問題155 拡大コピーの問題
101% から 1% ごとに 199% まで拡大できるコピー機があります。
このコピー機を2回使ってある原稿をちょうど 200% に拡大する方法を求めてください。
問題の出典
算数オリンピックに挑戦
算数オリンピック委員会編
講談社ブルーバックス
2005年トライヤル問題
答えと解説
解答・その1
(ペンネ−ム:杖のおじさん)
答えは 1回目 125%→2回目 160%→200% 又は
1回目 160%→2回目 125%→200% です。
A/100*B/100=200/100の条件を充たすA,B(整数)を
CASIO FX−870P、FX−890P で プログラムを作り計算しました。
30行〜80行のプログラムにより
(199−101+1)×(199−101+1)=99×99=9801回
のループにより計算し答えを出しました。4分40秒(280秒)なので1秒間、
約35回計算していることになります。プログラムは次の通りです。
10.DIM D(2),E(2) 20.PRINT“KAKUDAI”:F=1 30.IF INKEY$=“”THEN 30 40.FOR A=101 TO 199 50.FOR B=101 TO 199 60.C=A*B 70.IF C=20000 THEN D(F)=A:E(F)=B:F=F+1 80.NEXT B 90.NEXT A 100.BEEP 1 110.FOR G=1 TO F−1 120.PRINT“A”;G;“=”;D(G);“% & B”;G;“=”;E(G);“%” 130.NEXT G 140.IF INKEY$=“” THEN 140 150.CLS:GOTO 20
プログラムの説明
10行のD(2)、E(2)は答えが2個あることが分かりましたので変数を(2)としました。
20行でKAKUDAIと表示されたらEXEキーを押します。
100行のBEEP音が鳴り120行で次のようにディスプレイに答えが表示されます。
A(1)=125% & B(1)=160%
A(2)=160% & B(2)=125%
その間280秒です。エクセル等で作るユーザーフォームのVisual Basicなら瞬間に
答えが出ます。
解答・その2
(ペンネ−ム:浜田 明巳)
エクセルのマクロで解きました。複数組の答が出て来ても対応出来るようにしてあります。
125%と160%でコピーすればいいです。
同じ拡大率とすると、調和平均のいい例となります。つまり、100√2%≒141%ですね。
Option Explicit Sub Macro1() Sheets("Sheet1").Select Cells(1, 1).Value = 0 Dim n1 As Long Dim n2 As Long For n1 = 101 To 199 For n2 = n1 To 199 If n1 * n2 = 20000 Then Cells(1, 1).Value = Cells(1, 1).Value + 1 Cells(Cells(1, 1).Value, 2).Value = n1 Cells(Cells(1, 1).Value, 3).Value = n2 End If Next n2 Next n1 End Sub
解答・その3
(ペンネ−ム:真夏のサンタ)
125パーセント×160パーセント=200パーセント です。
200=16×12.5にしてから16と12.5を10で割るのがわかりやすいと思いました。
解答・その4
(ペンネ−ム:オヤジ)
0.01≦ ,≦0.99
≦
但し, は0.01刻み ・・・(1)
より
また (1)より ≧
ここで, とすると
∴ 125% と 160% の2回
解答・その5
(ペンネ−ム:namiusagi)
一回目の拡大率をX(1.01〜1.99)とし、二回目の拡大率をYとして、
Y=2÷Xの商が小数点2桁迄で割切れればそれが答となる。
拡大率(X、Y)の小数点以下2桁目のどちらかが0か5なのでX=(21〜39)/20=m/20、Y=(21〜39)=n/20として、
XY=mn/400=2で、mn=800となり、800の約数のうち21から39の間にあるのは32,25の2個で夫々がmとnになる。
X=25/20=1.25、Y=32/20=1.6もしくはX=1.6、Y=1.25
故に一回目の拡大を125%、二回目を160%にするか、逆に一回目の拡大を160%、二回目を125%にすれば良い。
解答・その6
(ペンネ−ム:のっこん)
20000=25・54
よって20000の約数の個数は6・5=30(個)
小さい方から数えて15番目までを並べると
1、2、4、5、8、10、16、20、25、32、40、50、80、100、125
題意より 20000=125・160
(答)1回目・・・125%、2回目・・・160% (あるいはその逆)
いい問題ですね!感心しました。
解答・その7
(ペンネ−ム:haya)
【解答】
125% x 160% です。
【解き方】
m x n = 20000 となるような 101 〜 199 の間の 2 つの整数 m, n を求める。
ところで、20000 = 25 * 54 であり約数は30個あって昇順に並べると、
1 2 4 5 8 10 16 20 25 32 40 50 80 100 125 160 200 250 400 500 625 800 1000 1250 2000 2500 4000 5000 10000 20000
となり、101 〜 199 の間にあるものは、125 と 160 の 2 個。 これが、
125 * 160 = 20000 と題意を満たしている。
解答・その8
(ペンネ−ム:SOU)
a*b=20000 なる a,b を求める。
a 即ち 20000/b が整数であることから b は 20000 の約数。
そのような b に対応する a とで組を作ると、
条件を満たすものは 53 と 5*25 という組み合わせのみ。
即ち、125% と 160% という組み合わせのみが答で、他には存在しない。
解答・その9
(ペンネ−ム:スモークマン)
一瞬可能なんだろか・・・?って思いましたが...勘で、125*160=20000 になるんだ
と思い計算してみました・・・
(1+a/100)(1+b/100)=2
(100+a)(100+b)=20000
20000=25*54
これを100台の3桁同士の積にすればいいので...
