NO.1933 はさみうちの原理 2011.4.25. 水の流れ
過去の大学入試問題から出題します。
注:この記事に関する投稿の掲載は、2011年5月16日以降とします。
ColloquiumNO.268
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●図のように辺BCの中点をM、3等分する点を、K、Lとします。
また、∠AMD=θとします。
右図のように赤色の補助線を引くと、面EFQPで切り取られる頂点Aを含まない側の部分は、
三角柱EKP-FLQと2つの三角錐EBKP、FLCQに分かれます。
この2つの三角錐は、面EKPとFLQがぴったり重なるように平行移動すると、正四面体になります。
この正四面体を中正四面体ということにします。
中正四面体の辺の長さはもとの正四面体ABCDの2/3です。
●△MADと△LFQについて調べます。
MDを底辺としたときの高さをhとします。
ヘロンの公式の部分の値は、
よって、
●三角柱EKP-FLQと中正四面体について調べます。
三角柱EKP-FLQの体積をV1とすると、
正四面体ABCDの体積をVとすると、
中正四面体の辺の長さはもとの正四面体ABCDの2/3です。
よって中正四面体の面積をV2とすると、
●以上から求める体積V3は、もとの正四面体(V)から
三角柱EKP-FLQ(V1)と中正四面体(V2)を引いて、
●次に辺ABを1:(x−1)に分ける点をEとします。
(他のところも同様です)
(辺ABは比でいうと1+(x−1)=xに当たります)
(緑色は、実際の長さではなく、辺ABをxとしたときの比の値)
●三角柱EKP-FLQ体積を調べます。
以上から、三角柱の体積V1は、
●中正四面体の体積V2は、
●よって、屋根型の体積Tは、
ゆえに、
●前半の問題は、x=3の場合です。
のように、はじめの問題の答えと一致します。
(2)について考えます。
● a,b を正の整数とし、a<b とします。
分母の和が等しい2つの単位分数の和を考えます。
このとき、ab > (a-1)(b+1) です。
よって、次の結果を得ます。
つまり、分母の2数の差が大きい2個の分数の和の方が大きいということです。
(分母の2数の差が小さい2個の分数の和の方が小さい)
●和が23になるように2以上の整数の組み合わせを考えます。
その際、数をなるべくそろえます。(括弧内は差を大きくしたもの)
(1) 11+12、(2+21) (2) 7+8+8、 (3) 5+6+6+6 (4) 4+4+5+5+5
(5) 3+4+4+4+4+4 (6) 3+3+3+3+3+4+4 (7) 2+3+3+3+3+3+3+3
(8) 2+2+2+2+3+3+3+3+3 (9) 2+2+2+2+2+2+2+3+3+3
(10) 2+2+2+2+2+2+2+2+2+2+3
・(4)から(10)の場合は、
のように、単位分数の和が1を超えます。
(分母の和が23になるような他の単位分数の和はこれより大きくなる)
・(1)の場合は、括弧内の方を考えて、
のように2個の単位分数の和は1をこえません。
(分母の和が23になるような他の単位分数の和はこれより小さくなる)
・(2)の場合(3個の整数の和が23のとき)を細かく調べます。
a)2+2+19 b)2+3+18 c)2+4+17 d)2+5+16 e)2+6+15 f)2+7+14
g)2+8+13 h)2+9+12 i)2+10+11 j)3+3+17 k)3+4+16 l)3+5+15
m)3+6+14 n)3+7+13 o)3+8+12 p)3+9+11 q)3+10+10 r)4+4+15
s)4+5+14 t)4+6+13 u)4+7+12 v)4+8+11 w)4+9+10 x)5+5+13
y)5+6+12 z)5+7+11 aa)5+8+10 ab)5+9+9 ac)6+6+11 ad)6+7+10
ae)6+8+9 af)7+7+9 ag)7+8+8
