Weekend Mathematicsコロキウム室1999.10〜12/NO.72

コロキウム室



NO.626 '99 10/16水の流れ化学反応(1)

第31回数学的な応募問題

先日、太郎さんのお子さんが外部団体(岐阜新聞主催)の学力テストを受けてきました。 この問題を参考にして、今回の応募問題を作ってみました。

2つの容器A,Bがあり、容器Aには物質aが、また、容器Bには物質bが、 それぞれの箱の中にいくつか入っています。 この物質a,bは、容器を開くと次のように化学反応を起こします。


このとき、次の問題に答えてください。

問題1:
今、容器Bの中には55個の物質bがある。 容器を開いてから4分後には、どのような物質が何個あるかを求めなさい。

問題2:
今、容器A,Bの中には、物質a,bがそれぞれ1999個ずつ入っている 。同時にそれぞれの容器を開いたとき、異なる物質が変化しなくなるのは、 どちらの容器が何分早いかを求めなさい。

問題3:
容器Aを開けたところ、物質aが5個、物質a(1)が3個,物質a(2)が0個,物質a(3)が2個, 物質a(4)が2個となって変化が終わった。 容器を開けてから変化が終わるまでにかかった時間は何分間であるか。 また、容器を開ける前には容器Aの中には物質aがいくつ入っていたのかを求めなさい。

太郎さんは、このような不思議な物質が化学反応していくのと、 先日の核反応臨界事故との関係を思い出しながら、考えたいと思っています。



 
NO.627 '99 10/18Junko化学反応(2)

問題1:
55を4進法表示すると55=313(4)なので、
(厳密に言うと、4で割るという操作を4/2=2回行う。)
bが3個、b(1)が1個、b(2)が3個。

問題2:

20−10=10より、 容器Bの方が10分早い。

問題3:
6進法表示の22035(6)を10進法表示に直します。
22035(6)=2×6+2×6+3×6+5
=3047
従って、3047個
また6進法表示の22035(6)が5桁であることから、化学反応は5−1=4回起こったことになります。
かかった時間は、5×4=20




 
NO.628 '99 10/20水の流れ三角形の面積(6)

三角形の面積の問題の答え(面積比の利用)
△ABCの面積を便宜上1とおく。
3本の線分で区切られた7個の部分の面積を、 三角形PQR=a,三角形ANQ=b,三角形BLR=c,三角形CMP=d, 四角形BRQN=e, 四角形CPRL=f,四角形AQPM=g とおく。
線分AL,BM,CNはそれぞれ対辺を1:2に内分しているので、
b+e+c=1/3,c+f+d=1/3,d+g+b=1/3  となる。
この3式を足して、 2(b+c+d)+e+f+g=1  となる。
7個の部分を全部足した面積は三角形ABCだから、 a+b+c+d+e+f+g=1 である。
このことより、上に式から引いて a=b+c+d …@となる。
また、図の対称性より、b=c=d と言える。
ここで、bの面積を求めます。
線分BQ引くと、AN:AB=1:3 より、 △ABQ=3△ANQ=3b となる。
次に、△ABQと△ACQを比べると、 底辺AQは共通で、高さの比は線分BLと線分CLの比に等しい。
よって、BL:CL=1:2 だから、面積比は △ABQ:△ACQ=1:2から、△ACQ=2△ABQ=6b である。
ところが、△ANQ+△ACQ=△ACN=1/3 即ち、b+6b=1/3 より  故に 、b=1/21 
全く、同様にして、b=c=d=1/21 を得る。
したがって、a=b+c+d=1/7
以上から、△PQR=(1/7)△ABC   …(答え)




 
NO.629 '99 10/23Junko99日本シリ−ズ(1)

今年の日本シリ−ズは、中日ドラゴンズ(セ) VS 福岡ダイエ−ホ−クス(パ)で争われます。
第1戦は今日福岡ド−ムで行われ、福岡ダイエ−ホ−クスが勝ちました。

昨年コロキウム室で、日本シリ−ズ(14)として話題にしました。
その中のNO.166で示した通り、 初戦を勝ったチ−ムが優勝する確率は(21/32)、負けたチ−ムが優勝する確率は(11/32)ということで、 初戦をとったチ−ムが断然有利だということが言えます。 さて、今年はどうなるのでしょうか?

