Weekend Mathematics/コロキウム室/NO.202
NO.1580 2006.3.13. 三角定規 まわる まわる
2006年2月の問題 110『正方形の回転』を解きながら考えたことを書きます。
問題では,周長3の‘大’正方形のまわりを周長2の‘小’正方形が回転することがテーマになっています。小は,もとの位置に戻るまでに,大のまわりを2.5回転(900゚回転)します。
このことは,周の長さの比が決まれば正方形でなくても成り立つ一般的な性質で,よくパズルに出題される次の <問> と同じ根っこの問題なのです。
<問> 固定された10円玉のまわりを別の10円玉が滑らずにもとの位置に戻るまで回転するとき,動く10 円玉は何回転するか?
<答> 2 回転 ( → <図1>)
このことは,2つの10円玉の両方が,接点の位置を変えずに滑らずに回転するときどちらも1回転することから,一方を固定すれば他方は2回転することになる,と納得することができます。 そして,このことは,2円の半径が異なる場合にも容易に拡張できるのです。 右 <図2> のように,半径Rの円Oのまわりを半径rの円O’が滑らずに回転することを考えます。2円の接点が角θ移動したとき,弧ABと弧 A’B は等長だから,
円O’の回転角は,φ+θ … A。
Bで θ=360°とすることにより, O’がOのまわりを1周するとき
さらに,このことは円のみならず,任意の凸図形で成り立つと思われます。
次の <図3> では,周12の正三角形のまわりを周8の円が転がり,<図4> はその逆で,周9の円のまわりを周6の正三角形が転がっています。どちらの場合も転がる図形は,1周する中で2.5回転(900゜回転)しています。 以上から,次が成り立ちそうです。
固定した周Lの凸図形Aのまわりを周lの凸図形Bが滑らずに1周するとき,Bは 回転する。 しかし,残念ながら私にはこのことの一般的な証明ができません。どなたか,エレガントな証明を与えていただけませんでしょうか。
NO.1579 2006.3.13. 水の流れ 糸かけ 皆さん、ここにベニヤ板があり、円周上に適当にn本の釘を打ちます。このn本の釘にもれなく糸で結び、どの糸も交わることのないように糸をかけていきます。ただし、逆向きにたどってかけた場合は同じと考えます。 例えば、釘が3本のときは、順に釘に番号をつけて、1→2→3 、1→3→2 、2→1→3 の3通りに糸かけができます。では、ここで問題です。
問題1:n=4のとき、何通りになるか。
問題2:n=5のとき、何通りになるか。
問題3:n=6のとき、何通りになるか。
問題4:一般に、n本の場合は、何通りになるか。
次に、円周上に等間隔にn本の釘を打ちます。このn本の釘にもれなく糸で結び、どの糸も交わることのないように糸をかけていきます。ただし、逆向きにたどってかけた場合は同じと考えます。 さらに、ベニヤ板を回転したり、裏返したりして同じ形の糸かけの場合は同じ種類と考えて、異なった形の糸かけが全部で何種類できるか考えます。例えば釘が3本のときは、1種類しかありません。ここから問題です。
問題5:n=4のとき、何種類になるか。
問題6:n=5のとき、何種類になるか。
問題7:n=6のとき、何種類になるか。
問題8:一般に、n本の場合は、何種類になるか。
作問にあたりヒントになった作品は 「糸かけ」 です。
注:この記事に関する投稿の掲載は、4月3日以降とします。
NO.1578 2006.3.13. teki 平方数の和と差(2) 問題3だけ、やってみました。一応、できますね。
2006= −12−22−32−42+52+62+72+82−92+102−112+122+132+142+152+162+172+182+192
使う数字の個数としては、多分これが最少かと思います。
問題1も考えてみました。
5=1+4
6=1−4+9
7=−1+4+9−16−25+36
8=−1−4−9−16+25−36+49
9=1+4+9−16−25+36
10=−1+4−9+16
問題2
1 任意の連続平方数4つで4を作ることができる。
n2−(n+1)2−(n+2)2+(n+3)2=4
2 1から4までは作ることができる。
上記1、2より全ての自然数を作ることができる。
要するに、1から4までが作れて、後の数は連続平方数4つで作った4を足せば 生成可能ということです。例えば
2=−1−4−9+16 から 6=1−4−9+16+25−36−49+64
3=−1+4 から 7=−1+4+9−16−25+36
・
・
・
という具合にできてしまうということです。
ただし、これは作成が可能であるという証明であって、最少個数で作る方法につい てはある程度試行錯誤が必要です。