Weekend Mathematics/コロキウム室/NO.113
NO.953 | 2001.5.1. | 水の流れ | 最大数の確保(3) |
F(n,k)を三角形状に書いてみると、
(n k) |
0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
・・・ |
計 |
1 |
1 |
1 |
||||||
2 |
1 |
1 |
2 |
|||||
3 |
2 |
3 |
1 |
6 |
||||
4 |
6 |
11 |
6 |
1 |
24 |
|||
5 |
24 |
50 |
35 |
10 |
1 |
120 |
||
6 |
120 |
274 |
225 |
85 |
15 |
1 |
720 |
|
・・・ |
皆さん!この配列された数列をよく見ると、何かを思い出します。
それは、多項式:x(x+1)(x+2)(x+3)(x+4)・・・(x+n−1)を展開したときの係数です。
さらに、この係数は、第1種スターリング数にもなっています。
また、次のような性質を持っています。
F(n,1)=(n-1)!
F(n,n-1)=1
F(n,0)+F(n,1)+・・・+F(n,n-1)=n!
問題5については、
(T)最後の札がnであるとき:このときは、最後に必ず入れ換えをすることになるから、
k回の入れ換えが起きるための条件は、最後のnの札を除くn−1枚について、
k−1回の入れ換えが起きることになる。
(U)最後の札がnでないとき:このときは、最後の札で入れ換えは起きないから、
k回の入れ換えが起きるための条件は、
最後の札を除くn−1枚について、k回の入れ換えが起きることである。
よって、 F(n,k)=F(n−1,k−1)+(n−1)×F(n−1,k)
実は、この漸化式が、第1種スターリング数の漸化式にもなっています。
問題6:期待値の関係は、漸化式を用いて、E(n)=E(n―1)+1/nがでてきます。
後は、E(n)=1/2+1/3+1/4+・・・+1/n になることは容易です。
出題の意図は、第1種スターリング数に魅力を感じたからです。
NO.954 | 2001.5.1. | 水の流れ | 当たりくじ(1) |
太郎さんは、ときどき大学入試問題を見ています。
過去の東海大学の入試問題を参考にして出題します。
第1の箱、第2の箱、第3の箱、・・・、第nの箱と全部でn個の箱があります。
どの箱にもn本のくじが入っていて、当たりくじの本数は第k個の箱にはk本ある。
(k=1,2,3,・・・,n)
さて、(1)今、これらn個の箱から無作為に1個の箱を選び、
その箱からくじを無作為に1本取り出して、
くじを元の箱のもどしてまた同じ箱でさらに1本くじを引いたとき、
問題1:少なくとも1本当たりくじを引く確率を求めよ。
問題2:箱が無限に多くあったとき、少なくとも1本当たりくじを引く確率の極限値を求めよ。
また、(2)これらn個の箱から無作為に2個の箱を選び、
それらの箱から1本ずつくじを引きとき、
問題3:少なくとも1本当たりくじを引く確率を求めよ。
問題4:箱が無限に多くあったとき、少なくとも1本当たりくじを引く確率の極限値を求めよ。
NO.955 | 2001.5.1. | 水の流れ | 和集合の要素の個数(3) |
包含と排除の原理
集合Sの中の部分集合をS(ai)と書き、その要素の個数をN(ai)とする。
また、集合S(ai)の補集合をS(ai)と書き、その要素の個数をN(ai)とする。
さらに、集合S(ai)と集合S(ak)との共通部分をS(aiak)と書き、
その要素の個数をN(aiak)とする。
ただし、i,k=1,2,3,・・・,nで、i≠kとする。
ここで、n=1のとき、全体集合Sの要素の個数N(S)をNとすると、
N=N(a1)+N(a1)より、N(a1)=N−N(a1)・・・@
n=2のときは、
N=N(a1a2)+N(a1a2)+N(a1a2)+N(a1a2)
したがって、
N(a1a2) | =N−N(a1a2)−N(a1a2)−N(a1a2) |
=N−{N(a1a2)+N(a1a2)}−{N(a1a2)+N(a1a2)}+N(a1a2) | |