a)の場合は、 のように1を超えてしまいます。
b)からag)の場合は、 のように1にとどきません。
(分母の和が23になるような他の単位分数の和はこれより小さくなる)
●残るのは、(3)の場合(4個の整数の和が23のとき)です。
a)2+2+2+17 b)2+2+3+16 c)2+2+4+15 d)2+2+5+14 e)2+2+6+13
f)2+2+7+12 g)2+2+8+11 h)2+2+9+10 i)2+3+3+15 j)2+3+4+14
k)2+3+5+13 l)2+3+6+12 m)2+3+7+11 n)2+3+8+10 o)2+3+9+9
p)2+4+4+13 q)2+4+5+12 r)2+4+6+11
s)2+4+7+10 t)2+4+8+9 u)2+5+5+11 v)2+5+6+10 w)2+5+7+9
x)2+5+8+8 y)2+6+6+9 z)2+6+7+8 aa)2+7+7+7 ab)3+3+3+14
ac)3+3+4+13 ad)3+3+5+12 ae)3+3+6+11 af)3+3+7+10 ag)3+3+8+9
ah)3+4+4+12 ai)3+4+5+11 aj)3+4+6+10 ak)3+4+7+9 al)3+4+8+8
am)3+5+5+10 an)3+5+6+9 ao)3+5+7+8 ap)3+6+6+8 aq)3+6+7+7
ar)4+4+4+11 as)4+4+5+10 at)4+4+6+9 au)4+4+7+8 av)4+5+5+9
aw)4+5+6+8 ax)4+5+7+7 ay)4+6+6+7 az)5+5+5+8 ba)5+5+6+7
bb)5+6+6+6
a)からr)までは、
となり、1以上です。
ac)からbb)までは、
となり、1以下です。
s)からab)までは一つひとつ調べます。
t)はs)よりも小さいので1にはなりません。
v)、w)、x)はu)より小さいので1にはなりません。
z)、aa)はy)より小さいので1にはなりません。
ab)は明らかに1より大きいです。
つまり、(3)の場合にも適するものがありません。
(1)について考えます。
定理「77以上の大きな整数は、適当な分割が存在して、分割した数の逆数(単位分数)の和を1にすることができる」
ということですが、問題で77よりも小さな整数76で成立することが書かれています。
ちょっと変な感じです。
24から75までの整数について調べてみるとすべて題意が満たされます。
よって、23が答えになります。
24から75までの例
1997年の青山学院高等部の問題を改題して出題します。
1辺が6cmの正四面体A−BCDがあり、辺AB,AC,DB,DCを1:2に内分する点をそれぞれE,F,P,Qとおく。
面EFQPで切り取られる頂点Aを含む側の部分の体積を求めよ。
ちなみに、EF,PQを通り、面EPQFと垂直な面がADと交わる点をそれぞれG,Rとします。
また、一般に正四面体A−BCDの体積をVとし、
辺AB,AC,DB,DCを1:(x−1)に内分する点をそれぞれE,F,P,Qとおき、
面EFQPで切り取られる頂点Aを含む側の部分の体積をTとしたとき、V:Tの比をxで表せ。
注:この記事に関する投稿の掲載は、2011年4月25日以降とします。
(1)7,15,23,28,31,39,・・・
(他の組み合わせがある場合もあります)
(2)0,1,4
●自然数を4の倍数をもとに分類すると、{4k−3,4k−2,4k−1,4k}の4種類のタイプに分かれます。
それぞれ2乗すると、
よって自然数をその平方を8で割ったときの余りで分類すると次の3種類に分かれます。
・余り0 ・・・・ 自然数が4の倍数の偶数のとき {4, 8, 12, 16, ・・・ }←【0】で表すことにします
・余り1 ・・・・ 自然数が奇数のとき {1, 3, 5, 7, 9, ・・・ }←【1】で表すことにします
・余り4 ・・・・ 自然数が4の倍数でない偶数のとき {2, 6, 10, 14, ・・・ }←【4】で表すことにします
