145.2009年の問題
[x]でxを超えない最大の整数を表します。たとえば、[2.5]=2、[0.2]=0です。
xが1から2009までの整数の値をとるとき、
は、何通りの値をとりえますか。
○ xを超えない最大の整数を表す[x]をガウス記号と呼びます。
問題の出典
広中杯ハイレベル中学数学に挑戦
算数オリンピック委員会監修
講談社ブルーバックス
2002年ファイナル問題 改題
答えと解説
解答・その1
(ペンネ−ム:巷の夢)
xの小さい値と大きな値を代入して表にまとめると、以下の様になる。
x | x2/20 | [x2/20] | 抜け数 | 抜け個数 |
---|---|---|---|---|
1 | 0.05 | 0 | ||
2 | 0.2 | 0 | ||
3 | 0.45 | 0 | ||
4 | 0.8 | 0 | ||
5 | 1.25 | 1 | ||
6 | 1.8 | 1 | ||
7 | 2.45 | 2 | ||
8 | 3.2 | 3 | ||
9 | 4.05 | 4 | ||
10 | 5 | 5 | ||
11 | 6.05 | 6 | ||
12 | 7.2 | 7 | ||
13 | 8.45 | 8 | ||
14 | 9.8 | 9 | ||
15 | 11.25 | 11 | 10 | 1 |
16 | 12.8 | 12 | 13 | 1 |
17 | 14.45 | 14 | 15 | 1 |
18 | 16.2 | 16 | 17 | 1 |
19 | 18.05 | 18 | 19 | 1 |
20 | 20 | 20 | 21 | 1 |
21 | 22.05 | 22 | 23 | 1 |
22 | 24.2 | 24 | 25 | 1 |
23 | 26.45 | 26 | 27 | 1 |
24 | 28.8 | 28 | 29,30 | 2 |
25 | 31.25 | 31 | 32 | 1 |
26 | 33.8 | 33 | 34,35 | 2 |
27 | 36.45 | 36 | 37,38 | 2 |
28 | 39.2 | 39 | 40,41 | 2 |
29 | 42.05 | 42 | 43,44 | 2 |
30 | 45 | 45 | 46,47 | 2 |
31 | 48.05 | 48 | 49,50 | 2 |
32 | 51.2 | 51 | 52,53 | 2 |
33 | 54.45 | 54 | 55,56 | 2 |
34 | 57.8 | 57 | 58,59,60 | 3 |
35 | 61.25 | 61 | 62,63 | 2 |
36 | 64.8 | 64 | 65,66,67 | 3 |
37 | 68.45 | 68 | 69,70,71 | 3 |
38 | 72.2 | 72 | 73,74,75 | 3 |
39 | 76.05 | 76 | 77,78,79 | 3 |
40 | 80 | 80 | 81,82,83 | 3 |
41 | 84.05 | 84 | 85,86,87 | 3 |
42 | 88.2 | 88 | 89,90,91 | 3 |
43 | 92.45 | 92 | 93,94,95 | 3 |
44 | 96.8 | 96 | 97,98,99,100 | 4 |
45 | 101.25 | 101 | 102,103,104 | 3 |
46 | 105.8 | 105 | 106,107,108,109 | 4 |
47 | 110.45 | 110 | 111,112,113,114 | 4 |
2003 | 200600.45 | 200600 | 199 | |
2004 | 200800.8 | 200800 | 200 | |
2005 | 201001.25 | 201001 | 199 | |
2006 | 201201.8 | 201201 | 200 | |
2007 | 201402.45 | 201402 | 200 | |
2008 | 201603.2 | 201603 | 200 | |
2009 | 201804.05 | 201804 |
即ち、抜け数の数に限らず、1〜199までは同じ数の抜け数が必ず10箇所づつ存在する。 但し、抜け数200個は4箇所である。因って、
(1+2+3+・・・・・+198+199)×10+200×4=199800となる。
この数を201804から引くと、2004となるが、0も存在するので一つ加え、求めるものは2005である。
解答・その2
(ペンネ−ム:浜田明巳)
エクセルのマクロで解きました.答は2005通りです.2009通りの答になるような問題だとさらに良かったかな?
