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問題146 パイ生地作り
Weekend Mathematics問題/問題146 パイ生地作り

146.パイ生地作り

xの方程式
   |2|2|2x-1|-1|-1|=x2
の0<x<1 における解の個数を求めなさい。


問題の出典

広中杯ハイレベル中学数学に挑戦
算数オリンピック委員会監修
講談社ブルーバックス
2000年ファイナル問題

答えと解説

解答・その1

(ペンネ−ム:巷の夢)

両方のグラフを書いて交点をもとめると7個(0<x<1の範囲)となる。




解答・その2

(ペンネ−ム:杖のおじさん)

答えは7通りです。

X2=|2|2|2X−1|−1|−1|

これはY=X2とY=|2|2|2X−1|−1|−1|のグラフを描いてその交点の数を数えました。
グラフの交点は
線分 (1)A−F と (2)F−B と (3)B−G と (4)G−C と (5)C−H と (6)H−D と (7)D−I と (8)I―E の8点ですが
条件が0<X<1なので上記の (8)I−E を除いた7点になります。従って7通りあります。 次の通りです。
絶対値のグラフを描きます。






解答・その3

(ペンネ−ム:teki)

答え  7個

グラフで考えました。
与式のグラフは、y=2x-1 のグラフを3回、折りたたんでy軸方向に移動 させ、それを2倍するという操作を繰り返した折れ線グラフになります。
(このあたりの様子が、タイトルの「パイ生地作り」さながらですね。)
一方、y=x2のグラフは、x>0で単調増加ですから、この2つのグラフの 共有点の個数は、x<1におけるy=x2の傾きが2より小さいことから、x=1 を含めて8点です。
問題は、0<x<1の範囲ですので、7個ですね。



解答・その4

(ペンネ−ム:迷子の雄猫)

0<x<1の範囲では、解は以下の7個。
 0.123105626
 0.127016654
 0.358898944
 0.394448725
 0.582575695
 0.68337521
 0.795831523

   |2|2|2x-1|-1|-1|=x

場合分けの都合上、以下のとおり式1〜式6を定義する。
式1=    2x-1  
式2=   |2x-1|  
式3=   2|2x-1|-1    =2(式2)-1
式4=  |2|2x-1|-1| 
式5= 2|2|2x-1|-1|-1  =2(式4)-1
式6=|2|2|2x-1|-1|-1| =与式の左辺



解答・その5

(ペンネ−ム:オヤジ)

絶対値の場合分けなんて懐かしいです。

(T)のとき  (1)の式は、    ∴ 

(U)のとき  (1)の式は、    ∴ 

(V)のとき  (1)の式は、    ∴ 

(W)のとき  (1)の式は、    ∴ 

(X)のとき  (1)の式は、    ∴ 

(Y)のとき  (1)の式は、    ∴ 

(Z)のとき  (1)の式は、    ∴ 

([)のとき  (1)の式は、    ∴  解なし

(T)〜([)より   ∴ 7個


解答・その6

(ペンネ−ム:のっこん)

  1. x≦0.125の時  1-8x=x2   x=-4+=0.123・・・   適
  2. 0.125<x≦0.25の時  8x-1=x2 x=4-=0.127・・・   適
  3. 0.25<x<0.375の時   3-8x=x2 x=-4+=0.358・・・   適
  4. 0.375≦x<0.5の時   8x-3=x2 x=4-=0.394・・・   適
  5. 0.5≦x≦0.625の時   5-8x=x2 x=-4+=0.582・・・   適
  6. 0.625<x<0.75の時   8x-5=x2 x=4-=0.683・・・   適
  7. 0.75≦x<0.875の時   7-8x=x2 x=-4+=0.795・・・   適
  8. 0.875≦xの時   8x-7=x2 x=1,x=7 不適

  (答え)解の個数は7

ル-トの中が11、13、15、17、19、21、23となり興味深いところです


解答・その7

(ペンネ−ム:スモークマン)

左辺は直線、右辺は x2 (02=0、12=1)なので、 左辺が、x=0 でマイナス、x=1 で1より大きいとき、左辺が0より大きく、x=1 で1より小さければ1点で交わる。
+-あるので、23=8 個の方程式で考えればいいと思うので、、、

