NO.1993 オイラーの多面体定理の拡張(予想)(2) 2011.11.28. 夜ふかしのつらいおじさん
●V(vertex):点、E(edge):辺、F(face):面 として
普通のとらえ方で、オイラーの多面体定理(辺で連結した1つの単体について)が、成り立っています。
平面図形のとき、V2−E2+F2=1
凸多面体のとき、V3−E3+F3=2
(添え字は、V2等:平面図形、 V3等:立体図形のときを示します)
(平面図形の場合は、1次元の線状の場合も含んでいます)
平面図形と立体多面体の図形を辺(E)で連結してみると、 とりあえず、
となりますが、連結のための辺(E)が1つ増えるので、両辺から1を引くと、
となり、立体図形の式は平面図形と辺で連結されても成立します。
上の図では、V−E+F=7−10+5=2
次の図のように点(V)や辺(E)で平面図形と立体図形が連結していても成立します。
左の場合:V−E+F=6−9+5=2(辺で連結に比べ、辺Eと点Vがともに1ずつ減)
右の場合:V−E+F=5−8+5=2(上の場合に比べ、辺Eと点Vがともに1ずつ減)
●平面図形と立体多面体の統合を考えます。
・展開図を組み立てたと考えると、重なりを考えなければなりません。
頂点Vは2減り、辺Eは3減ります。
・変形する展開図で1つの頂点を引っ張って1つ面Fを加えたと考えてもよいと思います。
・平面図形と立体多面体の区別は閉じた空間があるかないかの違いです。
だから、胞(平面に囲まれた部分)の独立した個数Cを考えれば良いと思います。
(Cはcellのイメージかなと思います)
・これで対象が平面図形か立体多面体かを気にする必要がなくなります。
・拡張したオイラーの多面体定理(Cを胞の個数として)
V−E+F−C=1・・・・・・(*)
●1990の文章の中に
C:胞(膜に囲まれた部分)の独立した個数
f:連結した膜(点または辺で隣り合う)の独立した個数
r:小さい輪(一つの辺に一つかけ、はずれない)の個数
P:要の点(膜を持たない3つ以上の辺の集まった点)の個数
R:大きな輪(膜に囲まれた一つの穴に一つかけ、はずれない)の個数
とあります。
そして、次のような例があります。
例1 立方体の、上と下の膜のみを欠いたとき
例2 立方体の、上と下の膜のみを残したとき
例3 立方体の、隣り合う3つの膜を残したとき
上の図は例1、下の図は例3のためにあります。
例1の「膜」は平面と同義だと思います。
fは「連結した膜(点または辺で隣り合う)の独立した個数」とありますが、
「連結した平面の個数」とした方が分かりやすいと思います。
●上のようなことを考えるのは、1個の連結した単体を見るのに部分的に異なる『目』を用いるということです。
@1次元の目:『辺Eにそってしか認識できない目』
A2次元の目:『辺Eと面Fにそって認識できる目』
B3次元の目:『普通の目』
・3次元の目で三角形を見ると、V−E+F−C=3−3+1−0=1となり、(*)は成立しています。
・2次元の目で三角形を見ても、V−E+F−C=3−3+1−0=1となり、(*)は成立しています。
・ところが1次元の目で見ると、V−E+F−C=3−3+0−0=0となり、(*)は成立しません。
そこで補正のためにrが必要になります。
しかし、V、E、F、Cはその目で見ているのに、rは3次元の目で見ているということになります。
V−E+F−C+r=1・・・・・・(**)
●次に三角錐を見てみます。
・3次元の目で三角錐を見ると、V−E+F−C+r=4−6+4−1+0=1となり、(**)は成立しています。
・2次元の目で三角錐を見ても、V−E+F−C+r=4−6+4−1+0=1となり、(**)は成立しています。
(2次元の目で波線の値を調べるのは難しいのかもしれません)
・ところが1次元の目で見ると、V−E+F−C+r=4−6+0−0+4=2となり、(**)は成立しません。
※ この方針で拡張していくのは難しいのではないでしょうか。
● 基本的な図形へのあてはめ
V−E+F−C=f−r+P−R・・・・・・(***)
例えば、次のような図形に利用してみると、水色の部分はうまくいっています。((*)が成立)
しかし、水色以外は、(***)がうまくいっていません。