(3)考察
●8で割ったときの余りが7になる{7, 15, 23, 31, ・・・}などは、3個の平方数の和で表すことはできません。少なくとも4個が必要です。
例えば、
【4】+【1】+【1】+【1】の形
【1】+【1】+【1】+【1】+【1】+【1】+【1】の形
【1】+【4】+【1】+【1】の形
【4】+【4】+【4】+【1】+【1】+【1】の形
【1】+【1】+【4】+【1】の形
【0】+【4】+【1】+【1】+【1】の形
【1】+【4】+【1】+【1】の形
【4】+【1】+【1】+【1】の形・・・・・・
【0】、【1】、【4】のグループから3数をどう組み合わせても和は{7, 15, 23, 31, ・・・}になりません。
●28は、8で割ったときの余りが4です。
ここで、
@【4】+【0】+【0】の形の場合、
A【4】+【4】+【4】の形の場合が考えられます。
【0】:{4, 8, 12, 16, ・・・}、【4】:{2, 6, 10, 14, ・・・}の数をそれぞれ平方すると、
{16, 64, 144, ・・・}、 {4, 36, 100, ・・・}です。
これらを、
A 4】+【0】+【0】、
A【4】+【4】+【4】のように組み合わせて和を28にはすることはできません。
●nが3つの平方数の和となるには、8で割ったときの余りで分類して、
・余り0のとき、 【0】+【0】+【0】、【4】+【4】+【0】
・余り1のとき、 【1】+【0】+【0】、【1】+【4】+【4】
・余り2のとき、 【2】+【0】+【0】、【2】+【4】+【4】、【1】+【1】+【0】
・余り3のとき、 【1】+【1】+【1】
・余り4のとき、 【4】+【0】+【0】、【4】+【4】+【4】
・余り5のとき、 【1】+【4】+【0】
・余り6のとき、 【1】+【1】+【4】
の形の数を選ぶのが必要条件です。
●余りが3のときは場合が限られています。{3,11,19,27,・・・・・・}
・x、y、zの中に1があるとき、次の奇数3にすれば、 増加するので、次の数になります。
・x、y、zの中に同じ奇数が1組あるとき、1つを次の奇数に、もう1つを手前の奇数にすると、
となるので、次の数になります。
・x、y、zの中の2つの奇数が順番でp個違うとき、大きい方を次の奇数に、小さい方を手前の奇数にすると、
となるので、p+1次の数になります。
・連続する奇数の平方の差を調べます。(k番目とk+1番目)
となります。
これは、 は8×1=8増加し、 は8×2=16増加し、 は8×3=24増加します。
2k−1を2k+1に増やすと、8k増加します。
2k−1を2k−3に減らすと、8(k−1)減少します。
・以上のことがらを組み合わせると、例えば、
となります。
きちんとみていませんが、8で割って3余る数は、3つの奇数の平方和で表すことができると思います。
定理「77以上の大きな整数は、適当な分割が存在して、
分割した数の逆数(単位分数)の和を1にすることができる。」
ことが、分かっているそうですが、調べてみると
76 = 2 + 4 + 10 + 20 + 20 + 20
77 = 3 + 4 + 5 + 5 + 60
78 = 2 + 6 + 8 + 10 + 12 + 40
となり、題意が可能となりました。それで、
(1) 題意のことが、成り立たない上限を教えてください。
(2) 77以下では、そのような分割が存在しない数があるということですが、23は題意のことが、不可能であることを示してください。
先回の合成抵抗についての解答を、寄せて頂き有難うございました。
各抵抗を全て1とする特別な場合でしたが、
今回は抵抗の値を自由にとった場合の不等式について考えてみました。
2個の抵抗値については、直列と並列で、それぞれの値は、
が成立する。
3個の抵抗値については、直列と並列が組み合わされて、それぞれの値は、
これらを計算して、比較すると三文字の
直列と並列の性質から、絶対不等式が導かれました。