Weekend Mathematics/コロキウム室/NO.111
NO.938 | 2001.3.1. | 水の流れ | 3の倍数(3) |
3で割った余りで、分類します。
A0={3,6,9},A1={1,4,7},
A2={2,5,8}とおくと,3で割った余りが0,1,2であるものが同数です。
k=2の場合を説明します。
任意の1つの整数を取り出し、それがたとえば25だとします。
この25から出発して
各位の数字を1つずつ大きくする(ただし、9→1)ことを繰り返すと、
25→36→47→58→69→71→82→93→14→25
となり、最初の25に戻る。25を含めて9個の整数が得られる。
これら9個を1つのグループと考えると、
9P2個の2桁の整数は、
9P2÷9=8個のグループに排反に分けられる。
さて、上のグループの場合、3で割った余りは
1→0→2→1→0→2→1→0→2→1 と「1,0,2の繰り返し」になりますが、
どのようなグループも「1,0,2の繰り返し」か「0,2,1の繰り返し」か
「2,1,0の繰り返し」となります。
上の青の操作により、9で割った余りは2ずつ大きくなり、3で割った余りも2ずつ大きくなる。
ということで、k=2の場合は3で割った余りが0,1,2のものが同数となるわけです。
この考え方からわかるように、kが3と互いに素ならば、“同数”がいえて、
求める確率は1/3となる。
k=3,6場合は、3の余りを考えて組み合わせてください。
k=9のときは、
各位の和が1+2+3+・・・+8+9=45で3の倍数ですから、
当然、全部3で割り切れる。確率は1。
次に、問題5についても、最初に3枚のカードを取り出して、それぞれに1を加えていくと、
14個目に戻ってしまう。
同じような考えで、最初に取り出したカードの数の和をnとすると、
n,n+3,n+6,n+9,n+12,n+15,n+18,n+21,
n+24,n+27,n+30,n+33,n+36 の13個の数を13で割った余りはすべて異なり、
0から12の13通りある。この証明は、背理法でおこなう必要があるが。
よって、和が13の倍数となるような3枚の取り出し方は、
すべての取り出し方の1/13である。したがって、その確率は、1/13となる。
NO.939 | 2001.3.2. | 月の光 | 円と接線 |
半径r1とr2(r1<r2)の同心円
O1とO2をかく。O2上の点P0から
O1に接線を一本引き、接線とP0でない方のO2の交点をP1とする。
次にP1からO1に別の接線を引き、
O2との交点をP2とする。同じよう
にP3、P4・・・と点をとる。PnとP0が一致する時のr1とr2の比を
求めて下さい。どの接線も交わらない場合は正n角形の内接円と外接円
の半径の比になります。接線が交わる場合は歯車のような図形になります。
NO.940 | 2001.3.4. | 水の流れ | マグネット(1) |
太郎さんは、問題を説明するときに、教材としてときどきマグネットを使用します。
今、赤、白、青それぞれn個、計3n個のマグネットを準備しています。
このマグネットを全部使って、1列に並べたいと思っています。
ただし、隣り合うマグネットの色は異なるとし、左右は区別するものとします。
ここで、問題です。
問題1:n=1のとき、このような並べ方は何通りあるか。
問題2:n=2のとき、このような並べ方は何通りあるか。
問題3:n=3のとき、このような並べ方は何通りあるか。
太郎さんはn=3までしか、答を知りません。
だから、一般に、nについての考え方を見いだしていません。どなたか教えてください。
NO.941 | 2001.3.18. | 水の流れ | 余弦のn倍角 |
太郎さんは、先日、教科書「数学U」にある「三角関数」で、加法定理から、
正弦、余弦、正接の2倍角の公式を導きました。
さらに、発展させて3倍角の公式をも紹介し、証明しました。
参考に、公式を書きておきます。正接は省略します。
【加法定理】
(1)sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβ
(2)sin(α−β)=sinαcosβ−cosαsinβ
(3)cos(α+β)=cosαcosβ−sinαsinβ
(4)cos(α−β)=cosαcosβ+sinαsinβ
【2倍角の公式】
(1)sin2α=2sinαcosα
(2)cos2α=2cos2α−1
【3倍角の公式】
(1)sin3α=3sinα−4sin3α=sinα(4cos2α−1)
(2)cos3α=4cos3α−3cosα
そこで、生徒から、「先生!では、4倍角、5倍角、・・・、の定理を教えてください」と、
嬉しい質問を受けました。
そのときは、「あるよ、でもあまり使わないからね、
加法定理や2倍角、3倍角を使って導くことはできます。
自分でやってチャレンジしておいてください。」とその場をやり過ごしましたが、気になっています。
太郎さんは、生徒の質問に答えねばなりません。太郎さんが高校生のときのノートを見ていたら、
【ド・モアブルの定理】が書きてありました。そこに、ヒントらしきものがありました。
(cosθ+isinθ)n=cos (nθ)+isin (nθ)
さらに、cos (nθ)を cosθ=xの多項式で表したn次式をTn(x)とします。
sin (nθ)を sinθ×{cosθ=xの多項式}=sinθ×Gn(x)とします。
では、問題です。
問題1:n=2のとき、T2(x)、G2(x)をxで表してください。
問題2:n=3のとき、T3(x)、G3(x)をxで表してください。
問題3:n=4のとき、T4(x)、G4(x)をxで表してください。
問題4:Tn(x)をTn−1(x)とGn−1(x)の漸化式で表してください。
問題5:Gn(x)をTn−1(x)とGn−1(x)の漸化式で表してください。
問題6:Tn(x)をTn−1(x)とTn−2(x)の漸化式で表してください。
問題7:Gn(x)をGn−1(x)とGn−2(x)の漸化式で表してください。
NO.942 | 2001.3.25. | 水の流れ | マグネット(2) |
まだ、規則性は分かっていませんが。
赤、白、青の3色は対称性があるので、左端に赤の場合を数えて3倍すれば良い。
さらに、左端に赤、白として6倍すれば良い。
解法の便利さを考えて、赤を1,白を2,青を3とします。
問題1の解答:n=1のとき、123と数えて、1通り。よって、すべての並び方は6通り。
問題2の解答:n=2のとき、
123123,123132,123231,123213,121323と数えて、5通り。
よって、すべての並び方は、6倍して、5×6=30通り。
問題3の解答:n=3のとき、
121231323で、1通り
121232313で、1通り
121312323で,1通り
121313232で,1通り
121321323で,1通り
121323(123)は(123)の並び方より4通り
123<・・・・・・>は <・・・・・・>を問題2と同じとみることができる。
ただし、最初の・は3がこれなくて、1または、2しかないので、20通りしかない。
以上から、最初を12としているので、これの6倍をすれば良い。
したがって、すべての並び方は、29×6=174通り
ここで、太郎さんは、思考を断念しています。
もう一度誰か、規則性を発見してくだされば、幸いです。