147.かけ算魔方陣
次の9つのマス目に異なる9個の自然数を書き入れて、たて、横
、斜め、どの1列の3個の数の積も等しくなる「かけ算魔方陣」を作りたいと思います。
このような「かけ算魔方陣」のうち、1列の3個の数の積が最小となるものを1つ、
あげてください。
問題の出典
広中杯ハイレベル中学数学に挑戦
算数オリンピック委員会監修
講談社ブルーバックス
2000年トライヤル問題
答えと解説
解答・その1
(ペンネ−ム:迷子の雄猫)
縦、横、斜め、すべての方向で
積が一定ということで、思いつくのは下記の解ですが、
(積が216)これが最小であるという証明はお手上げです。
3 | 36 | 2 |
4 | 6 | 9 |
18 | 1 | 12 |
解答・その2
(ペンネ−ム:オヤジ)
9=3×3 より {0,1,2}=A とし n(A)=3
2a×3b をかけ算魔方陣の数とする a,b は Aの要素とする。
(積)=23×33=216 となる
3×3の魔法陣の1つ
2 | 7 | 6 |
9 | 5 | 1 |
4 | 3 | 8 |
ここで
1(加法)→ 1(掛算) 2(加法)→ 2(掛算) 3(加法)→ 4(掛算)
4(加法)→ 3(掛算) 5(加法)→ 6(掛算) 6(加法)→ 12(掛算)
7(加法)→ 9(掛算) 8(加法)→18(掛算) 9(加法)→ 36(掛算)
とする。
かけ算魔方陣の1つ
2 | 9 | 12 |
36 | 6 | 1 |
3 | 4 | 18 |
解答・その3
(ペンネ−ム:のっこん)
(1)1,2,4を使って
1行目・・・左から2,1,4
2行目・・・左から4,2,1
3行目・・・左から1,4,2 とする
(2)1,3,9を使って
1行目・・・左から1,9,3
2行目・・・左から9,3,1
3行目・・・左から3,1,9 とする
(3) (1)、(2)の同じ位置にあるもの同士をかけあわせて
1行目・・・左から2,9,12
2行目・・・左から36,6,1
3行目・・・左から3,4,18
これが最小のようです
解答・その4
(ペンネ−ム:バルタン星人)
3 | 36 | 2 |
4 | 6 | 9 |
18 | 1 | 12 |
一列の積を素因数分解してAm×Bn×・・・のようにあらわすと
べき乗の積は和になるので、m,n,・・・についても縦横斜めの和が
等しくならなければならない。(この時、A,Bのように2数以上を
使えば、同じべき乗を使用することも可能)
0または正の整数で3×3の魔方陣を考えたとき、一辺が1または
2の時は解なし。3の時は以下の解が一例となる。
0 | 2 | 1 |
2 | 1 | 0 |
1 | 0 | 2 |
Aを1個だけを使用した場合は0−8の魔方陣を組む必要があり
一辺の積は212=4096
A,B2数を使えば、上記のように和を3にしたものを組み合わせて 3×3の異なる組合せを作れるかを考える。
上記に対し、
1 | 2 | 0 |
0 | 1 | 2 |
2 | 0 | 1 |
を考えると、全ての組合せがバラバラにできることがわかる。
A=2、B=3を当てはめると解に到達する。この時一辺の積は216で これが最小(3数以上になると明らかに大きくなるので不適。)
解答・その5
(ペンネ−ム:三角定規)
添付図のとおりです。
2i・3j で i=0,1,2,j=0,1,2
とすることで 3×3=9 個の数が得られ,
それらをうまく3つずつ組み合わせると積を 23・33=216
とすることができる。■
解答・その6
(ペンネ−ム:teki)
一応、2と3の累乗を使えば、題意の魔方陣は可能です。
2の累乗だけ使っても、掛け算魔方陣はできるのですが、最小になりません。
というのは、2の累乗だけの場合、20から28を使わざるを得ず、下記の