Option Explicit Const MAX As Long = 1000000 Sub Macro1() Sheets("Sheet1").Select Cells(1, 1).Value = 0 Dim x As Long Dim xx As Long Dim a(MAX) As Long Dim kotae As Long Dim j As Long For j = 1 To MAX a(j) = 0 Next j For x = 1 To 2009 xx = Int(x * x / 20) a(xx) = 1 Cells(x, 2).Value = x Cells(x, 3).Value = xx Range("C" & x).Select Next x kotae = 0 For j = 0 To MAX kotae = kotae + a(j) Next j Cells(1, 1).Value = kotae Range("A1").Select End Sub -------------------------------------------------------------------------------- Power up the Internet with
解答・その3
(ペンネ−ム:杖のおじさん)
答え 2005個です。
解1.
F(1)=INT(1`2/20)=0 F(2)=INT(2`2/20)=0 F(3)=INT(3`2/20)=0 F(4)=INT(4`2/20)=0
F(5)=INT(5`2/20)=1 F(6)=INT(6`2/20)=1 F(7)=INT(7`2/20)=2 F(8)=INT(8`2/20)=3
上記からF(7)〜F(2009)まではそれぞれ異なる整数である事が分かります。
従って(2009−7)+1=2003
F(1)F(6)までの2を加算して2003+2=2005個です。
解2.
CASIO FX -870P及びFX-890Pでプログラムを作り数えました。
10, PRINT ”2009ネン ノ モンダイ” ; C=1: D=0 20, IF INKEY$= ” ” THEN 20 30, FOR X=1 TO 2009 40, E=INT(X^2/20) : PRINT ” * ” ; 50, IF E>D THEN C=C+1 60, D=E 70, NEXT X 80, CLS : BEEP : BEEP : PRINT”セイスウ ノ カズハ” ;C; ”コ デス” 90, IF INKEY$= ” ” THEN 90 100, GOTO 10
上記のプログラムの説明
20行でプログラムは停止していますので何かのキーを押すと20行〜70行の2009回の計算をします。
80行でCLSで表示画面を消して2回のBEEP音で計算結果が出たことを教えてくれます。
そして90行でプログラムは停止していますので何かのキーを押すと10行に戻ります、
計算中は40行のプログラムで1回の計算で*が表示されますので2009回*が連続して表示され計算中であることが分かります。
CASIO FX-870Pで計測するとスタートして6分18秒で結果2005と表示されます。
Office2007のエクセルのユーザーフォームで作りました。答えが瞬時に表示されます。
テキストボックスに数字を入れると前の答えが消えます。右側にコードが書いてあります。
解答・その4
(ペンネ−ム:のっこん)
f(1)=f(2)=f(3)=f(4)=0
f(5)=f(6)=1
f(7)=2
f(8)=3
f(9)=4
f(10)=5
(x+1)2-x2=2x+1 だから
x≧10 の時、(x+1)2>x2+20
よってx≧10の時、f(x)とf(x+1)が同じ値をとることはない
2009-4=2005(答え)
解答・その5
(ペンネ−ム:kohji)
x>9のとき
(x+1)2-x2=2x+1>20
従って[x2/20]の値とxは一対一に対応する。また
[12/20]=0,[22/20]=0,[32/20]=0,[42/20]=0,[52/20]=1,
[62/20]=1,[72/20]=2,[82/20]=3,[92/20]=4,[102/20]=5
なので、f(x)は全部で2009-4=2005通りを取りうる。
解答・その6
(ペンネ−ム:オヤジ)
(T)1≦x≦10のとき
(@)1≦x≦4のとき
従って f(x)=0
(A)x=5、6のとき f(x)=1
(B)7≦x≦10のとき
f(7)=2、f(8)=3、f(9)=4、f(10)=5