  1. +++ のとき、
     8x-7=x2
     x=0 のとき、左辺= -7、x=1 のとき、左辺=1
     つまり、x=1 の1点で交わるので、0<x<1 を満たさない。
  2. ++- のとき、
     -8x+1=x2
     x=0 で、左辺=1、x=1 で、左辺=-7
     つまり、0<x<1 の間で1点で交わる。
  3. +-- のとき、  8x-3=x2
     左辺は、-3 と5 なので、1点交わる。
  4. +-+ のとき、  -8x+5=x2
     左辺は、5 と-3 なので、1点交わる。
  5. --- のとき、  -8x+3=x2
     左辺は、3 と-5 なので、1点交わる。
  6. --+ のとき、  8x-5=x2
     左辺は、-5 と3なので、1点交わる。
  7. -+- のとき、  8x-1=x2
     左辺は、-1 と7なので、1点交わる。
  8. -++ のとき、  -8x+7=x2
     左辺は、7 と-1なので、1点交わる。

以上より、7点 でいいのかな ^^v


解答・その8

(ペンネ−ム:エルドス)

解答  左辺の絶対値を順に外すと 

(1) 1/2≦x<1のとき [2[4x-3 ]-1]
  (1-1) 3/4≦x<1のとき [8x-7 ]
    (1-1-1) 7/8≦x<1のとき    8x-7
    (1-1-2) 3/4≦x<7/8のとき   -8x+7
  (1-2) 1/2≦x<3/4のとき [-8x+5]
    (1-2-1) 5/8≦x<3/4 のとき    8x-5
    (1-2-2) 1/2≦x<5/8のとき   -8x+5
(2) 0<x<1/2のとき[2[-4x+1]-1]
  (2-1) 1/4≦x<1/2のとき [ 8x-3 ]
    (2-1-1) 3/8≦x<1/2のとき    8x-3
    (2-1-2) 1/4≦x<3/8のとき   -8x+3
  (2-2) 0<x<1/4のとき [-8x+1]
    (2-2-1) 1/8≦x<1/4のとき    8x-1
    (2-2-2) 0<x<1/8のとき   -8x+1

y=[2[2[2x-1 ]-1]-1]・・・・(1)とy=x2・・・・(2)のグラフをかき、0<x<1での交点の個数を数えると7個存在する。



解答・その9

(ペンネ−ム:バルタン星人)

答え:7個
f(X)=X2−|2|2|2X-1|-1|-1|=0とすると

7/8≦X<0    X2−8X+7=0 X=1,7     解なし
3/4≦X<7/8  X2+8X−7=0 X=−4±  +の方のみ
5/8≦X<3/4  X2−8X+5=0 X= 4±  −の方のみ
1/2≦X<5/8  X2+8X−5=0 X=−4±  +の方のみ
3/8≦X<1/2  X2−8X+3=0 X= 4±  −の方のみ
1/4≦X<3/8  X2+8X−3=0 X=−4±  +の方のみ
1/8≦X<1/4  X2−8X+1=0 X= 4±  −の方のみ
0<X<1/8    X2+8X−1=0 X=−4±  +の方のみ
解を求めずに個数を求める場合はf(0)<0、f(1/8)>0よりこの間に1個のよ うに下記、境目の正負が逆転していくので各1個。
f(1/4)<0 f(3/8)>0 f(1/2)<0 f(5/8)>0 f(3/4)<0 f(7/8)>0 f(1)=0
最後の区間のみ解なしが求まりますね


解答・その10

(ペンネ−ム:haya)

パイ生地作り の解は 7個です。
【解き方】
絶対値の記号で式が三重にネストされているから、 中身が正になる場合と負になる場合それぞれ2つに場合分けされ合計 23=8 に場合分けされる。 それぞれについて解があることを確かめると、





より、解は 7個となる。


解答・その11

(ペンネ−ム:浜田明巳)