ような魔方陣になってしまいます。
2 | 256 | 8 |
64 | 16 | 4 |
32 | 1 | 128 |
これよりも、20から22,30から32うまく掛け合わせれば、もっと 小さな数で掛け算魔方陣が可能です。 一例を書いておきます。
2 | 36 | 3 |
9 | 6 | 4 |
12 | 1 | 18 |
これが多分自然数を用いた最小の掛け算魔方陣でしょう。
完全に蛇足になりますが、掛け算魔方陣の作り方について、述べておきます。
実は、1つの数の累乗を使った掛け算魔方陣の作り方は、至極簡単です。
というのも、普通の(足し算)魔方陣と基本的に作り方が同じなんです。
足し算魔方陣には、「憎し(294)と思う七五三(753)、六一(61)坊主を
蜂(8)が刺す。」という有名な語呂あわせがあります。
つまり、上段から294、753、618と並べると、魔方陣になっているんです。
で、これをべき乗に使って魔方陣を作れば、掛け算魔方陣になります。
上段が、22=4、29=512、24=16
中段が、27=128、25=32、23=8
下段が、26=64、21=2、28=256
で完成します。(同様に3の累乗、5の累乗・・・・・でも魔方陣はできます。)
最初に提示した例は、これを各々2で割ったものです。
今回の問題は、「最小数の魔方陣」という条件がついているため、一筋縄では
いかないところが、さすが、広中杯ですね。
解答・その7
(ペンネ−ム:T_Tatekawa)
3x3 の足し算の魔方陣を考えます.
8 | 1 | 6 |
3 | 5 | 7 |
4 | 9 | 2 |
この中でまず,3以下,4以上6以下,7以上の3グループに分けます.
縦の和,横の和,右下がりの和はそれぞれのグループから1つずつ選んでいる並び方です.
右上がりの和は真ん中のグループだけを選んでいます.
そこで,各々のグループを 1, 2, 4 と置き換えたものを書いてみます.
4 | 1 | 2 |
1 | 2 | 4 |
2 | 4 | 1 |
どの列をかけ算しても 8 になります.
次に,足し算の魔方陣で,それぞれについて 3 で割った余りを考えます.
こちらは,右下がりの和を除いて余りが 0, 1, 2 のものを選んでいます.
右下がりのものは全て余りが 2 です.
そこで余りが 0 を 9,余りが 1 を 1,余りが 2 を 3 と置き換えたものを書いてみます.
3 | 1 | 9 |
9 | 3 | 1 |
1 | 9 | 3 |
どの列をかけ算しても 27 になります.
足し算の魔方陣で,数の大きさで分類して 1, 2, 4 で置き換えた ものと,3 で割った余りで分類して 1, 3, 9 で置き換えたものの それぞれの位置のかけ算をします.
12 | 1 | 18 |
9 | 6 | 4 |
2 | 36 | 3 |
この並びは,どの列のかけ算も 216 になるかけ算の魔方陣です.
今回は自然数で 1 を除いた最小の 2 つを選んでいるので, これが積が最少になるものの一例です.
1, 2, 4 と 1, 3, 9 の置き換えの仕方で,複数の並びが存在します.
解答・その8
(ペンネ−ム:kiyo)
1<p<q
p2*q | 1 | p*q2 |
q2 | p*q | p2 |
p | p2*q2 | q |
p3*q3
p=2,q=3
23*33=63=216 Q.E.D
解答・その9
(ペンネ−ム:浜田明巳)
次のエクセルのマクロによって,解は216である事が分かる.
このマクロは各マスの数の最大値を200としたときの解であるが,
216という積の場合がある事から,マスの数の考えられる最大値は216/(1×2)=108となるので,
216が最小値である事が分かる.
