問題157 2010年の問題
次の式のA、B、C、Dはそれぞれのけたの数字を表し、
同じ文字は同じ数字を表します。
ABCD−ABC−AB−A=2010
4けたの整数ABCDを求めてください。
問題の出典
算数オリンピックに挑戦
算数オリンピック委員会編
講談社ブルーバックス
2004年トライアル問題 改題
答えと解説
解答・その1
(ペンネ−ム:浜田 明巳)
通常覆面算では,異なる文字には異なる数値を入れるのですが,それだと求められませんでしたので,
その条件を取り払い解いてみました.
答は2259,2260の2個です.エクセルのマクロです.
Option Explicit 'ABCD-ABC-AB-A=2010 '→ 2010 ' A ' AB '+ ABC '------- ' ABCD Sub Macro1() 'A〜Dが互いに異なる場合 Sheets("Sheet1").Select Cells(1, 1).Value = 0 '解の個数 Dim A As Integer Dim B As Integer Dim C As Integer Dim D As Integer Dim kuriagari(3) As Integer Dim gyou As Integer For A = 1 To 9 For B = 0 To 9 If A <> B Then For C = 0 To 9 If A <> C And B <> C Then D = (0 + A + B + C) Mod 10 If A <> D And B <> D And C <> D Then kuriagari(1) = (0 + A + B + C) \ 10 If (1 + A + B + kuriagari(1)) Mod 10 = C Then kuriagari(2) = (1 + A + B + kuriagari(1)) \ 10 If (0 + A + kuriagari(2)) Mod 10 = B Then kuriagari(3) = (0 + A + kuriagari(2)) \ 10 If 2 + kuriagari(3) = A Then Cells(1, 1).Value = Cells(1, 1).Value + 1 gyou = Cells(1, 1).Value * 6 - 5 Cells(gyou, 2).Value = A * 1000 + B * 100 + C * 10 + D Cells(gyou + 1, 2).Value = -(A * 100 + B * 10 + C) Cells(gyou + 2, 2).Value = -(A * 10 + B) Cells(gyou + 3, 2).Value = -A Cells(gyou + 4, 2).Value = 2010 End If End If End If End If End If Next C End If Next B Next A End Sub Sub Macro2() Sheets("Sheet1").Select Cells(1, 1).Value = 0 '解の個数 Dim A As Integer Dim B As Integer Dim C As Integer Dim D As Integer Dim kuriagari(3) As Integer Dim gyou As Integer For A = 1 To 9 For B = 0 To 9 For C = 0 To 9 D = (0 + A + B + C) Mod 10 kuriagari(1) = (0 + A + B + C) \ 10 If (1 + A + B + kuriagari(1)) Mod 10 = C Then kuriagari(2) = (1 + A + B + kuriagari(1)) \ 10 If (0 + A + kuriagari(2)) Mod 10 = B Then kuriagari(3) = (0 + A + kuriagari(2)) \ 10 If 2 + kuriagari(3) = A Then Cells(1, 1).Value = Cells(1, 1).Value + 1 gyou = Cells(1, 1).Value * 6 - 5 Cells(gyou, 2).Value = A * 1000 + B * 100 + C * 10 + D Cells(gyou + 1, 2).Value = -(A * 100 + B * 10 + C) Cells(gyou + 2, 2).Value = -(A * 10 + B) Cells(gyou + 3, 2).Value = -A Cells(gyou + 4, 2).Value = 2010 End If End If End If Next C Next B Next A End Sub
解答・その2
(ペンネ−ム:Yamaちゃん)
与えられた等式は次の式と同値です。
したがって、A=2、B=A=2、C=1+A+B=1+2+2=5、
D=A+B+C=2+2+5=9.