53=125,25*5=160
52 だけだと、22*52=100,
23*52=200 になってしまうので...ない。
54=625>200
けっきょく...一意に決まるんですね ^^
125%と160%を使えばいいわけですね(順番はどちらでもよい)♪
解答・その10
(ペンネ−ム:迷子の雄猫)
掛け算して分母が10,000、分子が20,000だから20,000を素因数分解して・・
199を超えない2つの整数に戻せばいいので、
20000
=5*10*5*10*2*2*2
=5*5*5*5*2*2*2*2*2
=25*5*5*2*2*2*2*2
=125*5*2*2*2*2*2
=125*10*2*2*2*2
=125*160
答:125%と160%
解答・その11
(ペンネ−ム:マオ)
解答:160%でコピーした後、125%でコピーする(又はその逆)。
1回目のコピーの倍率をx % , 2回目の倍率をy % とする。
1 × x/100 × y/100 = 2
より、xy = 20000
右辺を因数分解して、
xy = 25 × 54
101 ≦ x ≦ 199、101 ≦ y ≦ 199
より、x>yのとき
x=25 × 5 = 160、y=53 = 125
これより、160%でコピーした後、125%でコピー(又はその逆)すれば、
2回のコピーで200%にできる。
解答・その12
(ペンネ−ム:再出発)
20000=25*54
101以上199以下の積に変形して
20000=125*160
ということで、
125%と160%をつかう。・・・(答)
解答・その13
(ペンネ−ム:バルタン星人)
答え
125%と160%(逆順とあわせ2通り)
考え方
要は掛けて101〜199の2数をかけて20000にすれば良い。
まずは素因数分解。25×54
5の4乗は625なので、5の部分は25と25あるいは5と125
25の場合は4倍で100,8倍で200となるので不適。
ゆえに唯一解は、125と160(=5×32)
解答・その14
(ペンネ−ム:長崎島原 かがみ)
200%を20000と考える。
例えば 120%×160%=19200と考える。
このとき、題意を満たすには、20000になればよい。
20000=25×54 だから
25の約数と54の約数の組合せを考えて、
{1,21,22,23,24,25}と{1,51,52,53,54}の要素の掛け合わせの中で、20000になるのは
53 ×(25×5)の組合せだけである。
すなわち、125×160=20000
したがって、125%と160%(順不同)の拡大コピーを1回ずつすればよい。
【答】 125%と160%
解答・その15
(ペンネ−ム:カリオカ)
125%×160% で 200%です。
a/100×b/100=2=20000/10000なので、101≦a,b≦199で積が20000になる20000の約数
a,bの組合わせを求めればよい。
20000=25×54であることから該当するものを探
すと53×(5×25)即ち125×160がこれに当てはまる。
解答・その16
(ペンネ−ム:AND)
まず、問題を以下のような同等の問題に置き換えて考えてみました。
【問題155と同等の問題】
100より大きく200未満の整数、XとYとの積が20,000となるXとYの組合せを全て求めよ。
◆解法
まず、20,000を素因数分解してみました。
20,000=25 * 54 = 32 * 625
32は100より小さく、625は200より大きいため、
32*5 と 625÷5 を試すと、160と125となり、
条件にあうことが分かる。
次に、160と125を基準として、その近傍の解の組合せを
試してみるが、いずれも100以下か、200以上となるため、
上記の160と125が唯一の組合せとなる。
解答・その17
(ペンネ−ム:三角定規)
題意より,α,βを 1≦α,β<100 の整数として,
(1+α/100)(1+β/100)=2 ∴ (100+α)(100+β)=20,000=25・54
が成り立つ。