2 | 36 | 3 |
9 | 6 | 4 |
12 | 1 | 18 |
Option Explicit 'ABC 'DEF 'GHI (AB Then For C = A + 1 To MAX If B <> C Then seki = A * B * C For D = 1 To MAX If A <> D And B <> D And C <> D Then G = Int(seki / (A * D)) If A * D * G = seki And B <> G And C < G And D <> G Then E = Int(seki / (C * G)) If C * E * G = seki And A <> E And B <> E And C <> E And D <> E And E <> G Then F = Int(seki / (D * E)) If D * E * F = seki And A <> F And B <> F And C <> F And D <> F And E <> F And F <> G Then H = Int(seki / (B * E)) If B * E * H = seki And A <> H And B <> H And C <> H And D <> H And E <> H And F <> H And G <> H Then I = Int(seki / (G * H)) If G * H * I = seki And C * F * I = seki And A * E * I = seki And A <> I And B <> I And C <> I And D <> I And E <> I And F <> I And G <> I And H <> I Then If Cells(1, 1).Value = 0 Or Cells(2, 1).Value > seki Then Cells(1, 1).Value = 1 Cells(2, 1).Value = seki Cells(1, 2).Value = A Cells(1, 3).Value = B Cells(1, 4).Value = C Cells(2, 2).Value = D Cells(2, 3).Value = E Cells(2, 4).Value = F Cells(3, 2).Value = G Cells(3, 3).Value = H Cells(3, 4).Value = I End If End If End If End If End If End If End If Next D End If Next C End If Next B Next A End Sub
ちなみに,ある1つの場合がこの積を一定にする解であれば,各マスに同じ正整数をかけたものも解となる. では9個の最大公約数を1とする解は無限にあるのか? さすがにこの無限性は示せなかったが, 各マスの最大値を100としたときのこのような解をすべて求めるマクロも作ってみた.
Option Explicit Const MAX As Long = 100 '9マスの数の最大値 Sub wm147_2() Cells(1, 1).Value = 0 Range("A1").Select Dim A As Long Dim B As Long Dim C As Long Dim D As Long Dim E As Long Dim F As Long Dim G As Long Dim H As Long Dim I As Long Dim seki As Long Dim keta As Integer For A = 1 To MAX For B = 1 To MAX If A <> B Then For C = A + 1 To MAX If B <> C Then seki = A * B * C For D = 1 To MAX If A <> D And B <> D And C <> D Then G = Int(seki / (A * D)) If A * D * G = seki And B <> G And C < G And D <> G Then E = Int(seki / (C * G)) If C * E * G = seki And A <> E And B <> E And C <> E And D <> E And E <> G Then F = Int(seki / (D * E)) If D * E * F = seki And A <> F And B <> F And C <> F And D <> F And E <> F And F <> G Then H = Int(seki / (B * E)) If B * E * H = seki And A <> H And B <> H And C <> H And D <> H And E <> H And F <> H And G <> H Then I = Int(seki / (G * H)) If G * H * I = seki And C * F * I = seki And A * E * I = seki And A <> I And B <> I And C <> I And D <> I And E <> I And F <> I And G <> I And H <> I And GCM(GCM(GCM(A, B), GCM(C, D)), GCM(GCM(GCM(E, F), GCM(G, H)), I)) = 1 Then Cells(1, 1).Value = Cells(1, 1).Value + 1 keta = Cells(1, 1).Value * 4 - 3 Cells(keta, 2).Value = A Cells(keta, 3).Value = B Cells(keta, 4).Value = C Cells(keta + 1, 2).Value = D Cells(keta + 1, 3).Value = E Cells(keta + 1, 4).Value = F Cells(keta + 2, 2).Value = G Cells(keta + 2, 3).Value = H Cells(keta + 2, 4).Value = I Cells(keta + 2, 5).Value = seki End If End If End If End If End If End If Next D End If Next C End If Next B Next A End Sub Private Function GCM(ByVal x As Long, ByVal y As Long) As Long If y = 0 Then GCM = x Else GCM = GCM(y, x Mod y) End If End Function
解答・その10
(ペンネ−ム:ぐりま)
T 1列の3個の数の積を P = 2a とします。
マス目に入れる数の2の巾について、たて、よこ、ななめの和を一定にし、
すべて異なる巾にする必要があるので、0〜8の魔法陣を用います
(このときa は最小で、2が最小の素数なので、Pも最小)。
1 | 6 | 5 |
8 | 4 | 0 |
3 | 2 | 7 |
このとき、この「たし算魔法陣」からできる「かけ算魔法陣」について、
1列の3個の数の積は P = 212 となります。・・・・・・[1]
U 1列の3個の数の積が複数の素数の積の場合を考え、 P = 2a×3b とします。
マス目に入れる数の2と3の各々の巾について、たて、よこ、ななめの和を一定にする必要があります。
ア | イ | ウ |
エ | オ | カ |
キ | ク | ケ |
以下、2の巾 a について考察します。
(1) a = 1 のとき
a = 1 を入れる場所は、対称性から、上図のア、イ、オについて考察すれば十分です。
初めに 1 をア、イ、オのいずれかに入れ、それによって確定する値を順次入れてみます。
このことから、a = 1 となる配置の方法は存在しないことが判ります。
(2) a = 2 のとき
@) a = 2 をそのまま入れる場合は、(1)のア)、イ)、オ)と同様の考察から不可能です。
A) a = 1 + 1 として、0、1、1 を配置することとし、0 をア、イ、オのいずれかに入れてみます。
このことから、a = 2 となる配置の方法は存在しないことが判ります。
(3) a = 3 のとき
@) a = 3 をそのまま入れる場合は、(1)のア)、イ)、オ)と同様の考察から不可能です。
A) a = 1 + 2 として、0、1、2 を配置することにすると、
次のような配置方法が可能です。
0 | 2 | 1 |
2 | 1 | 0 |
1 | 0 | 2 |
次に、3の巾 b について同様に考え、次の様な配置とします。
1 | 0 | 2 |
2 | 1 | 0 |
