NO.1890 変曲点を通る直線 2010.11.29. 水の流れ
題意通りに解いていくと計算が複雑になりますが、綺麗な解法もあります。
注:この記事に関する投稿の掲載は、2010年12月20日以降とします。
NO.1888 高次元の球の体積を求める(3) 2010.11.14. DDT
任意次元の球の体積を求めよとの問題ですが、後で帰納法を使うつもりなので、1次元から始めます。
1.1次元
まず1次元における原点中心の球を、x2≦r2(r>0)で定義します。
これは、図-1のような長さ2rの線分なので、その体積(長さ)は、
(1)
で計算できます。ここで、
(3)
です。
2.2次元
球(円)の体積を表す積分、
(3)
を、累次積分に直します。ここで、
(4)
です。xを一つ固定すると、
(5)
が得られるので、
(6)
です。(6)右辺のyに関する積分は、(2)と(5)を比べる事により、1次元の球の体積を表すのがわかるので、(1)を用い、
(7)
となります。
3.3次元
(8)
として、
(9)
を考えると、
(10)
なので、(4)と(10)を比べて、(7)より、
(11)
となります。
4.4次元
(12)
(13)
なので、(8)と(13),(11)を用い、
(14)
この計算は、次項で行います。
5.5次元以上(一般次元)
[定理-1]
n≧1とし、n次元の球の体積をVnは、
(15)
(16)
で与えられる。α1=2。
[証明]
帰納法で示す。
1.よりn=1で、(15)成立。1.,2.より、n=1で(16)成立。
nまで(15),(16)が成立したと仮定。
n+1以降。
だが、2.〜3.でやったように、x1を固定して考えれば、
となり、Vn+1のdx2・・・dxnに関する積分は、
半径(r2−x2)1/2 のVnを表すので(15)より、
なので、n+1以降も(15),(16)は成立。
[証明終]
[定理-2]
n≧0として、
には、
(17)
が成り立つ。ただし、I0=π,I1=2。
[証明]
不定積分、
は、岩波公式集より(← ひどい!^^)、
で計算できる。いまm=0の場合だから、
上式のθ=0→πの定積分を取ると、右辺1項目は明らかに0。従って(17)成立。
[証明終]
というわけで漸化式(17)を使って、(16)をα7くらいまで試してみると、
いずれ次の事に気づけます。
[定理-3]
n≧0として、
(18)
ただし、πα0=I0。
(19)
[証明]
帰納法で示す。
πα0=I0と決めたので、n=0で(18)成立。nまで(18)成立と仮定。
n+1以降。
漸化式(16),(17)を用いると、
で、nのとき(19)成立。同様に、
で、n+1のとき(18)成立。従って、n+1以降も(18),(19)は成立。
[証明終]
αnの形が陽に得られたので、後は結果をまとめるだけです。(15)より、
となりました。ただしV0では、r=0と決めます。
NO.1887 高次元の球の体積を求める(2) 2010.11.14. 夜ふかしのつらいおじさん
はじめに
であることを確認しておきます。(半径rの円の面積の四半分です)
また偶関数 g(x) の定積分の性質を確認しておきます。
なお変数は、x1 , x2 , x3, ・・・ ではなく、
x , y , z , w , v , u を使います。
問題−1
D: x2+y2 ≦ r2 において次の積分をします。
あるy に対して、 なので、
この値は半径r の円の面積です。
問題0
D: x2+y2+z2 ≦ r2 において次の積分をします。
まず、
においてx,y の積分をします。(前問の結果を使います)
次に D2: -r ≦ x ≦ r においてz の積分をします。
この値は半径rの球の体積です。
問題1
D: x2+y2+z2+w2 ≦ r2 において次の積分をします。
まず、 においてx,y,z の積分をします。(前問の結果を使います)
次に D2: -r ≦ w ≦ r においてw の積分をします。
問題2
D: x2+y2+z2+w2+v2 ≦ r2
において次の積分をします。
まず、
においてx,y,z,w の積分をします。
(前問の結果を使います)
次に D2: -r ≦ v ≦ r においてv の積分をします。
問題3
D: x2+y2+z2+w2+v2+u2 ≦ r2 において次の積分をします。
まず、 においてx,y,z,w,v の積分をします。
(前問の結果を使います)
次に D2: -r ≦ u ≦ r においてu の積分をします。
ここで余弦の6乗の積分を考えると
なので
NO.1886 無限級数の美しさ3 2010.11.13. 水の流れ
先日、青土社出版「πとeの話」を読んでいたら、無限級数の美しさと不思議さを見けました。
皆さんに紹介します。3回目です。
注:この記事に関する投稿の掲載は、2010年11月29日以降とします。
NO.1884 高次元の球の体積を求める 2010.11.3. K.F.
普通の球(3次元)の体積を求める公式は、中学生でも知っています。
球の半径を r 、体積を V3 として、 です。
ところが、4次元以上の空間にも球が存在します。それらの体積を求めてください。
問1
を計算することにより、4次元の球の体積 V4 を求めてください。
問2
を計算することにより、5次元の球の体積 V5 を求めてください。
問3
を計算することにより、6次元の球の体積 V6 を求めてください。
ヒント:前の問題の解答が、後の問題を解くのに利用できます。