ところで昨日プロ野球12球団のマスコットをデザインした切手が発売になりました。
1シ−ト12枚で960円です。 シ−ルタイプでとってもかわいいデザインです。



 
NO.630 '99 10/24Junko99日本シリ−ズ(2)

今年の日本シリ−ズは、第1戦と第2戦が福岡ド−ム、第3戦〜第5戦がナゴヤド−ム、 そして第6戦と第7戦は再び福岡ド−ムで行われます。
(毎年、2−3−2と試合を割り振るのでしょうか?)
もちろん先に4勝した方が勝ちですから、第4戦までは確実に行われますけれどもそれ以降は定かではありません。
平均試合数は、コロキウム室のNO.163で計算しましたが、 (93/16)=5.8125 です。
コロキウム室のNO.157にあるデ−タに昨年のデ−タ (6試合めでBay Starsの勝ち)を加えると、
(4×5+5×11+6×17+7×16)÷49=289÷49=5.8979・・・ となります。

さてここで問題です。
1試合あたりの収入はどちらの球場も同じとして、福岡ド−ムとナゴヤド−ムではどちらが得でしょう?
つまり2−3−2のうち、「2−○−2」を取った方が得か?  「○−3−○」を取った方が得か?



 
NO.631 '99 10/24水の流れ99日本シリ−ズ(3)

  1. 今後の起こりうる試合数が統計的確率の場合
    2ー○ー2の球場のとき、
     2(5/49)+2(11/49)+3(17/49)+4(16/49)=147/49=3
    ○ー3−○の球場のとき、
     2(5/49)+3(11/49)+3(17/49)+3(16/49)=142/49=2.89796・・・
    となり、2ー○ー2の球場が有利です。

  2. 今後の起こりうる試合数が数学的確率の場合(コロキウム室のNO.163参照)
    2ー○ー2の球場のとき、
     2(2/16)+2(4/16)+3(5/16)+4(5/16)=47/16=2.9375
    ○ー3−○の球場のとき、
     2(2/16)+3(4/16)+3(5/16)+3(5/16)=46/16=2.875
    となり、いずれの場合も 2ー○ー2の球場が有利です。

ちなみに、両チームの選手への報奨金は最初の4試合分の入場料と聞いています。
勿論、優勝チームが何割かは多くもらいます。これは、調べれば分かりますが。

また、今日、中日が勝ったと仮定した場合(今、リードしていますので)
ダイエーが○●で優勝する統計的確率は10/22=0.4545・・・
ドラゴンズが●○で優勝する統計的確率は12/22=0.5454・・・
となり、ドランゴンズが有利になります。



 
NO.632 '99 10/25水の流れ素数・△数・□数(1)

第32回数学的な応募問題

「0から9までの数字を1列に並べ、隣り合う2数から9つの2桁の整数を作る。
このとき、この2数が整数が、素数なら3点、四角数なら2点、 三角数なら1点のように得点が与えることにする。
できるだけ高い得点が得られるように、0から9までの数字を1列に並べてください。
例えば、1234567890の場合、左から順にできる9個の2桁の整数を調べると、
12…0点、
23…素数なので3点、
34…0点、
45…三角数なので1点
56…0点、
67…素数なので3点、
78…三角数なので1点、
89…素数なので3点、
90…0点
したがって、合計11点となる。ただし、次のことに注意してください。

  1. たとえば、「02」は「2」とみなす。
  2. 四角数かつ三角数のときは、2+1=3点とする。
  3. 三角数とは、1,3,6,10,15,21,28,36,45,55,66,78,91 です。
  4. 四角数とは、1,4,9,16,25,36,49,64,81 です。
  5. 素数は自分で考えてください。


<参考文献>:数とその歴史53話(上垣渉 何森仁 共著):三省堂 

太郎さんは、一番高得点の並び方を実際知りません。 生徒に、並べてもらって、得点を調べてもらおうと考えています。



 
NO.633 '99 10/26Junko99日本シリ−ズ(4)

日本シリ−ズ第3戦はナゴヤド−ムで行われ、福岡ダイエ−ホ−クスが勝ちました。
昨年コロキウム室のNO.171で計算しましたように、
2勝1敗の福岡ダイエ−ホ−クスが優勝する確率は(11/16)、
1勝2敗の中日ドラゴンズが優勝する確率は(5/16)です。



 
NO.634 '99 10/26水の流れ99日本シリ−ズ(5)

今日の日本シリーズはダイエーが勝って2勝1敗になりました。
ここで、明日以降の優勝確率です。

  1. 2勝1敗と考えたとき   ダイエーの場合 、統計的確率は 25/34=0、735・・・
    1勝2敗と考えたとき    中日の場合  、  統計的確率は 9/34=0、265・・・
  2. 起こり方の順番を考えたとき
    ○●○ でダイエーの場合 、統計的確率は 7/10=0、7
    ●○● で中日の場合   、統計的確率は  3/10=0.3
となりました。



 



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