0 | 2 | 1 |
これらを組み合わせて、9個のマスに異なる順序対 ( p , q ) を
( 0 , 1 ) | ( 2 , 0 ) | ( 1 , 2 ) |
( 2 , 2 ) | ( 1 , 1 ) | ( 0 , 0 ) |
( 1 , 0 ) | ( 0 , 2 ) | ( 1 , 2 ) |
配置し(右表)、各々の順序対に2p×3q を対応させれば、 「かけ算魔法陣」が構成できます。 これが、P が複数の異なる素数の積である場合の 最小のものであることは自明です。
このとき、1列の3個の数の積Pは、 P = 23×33となり、23×33 < 212 と [1] から、 この場合の P が最小となります。
3 | 4 | 18 |
36 | 6 | 1 |
2 | 9 | 12 |
解答・その11
(ペンネ−ム:杖のおじさん)
ABC=DEF=GHI=ADG=BEH=CFI=CEG=AEI
上記の中からEを含む次の式を抜きだした。
DEF=BEH=CEG=AEI 全辺をEで割る
DF=BH=CG=AI
この式の条件に合致する整数を探した。
DF=1×36 、BH=4×9 、CG=3×12、AI=18×2
従ってD=1、F=36, B=4、H=9, C=3, G=12, A=18, I=2,
次にEを求めます。
BEH=ABC→E=AC/H=18×3/9=6
従ってE=6となります。
これをマスに入れます。
検算
横 | 18 | ×4 | ×3 | =216 |
1 | ×6 | ×36 | =216 | |
12 | ×9 | ×2 | =216 | |
縦 | 18 | ×1 | ×12 | =216 |
4 | ×6 | ×9 | =216 | |
3 | ×36 | ×2 | =216 | |
斜 | 18 | ×6 | ×2 | =216 |
3 | ×6 | ×12 | =216 |
解答・その12
(ペンネ−ム:長崎島原 かがみ)
3×3の魔方陣は次のとおりである。
4 | 9 | 2 |
3 | 5 | 7 |
8 | 1 | 6 |
これから1だけ少ない数の魔方陣は
3 | 8 | 1 |
2 | 4 | 6 |
7 | 0 | 5 |
自然数Aを底とした、上記の表の数を指数とする表を作成すると、
A3 | A8 | A1 |
A2 | A4 | A6 |
A7 | A0 | A5 |
すなわち
A3 | A8 | A1 |
A2 | A4 | A6 |
A7 | 1 | A5 |
となる。 上から3段目の真ん中の数が1であることに注目し、これよりも、もっと小さくなる組合せを考えることにし、次のような表で考えることにする。
a | b | c |
d | e | f |
g | 1 | h |
最小の積の値をmとすると、みたすべき条件式は、以下の10個の式である。
m=abc
m=def
m=gh
m=adg
m=be
m=cfh
m=aeh
m=ceg
これを連立して解いていくと、
b=a2c2
d=c2
e=ac
f=a2
g=a2c
h=ac2
となり、表は次のようになる。
a | a2c2 | c |
c2 | ac | a2 |
a2c | 1 | ac2 |
この表で、1以外の最小の自然数2,3を組みあわせて、(a=2、c=3)または(a=3、c=2)とすると、 いずれの場合も
2 | 36 | 3 |
9 | 6 | 4 |
12 | 1 | 18 |
になり、どの1列の積も216となり、これが最小である。
したがって、答は 216
解答・その13
(ペンネ−ム:巷の夢)
9つのマス目に入る数を右の様にすると、題意より
A | B | C |
D | E | F |
G | H | I |
ABC=DEF=GHI が成り立つ。
そしてABC=DEF=GHI=Xと置く。
ところで9つのマス目全ての数をかけるとABCDEFGHI=X3となる。
又、題意よりAEI=BEH=CEG=DEFであるから、
Eを無視し2数同士の積を考えると、異なる数の4種類の積で表される最小の数を考えれば良い。
すると、まず偶数に絞られるので30が候補になる。
30=1×30=2×15=3×10=5×6、そこでEを考えると、
先ほどの関係から9つの数の積はある数の3乗で表されねばならない。
すると、30×30×30×30×○の○を考えれば良い。
30=2×3×5であるから、○は2×2×3×3×5×5=30×30=900となる。
これは小さな数とは云えないので、再度考える。
すると次に36=1×36=2×18=3×12=4×9が思い浮かぶ。
