問題154 正十二角形の問題
図のように、同じ中心を持ち、半径の差が2cmの2つの円の内側にそれぞれ接する
正十二角形があります。両者に挟まれたブルーの部分の面積が2004cm2のとき、
小さい方の円の半径を求めてください。
問題の出典
算数オリンピックに挑戦
算数オリンピック委員会編
講談社ブルーバックス
2004年ファイナル問題
(出題:般若尚之)
答えと解説
解答・その1
(ペンネ−ム:松本峻典)
答えは166cmです。
大きい正12角形の面積は
{大きい方の半径をxとします。}
x・(x/2)・(1/2)・12=3x2
半径は{x−2}なので
内側の十二角形の面積は、{x−2}を代入し
3・{x−2}2
つまり
3x2−3・{x−2}2=2004
x=168
解答・その2
(ペンネ−ム:SOU)
(小さい円の半径がr)
問の図形を12等分し、上図のような台形(面積167cm2)を考えると、
大きな三角形の面積から小さな三角形の面積を引くことでこの台形の面積が出せますので、
よって r=166 //
解答・その3
(ペンネ−ム:のっこん)
小さい方の円の半径 : r (cm)
大きい方の円の半径 : r+2 (cm)
2004/12=167
(1/2)・(r+2)2・sin30°-(1/2)・r2・sin30°=167
r=166(cm)
解答・その4
(ペンネ−ム:バルタン星人)
答え
166cm
考え方:
内側の円の半径をXとする。
12角形を12等分した、すなわち頂角が30度の二等辺三角形で
考えると、内外の差は2004/12=167
また三角形の面積差は、Sin30度が1/2なので
[(X+2)2−X2]/4=167
展開すると
X+1=167 X=166
*三角形の二辺をA,B、挟角をθとすると△の面積は1/2A・BSinθから面積差を計算
解答・その5
(ペンネ−ム:長崎島原 かがみ)
求める半径をrとすると、
これを解いて、r=166p
解答・その6
(ペンネ−ム:namiusagi)
12角形の一部分を考える。
小さい方の円の半径をxとすると、大きい方の円の半径はx+2 となる。
一部分は全体の12分の1だから大小の面積の差は2004/12=167 なる。
図の角30度の三角形の面積は大きい方が{(x+2)*(x+2)/2}/2=(x+2)* (x+2)/4,
同じく三角形の面積は小さい方が(x*x/2)/2=x*x/4となる。
この面積の差が167なので(x+2)(x+2)/4-x*x/4=(4x+4)/4=x+1=167
∴ x=166cm
解答・その7
(ペンネ−ム:再出発)
12分割されたうちの一組の二等辺三角形を考えて
ブルーの部分の面積は
2004/12=167
小円の半径を r とすると、
∴ {(r+2)2*sin(π/6)}/2-{r2*sin(π/6)}/2=167
これを解いて
r = 166 (cm)・・・(答)
解答・その8
(ペンネ−ム:オヤジ)
大きな正十二角形の面積を とし、
小さな正十二角形の面積を とする、
また小さい方の円の半径を とすると。 題意より
これを解いて =166
∴ =166cm
解答・その9
(ペンネ−ム:haya)
問題154 正十二角形の問題 の解は 166 cm です。
【解き方】
小円の半径を r とすると、内接する12角形を構成する三角形 1 個の面積は
1/2 x r2 x sin(2π/12) = 1/2 x r2 x 1/2 = 1/4 x r2
同様に大円では
1/4 x (r + 2)2
水色の部分の面積は、両者の差の 12 倍であるから
1/4 x [(r + 2)2 - r2] x 12
これが 2004 cm2 であるから
3 x (4r + 4) = 2004
これを解いて
r = 166
解答・その10
(ペンネ−ム:浜田 明巳)
同心円の中心をO,外部の正十二角形の辺の1つをABとし,△OABを取り出す.その三角形内の内部の正十二角形の辺をCDとする.
四角形ABDCの面積の12倍が図のブルーの部分の面積となる.