(U)x>10のとき
(x+1)2−x2=2x+1≧21より
f(x+1)>f(x):f(x+1)、f(x)は自然数
求める数は、 2009 ―(3+1)=2005
∴ 2005
解答・その7
(ペンネ−ム:転位反応)
x=1,2,3, …10に対して、f(x)を求めると以下の通り。
x | [x2/20] | f(x) |
---|---|---|
1 | [1/20] | 0 |
2 | [4/20] | 0 |
3 | [9/20] | 0 |
4 | [16/20] | 0 |
5 | [25/20] | 1 |
6 | [36/20] | 1 |
7 | [49/20] | 2 |
8 | [64/20] | 3 |
9 | [81/20] | 4 |
10 | [100/20] | 5 |
さて、二つの連続する整数x, x+1に対して、f(x)が異なる整数 を取るためには、
f(x+1)−f(x)=[(x+1)2/20]−[x2/20]≧1
[x2+2x+1]≧[x2+20] と変形して
2x+1≧20 から x≧9.5
よって、整数x≧10に対して、f(x)は全て異なる整数を取る
x=1,2,3, …9 に対して、5通り
x=10,…,2009に対して、2000通り
計 2005通り (解答)
解答・その8
(ペンネ−ム:スモークマン)
(10*k+a)2=100k2+20ak+a2
なので、、、
[x2/20]=5k2+ak+[a2/20]
0≦a≦4・・・a2<20・・・0
52=25・・・1
62=36・・・1
72=49・・・2
82=64・・・3
92=81・・・4
k が1以上ならすべて異なる。
つまり、x が10以上ならすべて異なる。
2009-9=2000
1〜9 までは、上から、5種類なので、
2000+5=2005 通り
でいいのかな ♪
解答・その9
(ペンネ−ム:三角定規)
x≧10 のとき
{( x+1)2−x2}/20=( 2x+1)/20≧( 2・10+1)/20>1
だから
x≧10 のとき [ ( x+1)2/20 ]≠[ x2/20 ]
よって,x が 10 以上の整数のとき [ x2/20 ] は異なる値をとる。
x=1,2,3,4 のとき [ x2/20 ]=0
x=5,6 のとき [ x2/20 ]=1
x=7 のとき [ x2/20 ]=2
x=8 のとき [ x2/20 ]=3
x=9 のとき [ x2/20 ]=4
x=10 のとき [ x2/20 ]=5
であるから,x が 1 から 2009 までの整数値をとるとき,[ x2/20 ] は,2005 通り の値をとる。
解答・その10
(ペンネ−ム:迷子の雄猫)
f(x) の値は必ず整数である。
(命題1)x が1から10までの整数の値をとるとき、
f(x) は6通りの値をとる。
(命題2)x≧10 の場合、f(x) < f(x+1) である。
すると、x が11から2009までの整数の値をとるとき、
f(x) は1999通りの値をとることになる。
よって、xが1から2009までの整数の値をとるとき、f(x)は、2005通りの値をとりえる。
(命題1)の証明
f(1) =[1÷20]=0
f(5) =[5×5÷20]=[25÷20]=1
f(7) =[7×7÷20]=[49÷20]=2
f(8) =[8×8÷20]=[64÷20]=3
f(9) =[9×9÷20]=[81÷20]=4
f(10) =[10×10÷20]=[100÷20]=5
f(11) =[11×11÷20]=[121÷20]=6
上記より、
x が1から10までの整数の値をとるとき、f(x) は6通りの値をとる。
証明終わり
(命題2)の証明
1からa2までの整数で、20の倍数である整数の個数が、f(a)と等しい。
g(x)=x2と定義する。
x ≧ 10の場合、
g(x+1)−g(x)−1
=(x+1)2−(x)2−1
= x2+2x+1−(x)2−1
= 2x+1−1
≧ 20
であるから、g(x)を超えてg(x+1)以下の整数のうち、20の倍数である整数
が少なくとも1つは含まれる。
証明終わり
解答・その11
(ペンネ−ム:teki)
答え 2005通り
最初は設定が2009までなので、ぎょえ〜!と思いましたが、11まで
計算すればいいとわかって、ほっとしました。
なぜ、11までかというと、n2−(n−1)2=2n−1 なので、これ以上
は、前の数との差が1を超えるため、与式は全て異なる数となるからです。
実際に11までは、与式=0,0,0,0,1,1,2,3,4,5,6 となり、7種類の数が現れます。