問題の条件には「同じ文字は同じ数字」だけなので、もしA=Bを許容すれば、
答え 2259-225-22-2=2010
しかし、「異なる文字は異なる数字」だとすると、このときは解なし。
解答・その3
(ペンネ−ム:杖のおじさん)
答え ABCD=2259 又は ABCD=2260 の2つです。
A=2 B=A
C=A+B+1=5 又は C=A+B+2=6 の2通りあります。
1の位が0になるDを求めます。
C=5 の時 D―2―2―5=0 D=9です。
C=6 の時 D―2―2―6=0 D=10なので1位から引けませんので10の位のCから1を引きます。そうするとC=6−1=5 となり 1位は10−10=0となり D=0と決定されます。
解答・その4
(ペンネ−ム:teki)
<解答> 2259と2260
- 各桁に繰り下がりが生じていないと仮定すると、
A=2
B=A
C=A+B+1
D=A+B+C
これを解いて、(A,B,C,D)=(2,2,5,9)
- 十の位に繰り下がりがあると仮定すると、
A=2
B=A
C=A+B+2
D=A+B+C−10
これを解いて (A,B,C,D)=(2,2,6,0)
- 百の位に繰り下がりがあると仮定すると、
A=2
B=A+1
C=A+B−9
よって解なし。
- 最上位に繰り下がりがあると仮定すると、
A=3
B=A−10
よって解なし。
- 最上位及び百の位に繰り下がりがあると仮定すると、
A=3
B=A−9
よって解なし。
解答・その5
(ペンネ−ム:巷の夢)
題意よりA=2ないし3であることが分かる。これよりB≧Aである。
そこでB=2とすると、Cは5ないし6である。
そこでC=5とすると、D=A+B+CよりD=9となる。
ところで、C=6とすると、D=A+B+CよりD=0となる。
次にB=3とすると、C=0という最小数でも引き算計算した結果の10の位は1にはならない。
又、A=3とすると引き算計算した結果の100の位は0にはならない。
以上のことから求める4桁の整数ABCDは2259と2260である。
解答・その6
(ペンネ−ム:スモークマン)
ABCD-ABC-AB-A=2010
A(1000-100-10-1)+B(100-10-1)+C(10-1)+D=2010
D-A-B-C=0
C-A-B=1 or 2
B-A=0 or 1
A=2
2259
2260
236*
237*
後者2個は...それを満たす D >10 はないので...上二つが答えでいいのかな?
解答・その7
(ペンネ−ム:マオ)
解答:2259,2260
求める4桁の整数ABCDにおいて,
A,B,C,D∈Z , 1≦A≦9 , 0≦B,C,D≦9
条件より
(1000A+100B+10C+D)-(100A+10B+C)-(10A+B)-A=2010
変形して
889A+89B+9C+D=2010
A=1のとき
889+89B+9C+D=2010 より
これを満たすB,C,Dの値は存在しない。
A≧3のときも同様。よってA=2
A=2のとき
1778+89B+9C+D=2010
89B+9C+D= 232
B=1のとき
89+9C+D=232 より
これを満たすC,Dの値は存在しない。
B≧3のときも同様。よってB=2
B=2のとき
178+9C+D=232
9C+D=54
これを満たすのはC=6,D=0 または C=5,D=9
これより
A=2,B=2,C=6,D=0 または A=2,B=2,C=5,D=9
よって 2260と2259。
解答・その8
(ペンネ−ム:RYU1128)
式を整理すると
889A+89B+9C+D=2010=2000+000+10+0
各項に対応させて
2000−889A=0
A=2 あまり222
222+0-89B=0
B=2 あまり44
0+44-9C=0
C=6 あまり0
D=0
故にABCD=2260
ただしC=5 あまり9
D=9
ABCD=2259
という解もあり、この不定方程式には2通りの解がある。
どちらも正解と思うが第一の解の方が剰余の概念からするとスマートと思う。
尚、数学は完全な厳密性を保つことによる美を追求する学問であることから、スマー
トさだけでは意味を持たない。したがって二通りの解を持って正解とするのが正しい
というのが結論。
この種の問題にはより一般性を持たせたアルゴリズムがあるように記憶するがもうジ
ジイなので忘れてしまった・・・・。
(題意からAは1から9までの整数B,C,Dは0から9までの整数と勝手に解釈しま
した。各々1文字とは書いてはいませんでしたが)
解答・その9
(ペンネ−ム:namiusagi)
(1000-100-10-1)A-(100-10-1)B-(10-1)C-D=889A+89B+9C+D=2010
なので、Aに2をいれて(1だとBが2桁になってしまうので不可)、
1778+89B+9C+D=2010で、89B+9C+D=232.
これにBに2を入れて、
178+9C+D=232で、9C+D=54.