そこで30の場合と全く同様な考えにより○は6となる。この値は小さく題意を満たしている。
因って、かけ算魔方陣に入る一列3個の数の積が最小となるものは216である。
そこで魔方陣に数を当てはめることを考える。
ところで、1をA、C、GないしIにもってくると残り2数の積を216にすることは不可能である。
何故なら、最大数が36であるため、もう一つは6でなければならず、
この数はEに使われるため使えないからである。
以上の事から求める魔方陣の一例は以下の様になる。
18 | 4 | 3 |
1 | 6 | 36 |
12 | 9 | 2 |
解答・その14
(ペンネ−ム:転位反応)
9つのマス目に以下のように異なる自然数を書き入れる。
A | B | C |
D | E | F |
G | H | I |
題意から、
AET=CEG=BEH=DEF なので、
AT=CG=BH=DF
ここで、AT=CG=BH=DF=Zとすると、
Zは、少なくとも8個の約数を持つことが必要。
例えば、Z≦40で8個以上の約数を持つのは24、30、36のみ
@ Z=24の検証
1×24、2×12、3×8、4×6
試行するも、題意を満たす並べ方は無い。例えば下図の通り。
8 | 1 | 12 | 96 |
6 | E | 4 | |
2 | 24 | 3 | 144 |
96 | 144 |
A Z=30の検証 1×30、2×15、3×10、5×6 試行するも、題意を満たす並べ方は無い。 例えば下図の通り。
10 | 1 | 15 | 150 |
6 | E | 5 | |
2 | 30 | 3 | 180 |
120 | 225 |
A Z=36の検証 1×36、2×18、3×12、4×9、6×6 下図の並べ方は題意を満たすことが期待できる。
18 | 1 | 12 | 216 |
4 | E | 9 | |
3 | 36 | 2 | 216 |
216 | 216 |
E=6とすると3個の数の積は何れも216。 よって、題意を満たす魔方陣は以下の通り。
216 | |||
18 | 1 | 12 | 216 |
4 | 6 | 9 | 216 |
3 | 36 | 2 | 216 |
216 | 216 | 216 | 216 |
解答・その15
(ペンネ−ム:すざく)
魔方陣の各数を
a | b | c |
d | e | f |
g | h | i |
とおく。このとき各列の積が等しいから、
abc=def=ghi=adg=beh=cfi=aei=ceg=T
とおける。このとき
def*beh*aei*ceg=T4
であるから、
e4*abcdfghi=T4
いまabc=ghi=T,df=T/eより
e3*T3=T4
したがって
T=e3
ゆえにTを最小にするには自然数eを最小にすればよい。
いま、a〜iの各数はTの異なる正の約数であることに注意して、
e=1のとき T=1よりa〜iの候補は1しかなく魔方陣を埋めるには不足。
e=2のとき T=8よりa〜iの候補は1,2,4,8の4つしかなく不足。
e=3のとき T=27よりa〜iの候補は1,3,9,27の4つしかなく不足。
e=4のとき T=64よりa〜iの候補は1,2,4,8,16,32,64の7つしかなく不足。
e=5のとき T=125よりa〜iの候補は1,5,25,125の4つしかなく不足。
e=6のとき T=216であって、a〜iの候補は9つ以上存在し、実際
3 | 36 | 2 |
4 | 6 | 9 |
18 | 1 | 12 |
は条件を満たすのでこれが最小となる。(解答終わり)
解答・その16
(ペンネ−ム:haya)
問題147 かけ算魔方陣 の解は
Fig.1
のように積が 216 となるものです。
【解き方】
下図のような魔方陣で、
Fig.2
一番大きな数値を@とし、順に@ > A > Bとしたとき、
@は積が縦・横2方向だけになるので、魔法陣を最小にするには、辺の中央に置くべきである。
また小さい数値は、1, 2, 3を使って作成できればベストである。
Fig.3
上図は作成可能で、@の縦・横の積が等しいから
1 x e x @ = 3 x @ x 2 より、e = 6
Aの縦と斜めの積が等しいから、
A x d x 3 = A x e x 2 より、d = 4
同様にBの縦と斜めから、
B x e x 3 = B x f x 2 より、f = 9 となるから
Fig.4
積の値は 4 x 6 x 9 = 216 とわかり、
@ = 36
A = 18
B = 12
