Weekend Mathematicsコロキウム室2000.7〜9/NO.98

コロキウム室



NO.840 2000.8.1.数楽者確率分布(5)

確率分布については次の解釈もできます。

1)Xがー1になる確率は2/3です

2)3枚目のカードが始めの2枚のカードの間にあるとき、
その値の条件付き期待値は、対称性から(n+1)/2です。

3)Xの期待値は
(−1)×(2/3)+{(n+1)/2}×(1/3) より、(n−3)/6になります。



NO.841 2000.8.3.Junko9の問題(1)

ある高校生から以下のような問題を出題されました。

  1. 9だけを9回つかって、1をつくるにはどうしたらいいでしょう。 (ルートはなしで、出切るだけ簡単に。)

  2. 地球を北極南極の立て向きに回る星があります。これは、1時間で 地球を一周します。東京の上空を通ってから 何時間後に再び東京の上空を通るでしょう?





NO.842 2000.8.3.Junko整数のわり算(2)

nを自然数とするとき、(n+1)から2nまでの連続するn個の整数の積を 1から始まるn個の奇数の積で割った値を求めてください、ということでした。
式でかくと次のようになります。


試しにいくつか代入してみます。

n=1 のとき、F(1)=2/1=2

n=2 のとき、F(2)=(3・4)/(1・3)=4

n=3 のとき、F(3)=(4・5・6)/(1・2・3)=8

どうも、F(n)=2ではないかという予想がたちます。

分数の分子と分母の個数が同じ、分母は奇数だけ・・・と眺めていて次のことを考えました。
ここに偶数を補ったらどうなるか?
分子については、(n+1)から始まるというのも不自然なので、1から始めたらどうなるか?


従って、F(n)=2



NO.843 2000.8.6.Junko9の問題(2)

  1. 9だけを9回つかって、1をつくると言う問題ですが、私が考えた解答を1つ。

    9÷9+(9−9)×(9+9+9+9+9)=1

  2. その星(人工衛星?)は、1時間で1周するとして、地球は自転するから 1周してきたときにそこは東京ではないですよね。
    東京が再び同じ場所に戻ってくるのは24時間後ですから答えは24時間後。
    実は、時間後に地球が半周したところで、東京の位置はその星の軌道と重なります。 しかし、ちょうど真上というわけにはいかないと思います。
    従って答えは24時間後と考えたわけです。




NO.844 2000.8.18.算太内接球、外接球(1)

「4面体、および6面体に内接する球の体積、外接する球の体積を求めたい」
という問題に関して解答または、参考書、文献等ご存知の方はいませんでしょうか?
指定するのは、各?面体の頂点の座標のみ(4面体ならば、4つの頂点の座標。 6面体ならば8つの頂点の座標)です。




NO.845 2000.8.19.水の流れ内接球、外接球(2)

さて、算太さんからの問題について、1つの方法をお知らせします。

  1. 4面体の外接球について:
    これは求める球の方程式を x+y+z+Ax+By+Cz+D=0 とおいて、
    4つの頂点の座標を代入して、A,B,C,Dを決定してください。

  2. 4面体の内接球について:
    まず、3点の通る平面方程式を ax+by+cz+d=0 とおいて 3点の座標を代入します。
    a:b:c:dの比を求めます。 このように4つの平面方程式を求めます。
    次ぎに、求める内接球の中心をP(p,q,r)とおいて、 後は、この4つの平面に至る距離が等しいとおきます。
    これは、例の点と平面との距離の公式に代入します。
    ただ、絶対値が入っていますから、 |□|=|△|=|○|=|◎| とね。
    ここで、中心Pはそれぞれ4つの平面の正領域か負領域かを見定めてください。
    そして、絶対値をはずして 3元p、q、rの連立方程式の計算を行います。

  3. 6面体の外接球について:
    これは、一般的には必ずしも存在するとは限りません。 平行6面体なら可能ですね。

  4. 6面体の内接球について:
    これも、一般的には必ずしも存在するとは限りません。
現段階ではこのようなコメントになります。 もっと、良い方法がありましたら、お願いします。