OC=OD=r(cm)とすると,
12×{(r+2)2−r2}×sin(π/6)/2=3(4r+4)=12(r+1)=2004
∴r+1=167
∴r=166(cm)………(答)
解答・その11
(ペンネ−ム:三角定規)
半径 a の円に内接する正12角形は,図のように角度 π/12 の直角三角形を24個集めたもので,
面積=24・(1/2)acos(π/12)・asin(π/12)
=6a2sin(π/6)
=3a2
題意より
3(a+2)2−3a2=2004 ∴ 4a+4=668 ∴ a=166 [cm2]
解答・その12
(ペンネ−ム:スモークマン)
大円の半径:R
小円の半径:r
30度の1辺がRの二等辺三角形を2個くっつけたら...正三角形が中にでき...
高さはR/2
青の面積は...12(R2-r2)/4=2004
R2-r2=2004/3=668
(r+2)2-r2=4r+4=668
4r=664
r=166
解答・その13
(ペンネ−ム:迷子の雄猫)
小さい方の円の半径を2xとおく。
正12角形を12等分すると頂角30度、斜辺(2X+2)cmの二等辺三角形ができる。
底辺(2X+2)cmと考えると高さは(X+1)cmの三角形ができる。
面積は(2X+2)*(X+1)/2=(X+1)*(X+1)=X2+2x+1(cm2)
また、青色の部分を除くと、底辺(2X)cm高さは(X)cmの三角形ができる。面積は
x2(cm2)
2004/12=167なので、この三角形の面積の差が167(cm2)
2x+1=167より2x=166
よって小さい方の円の半径は166cm
解答・その14
(ペンネ−ム:杖のおじさん)
12角形の12分の1を切り取ると
その三角形のBDCEの面積は2004/12=167cm2になります。
切り取った三角形は小さい△ABC と 大きい△ADE は二等辺三角形です。
(△ADE(面積)−△ABC(面積))×12=2004cm2なのでこれを数式で解きます。
小さい三角形
△ABCの高さをH1として面積をS1とすると次の式になります。
S1=底辺AC(X)×H1/2
H1はSIN30°=H1/X → H1=X/2
面積はS1=X×4/X
大きい三角形
△ADEの高さをH2 として面積をS2とすると次の式になります。
S2=底辺AE(X+2)×H2/2
H2はSIN30°=H2/(X+2)
2×H2=(X+2)→ H2=X/2+1
面積S2=(X+2)×(X/4+1/2)
大きい三角形の面積から小さい三角形の面積を引くと次の式になります。
S2−S1=2004/12=167cm2
((X+2)×(X/4+1/2)―X×4/X)=167
X=167−1=166cm2
答え 166cm2 です。
解答・その15
(ペンネ−ム:巷の夢)
題意より外円と内円の1/12部分のみを取り出し、間の部分の面積を計算してみる。
取り出した三角形はどちらも頂角30°(360°/12)の二等辺三角形であり、
内円の半径をRとすると、30°の直角三角形の高さは斜辺の1/2であるから、
全体の1/12の内円と外円の間の面積をS、
内円と外円部の三角形の面積を各々SR、SR+2とすると、
S=2004/12=SR+2 −SR =〔(R+2)2−R2〕/4 =R+1
因って、R=166pとなる。即ち、求める内円の半径は166pである。
解答・その16
(ペンネ−ム:転位反応)
正十二角形を構成する十二の二等辺三角形のうちのひとつを△ABCとして図示する。 ∠ACB=30°
ここで、AからBCに対して垂線を下ろし、その交点をD、AC=BC=aとする
△ADCは、一辺の長さがaの正三角形の半分なので、AD=a/2
よって、△ABCの面積はa2/4
同様にして、辺の長さがa+2 の二等辺三角形の面積は
(a+2)2/4
よって、題意より
(a+2)2/4−a2/4=2004/12
a=166
小さい方の円の半径は、166cmである。
解答・その17
(ペンネ−ム:falcon@中学教師)
<答え>
166(cm)
<考え方>
基本的な考え方は同じですが、3種類の方法で求めてみました。
その1は中学生の内容で充分、その2は高校生の内容まで及ぶかと。
しかし、問題の出典が、「算数」オリンピック・・・
時間があればもう少し考えてみます。
その1
まず図のように補助線を引きます。
この時点でわかることは・・・
・OA=OB=OC=AC