となり、最初の解の図 Fig.1 を得る。
ところで、本題の積の魔法陣を作成するパターンは Fig3 しかない。
例えば、
Fig.5
を作成しようとしても、@の縦とBの斜の積を比較すると
@ x 2 = B x 1 となるのは@ > A > Bという最初の定義に反して不条理である。
また、
Fig.6
も、@の縦・横の積から、2 x e = 3 となり e が自然数であることに反する。
同様にして、作成可能なパターンは Fig.3 のみとなるから(証明略)、解は Fig.1 となる。
以上
解答・その17
(ペンネ−ム:SOU)
各要素が自然数であり、各ラインの積が等しくなるような魔方陣の状態を、 そのときの1ラインの積をxとし、X(x)と定義します。 また、そういったXの集合を、V とします。 自然数xは通常、ai を素数として、 a1b1・a2b2・ ・・・ ・anbn という形をしていますが、 「X(x)∈V であるとき、 任意の ai を各マスから取り除いたとしても X(x/ai)∈V が云えます。 」(※1 即ち、最終的にはすべてのi(i=1,2,3, ・・・ ,m)に対して、 X(aibi) ∈ V が云えるので、各素数ごとに分割してもそれぞれが V の要素を担うことがわかります。 以上のことから、まず使用する素数ひとつの場合を考えます。 即ち、 x = pr の形を最小のxの候補とします。(※2 この形で各要素を生成することを考えると、どのラインで考えても3つの要素の積は pk+l+m のように、指数部が3数の和になりますので、和の魔方陣で考えますと、(※3 和が15になる魔方陣(1〜9で構成)の全ての要素から1を引いた、 和が12になる魔方陣(0〜8で構成)が、rの候補として挙げられます。 そして、問いの要求を考えると、p=2、各rを0〜8としたもので構成される魔方陣が適切です。 そのようなものの内、X∈V なるものを考えると、 x = 212 が、素数が一つの時の最小の x となります。 次に素数が2つの場合を考えます。 扱う素数を p,q とします。 素数が一つの時はすべてを異にするため、中間の和の魔方陣は9種の数を使用しなければなりませんでしたが、 次元がひとつ増えるので、pに関し3種、qに関し3種で9種表せることになります。 まず 3x3の和の魔方陣(和は3)を、0,1,2 により生成し、これを Y1 とします。 pの指数部を、この3x3魔方陣の各々のマスの値とすれば、 pに関する積の魔方陣として X(p3) が出来ます。 同様にして X(q3) も作ります。(※4 そして X(q3) と X(q3) の、同じ位置にあるもの同士を掛け合わせることにより、 X(p3*q3) が作られます。(p,q)の組は、(2,3)がよいでしょうから、 この場合の積は、 x=216 となり素数二つの場合の最小の値となります。 そして、3x3魔方陣の場合、中間の和の魔方陣はこれ以上数の種類を減らすことが出来ないので、 素数の数に関してはこれが限界になります。(※5 以上のことから、 216 が求める値となります。 /// (※1 証明 取り除くというのは、ある ai が表す素数を魔方陣上のすべてのマスで1に変えるのと同じこととします。 しかし、そのような変換をしてもそのときのxの値は a1b1・a2b2・ ・・・ ・anbn という表現のまま変わらないため X(x) ∈ V が云えます。 1はあっても無くても変わらないので、この場合は X(x)=X(x/ai)∈V が云えます。 結局は、aiは合成数を含め、どんな数に変えたところでそのxがVに帰属する事は変わりません。 (※2 xとして最小ですが、題意を満たすものが必ずしもこの形であるとはいえません。 もしこの形で題意を満たす X が無いなら、別の形を考慮しなければなりません。 (※3 和が15になる魔方陣が1〜9の数で生成されることを既知としています。 そして、その時の数の配置までは考慮しません。 (※4 この際中間の和の魔方陣は Y1 の形を考慮して決めねばなりません。 場合によっては、最終的な形が同じになってしまうからです。 (※5 0,1のみでは和の魔方陣を構成できない。
解答・その18
(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん)
まず、普通の魔方陣(たて、横、斜めの和が等しい)を作ります。
1から9までの数を使います。
合計が45なので、たて、横、斜めのそれぞれの小計は、45/3=15です。
