Weekend Mathematicsコロキウム室1998.7〜12/NO.17


コロキウム室


NO.127     7/4   水の流れ    つり銭の問題(3)

問題の中で、500円玉を払うのをA,1000円玉を払うのをBとします。 釣り銭がないので、常にaの数がbの数より等しいか大きければよいのです。 これをaを→、bを↑と表せば、→がn個、 ↑ がn個を一列に並べる方法を考えます。

ここで、碁盤の目をした最短経路の問題に変化していきます。 分かり易くするために、求める数をK(n)とすると、 K(1)=1,K(2)=2,K(3)=5は図を書いて、分かるとします。
n=4のときを描きます。 図のような△ABCの最短経路の道筋がK(4)になります。

<考え方からの副産物>

K(4)を求めるのに、

  1. B1を通るとき、Aから B1を通り、△B1DBの最短経路K(3)の道筋
  2. B1を通らず、B2を通るとき、 △GHLの最短経路K(1)から、道路LB2を通り、 △B2EBの最短経路K(2)の道筋
  3. B1、B2を通らず、B3を通るとき、 △GIMの最短経路K(2)から、道路MB3を通り、 △B3FBの最短経路K(1)の道筋
  4. 最後に、B1,B2、B3を通らず、 Bに行く場合は△GCFの最短経路K(3)に等しい。

よって、K(4)= K(3)+K(1)K(2)+K(2)K(1)+ K(3)
              =5+1×2+2×1+5=14 になります。
これは、一般に K(0)=1と決めておけば、
K(n)=K(0)K(n−1)+K(1)K(n−2)+K(2)K(n−3) +・・・+K(n−1)K(0)
という、漸化式が成り立ちます。

また、こんな数え方(書き込み方式)もできます。

 
               14B 
                  ↑             
              5→14F          
              ↑  ↑
          2→5→9E          
      ↑ ↑  ↑
   1→2→3→4D          
      ↑  ↑  ↑  ↑
  A→1→1→1→1C

さらに、斜めの線に関しての対称性に気がつけば、
K(4)= 1×1+3×3+2×2=14
K(5)= 1×1+4×4+5×5=42
K(6)= 1×1+5×5+9×9+5×5=132
したがって、カタラン数K(n)は何個かの平方数の和でできています。

さて、本題に入ります。n=4で描きます。

□DACBの最短経路の道筋は、階乗の記号を使えば、
(4+4)!÷(4!×4!)=70 通り あります。
ここから、対角線ABと交わる経路が不適ですから、 この不適な経路を求めます。
例えば、図の太線の経路は不適ですが、 これを直線T1T4について対称移動します。
ただし、直線T1T4に始めて出会った点から 後の部分のみを対称に曲げて図の太い波線を考えると、 全ての不適な経路は□AEFGの最短経路の数に等しくなります。
これは、 (5+3)!÷(5!×3!)=56 通りとなり、 求めるカタラン数K(4)は、
K(4) = =70−56=14 になります。
一般に、
K(n) =2n2nn−12n÷(n+1) となります。

そこで、また、問題です。 次の台形ABCDの最短経路は何通りありますか。

 




 

NO.128     7/8   水の流れ    ジョギングの問題(1)

私は日曜日の朝、いつの9kmの道のりをジョギングしています。 出発点で時速6km、到着点では時速3kmに減少していて、 健康のために、いつも途中の時速は、歩いた距離の1次関数となる ようにしています。私のジョギング時間は果たして何時間でしょう。




 

NO.129     7/12   Junko     ジョギングの問題(2)








 
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