・OA'=OB'=OC'=A'C'
・∠AOB=∠BOC=360°÷12=30°
線分OB、OB'はそれぞれ∠AOC、∠A'OC'の二等分線になるので
H、H'はそれぞれAC、A'C'の中点になる。
さらにAH⊥OB、A'H'⊥OB'となる。
台形ABB'A'の面積はちょうどブルーの部分の面積の12分の1であるので
2004÷12=167(cm2)
では、小さい方の円の半径をx cmとすると・・・
△OA'B'−△OAB=台形ABB'A'であるから
(x+2)/2 × (x+2) ×1/2 − x/2 × x ×1/2 = 167
これを解くと、x=166
その2
△OA'B'−△OAB=台形ABB'A'を使うのは同じです。
三角比を使って求めます。
1/2 (x+2)2 sin30°− 1/2 x2 sin30°= 167
これを解くと、x=166
その3
小さい方の円の半径を x (cm) とし、小さい方の正十二角形の面積を y (cm2) とする。
2つの正十二角形は相似な関係にあるので、以下の比を使った式が成り立つ。
x2 : (x+2)2 = y : y+2004
この式より内項の積、外項の積を利用して以下の式が成り立つ。
(x+2)2 × y = x2 × (y+2004)
展開して整理すると
xy + y - 501x2 = 0 ・・・(1)
一方で、小さい方の正十二角形の面積 y を x を用いて表すと
y = 3x2 ・・・(2) (←これは前の解答で用いたやり方を利用して出します。)
(2)を(1)に代入して整理して解いていくと・・・
3x3 - 498 x2 = 0
x3 - 166 x2 = 0
x2 × (x-166) = 0
x = 0 ,166
x = 0 は不適なので、x = 166
解答・その18
(ペンネ−ム:teki)
答え 166cm
<解法>
1
まず、半径rの円に内接する正十二角形の面積は、3r2であることを証明しておきます。
半径rの円に内接する正十二角形を12等分すると、頂角30度の二等辺三角形ができます。
この面積は、30度を挟む辺(長さ=r)を底辺とすると、高さは、1/2rです。
(正三角形の1/2、つまり30度、60度、90度の直角三角形を考えれば明らかです。)
よって、この二等辺三角形1個の面積は、r×1/2r÷2=1/4×r2です。
正十二角形の面積は、これの12倍ですから、12×1/4×r2=3r2となります。
2
問題の小さい方の正十二角形に外接する円の半径をrとすると、大きい方の正十二角形に外接する円の半径は
r+2です。
よって、2004=3×(r+2)2−3r2=12r+12 が成立します。
これを解いて、r=166 ですね。
この部分は、算数で解こうとすると、面積図を描けば解けますね。
(わたしゃ、面倒なので方程式ですが・・・・・。)
解答・その19
(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん)
その1
正12角形の1辺がつくる三角形に注目します。
その2
半径1の円に内接する正12角形の面積は、3です。
合同な図形の面積は、対応する長さの2乗に比例します。
だから半径rの円に内接する正12角形の面積は、3r2、
半径(r+2)の円に内接する正12角形の面積は、3(r+2)2です。
3(r+2)2ー3r2=2004となればよいわけです。
よって、この方程式を解くと、r=166です。
問題の正12角形をいろいろ変えてみます。
正12角形のときは、答えが整数になるようです。
正解者
haya | スモークマン | のっこん |
オヤジ | 迷子の雄猫 | falcon@中学教師 |
長崎島原 かがみ | SOU | teki |
転位反応 | 巷の夢 | 浜田明巳 |
namiusagi | 杖のおじさん | バルタン星人 |
夜ふかしのつらいおじさん | 松本峻典 | 再出発 |
三角定規 |
コメント
まずは、図形を12等分し、三角関数を使うと大きい円の半径を求めることができますね。
三角定規にある30°、60°、90°の三角形の3辺の比が、1:2:√3であることを
知っていれば、これを使って三角形の面積を求めることもできます。
夜ふかしのつらいおじさんが、おもしろいシミュレーションをしてくださいました。
正12角形の2004というのは、絶妙な組み合わせのようです。