表1のように「中」、「角」、「辺」で各場所を表すことにします。
「中」の数は、5です。
5以外の数が「中」にくるとうまくいきません。
例えば、
「中」が4とすると他の2数の和が11となるので
1+10 ← 1と組む数がありません
2+9
3+8
4+7 ← 4が2個になります
5+6
「中」が6とすると他の2数の和が9となるので
0+9 ← 9と組む数がありません
1+8
2+7
3+6 ← 6が2個になります
4+5
「角」の数は偶数で、「辺」の数は奇数です。
「中」の数は5なので、残りは奇数が4個、偶数も4個です。
15は奇数なので、5を中心として対称な位置にある数は共に奇数か偶数です。
「奇数=奇数+奇数+奇数=奇数+偶数+偶数」です。
「角」と「辺」が同時に奇数(または偶数)ということはありません。
表3のように、1行目と3行目が偶数になってしまいます。
「角」や「辺」はそれぞれ同じ種類の数でなければなりません。
表4のように「角」が奇数ではうまくいきません。
1行目(列目)と3行目(列目)が偶数になってしまいます。
よって表5のような配置に決まります。
そして表6のように普通の魔方陣が完成します。
さて、次に問題の魔方陣を考えます。
先ず、表の中に現れる数が1種類の因数でできているとしてみます。
各数を表7のようにおきます。
積が等しいということは、指数部分について和が等しいということです。
だから指数については、普通の魔方陣と同じになっていればよいわけです。
だから、例えば、p=2として、表6の指数を持つ数は積が等しい魔方陣になります。(表8)
次に最小となる場合を考えます。
和が等しい魔方陣には次の性質があります。
@ すべての数から定数を引いても和が等しい魔方陣である。
(和が15) (和が12)
A すべての数に定数を掛けても和が等しい魔方陣である。
(和が15) (和が30)
B 魔方陣の1行目(列目)と3行目(列目)を入れ替えたものも和が等しい魔方陣になる。
C 魔方陣を回転しても、対角線に対称に移動しても和が等しい魔方陣になる。
D 2つの魔方陣の同じ位置の数を加えたものも和が等しい魔方陣になる。
表6の行と列を入れ替えたもの (和が30)
※ 表13には同じ数が表れています。
ここで同じ数があってもとにかく和が小さな魔方陣を考えます。表9から始めます。
同じ数が現れる和が等しい魔方陣としては、表15、表16のような自明なものがあります。
しかし、これではこの後の発展がありません。
表14は自明でない和が最小の魔方陣です。
表16の各方向の和の合計は24です。
中は4方向の和に、角は3方向の和に、中は2方向の和にかかわります。
表15の任意の場所に1を入れていくとします。
(0と1だけで魔方陣が作れるか調べるという意味です)
中にx個(最大1個まで)、角にy個(最大4個まで)、辺にz個(最大4個まで)入れたとすると合計は、
4x+3y+2z
になりますが、和が等しい魔方陣になるにはこの値は8の倍数にならなければなりません。
4x+3y+2z=8 ・・・・・・ (A)
4x+3y+2z=16 ・・・・・ (B)
(A)の解は、
(1,0,2),(0,2,1),(0,0,4)の3組です。
(B)の解は、
(1,4,0),(1,2,3),(0,4,2)の3組です。
これら6組はどうやっても和が一定の魔方陣にはなりません。
だから、表14は複数の数を用いる和が等しい最小の魔方陣です。
2を底とし表14を指数とするものは、積が等しい魔方陣になります。(表18)
3を底とし表17を指数とするものは、積が等しい魔方陣になります。(表19)
表18と表19をかけたものは積が等しい魔方陣になります。(表20)
表20が解答になります。
正解者
teki | のっこん | kiyo |
浜田明巳 | haya | 夜ふかしのつらいおじさん |
長崎島原 かがみ | T_Tatekawa | オヤジ |
転位反応 | 巷の夢 | 杖のおじさん |
すざく | SOU | 三角定規 |
ぐりま | 迷子の雄猫 | バルタン星人 |
コメント
足し算の魔方陣があると、それに対して2の累乗、3の累乗・・・を考えれば、 無限とおりの「かけ算の魔方陣」を作ることができます。 しかし、積が最小となると、これはすんなりとはいきません。 2の累乗を考えた方もいらっしゃいましたが、「2」だけで考えるより、 「2」と「3」の累乗をうまく組み合わせることで積をより小さくすることができます。 そもそも魔方陣は、3×3という2次元構造をしているからでしょうか。