で、2009−11+7=2005通り ってわけです。
解答・その12
(ペンネ−ム:ぐりま)
初めに x1, x2≧10 のとき、 x1≠x2 ならば、f(x1)≠f(x2) をいいます。
x1≠x2 なので、x1>x2とします。
x12−x22 = (x1+x2)(x1−x2) ≧ 20(x1−x2) ≧ 20
よって、 x12 /20 ≧ x22/20+1
従って、 [x12 /20] > [x22/20]
即ち、 f(x1) ≠ f(x2) が成り立ちます。
このことから、x が10から2009までの2000個の値をとれば、f(x)は2000個の異なる値をとります。
一方、f(1)=f(2)=f(3)=f(4)=0, f(5)=f(6)=1, f(7)=2, f(8)=3, f(9)=4, f(10)=5 ですから、
x が1から9までのときは、f(x)は4以下の異なる5個の値をとり、
x が10以上のときは、f(x)は5以上の2000個の異なる値をとることになります。
以上のことから、f(x)は、異なる2005個の値をとります。・・・・・・・(答)
解答・その13
(ペンネ−ム:haya)
問題145 2009年の問題 の解は 2005 です。
【解き方】
隣り合った整数が同じ値になったとすると、
x < 9.5
従って、せいぜい 1〜8 までの範囲の整数の重複を調べて除外すればよい。
実際、
x | f(x) |
---|---|
1 | 0 |
2 | 0 |
3 | 0 |
4 | 0 |
5 | 1 |
6 | 1 |
7 | 2 |
8 | 3 |
となり、重複は4個なので、取り得る値の数は 2009 - 4 = 2005
解答・その14
(ペンネ−ム:T_Tatekawa)
まず,x=k の場合と x=k+1 の場合を比較します.
(k+1)2 = k2 + (2 k+1)
です.もし (2k+1) > 20 ならば,
[(k+1)2/20] と [k2/20] は異なる値を取ります.
2k+1 > 20 となる整数 k は 10 です.よって x が 10 以上
2009 以下の範囲では,[x2/20] は全て異なる値となります.
x が 1 から 9 までの時の,各々の 2 乗は
1, 4, 9, 16, 25, 36, 49, 64, 81, 100
なので,[x2/20] は
0, 0, 0, 0, 1, 1, 2, 3, 4, 5
で 6 通りです.答えは
(2009-10) + 6 = 2005 通り
解答・その15
(ペンネ−ム:バルタン星人)
答え:2005
ちょっと見、とっつきにくそうですが、Xが1増えた時に新たな数となるかどう
かを考えれば良いだけの簡単な新春サービス問題。
X=1〜4ではf(x)=0
X=5〜6はf(x)=1
X=7で2、X=8で3
X=9で4,X=10で5
X=11以上では、Xが1増えたとき二乗の数は20以上増加するので
f(x)は必ず1以上増え、新しい数となる。
かぶっている数は4個なので2009−4=2005
解答・その16
(ペンネ−ム:夜ふかしのつらいおじさん)
f(x)=
(x+1)2−x2=2x+1>20より
x≧10の整数で
f(x)<f(x+1)となります。
だから、x=10までを調べてみます。
x | x2 | 省く個数 | ||
---|---|---|---|---|
1 | 1 | 0.05 | 0 | |
2 | 4 | 0.20 | 0 | 1 |
3 | 9 | 0.45 | 0 | 2 |
4 | 16 | 0.80 | 0 | 3 |
5 | 25 | 1.25 | 1 | |
6 | 36 | 1.80 | 1 | 4 |
7 | 49 | 2.45 | 2 | |
8 | 64 | 3.20 | 3 | |
9 | 81 | 4.05 | 4 | |
10 | 100 | 5.00 | 5 |
以上から
f(x)の取りえる値の個数は
2009−4=2005通り。
正解者
teki | バルタン星人 | スモークマン |
のっこん | 転位反応 | 夜ふかしのつらいおじさん |
浜田明巳 | 巷の夢 | haya |
杖のおじさん | 迷子の雄猫 | オヤジ |
T_Tatekawa | ぐりま | 三角定規 |
kohji |
コメント
とりあえず小さい方から確認して、10くらいまでいけば検討がつきますね。
f(x)のとりうる値を知りたいので、重なりだけ調べればよいわけです。
そして、10くらいまで調べてあれば、もうそれで充分というわけです。