Weekend Mathematicsコロキウム室/NO.125

コロキウム室



NO.1064 2001.10.11.BossF素因数分解を一部用いて定義される数列(2)

1.まず n=b・2a なら、2n=b・2a+1だから、
f(2n)=f(n) i.e. {f(n)/n}/2=f(2n)/(2n)…@
また、f(2n+1)=2n+1だから、f(2n+1)/(2n+1)=1…A
であることに注意する。

@Aより



よって題意は示された■

2.与えられた漸化式を解くことにより a(j)=2j-1
ここで、S(1)=1に注意して、
S(2p)=S(p)/2+pを繰り返し用いることにより

S(2n)=1/2(1/2(…1/2(1/2(1/2S(1)+1)+2)+4)…)+2n-2)+2n-1
=1/2n +1/2n-1+2/2n-2+22/2+…+2n-2/2+2n-1
=1/2n +1/2n-1{1+22+24+…22(n-2)}+2n-1
=1/2n +1/2n-1[{(22)n-1-1}/(22-1)]+2n-1
=…=2n+1/3+1/(3・2n)

∴S(aj)=S(2j-1)-f(2j)/2j
=2j+1/3+1/(3・2j)-1/2j
=2/3・(2j-2-j)…答

PSその2.問題文にbが奇数であることを明記したほうがいいですね.
例えば12=2x6=2x3でどちらをとるかは、明示されてません。



NO.1065 2001.10.17.yokodon素因数分解を一部用いて定義される数列(3)

an の一般項に関しては、漸化式から an = 2n - 1 。
また、an の漸化式と(1)の結果から、
S(an+1) = S(2an + 1)
= S(2an) + 1
= 1/2・S(an) + an + 1

従って、 S(an+1) = 1/2・S(an) + 2n
(∵ an の一般項)が成り立つ。
これを、S(a1) = 1 の下で解いて、以下を得る。
S(an) = 2/3・(2n - 2-n)



NO.1066 2001.10.17.yokodon正三角形の内部を動く線分(1)

模試シリーズ6

a は √3< a < 2 を満たす定数とする。
一辺の長さが2の正三角形ABCの辺AB、辺AC上(但し、端点を除く)にそれ ぞれ点P、点Qがあり、PQ= a を満たしながら動くものとする。
三角形APQの面積の取りうる値の範囲を、a を用いて表せ。



NO.1067 2001.10.18.BossF正三角形の内部を動く線分(2)

AP=p , AQ=q とおく、
まず余弦定理より 
a2=p2+q2-2pq・cos60°=p2+q2-pq
∴(p-q)2+pq=a2, i.e. pq=a2-(p-q)2
したがって pq≦a2
また p or q →0 で pq→0 はあきらか
よって 0<pq≦a2

さて
△APQ=pq・sin60°x1/2=(√3/4)pqだから

△APQ≦(√3/4)a2 (等号はAP=AQの時)…答





NO.1068 2001.10.19.水の流れ極大値と極小値の差(1)

第85回数学的な応募問題

今、太郎さんは学校で微分法・積分法を教えています。 使用している補助教材の中にこんな問題がありました。

「xの3次関数 f(x)=ax+bx+cx+d (a>0) がx=αで極大値をとり、x=βで極小値をもつとき、極大値と極小値の差をα、βで表せ。」

問題1.導関数f′(x)=0が異なる2つの実数解を持ち、 その解がα、βであることを利用して解いてください。

問題2.関数f(x)を微分すると、f′(x)ですが、逆に、


であることを利用しても解けます。



NO.1069 2001.10.21.やなせ魔法陣(4)

魔方陣データベース を見てみると 奇数の魔法陣はmagicと田森方式と同一のアルゴリズム・・ むっむつかしい〜〜なんたらかんたらですが その解答を見ているうちに有る法則(これをアルゴリズムってか?)を 発見しました。

172341011
24561218
17131925
81420212
15162239

5マスの魔法陣で説明します。
まず1の位置ですが、左端の列の真ん中 2はその反対側橋の列で1より一段したの所 ここまでは奇数マス目の魔法陣ならどれも同じです。 次の3からですが、2から斜め左下に端まで順次”3”数字を入れていきます。 (いけない場合、升目が3の時だけは、一番上の列で2の位置より 一つだけ左側へ) 一番下の段まで行ったら、次の数字”4”は一番上の段の”3”より一つだけ左に そこから左斜め下に連続した空マスを順次埋めていきます。 *左端まで入るときはそのままで、途中で空マスが切れた場合は(今回は”5”を入 れた段階で ”1”に当たるので)そこから右の位置へ一個だけ移動して”6”を入れます そこから又左斜め下へ順次数字を入れます。 左端まで入ったときは、”1”と”2”の時のように右端で前の数字より一段したの 所に この時に左一番下に行ったときは、次の数字は右側に 次の数字は、またしても一番上の一つ左側へ、これの繰り返しで 奇数の魔法陣は解けます。スラスラと書き込んでいけばかっこいいですよね 女の子モテモテになったりして、もう手遅れか(爆笑)
その上にこれの上下、左右反対の奴も応用すれば、 私が前に送った解答と一部重複するかもしれませんが 同じ升目の奇数魔法陣でも8種類の解答が・・・ 何か説明不足で済みません。自分では納得して居るんですが(笑)
ちなみにこのHPにある7の魔法陣を並べておきます

