回目に見つかったので11000円―3000円(検査費用)−2000円(売れない製品)=6000円(利益)
4パターンは4回目に見つかったので11000円―4000円(検査費用)−1000円(売れない製品)=6000円(利益)
4パターンまでに不良品が見つからない場合は歳以後の製品が不良品です。
その場合は、11000円―4000円(検査費用)−1000円(売れない製品)=
6000円(利益)となります。
解答・その7
(ペンネ−ム:転位反応)
得られる利益を高めるためには検査回数を減らす必要があり、11個の製品を複数のグループに分けて検査する。
検査段階では、検査対象グループと非検査対象グループに、常に二分されることを考えると、以下のようなフローで
製品検査の工程を表すことができる。
なお、不良品が見つかった場合の利益損失を抑えるために、より少ない製品数のグループの検査が有利である。
最終の検査工程から逆算して、より少ない製品数のグループを検査する工程を組むとケースTが考えられるが、
最大、5回の検査を必要とし、これ以上検査回数を減らすことはできない。
各工程で不良品が発見された場合の利益を併記しているが、最も運が悪いときに得られる利益は5000円である。
このケースの他に、途中工程において製品数の組合せがいくつか考えられるが、結論は変わらない。
次に、検査対象の製品数を非検査対象の製品数と同数まで含めて考え、検査回数を最大でも4回に減らすと、 ケースU、V、W、Xが考えられる。
よって、題意を満たす検査方法はケースV。その時の利益は6000円である。
解答・その8
(ペンネ−ム:haya)
最善の検査方法は、
4 → 3 → 2 → 1
と抜き出して検査すること。 これだと最悪でも \6,000 の利益となる。
【解き方】
試しに何個か計算して、
1.. 試験回数を減らせば試験経費を下げられるから一回の検査個数を増やす
2.. 検査個数を増やすと High Return だけど High Risk になる
3.. 大きい検査個数を先に実行する
と良さそうと見える。 適当な中間的な個数に分解して検査した時に最大利益が予想され、就中、
4 → 3 → 2 → 1
が最も有力そうでした。
10個の良否が分かれば残りの1個の良否は自明ですから、
和が10となる整数の組のパターンを降順に網羅して表に纏めたものが下図です。
左側の罫線に囲まれた検査個数のパターンに対して、右側の数値は左側の同位置で不良が判明した時の金額です。
右側の枠外にある数値は最後の11個目が不良だった場合の金額です。
一番左のMin列にその行の金額の最小値を表示させましたが、これで 4 → 3 → 2
→ 1 と抜き取って検査するのがベストで、最悪でも \6,000 だと分かります。
念のため Excel のマクロで、降順の並びを無視して、洗い浚い全 512 組の抜き出し方をチェックしましたが、結果は同じでした。
解答・その9
(ペンネ−ム:MVH)
結論から述べると、
「1回目4個、2回目3個、3回目2個、4回目1個の順で調べると、
〈最も運の悪いとき〉でも6000円の利益が得られる」
7000円の利益を得ることが出来ないことを示そう。
b 回目の検査で a 個の製品を調べるとするとき、〈最も運の悪いとき〉でも7000円の利益が得られるためには、正の整数の組 (a,b) は次を満たす必要がある。
(11-a)×1000-b×1000 ≧ 7000
⇔ a+b ≦ 4
⇔ (a,b) = (1,1) , (2,1) , (3,1) , (1,2) , (2,2) , (1,3)
各 b = 1,2,3 に対する a の最大値の和は、 3+2+1=6 で 11-1=10 未満である。これは、どのような調べ方をしても(7000円を得るよう最善を尽くしても)、調べられない製品が残ることを表している。
よって、「〈最も運の悪いとき〉でも7000円の利益が得られるような調べ方」は存在しない。
ところで、1回目4個、2回目3個、3回目2個、4回目1個の順で調べると、
〈最も運の悪いとき〉でも6000円の利益が得られる(容易に確かめられる)。
従って、冒頭の結論を得る。
解答・その10
(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん)
T < 最も 運が悪いとき>を「その調べ方で、利益が一番少ないとき」と考えることにします。
例えば、1個ずつ製品を調べる場合<最も運が悪いとき>は、
「10回目に不良品が見つかるとき、または10回目までで不良品が見つからないとき」です。
発見回数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 見つからない |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
利益 | 9,000 | 8,000 | 7,000 | 6,000 | 5,000 | 4,000 | 3,000 | 2,000 | 1,000 | 0 | 0 |
・検査の費用がかさむので、「検査の回数が多いとき」が<運が悪いとき>といえます。
・複数個の製品を調べる場合は、売れない製品が多くなるので「最大の個数の検査のときに不良品が見つかるとき」が<運が悪いとき>といえます。
U 次に具体的な検査方法を考えていきます。
(1)製品を調べるとき、最後に1個残すように計画するのが良い。
検査をするのは、まだ不良品が発見されていないからです。
残り製品の中に必ず不良品があります。
だから、最後に残った製品全部を検査すると、その全部が売れなくなってしまいます。
そこで、計画は、最後に1個残して検査するのが良いことになります。(次の例で確認できます)
・残さないとき
発見回数 | 1 | 2 | 3 |
---|---|---|---|
検査個数 | 5 | 3 | 3 |
利益 | 5,000 | 6,000 | 5,000 |
・1個残すとき
発見回数 | 1 | 2 | 3 | 見つからない |
---|---|---|---|---|
検査個数 | 5 | 3 | 2 | |