100+α,100+β は 20,000 の約数で,それぞれ 101 以上,200 未満だから
100+α=53=125,100+β=25・5=160 (または,この逆)
よって,200%拡大するには,125% と 160% の拡大を行う。逆でもよい。…[答]
解答・その18
(ペンネ−ム:falcon@中学教師)
<答え>
順番は関係なく125%、160%を1回ずつ行う。
<考え方>
200%は、長さを2倍にするという意味なので
1回目のコピーでa倍、2回目のコピーでb倍にする、と文字を置くと
a×b=2
という式が得られる。
a倍⇔100a %、 b倍⇔100b %という対応であるので上記の式から
100a×100b=20000
という式が得られる。
100a、100bはそれぞれ「101以上199以下の整数」であるので
「かけて20000となる百の位が1である三桁の2つの整数の組」をさがせばよい。
20000を素因数分解すると、25 × 54 であるので、条件に合う組み合わせを探すと、
53 = 125、 25 × 5 =160の組み合わせのとき、
125×160=20000となり、うまくいく。
つまり125%と160%の組み合わせのときに200%の拡大が起きる。
この手順の順番は問わないので
2回のコピーで200%に拡大するには
順番は関係なく125%、160%を1回ずつ行えばよい。
<考え方2>
2回の拡大を終えて200%、つまり2倍にすることとコピー機の倍率が有理数であることを考慮すると、
2回の拡大をそれぞれb/a倍、2a/b倍と表せる。 (aとbは互いに素な整数)
倍率が1.01倍〜1.99倍であるのでa<b<2a
またb/a、2a/bの候補は101/100〜199/100なので
分母であるaとbの候補は100の約数に限られる。
(100の約数は1、2、4、5、10、20、25、50、100)
さらに、aとbは互いに素であり、a<b<2aであるので
(a,b)=(4,5)と決まる。
つまり、求める2回の拡大は
b/a倍=5/4倍=125%、2a/b倍=8/5倍=160%である。
解答・その19
(ペンネ−ム:teki)
答え
125%に拡大後、160%に拡大する。(順不同)
考え方
200000の約数は、2と5しかありません。(200000=25×54)
で、2と5でけ使ってできる101から199の2数を求めればいいわけです。
かけて丁度200000になるのは、125と160の2数しかありません。
解答・その20
(ペンネ−ム:巷の夢)
1回目と2回目の倍率を各々A,Bとすると、
題意より A・B=20000 ・・・・・・(1)
101<A,B <199 ・・・・(2) が成立する。
ところで、20000=25×54 であるから、
(2)の条件より大きい方の値は最大でも25×5=160であり、
このときもう一方は53 =125となる。同様にして他の数がないか確かめると、
条件(2)が効いており無い事が分かる。
因って、求める倍率は125%と160%である。
解答・その21
(ペンネ−ム:転位反応)
この問題は、101≦X,Y≦199 の範囲にある整数のうち、
XY=20000を満たす二つの約数を求めることに等しい。
20000=25×54 と素因数分解できるので
25×5=160、53=125 だけが上記条件を満足する。
よって、125%と160%の拡大コピーを各一回ずつ行えば目的を達成できる。
解答・その22
(ペンネ−ム:T_Tatekawa)
2回使って200%にするので,1AB % と 1CD % (A, B, C, D は 0-9 の数字) を
組み合わせて,200.00% にする事を考えます.
20000 を素因数分解すると,
20000 = 2x2x2x2x2 x 5x5x5x5
です.ここから 100 より大きく 200 より小さい 20000 の約数を考えると,
125 と 160 しかありません.
125 x 160 = 20000
なので,コピーは 125% と 160% を繰り返せば 200% に拡大できます.
