Weekend Mathematicsコロキウム室/NO.142

コロキウム室



NO.1211 2002.5.7.夜ふかしのつらいおじさん相加相乗平均不等式(2)

僕が知っている数学的帰納法による説明を紹介します。
まず、K=2のときは省略します。

次に、K=2kの場合です。 これは、原理的な説明で理解してもらえると思います。
例えば、k=3のときは、(K=8)


つまり、2つの場合をk重に使えばできます。
これでいくらでも大きな数(2k の形)で成立することがいえました。

次に、Kで成立するとします。つまり、



ここで、とおきます。

(K-1)個の相加平均とおくのです。そこで左辺を整理すると、


これと右辺とを比較して


両辺をK乗すると


aK を約すと


そこで両辺の(K-1)乗根をとると


aK は(K-1)個の相加平均とおいているので1つ小さい値で成立します。これ を繰り返して2kー1と2k の間を埋めることができるので説明ができたこと になります。



NO.1212 2002.5.9.おっくん循環小数(1)

有理数で疑問に思うことなんですが、よければ返答くださいませ!!

疑問点
小数で表示したとき、周期が5となる有理数と一般に周期がn(∞) となる有理数は存在するのでしょうか??



NO.1213 2002.5.9.Junko循環小数(2)

周期が5の無限小数については、適当に5桁の数(ただし5桁とも同じ数字はだめ) を99999で割ればできると思います。
仮に、0<a<1で、周期5の循環小数「a=0.ABCDEABCDEABCDE・・・・」を考えます。
桁数を5桁ずらすために100000倍したものから、元の数aを引きます。

100000×a=ABCDE.ABCDEABCDEABCDE・・・
a=0.ABCDEABCDEABCDE・・・
99999×a=ABCDE

a=ABCDE/99999
可能ならば約分をしてください。

同様に、周期nの無限小数も作ることができます。 n桁の数(これ自身が周期的なものはだめです。)を999・・・999(n個)で 割ればOKです。可能ならば約分をしてください。

周期が∞の無限小数というのは、周期が存在しないということですから、無理数とい うことになるのではないかと思います。



NO.1214 2002.5.14.BossF正96角形(3)

[補題]
半径1の円に内接する正n角形の1辺が a ならば、
半径1の円に内接する正2n角形の1辺は

   (1+a/2)1/2-(1-a/2)1/2

[証明]
半径1の円O に内接する正n角形Nの各頂点に Oから半径を下ろすとNはn個の二等辺三角形に分割され そのひとつを、△OABとし、 OからABに下ろした垂線の足をH 更に、OHと、円Oの交点をMとすると 三平方より

   OM={1-a2/4}1/2

したがって、

HM2=[1-{1-a2/4}1/2]2
=2-a2/4+2{1-a2/4}1/2

だから

AM=(AH2+HM2)1/2
=[a2/4+2-a2/4+2{1-a2/4}1/2]1/2
={2-2(1-a2/4)1/2}1/2
=(1+a/2)1/2-(1-a/2)1/2  ■

[問い1]〜[問い4]
半径1の円に内接する正6角形の1辺は1だから
補題より
正12角形の一辺は(61/2-21/2)/2

以下同様なので略

[問い5]
補題の証明に用いた△OABで考える
∠AOB=2π/n だから
∠AOH=π/n
∴AB=2AH=2sin(π/n) …答

[問い6]
問い5より、半径1の円に内接する正n角形の周L は
L=2nsin(π/n)=2π x {sin(π/n)}/(π/n)
ここで n→∞ の時 π/n→0 だから、{sin(π/n)}/(π/n)→1
よって L→2π …答




NO.1215 2002.5.15.yokodon相加相乗平均不等式(3)

一部修正 5/19 10:00

前回、後回しにした“log(x) の凸性”を用いる証明をご紹介します。
3段階に分けますね。

(1)凸関数に関する定理
区間 [a, b] 上で以下の不等式を満たす連続関数 f を凸関数といいます (流儀によって符号が違う場合もありますが、ここでは xy 平面上で上に凸なグラフを描く場 合を考えます)。

   f(a(1-t)+bt) ≧ (1-t)・f(a) + t・f(b) ・・・[1]