これにCに6を入れればDは0で、5を入れれば9になる。
よってA=2,B=2,C=6,D=0又はA=2,B=2,C=5,D=9で、2260および2059が求める4桁の整数となる。
解答・その10
(ペンネ−ム:falcon@中学教師)
<答え>
2260 と 2259
<考え方>
まず、
ABCD−ABC−AB−A=2010
という与式の形から、千の位に着目すると「Aは2か3」とわかる。
次に、与式を変形して
889A+89B+9C+D=2010
とすると、A=3は不適と分かり、A=2と決まる。
次にA=2を代入して整理すると
89B+9C+D=232
という式がえられ、Bの可能性は0,1,2と容易に絞られる。
代入して確かめると、B=0,1は不適と分かり、B=2と決まる。
さらにB=2を代入して整理すると
9C+D=54
という式がえられ、これを満たすCとDの組は(C,D)=(6,0),(5,9)のみ。
したがって、与式を満たす4けたの整数ABCDは2260と2259である。
解答・その11
(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん)
ABCD−ABC−AB−A
=A000+B00+C0+D−AAA−BB−C
=A×(1000−111)+B×(100−11)+C×(10−1)+D
=889A+89B+9C+D
と変形できます。
一方2010は、
2010
=889×2+232
=889×2+89×2+54
=889×2+89×2+9×5+9
または、
=889×2+89×2+9×6+0
と変形できるので、
A=2、B=2、C=5、D=9
または、
A=2、B=2、C=6、D=0です。
この問題はA=Bとなってちょっと惜しい気がします。
あと36年我慢して、2046年だとABCDがすべて異なります。
解答・その12
(ペンネ−ム:オヤジ)
求める 4桁の自然数をABCD=とすると、
与式は、下記の様になる
[ ]:Gauss記号とすると
・・・(T)
ここで、 と(T)より
ここで (T)式は、単調非減少(単調増加ではない)であるから
∴ 2259 と2260
∵ 2260−226−22−2=2010
2259−225−22−2=2010
2258−225−22−2=2009
解答・その13
(ペンネ−ム:再出発)
(解)
2010 + ABC + AB + A −−−−− ABCD
繰り上がりを考えると明らかに
A=2
このときB=2、3ですが
B=2のときは成り立ちますが、
B=3のとき
5≦5+C≦14より
1+3+2+(5+C)¥10≦7
なので
A=B
となり、成り立ちません。
ここまでで
A=B=2となり
2010 + 22C + 22 + 2 −−−−− 22CD
ここで、4≦4+C≦13より
5+(4+C)¥10=C
から、
C=5、6
C=5のときD=9
C=6のときD=0
したがって求める4桁の自然数は
2259、2260・・・(答)
解答・その14
(ペンネ−ム:迷子の雄猫)
ABCD−ABC−AB−A=2010
移項して足し算にすると、
ABCD=2010+ABC+AB+A
2010に3桁の数を加えるのだから答えは4000未満。
よってAは2か3。
2010に400未満の数を加えるのだから答えは3000未満。
よってAは2。代入して
2BCD=2010+2BC+2B+2
整理して
BCD=232+BC+B
232に2桁の数を加えるのだから答えは400未満。
よってBは2か3。
232に40未満の数を加えるのだから答えは300未満。
よってBは2。代入して整理して
CD=54+C
54に1桁の数を加えるのだから答えは70未満。
よってCは5か6。
Cは5とするとD=9
Cは6とするとD=0
よって、A,B,C,Dは順に2,2,5,9 または2,2,6,0
元の式 ABCD−ABC−AB−A=2010 に代入すると
2259-225-22-2=2010
2260-226-22-2=2010
よってどちらも題意を満たす。
答:A,B,C,Dは順に2,2,5,9 または2,2,6,0
解答・その15
(ペンネ−ム:T_Tatekawa)
ABCD-ABC-AB-A = 2010
左辺を少し書き換えると
889*A + 89*B + 9*C + D = 2010
となります.まず,A, B, C, D は0以上9以下なので,
A=2
しかありません.それ以外では式を満たしません.
89*B + 9*C + D =232
では,
B=2
しかありません.それ以外では式を満たしません.
9*C + D = 54
ここは2通りあります.
C=6, D=0
C=5, D=9
よって4桁の整数は 2259, 2260 の2つです.