利益 | 5,000 | 6,000 | 6,000 | 7,000 |
(2)製品を調べるとき、検査の個数が1個ずつ減るように計画するのが良い。
検査の回数が1回増えごとに1,000円費用がかかります。
1,000円は製品1個分の利益です。
だから、回数が進むにつれて、検査の個数が1個ずつ減るようにしておくと、どの回数で不良品が見つかっても利益に差がなくなります。
V この問題では、<最も運の悪いとき>の利益を一番高くすることを考えています。
だから、検査の計画は、回数が進むとき検査の個数が前回より多くはならないようにします。
例えば、検査の回数4の計画例を見てみます。
4回の例を考えるのは、検査の個数が1個ずつ減っていくように(4、3、2、1)計画できるからです。
次の表でNo6は不良品が発見される回数にかかわらず利益が一定であることが分かります。
また、この表から分かることで面白いのは、利益の期待値はNo9のときが最大だということです。
No | 検査の個数 | 不良品が含まれる回数ごとの利益 | 利益の期待値 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 残り不良品 | ||
1 | 7 | 1 | 1 | 1 | 3,000 | 8,000 | 7,000 | 6,000 | 6,000 | 4364 |
2 | 6 | 2 | 1 | 1 | 4,000 | 7,000 | 7,000 | 6,000 | 6,000 | 5182 |
3 | 5 | 3 | 1 | 1 | 5,000 | 6,000 | 7,000 | 6,000 | 6,000 | 5636 |
4 | 5 | 2 | 2 | 1 | 5,000 | 7,000 | 6,000 | 6,000 | 6,000 | 5727 |
5 | 4 | 4 | 1 | 1 | 6,000 | 5,000 | 7,000 | 6,000 | 6,000 | 5727 |
6 | 4 | 3 | 2 | 1 | 6,000 | 6,000 | 6,000 | 6,000 | 6,000 | 6000 |
7 | 4 | 2 | 2 | 2 | 6,000 | 7,000 | 6,000 | 5,000 | 6,000 | 6000 |
8 | 3 | 3 | 3 | 1 | 7,000 | 6,000 | 5,000 | 6,000 | 6,000 | 6000 |
9 | 3 | 3 | 2 | 2 | 7,000 | 6,000 | 6,000 | 5,000 | 6,000 | 6091 |
W VのNo6の調べ方が<最も運が悪いとき>の利益が一番高いときであることの確認をします。
6,000円が目安になります。
そのために、<最も運が悪いとき>の利益は、任意のときの利益以下になること
を踏まえておきます。
(考えやすいときの利益を考えれば、その値で<最も運が悪いとき>の利益を押さえられます)
(1)検査の回数が5回以上の計画では、<最も運が悪いとき>の利益は5,000円を超えません。
5回目に1個の検査をして不良品が見つかったとすると、10,000−5×1,000=5,000になるからです。
だから、検査が5回以上の調べ方は省けます。
(2)一度に4個以上を検査する方法では<最も運が悪いとき>の利益が6,000円を超えません。
1回目に4個の検査をして不良品が見つかったとすると、7,000−1,000=6,000です。
だから、1回目の検査の個数は4個以下にする必要があります。
これは2回目に換算すると3個以下、3回目に換算すると2個以下、4回目に換算すると1個以下になります。(もし2回目に4個の検査をして不良品が見つかると、7,000−2×1,000=5,000)
このことから、検査の回数が3回以下の計画を省くことができます。
なぜなら、なるべく小さな3つの整数で和を10にすると、4+3+3 =10です。
3回の計画では、{4,3,3}をどう並べてもどこかが上の換算値以内におさまりません。
以上から4回の検査が残ります。
4回の検査で回が進むにつれて個数が増えない調べ方はVの表でつくされています。
以上から、4個、3個、2個、1個の順に調べていくのが<最も運が悪いとき>の利益が一番高くなるやり方で、その利益は6,000円です。
解答・その11
(ペンネ−ム:teki)
1回目:4個、2回目:3個、3回目:2個、4回目:1個を検査する。
この場合の最悪ケース(最悪と呼ぶべきケースはありませんが)に得られる利益は6,000円。
<考え方>
最悪ケースを想定する場合、リスクをできる限り平準化する必要があります。
この場合のリスクは、「検査回数+不良品が見つかったときの検査個数」ですので
これをできるだけ一定に保つような検査方法を考えました。
さらに、利益が最悪の場合でも7,000円となるようにするには、最初の検査個数を3個以下、2回目を
2個以下・・・・・にする必要があり、これだと、6個で行き詰まってしまいます。(つまり個数が7個以下なら
できますが)
一般的には、検査回数をn回とすると、Σn+1個の製品がある場合、このような検査方法が1通りに
決まりますね。(それ以外の場合は、複数通りの検査方法があります。)
正解者
スモークマン | teki | 夜ふかしのつらいおじさん |
迷子の雄猫 | のっこん | haya |
ykak | 転位反応 | 杖のおじさん |
MVH | オヤジ |
コメント
今回は、お寄せいただいた解答が少なかったのですが、
難しかったでしょうか。
4個、3個、2個、1個とみていくのが合理的ですが、
この場合、最後の1個は確認する必要がありませんね。
のっこんさんの解答は、4個、3個、2個、2個とありますが、
この場合も最後の2個の手前まで不良品が出ない場合、残り2個の中に必ず不良品があるわけで、
それは確認する必要はなく、この場合も、6,000円の利益が保証されます。
たけしのコマ大数学科の
制作担当者から、問い合わせがありました。
この問題が取り上げられるかもしれません!!
→ 12月13日25時10分から、放送されたとのことですが、残念、見逃してしまいました。