但し 0 ≦ t ≦ 1 であり、等号は t = 0, 1 の時のみ成り立つ。

ここで、関数 f が [a, b] 上で2回微分可能で、且つ同区間上にて f'' < 0 の とき [1] が成り立つことを示すことが出来ます。その証明は、

   F(t) =([1] の左辺)-([1] の右辺)

とおいて、


などを示せば可能です。

(2)log(x) が凸関数であること
{log(x)}'' = -1/x2 ですから、log(x) が(1)の凸関数の条件を満たすことは 明らかです。

(3)不等式の証明
ここで、2以上の自然数 n に関して、相加相乗平均不等式が成り立つことを示す 準備が出来ました。

n = 2 の場合は、[1] で f(x) = log(x) として

   a = a1 、b = a2 、t = 1/2

におけば主張は成り立ちます(等号成立は a = b の場合のみ)。

n = m で求める不等式が成り立つとすると、



ここで、[1] において

a = am+1


にとると、[1] の左辺の f の引数が



になることに注意して、



を得ます(第2の不等式は帰納法の仮定 [2] から)。
これから、n = m+1 でも求め る不等式が成り立つことが言えます(等号成立条件は、やはり a = b から帰納的に 全ての ak , k =1,2,...,m+1 が等しい場合のみ)。
よって、数学的帰納法から、主張は成り立ちます。



NO.1216 2002.5.18.水の流れ一列に手をつなぐ(1)

第98回数学的な応募問題

太郎さんは前日、「地球に優しく」という環境をテーマにしたテレビ番組を観ていると、 何人かの人々が一列に手をつないでいる光景をみました。 大勢の人ですから、途中で先に何人かの人が手をつないで、 次に左隣りの人と手をつないでから、右隣りの一列のグループと手をつないでいました。 ここで、n人が一列に手をつなぐ方法が知りたくなりました。人は区別しません。
例えば、1人ですと、当然相手がいませんが、便宜的に1通りとしましょう。 2人だと、1−2とつなぎますから、これも1通りです。 3人だと、1−2とつないで3とつなぐ場合と、2−3と先につないだ後、 左から1とつなぐ場合がありますから、計2通りあります。

ここで、問題です。ただし、人と人が手をつなぐ場合は2人として、 同時に3人以上は考えないでください。

問1.n=4のとき、手をつなぐ順序は何通りか。

問2.n=5のとき、手をつなぐ順序は何通りか。

問3.一般に、n人のとき、手をつなぐ順序は何通りか。




NO.1217 2002.5.21.月の光開平方(1)

整数の平方根を電卓でなく手で計算したいのですが、やり方を忘れてし まったので教えていただけないでしょうか。



NO.1218 2002.5.22.BossF開平方(2)

とても,メールでは,かけない(私の能力では…)ので、 紹介されているページを検索しました。

開平計算のやり方(PDF)

開平は高校で習ったんですが,そのとき一緒に、開立も習ったと思うんですが(本で 読んだのかも・・)こちらはすっかり忘れてしまいました。ご存知の方がいらっしゃっ いましたら、お教えださい。



NO.1219 2002.5.23.水の流れ一列に手をつなぐ(2)

一部解釈の違いで異なる解答が出ています。 混乱を招く不手際をお許しください。今から修正します。
だから、こう解釈したから、この答えになるというものでもかまいません。
作問者の意図は「同時に二人またはグループで手をつなぐ組があった場合は1つと考えてください。 例えば 4人のとき (1−2)−(3−4)とつなぐ場合は1つと数えてください。」



NO.1220 2002.5.25.BossF一列に手をつなぐ(3)

n人が、手をつなぐ順序を f(n) とする

(i)f(1)=1

(ii)n≧2 の時
最後には、必ず、二つのグループの端同士が手をつなぐから、



@はカタラン数であることを示す

…A

A式は n=1 でも成立
よって一般にn人の時 手をつなぐ順序は, 通り ■

「カタラン数」







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