 |2|2|2x−1|−1|−1|=x(0<x<1)
 「|x|=a ⇔ x≧0のときx=a,x<0のときx=−a」
を使うと大変そうなので,
 「|x|=a ⇔ x=±aかつa≧0」
を解答方針とする.
 与方程式から,
  2|2|2x−1|−1|−1=±x
  ∴|2|2x−1|−1|=(1±x)/2
i). |2|2x−1|−1|=(1+x)/2(>0)の時,
  2|2x−1|−1=±(1+x)/2
  ∴|2x−1|={1±(1+x)/2}/2
i).-i). |2x−1|={1+(1+x)/2}/2=(3+x)/4(>0)の時,
  4(2x−1)=±(3+x)
i).-i).-i). 4(2x−1)=3+xの時,
  x−8x+7=0
  ∴(x−1)(x−7)=0
 これは0<x<1に反する.
i).-i).-ii). 4(2x−1)=−(3+x)の時,
  x+8x−1=0
  ∴x=−4±
 −4−<0であり,
  −4+>0
  (−4+)−1 =−5 =<0
  ∴0<−4+<1
  ∴x=−4+
i).-ii). |2x−1|={1−(1+x)/2}/2=(1−x)/4の時,
 0<x<1から,(1−x)/4>0となる.
 この時,
  4(2x−1)=±(1−x)
i).-ii).-i). 4(2x−1)=1−xの時,
  x+8x−5=0
  ∴x=−4±
 −4−<0であり,
  −4+>0
  (−4+)−1 =−5 =<0
  ∴0<−4+<1
  ∴x=−4+
i).-ii).-ii). 4(2x−1)=−(1−x)の時,
  x−8x+3=0
  ∴x=4±
 4+>1であり,
  4−>0
  (4−)−1 =3−<0
  ∴0<4−<1
  ∴x=4−
ii). |2|2x−1|−1|=(1−x)/2(>0)の時,
  2|2x−1|−1=±(1−x)/2
  ∴|2x−1|={1±(1−x)/2}/2
ii).-i). |2x−1|={1+(1−x)/2}/2=(3−x)/4の時,
 0<x<1から,(3−x)/4>0となる.
 この時,
  4(2x−1)=±(3−x)
ii).-i).-i). 4(2x−1)=3−xの時,
  x+8x−7=0
  ∴x=−4±
 −4−<0であり,
  −4+>0
  (−4+)−1=−5 =<0
  ∴0<−4+<1
  ∴x=−4+
ii).-i).-ii). 4(2x−1)=−(3−x)の時,
  x−8x+1=0
  ∴x=4±
 4+>1であり,
  4−>0
  (4−)−1=3−<0
  ∴0<4−<1
  ∴x=4−
ii).-ii). |2x−1|={1−(1−x)/2}/2=(1+x)/4(>0)の時,
  4(2x−1)=±(1+x)
ii).-ii).-i). 4(2x−1)=1+xの時,
  x−8x+5=0
  ∴x=4±
 4+>1であり,
  4−>0
  (4−)−1 =3−<0
  ∴0<4−<1
  ∴x=4−
ii).-ii).-ii). 4(2x−1)=−(1+x)の時,
  x+8x−3=0
  ∴x=−4±
 −4−<0であり,
  −4+>0
  (−4+)−1 =−5 =<0
  ∴0<−4+<1
  ∴x=−4+
 まとめると,
  x=−4+, −4+, −4+, −4+, 4−, 4−, 4−
の7個ある.
 実際GRAPESを使って,f(x)=|2x−1|として,グラフy=f(f(f(x)))(青色),y=x(緑色)を図示してみると, 0<x<1の部分で7個の交点が存在する事が分かる.



 念の為,−0.1≦x≦0.3,−0.1≦y≦0.3の範囲に拡大したグラフを図示しても, 確かにこの範囲で2点で交わっている事が分かる.




解答・その12

(ペンネ−ム:転位反応)

f(x)=|2|2|2x-1|-1|-1|とする。

1.2x-1≧0の場合:1/2≦x<1
   f(x)=|2|2(2x-1)-1|-1|
     =|2|4x-3|-1|

ここで、
 ・4x-3≧0の場合:3/4≦x<1
   f(x)=|2(4x-3)-1|
     =|8x-7|
さらに、
   ・8x-7≧0の場合:つまり、7/8≦x<1で、f(x)=8x-7
   ・8x-7<0の場合:つまり、3/4≦x<7/8で、f(x)=7-8x

 ・4x-3<0場合:1/2≦x<3/4
   f(x)=|2(3-4x)-1|
     =|5-8x|
さらに、
   ・5-8x≧0の場合:つまり、1/2≦x≦5/8で、f(x)=5-8x
   ・5-8x<0の場合:つまり、5/8<x<3/4で、f(x)=8x-5

2.2x-1<0の場合についても同様に処理し、1.の結果と共に整理すると以下の通り。 従って、0<x<1を満たすf(x)=x2の解を求めれば良い。

xf(x)
0<x≦1/81-8x
1/8<x≦1/48x-1
1/4<x<3/83-8x
3/8≦x<1/28x-3
1/2≦x<5/85-8x
5/8<x<3/48x-5
3/4≦x<7/87-8x
7/8≦x<18x-7




解答・その13

(ペンネ−ム:三角定規)




解答・その14

(ペンネ−ム:T_Tatekawa)

問題の題名の意味は,グラフを描いて初めて分かりました.
y=x2 と y=| 2 | 2 | 2x-1 | -1 | -1 | のグラフを添付します.
物理でも,例えばインクを水に垂らした時の拡散の話で, 「パイこね変換」という話が出てきます.