3038465132122
3947614152331
487816243240
191725334149
1018263442432
1927353644311
2829374541220




NO.1070 2001.10.21.BossF極大値と極小値の差(2)

問題1
f ’(x)=3ax2+2bx+c…@ であるから、
解と係数の関係より
α+β=-2b/3a,αβ=c/3a…A
さて

f(α)-f(β)
=a(α33)+b(α22)+c(α-β)
=a(α-β){α2+αβ+β2+(b/a)(α+β)+(c/a)}
=a(α-β){α2+αβ+β2+(-3/2)(α+β)2+3αβ}(∵A)
=(a/2)(β-α)3 …答

問題2
[解] まず一般に


であることに注意する。 さて






NO.1071 2001.10.22.浜田 明巳正三角形の内部を動く線分(3)

AP=x,AQ=yとする.
△APQにおいて,余弦定理から,
PQ2=AP2+AQ2−2・AP・AQ・cos∠PAQ
∴a2=x2+y2−xy………(1)
この方程式で表されるグラフを,原点を中心にしてθ回転させる.
この回転を表す式は,
  x'=xcosθ−ysinθ,y'=xsinθ+ycosθ
であるから,
  x=x'cosθ+y'sinθ,y=−x'sinθ+y'cosθ
となる.
(1)に代入すると,
  a2=(x'cosθ+y'sinθ)2+(−x'sinθ+y'cosθ)2−(x'cosθ+y'sinθ)(−x'sinθ+y'cosθ)
  ∴x'2(1+sin2θ/2)+y'2(1−sin2θ/2)−x'y'cos2θ=a2
cos2θ=0とする為には,θ=π/4とすればよい.
このとき,
  3x'2/2+y'2/2=a2
  ∴x'2/(2a2/3)+y'2/(2a2)=1
 (x',y')を(x,y)にかえると,
  x2/(2a2/3)+y2/(2a2)=1………(2)
これを表すグラフは図1である.

図1

つまり(1)の表すグラフは,図1のグラフを原点を中心にして−π/4回転したものの, x>0,y>0の部分である.つまり図2となる.

図2


ここで,
△APQ=1/2・AP・AQ・sin∠PAQ=√3/4・xy
つまりxyの値の√3/4倍が△APQの面積であるので,xyの値の範囲を求めればよい.
xy=k(>0)とすると,これはx軸,y軸を漸近線とする直角双曲線である.
図2から,xy=kが最大となるのは,この双曲線が点(a,a)を通る(接する)ときであるので, このとき,
  k=a2
つまり,kの値の範囲は,
  0<k≦a2
であるので,求める答は,
  0<△APQ≦√3/4・a2
である.



NO.1072 2001.10.24.水の流れ極大値と極小値の差(3)

コロキウム室 No.1068

10月23日に「浜田」さんから訂正のご指摘を受け取りました。次のようにします。

「xの3次関数 f(x)=ax+bx+cx+d (a>0) がx=αで極大値をとり、x=βで極小値をもつとき、 極大値と極小値の差を,a、α、βで表せ。」

問題1.導関数f′(x)=0が異なる2つの実数解を持ち、 その解がα、βであることを利用して解いてください。

問題2.関数f(x)を微分すると、f′(x)ですが、逆に、


であることを利用しても解けます。



NO.1073 2001.10.24.yokodon正三角形の内部を動く線分(4)

No.1067 の解答ですが、 余弦定理から p , q の条件式を出すところまでは良いのですが、問題はその後です。
ここでは簡単のため、点P、Qが辺の両端も含めて動くものとしましょう(題意と は違いますが)。
このもとで、p, q は共に 0 ≦ p,q ≦ 2 の範囲を動きますが、0 と 2 のあいだ の全ての実数をとれるかどうかは自明ではありません。 実際、本問の場合、√3 < a< 2 の仮定があるので、 p , q は 0 ≦ p,q ≦ 2 の範囲を連続に動けません。
このことを、図で考えてみましょう。

考え得る状況は、以下の3つです。
(i) 0 ≦ p,q ≦ 1
(ii) 0 ≦ p ≦ 1 < q ≦ 2 、又は 0 ≦ q ≦ 1 < p ≦ 2
(iii) 1 < p,q ≦ 2

(i)の場合は、a の条件から不可能です。


(ii)の二つの場合は、辺BCの中線に関して対称移動すれば本質的に同じ状況を 表すので、前者で考えます。
三角形ABCの辺AB、辺ACの中点をそれぞれM、Nとします。このとき、点P は線分AM上、点Qは線分NC上にあります。点Pが点Aと一致するとき、CQ=2 - a ですね。ここで、点Pを点Bの方向に動かしてみると、点Aが点Mに至らないう ちに、点Qは点Cに到着してしまい、そこで線分PQはつっかえてしまいます。


(iii)の場合は、…コレが最も思いつきやすいと思われますが…、当初点Pが点 Bに一致していたとき、点Qは線分CQ上にありますね。そこから点Pを点Aの方向 に動かすと、あるところで線分PQは辺BCに平行になります。そこから更に動かす と、あるところまで点Pが来たときに、点Qは点Cに一致してしまい、そこでつっか えてしまいます。
例えば、a = 11/6 等として、実際に実験なさってみると、状況が分かりやすいと 思います。








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