=N−N(a1)−N(a2)+N(a1a2)・・・A |
さて、n=3のときは、
N= | N(a1a2a3)+N(a1a2a3)+N(a1a2a3)+N(a1a2a3) |
+N(a1a2a3)+N(a1a2a3)+N(a1a2a3)+N(a1a2a3) |
この関係式を整理すれば良いのだが、3個の場合は容易ではない。
n=2のときの包除の原理の関係式Aを利用して、導くことにする。
Aの式で、全体集合Sの代わりにすでに、集合S(a3)について同じような関係式を作る。
N(a1a2a3)=N(a3)−N(a1a3)−N(a2a3)+N(a1a2a3)
したがって、
N(a1a2a3) | =N(a1a2)−N(a1a2a3) |
={N−N(a1)−N(a2)+N(a1a2)} −{N(a3)−N(a1a3)−N(a2a3)+N(a1a2a3)} | |
=N−N(a1)−N(a2)−N(a3) +N(a1a2)+N(a1a3)+N(a2a3)−N(a1a2a3)・・・B |
次に、n個の集合の場合にも一般化した関係式を考えることができる。
その証明方法は、上にAからBを導いた同じ変形で、数学的帰納法できる。
では、一般の包除の原理は、
N(a1a2・・・an) | = | N−N(a1)−N(a2)−・・・−N(an) |
+N(a1a2)+N(a1a3)+・・・+N(an−1an) | ||
・・・・・・+(−1)nN(a1a2・・・an) | ||
= |
<証明>
自然数nに関して、数学的帰納法で証明します。
n=1のときは、@より証明済み
n=kのとき、上の関係式が成り立つと仮定する。
すると、全体集合Sの中で、k個の部分集合に関して、次の関係式が成立する。
N(a1a2・・・ak) | = | N−N(a1)−N(a2)−・・・−N(ak) |
+N(a1a2)+N(a1a3)+・・・+N(ak−1ak) | ||
・・・・・・+(−1)kN(a1a2・・・ak)・・・C |
ここで、部分集合S(ak+1)に対する同じ関係式を作ると
N(a1a2・・・akak+1) | = | N(ak+1)−N(a1ak+1)−N(a2ak+1) −・・・−N(akak+1) |
+N(a1a2ak+1)+N(a1a3ak+1)+・・・+N(ak−1akak+1) | ||
・・・・・・+(−1)kN(a1a2・・・akak+1)・・・D |
そして、N(a1a2・・・akak+1)をC−Dから作ると、
N(a1a2・・・akak+1) | = | N(a1a2・・・ak) −N(a1a2・・・akak+1) |
= | N−N(a1)−N(a2)−・・・−N(ak) | |
+N(a1a2)+N(a1a3)+・・・+N(ak−1ak) | ||
・・・・・・+(−1)kN(a1a2・・・ak) | ||
−{N(ak+1)−N(a1ak+1)−N(a2ak+1)−・・・−N(akak+1) | ||
+N(a1a2ak+1)+N(a1a3ak+1)+・・・+N(ak−1akak+1) | ||
・・・・・・+(−1)kN(a1a2・・・akak+1)} | ||
= | N−N(a1)−N(a2)−・・・−N(ak+1) | |
+N(a1a2)+N(a1a3)+・・・+N(akak+1) | ||
・・・+(−1)k+1N(a1a2・・・akak+1)
|
すなわち、n=k+1の場合にも成立しているを示しているので、数学的帰納法よりすべての自然数nについて、この定理は成り立つ。
この式は見た目より記憶しやすくなっていますから、覚え易いです。
【参考】
自然数N=(p1n1) (p2n2)・・・(prnr)
(ただし、p1≠p2≠…≠pr)と因数分解できたとき、1からNまでの範囲で、
Nと互いに素の数の個数φ(N)(オイラー関数)は、
φ(N)=N(1−1/p1)(1−1/p2)・・・(1−1/pr)
で表される。この証明に、先ほどの包除の原理が利用できる。
NO.956 | 2001.5.1. | 水の流れ | 不合格者は何人?(1) |
太郎さんのクラスの人数は40人います。