解答・その16
(ペンネ−ム:のっこん)
ABCD=2010+ABC+AB+A
- A≧2だからA=2とする
2BCD=2010+2BC+2B+2 ・・・(1) 違和感なし
A=3とする
3BCD=2010+3BC+3B+3 右辺の和の千の位は2になるので不適
A≧4の時も同様にして不適 よってA=2
- (1)においてB≧2だからB=2とする
22CD=2010+22C+22+2 ・・・(2) 違和感なし
B=3とする
23CD=2010+23C+23+2 右辺の和の百の位は2になるので不適
B≧4の時も同様にして不適 よってB=2
- (2)においてC≧5だからC=5とする
225D= 2010+225+22+2 これはD=9の時成立
C=6とする
226D=2010+226+22+2 これはD=0の時成立
C=7とする
227D=2010+227+22+2 右辺の和の十の位は6になるので不適
C≧8の時も同様にして不適
よってABCD=2259または2260
解答・その17
(ペンネ−ム:三角定規)
題意より ABCD=2010+ABC+AB+A …(1)
(1)の 1000 の位を比較して A=2,このとき 2BCD=2010+2BC+2B+2
∴ BCD=232+BC+B …(2)
(2)の 100 の位を比較して B=2,2CD=232+2C+2 ∴ CD=54+C …(3)
(3)を満たす C,D は,C=5,D=9 および C=6,D=0。
以上より ABCD=2259,2260 …[答]
解答・その18
(ペンネ−ム:バルタン星人)
答え
2259,2260
考え方:判りやすいように足し算に変形します。
2010 ABC AB + A −−−−− ABCD
Aは2または3だが繰り上がりは無いのでA=2
Bも繰り上がらないので2
Cは5または6,この時、Dは9または0となり、
2259と2260どちらでも満足する。
虫食い算として考えれば簡単です。
解答・その19
(ペンネ−ム:長崎島原かがみ)
問題の式を変形するとABCD=2010+ABC+AB+A・・・(1)
(1)は、A=1の場合は、左辺<右辺となり不適。
また、A≧3の場合は、左辺>右辺となり不適。
したがって、A=2である。
このとき、(1)は2BCD=2010+2BC+2B+2
これを、
2000+100B+10C+D=2010+200+10B+C+20+B+2
と書くと
2000+100B+10C+D=2232+11B+C
よって、89B+9C+D=232・・・(2)
(2)おいて、B≦1とB≧3は不適だから、B=2である。
(2)より、178+9C+D=232 となるので、9C+D=54・・・(3)
(3)を満たすのは、C=5、D=9またはC=6、D=0の場合のみである。
したがって、求める整数は2259または2260である。
(答え)2259または2260
解答・その20
(ペンネ−ム:転位反応)
ABCD−ABC−AB−A=2010 を変形して
2010+ABC+AB+A=ABCD
とし、
更に筆算形式で記述すると、以下の通り。
4桁の整数ABCDについては、A=2または3の可能性が
考えられるが、百位から千位への繰り上がりが無いので
A=3ではない。よって、A=2
同様に、
4桁の整数2BCDについては、B=2または3の可能性が
考えられるが、十位から百位への繰り上がりが無いので
B=3ではない。よって、B=2
4桁の整数22CDについては、C=5または6の可能性が
考えられる。
C=5のとき、D=9
C=6のとき、D=0
以上の結果から、
4桁の整数は、2259、または2260
正解者
のっこん | スモークマン | 転位反応 |
teki | バルタン星人 | namiusagi |
迷子の雄猫 | falcon@中学教師 | 巷の夢 |
再出発 | 浜田 明巳 | 夜ふかしのつらいおじさん |
マオ | T_Tatekawa | オヤジ |
RYU1128 | 長崎島原かがみ | Yamaちゃん |
杖のおじさん | 三角定規 |
コメント
違う文字に対して同じ数をあてはめてよいかという質問をお受けしました。
今回の問題では、特に制限はありませんので、かまいません。
0から9の数字がそれぞれに対応する別の記号に置き換えられた計算式を与えられ、どの記号が何の数字に対応しているかを推理し、完全な計算式を導き出すものを覆面算と言います。
同じ文字のところには同じ数が、違う文字のところには違う数があてはまり、
一番上の桁は0を除外します。例えば、次にようなものです。挑戦してみてください。
BASE + BALL −−−−−−−− GAMES
今回の問題も出題は引き算の形になっていますが、多くの方が足し算の形に変形してくださいました。 確かに、引き算より足し算の方が考えやすいですね。(プラス思考でいきましょう!)