解答・その23
(ペンネ−ム:シュレーディンガーの三毛猫)
原稿の拡大率の単位を%とし、1回目・2回目それぞれの拡大率をa,bとおく。
題意よりa,bの条件は、
101≦ a,b ≦199 (a,bは整数) ・・・(*)
である。
もとの原稿の大きさをSとおくと、1回目のコピーでは(a/100)×Sと拡大され、
2回目のコピーで原稿は{(a/100)×S}(b/100)の大きさとなる。
これが元の原稿の200%の大きさであることから、
(a/100)(b/100)×S=(200/100)×S ・・・(1)
が成り立つ。@の両辺に10000をかけることで
a×b=20000 ・・・(2)
を得て、(2)および条件(*)を満たすa,bが解となる。さて、
20000=25×54 ・・・(3)
と素因数分解できるので、0≦m≦5, 0≦n≦4なる整数m,nを用いて、(a,b)の組は
(a,b)=(2m×5n, 25-m×54-n) ・・・(4)
と書き下すことができる。
ここで、(4)に対しnについて場合分けを行い、条件(*)を満たす組を調べる。
(@)n=0のとき
(a,b)={2m, 25-m×54}
となるが、mのとり得る全ての値において、25-m×54=25-m×625>199なので不適。
(A)n=1のとき
(a,b)={2m×5, 25-m×53}
0≦m≦4の場合、25<101なので不適。
m=5の場合、(a,b)=(160,125) となって条件を満たす。
(B)n=2のとき
(a,b)={2m×52, 25-m×52}
m=0の場合、a=25<101となるので不適。
m=1,2,3,4の場合、2m×52<101なので不適。
m=5の場合、b=25<101となるので不適。
(C)n=3のとき
(a,b)={2m×53, 25-m×5}
m=0の場合、(a,b)=(125,160)となって条件を満たす。
1≦m≦5の場合、2m×53=2m×125>199なので不適。
(D)n=4のとき
(a,b)={2m×54, 25-m}
となるが、mのとり得る全ての値において、2m×54=2m×625>199なので不適。
以上より、Aおよび条件(*)を満たす(a,b)の組
(a,b)=(125, 160), (160, 125)
を解として得る。
解答・その24
(ペンネ−ム:藍の空)
二つの倍率をそれぞれx,y(%)(それぞれ自然数)とすると、
(x/100)・(y/100)=200/100
∴xy=20000
=25・54
このとき、倍率xについて考えると
xは 101≦x≦199 (…(1)) の範囲の自然数であるから
自然数m,n(1≦m≦5,1≦n≦4)を用いて
x=2m・5n と表せる。
このとき(1)を満たす(m,n)の組み合わせを考える。
[1] n=0 のとき 101≦2m≦199 を満たすmの値は
25=32<101 より存在しない。
[2] n=1 のとき 101/5(=20,2)≦2m≦199/5(=39,8) を満たすmの値は
24=16 , 25=32 より m=5
[3] n=2 のとき 101/25(=4,04)≦2m≦199/25(=7,96) を満たすmの値は
22=4 , 23=8 より存在しない。
[4] n=3 のとき 101/125(=0,808)≦2m≦199/125(=1,592) を満たすmの値は
20=1 , 21=2 よりm=0
[5] n=4 のとき x=625 より不適。
よって、@を満たす(m,n)の組み合わせは
(m,n) = (5, 1) …(2) , (0, 3) …(3)
(2)のとき、 x=25・51 =160
また、 y=20000/160 =125
(3)のとき、 x=20・53 =125
また、 y=20000/125 =160
よって、二回の拡大で元の原稿の大きさを二倍にするような拡大の仕方は
125%⇒160% もしくは 160%⇒125% の二通りである。
解答・その25
(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん)
101から199の範囲の2整数の積が、20000になればよいことになります。
20000=2×2×2×2×2×5×5×5×5と素因数分解されます。
5の分け方は、(1)4個と0個、(2)3個と1個、(3)2個と2個の3通りです。
(1)の5が4個の場合、積は625です。
これは101から199に入らないので、条件に合いません。
(3)の5が2個の場合、積は25です。
残りの因数は2だけなので、25×2×2=100、25×2×2×2=200となり101から199に収まるようにはできません。
(2)の5が3個の場合、積は125です。
残りの因数の積2×2×2×2×2×5=160です。
(2)の場合うまくいく例が見つかりました。
この他には例がないことが次のように考えると説明できます。
5を入れ替えてもうまくいきません。
(2)の状態から5のやりとりをすると、(1)か(3)の場合になりますが、ともにうまくいかないことが分かっています。
125に2をかけると199を超えうまくいきません。
以上から、125倍、160倍(逆も可)とコピーをすればうまくいきます。
正解者
namiusagi | オヤジ | スモークマン |
falcon@中学教師 | 再出発 | 巷の夢 |
のっこん | haya | マオ |
teki | 転位反応 | バルタン星人 |
迷子の雄猫 | 浜田明巳 | 杖のおじさん |
夜ふかしのつらいおじさん | カリオカ | 長崎島原 かがみ |
シュレーディンガーの三毛猫 | 藍の空 | AND |
T_Tatekawa | SOU | 真夏のサンタ |
三角定規 |
コメント
この問題は、積が20000になる2つの整数の組合せを探してくるということになります。
多くの方が素因数分解を手掛かりに探してくださいました。
拡大率200%(2倍)というのは、相似比(長さの比)ですから、面積比でいうと4倍ということになります。
一般的なコピー機では、「A4→A3」、「B5→B4」という面積が2倍になる拡大がメニューにあると思います。
これは面積比2倍ですから、相似比(長さの比)√2倍の拡大を行っていることになります。
これを2回繰り返せば、相似比(長さの比)2倍、面積比4倍となります。
現実的にはこうするのでしょうが、今回は、
整数拡大しかできないコピー機を使ってお答えいただきましたので、これはだめですね。