国語、数学、英語の試験を実施した結果、国語の合格者は8人、
数学の合格者は12人、英語の合格者は10人で、3科目とも合格者は5人でした。
このとき、3科目とも不合格者は何人以上いるでしょうか。
NO.957 | 2001.5.1. | 水の流れ | 兄弟姉妹(1) |
実は、いつも悩んでいる問題があります。
50人のクラスで、男の兄弟がいる人は33人、姉妹がいる人は27人である。このとき、次の問に答えよ。
問題1:1人っ子は何人以下である。
問題2:男の兄弟、姉妹ともにいる人は何人以上いる。
問題3:男の兄弟だけがいる人は少なくとも何人、多くて何人までいる。
問題4:姉妹だけいる人は何人以下である。
NO.958 | 2001.5.1. | kiyo | 兄弟姉妹(2) |
問題1:1人っ子は何人以下である。
0人以上、16人以下。
問題2:男の兄弟、姉妹ともにいる人は何人以上いる。
10人以上、26人以下。
問題3:男の兄弟だけがいる人は少なくとも何人、多くて何人までいる。
7人以上、23人以下。
問題4:姉妹だけいる人は何人以下である。
1人以上、17人以下。
LET XMAX=0 LET XMINI=50 LET YMAX=0 LET YMINI=50 LET ZMAX=0 LET ZMINI=50 LET SMAX=0 LET SMINI=50 FOR X=0 TO 33 FOR Z=0 TO 27 FOR Y=0 TO 27 IF X>0 AND Z>0 THEN FOR S=0 TO 50 LET XY=X+Y IF XY=33 THEN LET YZ=Y+Z IF YZ=27 THEN LET T=X+Y+Z+S IF T=50 THEN IF XXMAX THEN LET XMAX=X END IF IF Y YMAX THEN LET YMAX=Y END IF IF Z ZMAX THEN LET ZMAX=Z EN D IF IF S SMAX THEN LET SMAX=S END IF END IF END IF END IF NEXT S END IF NEXT Y NEXT Z NEXT X PRINT XMINI;XMAX PRINT YMINI;YMAX PRINT ZMINI;ZMAX PRINT SMINI;SMAX END
NO.959 | 2001.5.1. | kiyo | 不合格者は何人?(2) |
20人以上、 27人以下。
LET HMINI=40 LET HMAX=0 FOR A=0 TO 7 FOR B=0 TO 5 FOR C=0 TO 3 FOR D=0 TO 7 FOR E=0 TO 7 FOR F=0 TO 3 FOR G=5 TO 5 FOR H=0 TO 40 LET T=A+B+C+D+E+F+G+H IF T=40 THEN LET MA=A+D+E+G IF MA=12 THEN LET EN=B+E+F+G IF EN=10 THEN LET JA=C+D+F+G IF JA=8 THEN IF HHMAX THEN LET HMAX=H END IF END IF END IF END IF END IF NEXT H NEXT G NEXT F NEXT E NEXT D NEXT C NEXT B NEXT A PRINT HMINI;HMAX END
NO.960 | 2001.5.2. | Junko | 当たりくじ(2) |
(1)問題1,2
どの箱を選ぶか、確率は1/nです。
k番目の箱を選んだとして、2本ともはずれの確率は、{(n-k)/n}2
従って、求める確率をP(n)とすると、
または、区分求積を用いて、
NO.961 | 2001.5.2. | 与一 | 4桁の数字(1) |
ABCD×4=DCBAとなる4桁の数字がある。この4桁の数字を求めよ。
NO.962 | 2001.5.2. | けんたん | 5×5の魔法陣 |
私が最近悩んでいる問題があります。魔法陣のことです。3×3の魔法陣は論
理的に作れるのに、5×5がどうしても作れません。よそのホームページで作り方を
教えてもらいましたが、どうしてその過程になるのかがわかりません。