NO.846 2000.8.21.水の流れ2000夏の全国高校野球

平成12年の夏の大会を同じく調べました。ご覧下さい。
夏の全国高校野球は和歌山県の智弁和歌山高校が、 春決勝戦に東海大相模高校に敗れた無念さを胸に、 3年ぶり2回目の優勝しました。 おめでとうございます。
さて、高校野球は先取点の入ったテームが勝つとよく言われます。 今回を例にして、分析しました。
また、ファンにとって、逆転につぐ逆転の試合は忘れられない感動を与えます。

  1. (1)先取点が入って、同点にされてもそのまま終わった試合を@
  2. (2)先取点が入って、逆転して(同点になっても)終わった試合をA
  3. (3)先取点が入って、逆転されても再逆転して終わった試合をB
以下、この逆転の回数で、C、D、Eと分類していきます。
だから、丸数字が奇数の場合は先取点の入ったチームが勝ち。
丸数字が偶数の場合は先取点の入ったテームの負け。となります。
当然、丸数字の多い方が面白い試合で楽しむことができたことになります。
決勝戦までの48試合をこのように分析しました。
その結果、@は30試合、Aは12試合、Bは4試合、Cは無し、Dは1試合、Eは無し、Fは1試合でした。
そこで、丸数字の奇数は 30+4+1+1=36 、 丸数字の偶数は 12 だけです。
これを48で割ると36/48=0.75 で高い確率で勝っています。 これで、ジンクスは確かだ言えます。

また、この丸数字の決まったイニングは1回から3回で25試合 このうち@のチームが21チームあります。 4回から6回で11試合、7回から9回で10試合、延長戦の場合が2試合でした。

また、この夏の大会は、先攻をとって勝った試合が28試合、 後攻が勝った試合が20試合ありました。必ずしも後攻が有利とはいかなかったようです。

さらに、この暑い中で待たされていることもあって、 1回の表で得点のあったのが16試合・裏で得点があったのが10試合もありました。
前半、1回から3回まで両チームが得点のなかったのが、たった10試合しかありませんでした。

さて、ここで、前回と同じく、野球の試合を行ったとき 「9回裏までのあいだに逆転または勝ち越しが何回起こるか」と言う頻度が、 ”まれにしか起こらないこと”の1例です。 先制点を挙げたチームがそのまま逃げ切ってしまえば、1回も逆転、 勝ち越しがなかったことになる。
そこで、例として、決勝戦の智弁和歌山高校と東海大浦安との得点経過でみます。

得点掲示
智弁和歌山11
東海大浦安



2回の表の2点は先制点だから、勝ち越しとは言わない。
3回の裏の2点は逆転だからカウント1します。
4回の表の1点は同点ですので、カウントはしません。
5回の裏の2点は勝ち越しだからカウント2します。
6回の表の2点はこれも同点ですので、カウントはしません
6回の裏の1点は勝ち越しだからカウント3します
8回の表の5点は再逆転ですので、カウント4します
以上、逆転または勝ち越しが回数として4回をカウントします。
この試合が動きの激しい試合であったことを意味しています。

同じようにカウント4の試合は、愛媛県丹原高校と青森県光星学園との試合も8対10で、 逆転・再逆転・再々逆転・再々々逆転の好試合でした。

逆転・勝ち越しが起った回数

回数2000年春のセンバツ2000年夏の大会
0  回16試合27試合
1  回 7試合15試合 
2  回 5試合 3試合
3  回 2試合 1試合
4  回 1試合 2試合


上の表がポアソン分布をしているかをみてみます。
ちょっと、数学の専門的な式になりますが、ポアソン分布の確率密度関数は

  です。

ここで、xは逆転または勝ち越しの回数を代入、mはデータの平均値で、この場合は

m=(1×15+2×3+3×1+4×2)/48=32/48=0.6666…

これは、2000年夏の大会は、逆転または勝ち越しが1試合平均0.6666回 起こったことを意味しています。
以外と少ないと感じました。皆さんは、どのように思われますか?

逆転・勝ち越しが起こる確率理論値実際の試合数
0回 0.5134×4824.64327
1回 0.3423×4816.43015
2回 0.1141×48 5.477 3
3回 0.0254×48 1.219 1
4回 0.0042×31 0.202 2


以上、これで、全国大会春・夏4回目の統計でした。







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