0<x<1 の解を求めて,ひたすら場合分けしていきます.
1) | 2 | 2 (2x-1) -1 | -1 | = x2 (x=> 1/2)
   | 2 | 4x-3 | -1 | = x2
1A) | 2 (4x-3) -1 | = x2 (x => 3/4)
    | 8x-7 | = x2
1Aa) 8x-7 = x2 (x => 7/8)
   解は x=1, 7→条件から無し
1Ab) -8x+7 = x2 (7/8 -> x => 3/4)
   解は x=-4+, -4-
   →適した解は x=-4+
1B) | 2 (-4x+3) -1 | = x2 (3/4 => x => 1/2)
   | -8x + 5 | = x2
1Ba) -8x+5 = x2 (5/8 => x => 1/2)
   解は x=-4+, -4-
   →適した解は x=-4+
1Bb) 8x-5 = x2 (3/4 => x => 5/8)
   解は x=4+, 4-
   →適した解は x=4-
2) | 2 | 2 (-2x+1) -1 | -1 | = x2 (x <= 1/2)
   | 2 | -4x+1 | -1 | = x2
   2A) | 2 (-4x+1) -1 | = x2 (x <= 1/4)
   | -8x+1 | = x2
2Aa) -8x+1 = x2 (1/8 => x)
   解は x=-4+, -4-
   →適した解は x=-4+
2Ab) 8x-1 = x2 (1/4 => x => 1/8)
   解は x=4-, 4+
   →適した解は x=4-
2B) | 2 (4x-1) -1 | = x2 ( 1/2 => x => 1/4 )
   | 8x-3 | = x2
2Ba) 8x-3 = x2 (1/2 => x => 3/8)
   解は x=4-, 4+
   →適した解は x=4-
2Bb) -8x+3 = x2 (3/8 => x => 1/4)
   解は x=-4+, -4-
   →適した解は x=-4+
以上から,0<x<1 に存在する解は 7個.


解答・その15

(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん)



これらの直線と放物線のグラフの交点の個数を数えて解は7個です。

解答2
式の成り立ちを考えてあんちょこに解いてみます。
つまり、2倍して1を引いて絶対値をとるという操作が三重になっています。

y = | 2 x - 1 | のグラフを書いてみます。(図1)
赤の補助線は、 y = x の線です。
x=0 と x=1 でグラフ値は1、x=1/2 でグラフの値は0になっています。
この範囲で | 2 x - 1 | という関数はそういう働きをしています。

次に、この | 2 x - 1 | の値を x と思ってこの働きを図にしてみます。
赤いVの字を見ながらグラフを書きます。(図2)

さらに、この値を x と思ってこの働きを図にしてみます。
赤いWの字を見ながらグラフを書きます。(図3)



すると解答1と同様なグラフができます。
あとは放物線のグラフと重ねて交点の個数を数えます。

正解者

teki 巷の夢 オヤジ
のっこん 浜田明巳 夜ふかしのつらいおじさん
スモークマン 転位反応 迷子の雄猫
T_Tatekawa 杖のおじさん エルドス
三角定規 haya バルタン星人

コメント

タイトルの「パイ生地作り」を疑問に思った方もいらっしゃると思います。

左辺を関数f(x)とします。
   f(x)=|2|2|2x-1|-1|-1|
これは、g(x)=|2x-1|とするならば、g(x)=f(f(f(x)))、つまり、 関数g(x)を3回合成することになります。 ここで関数g(x)について、グラフを描いて考えてみます。



関数 y=x のグラフからスタートします。
(1)関数 y=2x のグラフは、y=xのグラフを縦方向に2倍することによって得られます。
(2)次に、関数 y=2x-1 のグラフは、y=2xのグラフを縦(下)方向に1ずらすことによって得られます。
(3)そして、g(x)=|2x-1|のグラフは、y=2x-1をx軸で上側に折り返すことで得られます。


関数f(x)のグラフは、これを3回繰り返せばいいわけです。 のばして、ずらして、折り返す、 これって、まさに「パイ生地作り」だと思いませんか?



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